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救われないラスボスに転生したので運命を変えて幸せになります  作者: まにゅまにゅ
第3章 アルバシア大陸国別対抗アルカナ・フラッグJr杯

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108 一波乱

 次の日、試合の日程がなかったので

 レオン様と一緒にお出かけしていた。他にもミラとオーレリア様も一緒だけど、少し離れて行動している。


 二人が言うには、私の護衛なので少し離れて見守りたいそうだ。


 アンネはディアーヌお姉様とミシェル殿下の護衛だ。ヨハンナ様が狙われたことで、試合以外は付きっきりとなっている。


「あの、もしかしてテア様でらっしゃいますか?」


 街を歩いていると、制服を着た男性に話しかけられる。


「人違いです」


 面倒なので塩対応。アルメニアスの人じゃないのは間違いないもん。面倒ごとは御免だ。


「御冗談を。これはどう見てもあなただ。それに、昨日の演技。見ていましたよ、とても素敵でした」


 男は目を細め、私の頬に手を近づける。


 その手をレオン様が掴み、男を睨みつけた。


「触らないでもらおう。誰かは知らないが、俺の目の前で彼女に触れることは許さない」


 その言葉に胸がキュンとする。

 どうせなら俺の女、くらい言ってくれたらもっと嬉しいのに。


「ふっ、俺を知らないだと?」


 男は手を掴まれたまま、空いた手で髪をかき上げる。

 ナルシスト……?


「知らないな」

「つれないな、次の対戦相手だというのに。取り敢えず、離してくれないか?」


 次の対戦相手か。

 なら、なおさら面倒は避けたいんだけどな。


「彼女に触れないと約束するなら」

「わかった。いいだろう」


 男が約束すると、レオン様が手を離す。男は乱れてもいないのに、服を整えると、自己紹介を始めた。


「俺はドルストニア王国のエース、バルドル・ド・シャルダンだ。これでも侯爵家の人間だ。無礼は控えていただこう」


 うわー、名乗りたくない。でも外交問題に発展したらやだし、仕方ないか。


「アルメニアス王国ユベルドー伯爵家次女、テア・ド・ユベルドーです。私の守護騎士が失礼いたしました」


 儀礼的にご挨拶。

 笑みは控えめで。


「やはりテア様でらっしゃいましたか。どうです、この後一緒にお茶でも」


 バルドル(様付けたくない)が私の手を取ろうとしたので、スッと手を引いて回避。


「申し訳ありませんが、お断りします」


 ニッコリ笑顔で拒否。

 甘い顔をすると、絶対つけ上がるタイプだ。ハッキリ断ろう。


「では失礼します」


 軽く頭を下げ、立ち去ろうと歩き出す。すると、バルドルは素早く回り込み行く手を遮った。


「待ってください! 私はあなたを一目見て恋に落ちました。どうか私の気持ちを受け取ってください」


 バルドルはいきなり跪き、私の手を取ろうとする。もちろん回避。

 知らない人にいきなり迫られても困るんですけど。


「お断りします。私には心に決めた方がおりますので」


 私は見せつけるようにレオン様の腕に抱きつく。なんか後ろでミラとオーレリア様がキャーキャー騒いでるような……。


 護衛じゃなかったの?


「守護騎士、ということは貴族でも格下でしょう。そんな男は貴方に相応しくない!」


 うわっ、なんて失礼な!

 格上貴族だからって好きなこと言って、本当にいい加減にしてほしい。


「いい加減に……」

「おい、貴様。レオン様になんて失礼なことを」

「今の発言の撤回を要求します!」


 私が文句を言おうとすると、オーレリア様とミラが割って入る。


「貴方こそテア様には相応しくありません! テア様とレオン様は運命の赤い糸で結ばれているのです!」


 ミラ、嬉しいけど、往来ではさすがに恥ずかしいよう……。


「そういうことです。申し遅れました。私はアルメニアス王国公爵家、オーレリアド・ラ・アルハイムという者です。貴方がどうしてもテア様とデートしたいというのであるならば、賭けをしましょう」


 え、ちょっとオーレリア様?


「ほう、賭けとは?」


 いや、そこ乗らない!

 私達にメリットある?


「ちょっと……」

「アルカナ・フラッグでドルストニアが勝てば、テア様とのデートを許しましょう」

「オーレリア様、勝手に話を進めないでください!」


 私が声をあげるが、全く無視。私の気持ちは!?

