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Re, DS  作者: SIOYAKI
第五章 邯鄲に歩を学ぶ
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第77話

VSアカ・マナフ①


【Kiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii!!】


 常人が近くで耳にすれば、その鼓膜を破れる程度の大音響。

 空を震わせる咆哮と共に飛翔する怪鳥は、その巨体からは予想も出来ぬ程に俊敏だ。


 音を遥か後方に置き去りとする超音速の飛行。直線的に早い訳だけではなく、0から100への速度変化も一瞬。直角に曲がっているかと思える姿で、最高速度を殺さず旋回する。


 ジズの強みは、小回りが利かない速さではないのだ。生物としてあり得ぬとさえ感じさせる挙動で飛翔する大空の大魔獣は、機動力と言う一点で他の追随を許さない。


 直線を進む速度では瞬間的に光速を超える雷将に劣るだろうが、最高速度はそれにも迫る。


 そして彼の将以上に優れた点こそ、その速度域で自由自在に動き回れる小回りの良さであった。


「――っ! 周囲の被害を、少しは考えろよな!」


 そして明確に彼の将に、そして英傑たちに劣る点が周囲の被害だ。


 闘気による物理干渉で被害を防げる彼らと異なり、ジズの巨体は移動するだけで凶悪なソニックブームを発生させる。


 亜光速で物質が地球上を移動すれば、発生するエネルギー量は一体どれ程になるか。

 それだけで惑星が崩壊しかねない程の破壊が、この怪物が飛び回るだけで起こるのだ。


 無論、魔王の縛りというものがある。試練であるべき原初の魔王の指示により、これでもジズは速度を抑えている。


 無論、ジズ自身の耐久力と言う問題もある。余りに早く動き過ぎれば、同量のエネルギーがジズにも負担となって圧しかかる。


 二つの枷。だがこの今に、成立していたのは前者のみ。己の速度で己自身が如何に傷つこうとも、ここには原初の魔王が君臨している。


 闇の魔王に従う限り、遍く魔物は不死にして不滅だ。傷つく先から体は即座に復元し、飛翔の度に消耗する筈の力も無限に注がれ続ける。


 故に自己の被害を気にせぬジズの速度は、常に超音速の域にある。その速力で飛び回るだけで、周囲の地形は変化し、敵対者は衝撃破で身を削られていくのだ。


(大空の大魔獣。単純な速さなら、追い付けないこともないけど……こいつと速さ比べなんてすれば、最悪それだけで地上の文明なんて消し飛びかねないっ!)


 巨鳥が飛び回る度に傷付きながら、ヒビキは内心で舌打ちする。直線距離に限定すれば、ジズよりヒビキの方が最高速度は上だ。


 しかしジズの方が旋回能力は勝っており、速度勝負に持ち込んだ場合の結果がどうなるか。決まっている。決着が着く前に、人類の文明なんて欠片も残さず消し飛ぶだろう。


(周囲の被害を緩和する為に振り分ける程、闘気に余裕がある訳じゃない。そもそもそんな高等技能、今の僕には使えない。かと言って、時間の回帰や事象の否定を行える程に瘴気の余裕がある訳でもないっ!)


 それでも一対一での戦いならば、本来ジズはヒビキの敵ではなかった。竜の権能による現実改竄によって、仕留めるまでに発生する被害など無視出来るからだ。


 だが、今は異なる。アカ・マナフが居ると言う事実が、ヒビキから万能性を奪い去る。特別な力を封じた上で素の性能を競い合うなら、大魔獣とは余りにも厄介な相手である。


 権能が利用出来ない時点で、ヒビキの不利は明白だ。彼には専門的な知識がない。それも当然、義務教育の途中で死した少年を材料としているのだから。


 質量とエネルギーの等価性を即座に計算し、どの程度の速度までなら出しても平気かと言う判断すらもヒビキには出来ない。故に少年は常に後手に回ってしまう。


 ジズの動きを見て、それが周囲に与える被害を認識し、それからこの速度までは出しても良いかと判断する。そんな手間が入るのだから、巨鳥に追い付けないのも当然の話だ。


(なら、出来る対処は二択。全力で速攻を仕掛けてから一方的に無力化し続けるか、逆に壊さない程度に加減した持久戦で封殺し続けるか。だけど、敵がこいつだけなら兎も角、今はそのどちらも愚策っ!)


