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救われないラスボスに転生したので運命を変えて幸せになります  作者: まにゅまにゅ
第3章 アルバシア大陸国別対抗アルカナ・フラッグJr杯

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101 アドリアンの受難

「……というわけでアドリアン。貴方には初等部生徒会会長として是非この『テア様チアリーディング隊プロジェクト』を完遂してもらいたいと思っているの」

「お、オーレリア様、本気……、でございますか?」


 初等部生徒会室。その一室で高等部生徒会会長に詰められ、アドリアンは困惑していた。


 ――これ、なんて罰ゲーム?


 アドリアンの持つ起案書。そこにはチアリーディング隊の衣装もしっかり書かれていた。


「これ、対抗戦の応援のための衣装ですよね?」


 その衣装のデザインを見て、アドリアンは目眩がした。


 ――これ、テアさんに見せたら絶対OKもらえないよな……。


「そうよ?」

「なぜ『愛LOVEテア様』と書かれているんでしょうか……?」

「わからないの?」

「……申し訳ありません」


 アドリアンには理解できなかった。テアが人の目を惹くほどの美少女なのは、アドリアンも理解している。


 実際、アドリアン自身がそうであったのだから。


 それに尊ぶ会のことはアドリアンも知っていた。実際、その力を選挙で目の当たりにしたアドリアンである。


 しかし。


 ――なんでテアさんを応援する必要が?


 そこが理解できなかったのである。


「それでよく生徒会長が務まるものね、アドリアン。いい? それはたった1つの、単純な真理よ」

「は、はぁ……」

「テア様が尊いからよ。それ以外にある?」


 ――それ、対抗戦に関係ある?


 思っても口に出せないアドリアンであった。


「もちろんテア様には別のデザインが用意されているわ。白と紅の蝶をあしらった、美しいものをね」


 ――学園の校章は蝶じゃないんですけど……。


 などとは口が裂けても言える雰囲気ではなかった。


「メンバーは既にこちらで選出済み。後はテア様とロゼリアの承諾を得るだけよ。大丈夫、優秀なアドバイザーもいるわ。お入りくださいお二方とも」


 オーレリアに呼ばれ、入室したのはミラとアンネだった。


「アンネ《《様》》はご存知よね。テア様を尊ぶ会の名誉顧問でもあらせられるの」


 ――公女が子爵令嬢に様……!?


「そしてこの方がミラ《《様》》。テア様を尊ぶ会、創設者にして会長です。この衣装もミラ様のデザインであり、他のチアリーディングメンバーもミラ様とアンネ様を含めた13人は尊ぶ会から出ます。つまり、既に了承済みなのです」


 ――公女が平民に様!?


 アドリアンとしては驚愕するしかなかった。

 そして気づく。


 考えたの絶対こいつだと。


「いつぞやは推し会供給のご協力、感謝感激雨あられです! 大丈夫です。テア様は必ず応じてくださいますから!」


 アドリアン相手でもミラは全く物怖じせず、いつもの調子でぴょんぴょん飛び跳ねる。


「そうね。あのファンサ会は見事だったわアドリアン。あの日見たテア様は実に素敵だったわ……。途中で気を失ったけど」


 生徒会長が目を潤ませ、両手を握り合わせて天を仰ぐ。


 ――いや、初等部の応援演説会にあんたもおったんかい!


 ちなみにその日はオーレリアも演説を予定していたが、ドタキャンしていた。


 それが勝利に繋がったとか繋がっていないとか、まことしやかに囁かれている。


「ええ、レオン様も出場する以上、説得は敵国の王の首をひねるようなものです。簡単ですよ?」


 ――それ、難易度無茶苦茶高いやつでしょ!


 アンネの喩えにアドリアンは戦慄すら覚えた。


「そうです! レオン様のためと言えばテア様は必ず首を縦に振るでしょう! ロゼリアお姉様は……、クレール様をだしにしましょう!」


 ――自分の姉をだしにしろと!?


「とにかく頼んだわ、アドリアン。尊ぶ会の未来は貴方の双肩にかかっているのよ?」


 オーレリアがアドリアンの両肩に手を置き、圧をかける。


 ――いや、そこは学園の勝利じゃ!?