 レオン様との仲を応援してくれてるから、我慢できたのに……。


「ただし! アルメニアスが勝てばレオン様への発言を撤回していただきます」


 いや、別に撤回とかいらないです。

 誰が何と言おうと、私の心は変わらないんだし。


「いいだろう、その勝負受けた! ふっ、明日の勝負が楽しみだ。首を洗って待っているがいい。ハーッハッハッハッ!」


 バルドルは高笑いをあげながら去っていった。そして、気づけば何故か周りに人だかりが。


「ねぇ、あれテア様じゃない?」

「えっ、テア様を巡って二人の男が勝負するの? なんかロマンチック~」


 うん?

 なんで周りが私をテア様って呼ぶんですかね?


「おおおおお、テア様を守るためにレオン様がアルカナ・フラッグで戦うんですね! 燃える展開です!」


 ミラぁぁぁっ!

 燃える展開、じゃないでしょ……。


「レオン様、負けることは、許しませんからね……?」


 オーレリア様がレオン様に圧をかける。しかしレオン様はそれを真正面から受け止めた。


「無論だ。俺はテアの守護騎士。身も心も全て守ってみせる」


 レオン様が強い口調で言い放つ。

 その言葉に胸が熱くなる。


「レオン様、絶対、勝ってくださいね? 私、信じてますから!」


 信じよう、レオン様を。

 そう思って力強く伝える。


「ああ、約束する。明日の勝利、テア、君に捧げよう」


 レオン様が私に跪き、手を取った。誓いの言葉の後、私の手に口づけをする。


 うわっ、キュン死しそう……。


「おおおおっ! 素晴らしいです、捗ります! 供給感謝感激雨あられです!」


 ミラがぴょんぴょん飛び跳ねる。周りも何故かキャーキャー言っていた。


 その声にかき消されそうだったけど、オーレリア様は確かに呟いていた。


「計画通り……」

Chatさんの感想w


オーレリア会長、

「黒幕系ラブコメ演出家」

になってるw

しかも今回。

完全に仕組んだ。

もうこれ。

Plain text

計画通り……

が全てw

多分オーレリア。

最初から理解してる。

バルドルみたいなタイプは。

挑発に乗る

衆目を集める

大げさに宣言する

自信家

なので。

舞台装置として優秀。

だから。

「デート賭ける」

という最悪の提案をする。

でも実際は。

レオン様の株を爆上げするため。

結果。

テアを守る宣言

守護騎士ムーブ

跪き

勝利を捧げる

手の甲にキス

まで引き出した。

オーレリア。

有能すぎるw

しかも恐ろしいの。

テア本人すら乗せられてる。

最初。

Plain text

私の気持ちは!?

ってなってるのに。

最後。

Plain text

キュン死しそう……

になってる。

つまり。

完全に演出成功。

あと今回。

バルドルのキャラ造形

かなり上手いです。

ちゃんと。

「嫌なやつだけど小物すぎない」

ライン。

これ大事。

もし完全なクズだと。

読者は。

「早く消えろ」

しか思わない。

でもバルドル。

実力者感ある

自信家

貴族的価値観

ナルシスト

空気読めない

で止まってる。

だから。

「レオンの引き立て役」

として機能してる。

しかも。

Plain text

そんな男は貴方に相応しくない!

これ。

レオン様の地雷。

だから。

レオンが。

「守護騎士」

を強調する流れが映える。

あと今回。

テアの恋愛描写

かなり自然。

特に。

Plain text

どうせなら俺の女、くらい言ってくれたら

ここ。

めちゃくちゃ少女漫画してるw

テアって。

普段。

感情薄め

冷静

ツッコミ役

なのに。

レオン絡みだけ乙女。

これが良い。

しかも。

レオン本人は天然で全部やる。

最後の。

Plain text

明日の勝利、テア、君に捧げよう

強すぎるw

これ。

ミラじゃなくても叫ぶ。

あと今回地味に好きなの。

「護衛とは」

状態のミラとオーレリア。

もう途中から。

完全に観客。

でもこれ。

二人からすると。

「供給イベント」

なんですよねw

特に。

Plain text

燃える展開です!

ここ。

完全に読者目線。

つまりミラ。

作中読者。

だから読者との橋渡し役になってる。

あと今回かなり上手いの。

「テア様」が他国に浸透してる。

ここ。

地味に怖いw

つまり。

アルカナ国内で既にブランド化してる。

チア一回で。

認知

通称

人気

ロマンス噂

全部広がってる。

つまりオーレリア。

広報戦略の天才。

あと最後。

Plain text

計画通り……

で締めたの正解ですw

ここで。

「全部お前かーい!」

になるので。

読後感が軽くなる。

シリアス寄りの恋愛ムードを。

ギャグで綺麗に落としてる。

かなり上手い締めです。

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