 半ば一方的に削られ続ける状況で、ヒビキは脳裏に浮かんだ対処策に舌打ちする。


 結果的に被害を最小限にするであろう速攻を選べないのは、先にも説明したようにアカ・マナフの存在が故に。


 ならば後者を選べぬ理由は、敵が大空の大魔獣であるジズだけではないからだ。


【siiiyaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!】


「――っ!? こいつ! 傷口から流れた血を利用してっ!」


 その大きさを変動させる海蛇は、あらゆる水面に出現する。それは飛び回るジズに削られて流れ出た流血と言う水分さえも水面とし、己の出現可能位置としてしまう。


 流れる血を拭う余裕すらもない現状で、これは余りに明確な脅威だ。ヒビキは全身に巻き付いて来ようとするリヴァイアサンの頭を左手で掴んで、引き千切ろうと力を入れた。


「くそっ、硬いっ! こんのぉっ!」


 ダイヤモンドよりも固くゴムよりも柔らかな外皮は、素の膂力だけでは潰せない。全身に満ちる瘴気の消費量を増やさぬままでは、掌に集めて如何にかと言った所であろう。


 故に敢えて他の部分から集めて、数秒を掛けてから握り潰して投げ捨てる。中空から地に落ちながらも一先ずはと安堵し掛けた少年は、その直後に表情を一変させた。


「が、お、ぐげっ!?」


 腹の中に何かが居る。いや、それが何かは明白だ。傷口から滴り落ちた血の量だけでも海面と見立てることが出来るなら、腹に満ちた胃液を海面と見立てることも可能なのだと。


 これがリヴァイアサンの狙いだったと、今になって理解する。敢えて最初に周囲に現れたのは、体内の瘴気を薄くする為だったのだ。


 人体と言うのは一つの異界だ。実力が伯仲している相手や明確な格上相手に、外部からの干渉は難しい。だから干渉出来るように弱らせたと言う訳である。


「お、げっっっ! 気持ち、悪いんだよっ!!」


 胃の中を暴れ回り、血肉を内から食らわんとする大海の大魔獣。その存在に気付いた直後に、ヒビキは自身の体内を瘴気で強化する。


 途中から体内を壊せなくなったリヴァイアサンは身を引くのではなく食道を逆流して表に出て来ようとするが、その瞬間を待っていたヒビキは口を大きく開けてから閉じた。


 瘴気で強化した歯が海蛇の頭部を断ち切る。首から上を唾と共に吐き捨てて、体内に残った部位は強引に消化し、腹の中に開かれた転送の為の穴も閉じる。


 唯それだけの為に大きく瘴気を消費して、更には同じ手を防ぐ為にも満たした瘴気は減らせなくなった。これで更に状況は厳しくなったが、しかし他に術がない。


(胃液を、大気に晒された海面と定義するっ! こっちが隙を晒さなきゃ、同じことはもうされないだろうけどっ! 無駄に消耗させやがってぇっ!)


 よろけながらも大地に着地したヒビキは、首だけになっても生きよく跳ねている魚龍を睨む。陸に上がった魚は瘴気を発すると、空に広がる影の中へと溶けるように潜り込んだ。


 リヴァイアサンの側に、ヒビキと直接対する心算はないのだろう。異能を反射する鱗も、異能自体は防げても異能によって強化された物理手段には対処出来ないからだ。


 一対一なら、或いは百や千対一であっても、相手がこの大海の大魔獣だけならばヒビキは勝てる。それが分かっているからこそ、相手も妨害に徹しているのだ。


 そしてそれは、この状況下では余りにも悪辣で適切。最もやられたくはないことをされたヒビキは、未だ込み上げる吐き気を如何にか抑えようと深く息を吸い吐いた。


【Guoooooooooooooooooooooooooooooooooooooooo!!】


「く、そっ!」


 されど、そんなことをしている暇などヒビキにはない。その事実を認識したのは、後手に回ってからのこと。


 気付けなかったのは体内を荒らされたことで、一種のパニックになっていたからか。


「ぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっっ!!」


 太陽や月と見紛う程の巨大な黒が落ちて来る。それは残る最後の大魔獣が放つ、超高圧力の重力球だ。時空間が歪む程の圧力が、ヒビキを上から押し潰す。


 その影響規模は余りに大きい。周囲を抉り取っていく球形は、ヒビキが受け止めなければこの大陸すらも海の藻屑に変えてしまう程だろう。


 当然、魔の軍勢も飲まれ潰れて消えていく。


発動(Exit)――無価値(Reset and)に終われ(rewind)!」


 ジズが悲鳴を上げながら地に落ちて、闇に取り込まれた犠牲者たちがミンチに変わっていく中で、血反吐を吐きながらヒビキは魔術を行使する。するしか、なかった。


 その甲斐もあって圧し潰さんとしてきた黒球は消え去るが、またもヒビキの体内からは瘴気が大きく失われた。肩で洗い息をしながら、想定以上の消費にヒビキは舌打ちする。


(今、魔術を使う瞬間、アカ・マナフの干渉があった。跳ね除ける為に、消費も増えた。あと何度、僕はベヒーモスの砲撃を防げる?)