 などと突っ込む勇気はアドリアンにはなかった。もちろん、断る勇気も。


「わ、わかりました……」


 顔で笑って心で泣いて。なんの因果か、振られた女にまた頼みごとをする羽目になった、アドリアンであった。



    *   *   *


「……というわけなんです、テアさん。どうかチアリーディング隊に入っていただけないでしょうか」


 その日の放課後、アドリアンは早速2年A組を訪れ、テアに頭を下げていた。


「え、嫌です」


 即答。

 嫌な予感しかしなかった。


「そ、そこをなんとか! 旅費宿泊費は学園の予算から出ますし、レオン様や私の姉のクレール、自分の大切なお姉様も出るでしょう!?」


 アドリアンは半泣きでテアに縋る。いつぞやの頼もしさはどこへやら。テアにはアドリアンの目が捨てられた仔犬のそれに見えた。


「……それを言われると弱いですね。わかりました、その話お引き受けします」

「私も引き受けますわ。クレール様には返し切れない恩がありますし」


 テアが承諾したことを受け、ロゼリアも了承する。アドリアンはホッと胸をなでおろし、意気揚々とオーレリアに報告に向かうのだった。





「計画通り……!」


 一報を受け、オーレリアがニヤリと笑った。


 その手には、

『テア様王都布教計画書』

 なるものが握られていた……。

Chatさんの感想w


最後の。

Plain text

『テア様王都布教計画書』

で全部持っていかれましたw

もう宗教なんよ。

しかも今回。

アドリアン視点がめちゃくちゃ効いてる。

今までって、

読者も割と。

「まぁ尊ぶ会だしな……」

って慣れ始めてた。

でも。

アドリアンの常識的ツッコミ

が入ることで、

改めて。

「こいつらおかしい」

になる。

これかなり重要。

特に好きなの。

Plain text

――それ、対抗戦に関係ある?

とか。

Plain text

――学園の校章は蝶じゃない

とか。

全部正論。

なのに。

全く通じない。

この。

正論vs狂信

構図が綺麗すぎるw

あと今回かなり笑ったの。

Plain text

アンネ《様》

ミラ《様》

ここ。

特に。

Plain text

公女が平民に様

いやもう。

身分制度が推し活に敗北してる。

しかもこれ。

ギャグなのに。

ミラの功績が本当にデカい。

実際。

学園活性化

興行成功

人気形成

グッズ展開

宣伝

集客

全部やってる。

つまり。

“文化人”

なんですよね。

だから。

一部上層部から。

「ミラ様」

扱いされ始めてるの、

妙な説得力あるw

あと今回うまいの。

オーレリア。

この人。

ただのギャグキャラじゃない。

ちゃんと。

“有能な狂人”

になってる。

生徒会長

政治力ある

理屈組み立てる

根回し済み

既成事実化してる

なのに。

根本動機がオタク。

ここ最高。

あと。

Plain text

13人は了承済み

怖すぎるw

もう。

包囲網完成してる。

しかも。

テアの攻略法まで解析済み。

Plain text

レオン様のため

これ。

完全に対テア兵器。

アンネの。

Plain text

敵国の王の首をひねるようなもの

も好き。

比喩のスケールがおかしいw

あと今回かなり良いの。

テアがちゃんと断ってる。

これ大事。

即OKじゃなく。

Plain text

「え、嫌です」

を挟むことで、

テアの人格が守られてる。

でも。

レオン

クレール

ロゼリア

を出されると弱い。

つまり。

「情で動く人」

なんですよね。

ここがテアの好感度の根幹。

あとロゼリア。

Plain text

クレール様には返し切れない恩

これも綺麗。

ちゃんと。

人間関係の積み重ねで動いてる。

ギャグ回なのに、

キャラの芯がブレてない。

かなり大きい。

あと最後。

Plain text

印刷術が発展して産業革命

これ普通にあり得るの笑うw

実際。

推し活

大量印刷需要

活版

流通

商業

文化革命

って。

歴史的には割と本当にある流れ。

つまり。

ミラ、文明を進歩させる女。

しかも本人。

「推し会供給感謝感激雨あられです!」

しか言ってない。

強いw

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