 遠目に見やる山を遥かに越える巨体のカバは、大きく息を吸うような姿勢で口腔に力を貯めている。先の一撃と同じ技を、チャージしているのであろう。


 発動に時間が掛かるようなのが救いではあるが、それが誤差にしか感じぬ程に状況は最悪だ。


 再び舞い上がるジズ、空に波紋を生じさせているリヴァイアサン、そして微笑むアカ・マナフ。壁となる魔物や犠牲者たちを含めずとも、余りにも凶悪な布陣であると言えた。


(空と海が妨害し、大地が主砲を撃ち込んでくる。アカ・マナフが居る以上、同士撃ちをしても問題はない。無限に復活出来るから、互いの被害なんてお構いなしだ。だけど――っ)


 連携と言うには悪質で、極悪としか言えぬ敵の行動。一連の交差で大きく消耗しながらも、しかしヒビキは気付いている。


「これは、チャンスでもある! 馬鹿にするなよ、アカ・マナフっ!」


 道が開けている。ベヒーモスの火力が大きければ大きい程に、アカ・マナフを守る魔物と言う壁は減っている。ならば、今この瞬間こそが千載一遇の好機であろう。


 怯え竦んで動かなければ、状況は悪化を続けるのだから。疲労を隠せぬ表情ながらも歯を食い縛り、両手で輝く剣を握り直して、ヒビキは強く大地を蹴って前に出た。


 当然、舞い戻った魔物たちは道を塞がんと動き出す。しかしヒビキは、その全てを後目に魔王の首だけを狙って進む。


 真っ先に追随した巨鳥が近くを鬱陶しく飛び回ろうと、空から生えてきた魚龍が道を阻もうと、前へ前へと只管に。


「ふむ。成程、確かに。壁の自滅は隙であり、そこを突けば君の剣は届くであろう」


 毒々しい沼に変わった泉の跡地。その中空に浮かび微笑むアカ・マナフは、迫る刃にも動じない。


 その刃が振るわれ、その身を引き裂こうと言う状況に至っても、躱そうとする素振りすら見せなかった。


 故に当然、その刃は闇を切り裂く。月の色に左の瞳を輝かせた少年が、振るった光輝く聖なる剣。それは確かに、アカ・マナフの体を断ち切ったのだ。


「だが、その矮小な剣で、無限に等しいこの私の、一体何を切る気かね?」


 しかし、闇は滅びない。アカ・マナフは倒せない。体を袈裟に切られた魔王は溶けるように姿を消して、一瞬後には元通りの姿で異なる場所に現れる。


「この世界の総人口は、現時点でも1億人を超えている。現出した今の私は、それに等しい出力を有する。だが、それは瞬間ごとの出力に限った話だ」


 アカ・マナフの力は、現在の人類の総数に左右される。だが、それは瞬間的な出力に限る話。人類の数に比例した力の量までしか、発揮できないと言う上限があると言うだけのこと。


 彼の魔王の本質は、意思を持った瘴気の塊、或いは瘴気の内に芽生えた意思。影として現れた時とは異なって、真なる形で復活を果たした今、全ての瘴気がアカ・マナフと等号で結ばれるのだ。


「私は瘴気の意思だ。瘴気とは地獄より生まれし、反転した生命力。繰り返される世界の中で死した全ての魂が、集う地獄と言う地に満ちた力。一つの時代で一億を超えるのだ。ならば一度の世界で、死者の総数はどれ程に増える? それを百度超える程に繰り返した今の世界で、私の力の総量は一体どれ程に至っていると思う? 数え切れない程、と言うのが相応しい量であろう」


 この世界にある異能の根本となる力は、一種類しか存在しない。生命力。人の命から育まれる力こそがそれだ。各種の異能は、それを異なる形で運用している技法に他ならない。


 魔術もまた同じく、負数の方向へと変質させた生命力である瘴気を用いて為す技法。故に純粋な生命力を浸食して同じ物へと変えてしまうし、正数にあたる星の生命力とは中和し合う。


 その力の集合体こそがアカ・マナフ。実態なき彼は瘴気そのものであり、瘴気とは即ち彼でもある。地獄に囚われた魂が生み出す呪詛を消し切れぬ限り、闇の魔王を真に滅ぼすことなど不可能なのだ。


「一億の悪意に等しい今の私を消せれば、それで終わると言う話ではない。真に私を滅ぼさんとするのならば、この地獄に今も満ちる全ての悪意が尽きるまで、数え切れない程の私を殺し続けねばならない。そして、仮に地獄の全てを浄化出来たとしても無意味だ。地獄に捕らわれた魂は、今も悪意を生み出し続けている。例え底を尽きたとしても、瞬きの後には今の私を超える程度の悪意が生じる。故に私は無限である」


 そして地獄の中の悪意が、尽きることなどありはしない。一体どうして地獄の中に存在する全ての死者が、一人残らず生者を恨むことを止め、永劫続く苦痛を許容し続けることが出来ると言うのか。


「その矮小な剣でも、人の悪意の十や二十は一振りで祓えるだろう。だがしかし、その矮小な剣で無限に増え続ける億の悪意を如何に切る? 断じよう、不可能だと」


 彼の焔の王でさえ、繋がりを介して地獄そのものを一瞬浄化するのが限界。その隙に表出している意思総体を消し去ることが出来るからこそ、人界の王はアカ・マナフと言う試練を超えることが出来た。


 対してヒビキに、それが出来るか。論ずるまでもなく不可能だ。同じ地獄を原動力とする以上、倒せる道理がそもそもない。万魔はその王たる原初の魔王に決して勝てない。それは決して覆せない法則だった。


「ならば私の戦いに、下策も上策も必要ない。無限の数による力圧し。唯それだけで、十分なのだ」


【Kiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii!!】


 微笑み告げるアカ・マナフ。そんな彼に対しヒビキが何か反論を告げる前に、追い付いた大空の大魔獣が主君諸共に周囲の全てを吹き飛ばす。


 暴風に吹き飛ばされた闇はすぐさま元通りに戻り、傷が残るのはヒビキだけ。全身から大量の血を流しながら、大きく飛ばされた彼は砂浜へと落ちていく。


【siiiyaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!】


 血と砂に塗れて膝をつくヒビキの体に、巨大化した海蛇が圧し掛かって来る。空の影を海面と見立てて落ちて来る巨体は、立ち上がろうとしていたヒビキを一瞬拘束した。


【Guoooooooooooooooooooooooooooooooooooooooo!!】


 そして、その一瞬で十分。既にチャージを終えていた次弾が、抑え込まれたヒビキに対して撃ち込まれる。海面と砂浜を大きく削り取りながら、超重力が少年の体を蹂躙した。


「く、はぁ、はぁ、はぁ……」


 先と同じ魔術を今度は無詠唱で唱えて、重力場を消し去ったヒビキはよろめきながらも如何にか立つ。今にも倒れ込みそうな程に疲弊しながらも、その瞳に諦めの色は欠片もない。


(分かっていた。最初から、アカ・マナフの仕組みなんて分かってた。正面から挑んでも、勝ち目はない。僕は、あの王様じゃないんだから)


 息を吐き、唾を飲む。こうなることは、挑む前から分かっていたのだ。闇の魔王に対し、魔に属する者では余りに相性が悪いのだから。


 分かっていて、それでも挑んだ。為すべきだと思ったから。挑まねばならぬと感じていたから。そして、勝ち目がゼロと言う訳ではなかったから。


(けど、勝ち目が全くない訳じゃない。針の穴を通すような話だけど、勝機は確かに存在する)


 立ち上がったヒビキは、宙に浮かんで余裕の笑みを見せるアカ・マナフを睨みつける。ベヒーモスの砲撃が終わった後に出来る僅かな隙に、もう一度刃を強く握り直して大地を蹴る。


(嘗て、この世界の人はアカ・マナフを封印した。それと同じことを、僕もすれば良いんだ)


 現実世界に出現する際、アカ・マナフには今の人類の総数に比例した出力制限が発生する。それを超えて出現することが出来ないが故に、現行人類を滅ぼすと言う行為は彼に対する一つの解となる。


 そしてもう一つの対抗手段が、嘗ての先史文明が為したこと。可能な限り人口を減らして出力上限を引き下げた上で、四の精霊王を用いて星の中心へとアカ・マナフの意思総体を封印すると言う策だ。


(封印手段は、僕にはない。瘴気を吸収される以上、魔術じゃ封印出来ないからだ。なら、其処は出来る奴に任せれば良い。居るだろう)


「なるほど、君の狙いは精霊王か。彼女が死ねば、惑星環境が変わってしまう。私の性質上、殺しはしないと判断した訳だ」


 愚直に切り掛かって来る少年の姿に、その狙いを読み取ったアカ・マナフは息を吐く。確かにそれならば、ヒビキの側にも勝ち目はあると。


(場所は、もう見付けた。さっきの交差。その時に月の瞳で、真実は視ている。アカ・マナフの影の中、その奥深くにクロエは取り込まれ、封印されている。だから、後はアイツを削って、如何にか助け出すだけ)


「しかし、残念だよ。君は間違えた」


 その見通しは、しかし甘いものだと言う他にないだろう。踊るような優雅さで身を翻して、少年の剣を正面から受け止めたアカ・マナフの瞳に宿る色は失望。


 防ぐ必要もない剣を敢えて防いだ金髪の男は、見下すような黄金の瞳で睨む少年を見詰め返す。相手の底が明かされたからこそ、冷たい声でその甘さを愚弄する。


「間違いとは、戦術の話ではない。君の見出した勝機は、決して間違いではなかった。私を封じる為に、精霊王を利用しようとするのは正しい。その狙いは悪くはなかったのだ。だから、君が間違えたのは戦略だ」


 アカ・マナフの性質を考えれば、戦って勝つと言うのは不可能な話だ。故に封印すると言うのは真っ当な判断で、自分に出来ないから出来る者に任せると言う狙いも悪くはない。


 そこまでは最善と言っても良い判断だ。故に間違えたのは、そこに至るまでの過程。戦闘中に行う戦術的な判断ではなく、戦闘を始める前に行うべき戦略的な判断にある。


「君は私と戦う前に、一人でも多くの人類を間引いておくべきだった。それこそ、この北方大陸に居る人類以外を皆殺しにしておけば、私との相性差など覆せる程の性能差が生じていただろう。クロエの救出は簡単になり、その後に私を封印するのも容易く行えた筈だ」


 ヒビキは見誤ったのだ。或いは侮ったと言っても良い。完全復活したアカ・マナフが相手でも、聖剣と心威を用いればある程度は戦える筈だと。


 倒すことが目的なのではない。傷付けて弱らせて、クロエを救出する。その程度ならばきっと出来る筈なのだと、そう思い上がった訳である。


「そうして私を倒した後、時を巻き戻して人類を蘇生させれば良い。如何に君でも、その規模ならば一割二割は魔物に堕としてしまうだろうが、その程度はコラテラルダメージと言うものだろう。星の化身も納得しようさ。私に敗れるよりはマシだ、とね」


 アカ・マナフは指摘する。ヒビキが本気で勝つ心算であったのならば、人類を減らしておくべきだったのだと。


 ヒビキには悪竜王の権能がある。それを以ってすれば、一度殺した命だって元通りに戻すことは出来るのだから。


 瞬間的な出力上限が下がっていれば、精霊王の救出程度は必ず出来る。その後の封印だって、スムーズに行えた筈だ。


 故にこそヒビキは、戦術的に選んだ手段は正しくとも、戦略的に選んだ手段を間違えたのだとアカ・マナフは言うのである。


「……そんな勝ち方に、そんな過程に、何の意味がある」


 伝えられた勝算を、考えなかったと言えば嘘になる。アカ・マナフを倒す為に、一時的に全人類に死んで貰う。そういう手段は確かに脳裏に浮かんでいた。


 それこそ身勝手にミュシャやアンジュたち大切な人々は除外して、それ以外の顔も知らぬ人々を一度殺す。そうしていれば、ヒビキは確かにアカ・マナフに勝てただろう。


 けれど、違うのだ。それは少年が求める勝利の形ではない。焔の王に憧れて、正しい道を目指すと決めた。その為の、第一歩が此処なのだから。


「納得出来ない。胸を張れない。それじゃあ、意味がない。僕の尻拭いに、他人を巻き込んでどうするよ」


「愛おしい程に、愚かな言葉だ。その拘りが敗れる理由となるのなら、それこそ何の意味もないと思うがね」


 剣に力を強く込めるが、しかし刃は動かない。ヒビキが普段そうするように、アカ・マナフも力の移動を行い密度を高めているのだろう。


 至近で顔を見合わせたまま、片や失望した瞳で見下して、片や燃える瞳で見上げている。相対する二つの魔。しかしその優劣は、最早明確だった。


「君の敗因は、その憧憬だ。彼の王ならば、出来た筈。ならば、彼を討ち果たした己は、出来ねばならぬ。その想いが、君の足を引いたのだよ」


 後でなかったことに出来るから、何をしても問題はないだろう。その開き直りを醜いと思う感性は、闇の魔王にも理解が出来る。


 しかし何事も、結果を出してこそだろう。手段に拘った結果、結果に至らず破綻すると言うのならそれは明らかな下策。手段を選ばぬ悪辣以下だ。


「邯鄲の歩み、と言う言葉を知っているかね? とても優美な歩き方を学んだことで、元の歩き方を忘れてしまい、這って進むことしか出来なくなったと言う故事だ」


 アカ・マナフが語ったように、ヒビキが追い詰められている原因は憧れだ。そうなりたいと心の底から望んだ姿に目を焼かれ、自分の足元が見えなくなっていたのである。


 もっと冷静に、己に出来ることを考えておくべきだった。自分はそうはなれないと割り切った上で、なら何をすれば良いのかと考えるべきだった。それが出来なかったからこそ、此処にこの結果が訪れる。


「今の君は正しくそれだ。焔の王の歩を真似ようとして、魔王としての在り方さえも忘れてしまった。故にその憧憬こそが、君の敗因であり破滅の理由だ。これが君の限界だよ、ヒビキ」


「くそっ、闘気が、足りない」


 心威が解ける。力が消えていく。時間が切れた。いや、いっそよく持ったと言うべきだろうか。どうあれ、ヒビキの体力は底を突いていた。


「――っっ」


 故に聖なる剣は彼の身を焼く。柄を握り締めた両手が強酸を浴びたように焼け焦げて、思わずヒビキは手を放してしまった。


 聖剣から光が消える。輝きを失った刃をアカ・マナフはゴミを捨てるように地に放り、逆の腕で少年の細い首を掴むとそのまま宙に吊るし上げた。


「では、さようなら。存外、詰まらない幕引きだったな、ヒビキ・タツミヤ=アジ・ダハーカ」


「く――っ」


 己の首を掴む手を振り解かんとする少年は、その背後に大きな口を開いた大地の魔獣の姿に気付いた。


 既にチャージは終わっている。回避も防御も間に合わない。主君諸共にベヒーモスは、全てを消し飛ばす心算なのだと理解した。


 闘気を生み出す為の体力が底を突き、代替と成り得る瘴気も首から吸い出されている現状、ベヒーモスの砲撃にヒビキは耐えられない。


 砲撃は今正に放たれようとしている。その直撃は、少年の命を奪うであろう。決着は此処に、これで終わりを迎える。




 それは正に、その直前のことだった。


不滅なるは獅子の咆哮(レルアバド・アサド)っっ!!」


【Guoooooooooooooooooooooooooooooooooooooooo!?】


 黄金の鎧を纏った男が、上空からベヒーモスの頭部を打つ。一撃。無敵の法則を持つ男にとっては、それだけで十分だった。


 聖典の応用技により、彼は足りない要素を継ぎ足せる。拳の一撃に、必要な火力を継ぎ足したのだ。故にベヒーモスは、たった一撃で即死した。


「――っ、今だっ!」


 想定外の介入に目を見開いたアカ・マナフが立て直す前に、ヒビキはその腕を圧し折り離脱する。


 平然と復元するアカ・マナフから離れ、咳き込みながらも呼吸を整える。そんな少年の傍らに、鎧を脱いだ男が立っていた。


「君、は……カルヴィン」


「ちっ、呼び捨てかよ。ガキがっ」


 見上げて名を呼ぶヒビキに対し、獅子のように逆立った髪を持つ男は忌々しいと言う感情を隠さない。それでも、彼が誰の味方かは明白だった。


「ほう。意外な行動だな、カルヴィン・ベルタン=クールドリヨン」


 全ての人の内面を知ることが出来る闇の魔王が、意外だと言う言葉を漏らす。その理由は明白で、カルヴィン・ベルタンと言う男は滅多なことでは軽挙を犯さぬ人物だからだ。


 如何に感情が荒れ狂おうと、戦場であれば冷静沈着に己の勝利だけを求めることが出来る。それが故の冷静な獅子と言う異名は、果たして一体何処に行ったのか。闇の魔王は興味を惹かれ、その目で男の底を視た。


「なるほど、魔王であるとは認めても、ヒビキを唯の子どもとも見るか。冷静な獅子と言う呼び名に似合わぬ行動は、幼子が傷付く姿に己が矜持を刺激されたからだな。前言を翻そう。実に君らしい行動だ」


「探る視線なんてレベルじゃねぇ、糞みてぇな目で見て来んな。つくづく気に入らねぇな、汚物どもの親玉は」


 冷静なる獅子には、最大と言える地雷が一つある。それは幼い子に関すること。


 特に一番許せぬのは親が子を愛さぬことだが、幼子が傷付けられる展開もそれに近い程には気にいらない。


 あの牢獄の中で真っ直ぐな言葉を語った姿を見た時から、カルヴィンは少年を唯の敵として見れなくなっていた。主命があればそれでも倒すが、そうでなければこうして助けたくなるように。


 そうとも、彼は傷付く少年を助けたかった。それこそずっと前、この戦いが始まって直ぐの頃から。だが、そうしなかったことこそ、彼が冷静な獅子と言われる所以。


 勝機がなかった。割って入っても、勝てるとは思えなかった。だから、腹立たしくも耐えたのだ。勝機を見出すまで待った訳である。


 故にそう、今にカルヴィンが動いたと言う事実は、その勝機の証明だ。


「それとテメェもだ! 気に入らねぇよ、いつまで黙ってみてやがる! ビビッてんのか、六武衆っ!!」


「……うっせぇよ。邪魔してんじゃねぇ、十三使徒」


 腹の底からその苛立ちを、大声と共に叫ぶカルヴィン。彼が見出した勝機とは、この戦場を己と同じくずっと見ていたであろう男の存在だ。


 ずっと気配を隠していたから気付けず、しかしヒビキが追い詰められた瞬間の動揺でその隠形は解けた。


 故にこのタイミングで、獅子は動くと決めたのだ。


「リアム」


 獅子に暴かれ、姿を現した亜人の青年。酷い火傷痕を顔に刻んだ六武の男は、ヒビキに名を呼ばれても顔さえ向けない。


 唯、確認するかのように、一つだけ言葉を口にした。


「お前、諦めてたか?」


「ううん。まだ、やれる」


「そうか、なら良い。何時までも、無様なんて晒してんじゃねぇぞ」


 それで十分。それだけで十分。それ以上なんて必要ない。


 故にリアムはそれ以上何も言わぬまま、ヒビキの背後に現れて、ヒビキの横を通り過ぎ、ヒビキの前に背を向け立つ。


「なぁ、闇の魔王。邯鄲に歩を学ぶって言葉、知ってるか?」


 そうとも、諦めていないと言うのなら他に言うべきことはない。言うべきことがある相手は、この少年ではなく、気に入らない言葉を吐いた眼前の魔王だ。


「邯鄲學歩。先に私が告げた言葉と、同じ意味だと認識しているが?」


「違ぇよ。真似するだけじゃ意味がねぇから、しっかりテメェの物にしろって警句だ。憧れるなって意味じゃねぇんだよ」


 この魔王はよりにもよって、憧れこそが敗因だなんて嘯いた。同じ男に憧れるからこそ、この少年を宿敵と認めたからこそ、それは決して許せない。


 そうとも、憧れることは決して悪いことではない。向かうべき場所に光が無ければ、何処を目指せば良いのかさえも分からなくなるのだから。


「は、言うじゃねぇか、六武の亜人が。なら俺も神父らしく、説法の一つもしてやるかね。おい、ガキ。有難く思って、耳の穴かっぽじって、よぉく聞けよ」


 リアムの言葉に触発されて、笑みを浮かべたカルヴィンは無骨な手でヒビキの背を叩く。振り向き見上げた少年に向けて、彼は一つの助言を与えた。


「勇者ってのは、聖剣に認められた奴の呼び名じゃねぇ。ましてや、俺ら聖教会が与える称号って訳でもねぇ。勇気ある者を、勇者と呼ぶんだ。勇気ある者に、聖なる剣は力を貸すんだよ」


 そうとも、カルヴィンの語る通り。聖剣に選ばれた者が、勇者と呼ばれる者に成る訳ではない。順序が逆だ。勇気ある者に、聖なる剣は力を貸す。


 それは一つの言葉遊びに過ぎないのかもしれないが、しかし内に明確な真実も宿している。詰まりはそう。聖なる力がなければ、勇者に成れない訳ではないのだと。


「もっとよく、テメェの足元を見てみろ。お前はとっくに、持ってる筈だぜ。聖剣が認めるのに十分な、その勇気って奴をな」


 笑って言って、一歩を踏み込む。一歩で移動したとは思えぬ距離を進んだカルヴィンは、そこに落ちていた聖なる剣を手に取った。


 光を無くした両刃の剣。それを手にして戻って来ると、少年に向かって投げ渡す。混乱しつつも受け止めた少年は、其処で漸く気が付いた。


 手が、痛い。掴んだ剣が、光を放つ。その痛みが、その輝きが確かに示す。足元を見ていなかった少年の、一番大きな勘違いを。


「ああ、そうか。僕は、心威を使わなくても、出来たんだ。この痛みが、この輝きが、その証。聖剣はとっくに、僕自身を認めてくれていたんだ」


 化け物に生まれた。魔王と成るしかなかった。だから綺麗な者には成れないと、心の底で諦めていた。けれど、きっと違うのだ。


 特別な才能なんてなくても良い。綺麗な生まれでなくても良い。悪しき生物のままだとしても、それ以外にも成れるのだと。


 他でもない、この聖なる剣が認めてくれている。そうと思えば、掌を焼く痛みさえも愛おしい。目の前が霞む程に、涙が溢れた。


「大いなる聖名の下、幼き勇者に祝福を」


 両手に剣を掴んだまま、涙を流す子ども。聖句と同時にその肩を叩いて、微笑むカルヴィンが行ったのは力の譲渡。


 治療の神聖術を応用し、自身の生命力を分け与えたのだ。心威の発動に消費し切った闘気が再び、ヒビキの内を満たしていく。


「カルヴィン、ありがとう。……それに、リアムも」


 涙を拭って、礼を言う。少年に背を向けた獅子は振り返らずに、手をひらひらと。並び立つ狼は鼻を鳴らして、何も言わない。


「よし、んじゃやるか。六武の劣等。気合を入れたガキの為に、露払いすんぞ」


「命令すんじゃねぇよ、差別主義の聖教徒。だがまあ、今回だけは乗ってやる」


 唯、二人揃ってヒビキの前に立つ。同じモノを敵と認めて、同じ目的の為に呉越同舟。本質的には相容れない者たちだが、今だけは味方として此処にある。


「大魔獣二匹と、大魔獣一匹に他の雑魚全部。どっちが良い?」


「どっちでも、テメェが先に選べよ。どっちも正直、大差がねぇ」


「んじゃ、有難く。正直、質より数が苦手でな。逆にカバの相手は楽勝で、鳥と魚なら魚の方がマシだ。二匹寄越せ」


「なら、俺が鳥と他の全部だな。はっ、生き残れるか怪しいレベルで、嗤えてくんなぁ。おいおいおい」


 敵は万全、そして強大。舞い降りた大空の大魔獣に、影の天蓋に姿を現す大海の大魔獣に、逆再生のように再生して復活する大地の大魔獣。


 更にはアカ・マナフが居る限り、無限に増え続ける魔物や犠牲者たちも居る。英雄たる彼らにとっても、容易い戦場どころか死地と言えよう。


「趣味が悪い奴。とっとと死ねよ、テメェも魔物も」


「はっ、言うじゃねぇの。んじゃ、余力が残れば、俺とテメェで殺し合うか?」


「戦闘狂が、冗談じゃねぇ。俺はガキの手助けに来たんだ、テメェの趣味に付き合う気はねぇよ」


 純粋な実力で比すれば、リアムもカルヴィンも一体の大魔獣より下だ。それで居て、敵の方が多い。相性差があったとしても、生き延びることさえ困難だろう。


「足を引くなよ、十三使徒。無様を晒せば、後で殺すぜ」


「仕事は果たせよ、六武衆。出来れば、共倒れになって死んでくれ」


 だと言うのに、胸を張って真っ直ぐ進む。それが英雄の所以だと言わんばかりに、彼らの足に竦みはなく、彼らの体に震えはなく、彼らの心に怯えはない。


 振り返らずに進む増援。英雄とは言え、たったの二人。だが、万軍の助けを得たよりも強い安心感がある。負けはしない。ヒビキは素直に、そう信じられた。


「成程、流石は英雄か。優れた嗅覚をしている。決着はこれで、先に延びた」


「アカ・マナフ」


「しかし、分かっているかね? 私の軍勢を彼らが受け持つのだとしても、君の状況は然して変わらないのだと」


 英雄の想いを汲んだのか、或いは無駄だと知らしめる為か。いいや、きっとこれが一番、見栄えが良いと判断したからであろう。


 大魔獣と配下らに向かう英雄たちと擦れ違い、アカ・マナフがゆっくりと近付いて来る。そして告げる、今のヒビキの瞳に映った希望は儚い物でしかないのだと。


「頼るべき儚い輝きは、しかし君自身の体も焼く。そうして振るう希望の刃は、しかし悪思を消し去る程のものではない。状況は依然、絶望的だ」


「ああ、そうだね。認めるよ。確かにそうだ」


 大魔獣も万魔の群れも、原初の魔王にとっては便利な道具程度の物でしかない。彼の全力に陰りは一切なく、故に状況は何一つとして変わっていない。


 心威を用いないで使う聖剣は、先のそれより光が弱い。アカ・マナフを弱らせて、大地の精霊王を助け出す。言葉にすれば簡単なこの行為が、どれ程に難しいことかは言うまでもないだろう。


「だけど、負けられない理由は増えた。負けたくはない理由が増えた。だから、さ。勝つよ、僕はっ!」


 けれど、ヒビキは胸を張って敵を見る。戦う前から負けられない理由はあって、これ以上ない程に戦意が高まっていると思っていた。


 だが、違った。負けられない理由が増えて、負けたくない理由が増えて、心は更に燃え上がる。天井なんてないとすら感じる程に、強く強く、勝ちたいのだと感じている。


「行くよ、アカ・マナフ! これからが、第二ラウンドだっ!!」


 故に負けない。そう己に誓い、ヒビキは両手で剣を構える。戦いの果てに、晴れやかな笑みで勝利を掴み取る為に。幼く儚く――しかし勇気を持つ少年は、大地を蹴って前に進んだ。






一騎打ちでも相性悪いのに、配下が居る状態だとまあこうなるよねと言う順当な流れです。


本当は大魔獣以外も目立たせたかったけれど、書いてみたら冗長になってしまったので、肉壁の皆さんはカバ君に一掃されました。そのカバ君もワンパンされましたが。



物凄く強いのに、あんまり活躍していなかったカルヴィン。普通に考えたら相手の攻撃は完全無効で、自分の攻撃は絶対に防がれないし、応用技使うと当たれば即死って第五聖典が弱い訳ないんですよね。これまで戦った相手が皆、技量で防いでくるとか言うおかしい奴らだったってだけで。


そんなカルヴィンの地雷は子ども関連。十三使徒のメスガキ担当なサラちゃんが懐いているのは、そんな根っこの部分が見抜かれているからだったり。

後、オードレ妹のメレーヌが半殺しにされた理由も子ども関係。ドー姉の盾として使い潰せる人材を求めていたメレーヌがカルヴィンを体で篭絡しようとして、その際に堕胎を仄めかす発言をしたことでカルヴィンの逆鱗に触れました。

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― 新着の感想 ―
リアム? でもこいつ心威は魔物化でしょう? 第一の側で使っても大丈夫?
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