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Re, DS  作者: SIOYAKI
第四章 死して後已む
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第58話

◇西暦2005年3月3日


(あー、入学式とか面倒くせぇ。何だってこの国は、そんな肩肘張ったセレモニーなんか態々やるんかね)


 夕日が沈む空の下、茜色に染まるコンクリートジャングルを歩く少年は内心でぼやく。実年齢は9歳程度だが、傍目には1つ2つは上に見える体格と癖のある茶褐色の髪。それらは彼が国外の血を有していることの証とも言える。


 少年の名は結城恭介。日本人とロシア人の混血である父と、アメリカ人の母を持つクウォーター。人種としては黄色系の血が薄い少年がこの国に居る理由は、親の仕事と言うありがちな物。


 軍人である母が某国へテロ対策で派遣されることになり、国境なき医師団に属する父もそれに続いた。まだ幼い恭介を連れていく訳にも行かず、故にこの日本に居る祖父母に数年程預けられることになったのだ。


(こちとら言葉覚えるだけでも大変だってのに、細かいニュアンスとかまだ全然わかんねぇっての)


 厳しい父母から色々と仕込まれている為に、同年代に比べて早熟だろうと言う自覚はある。そんな恭介でも、カタコトでしか話せなかった言語の国で生活しろと言うのは苦行であった。


 時期が中途半端であったが故に、半年程はフリースクールに通って言語の習熟に努める日々。ようやく日常会話が流暢に行えるようになったと言う所で、来月から小学校に通わせるから準備をしろと来た。


 普通の子供なら、グレて家出でもするんじゃないかとさえ思えて来る。実際に逃げ出せば帰って来た母親から、鉄拳制裁どころか特殊部隊が受けるような軍事教練をやらされるのが目に見えているので逃げないが。過去に一度、それを体験している恭介としては二度目なんて御免であった。


(スクールバスとか態々乗らんで良いのは、こっちの良さかもしんねぇけど。ステイツだと、子どもだけじゃ一人で出歩けねぇもんな)


 今日、買ってきたばかりのランドセル。同じ物を持つ同年代の子らが町を出歩いている姿を見詰めて思う。何故、黒と赤ばかりなんだろうと首を僅かに傾げながら。


 そんな風にコンクリートの隙間を進んで、ふと足を止めたのは人気のない公園。何故そうしたのか、問われても答えられないだろう。ただ何となく、恭介は公園の中へと歩を進めていた。


 そして、彼は出会う。それは彼の運命を大きく変える、そんな出会いであったのだ。


「あ――」


 公園のブランコに腰を掛け、揺らして遊ぶでもなく佇んでいる一人の子ども。年頃は同じくらいか、それよりも下か。


 烏の濡れ羽のように艶のある黒髪は長く、和服を着せれば上品な日本人形を思わせる容貌。かぐや姫に出会った求婚者達は、きっとこんな気持ちだったのだろう。そう思わせる程に、美しい子どもが其処に居た。


「え、あ、う……」


 多分、それは一目惚れ。初恋と言う名の心の揺れに、母から仕込まれた落ち着くための技術も通用しない。情けなくみっともなく、熱に浮かされ思考が上手く出来なくなる。


 それでも一歩を踏み出したのは、このまま別れたくはなかったからか、それとも或いは泣いているように見えたその子を放っておけなかったからか。少年は深呼吸をすると、意を決してその子に近付き声を掛けた。


「お前、一人か?」


 言葉を選んで、しかし出て来たのはそんな台詞。今だけは自身の語彙力の無さに腹が立つ。こんなことになるのなら、もっとこの国の言葉をしっかり学ぶべきだったと。


「あ、えっと、俺もさ。こっちに越して来たばっかりで、一人なんだよ。少し前までアメリカに居たから、こっちのことまだ全然分かんねぇの」


 俯いていたその子が、顔を上げて見詰めて来る。その宝石にも似た瞳の輝きに心乱されながらも、目を逸らした恭介はどうにか言葉を探して続ける。


 ふと視線を動かした時に目に入ったのは、ブランコの傍に転がる黒いランドセル。汚れたそれは過去に他者の悪意に晒されたのだろう。拭った今でも、跡が確かに残っている。その事実を察して恭介は苛立ち、しかし今は重要ではないと思考の隅へと追いやった。そして、彼はその右手を差し出した。


「だから、さ。もしよければ、この辺のこと教えてくれよ。んで、友達になろうぜ」


 顔に作った表情は、ちゃんと笑顔になってるだろうか。内心で少し怯えながらも、差し出した手は引かない。そんな掌をしばし見詰めていた子どもは、再び俯くと自信無さげに言葉を紡いだ。


「……僕、この辺の事、余り良く知らない」


「それでも良いさ。それでも、俺よりは詳しいだろ」


 差し出した手を、俯いた子は握り返さない。俯いたまま、口にした否定の言葉に恭介は首を振る。

 教えて欲しいなどと言う発言は、あくまでも口実に過ぎないから。大したことを知らなくても、問題なんてなかったのだ。


「……僕と一緒に居ると、君も酷い目に合うよ」


「なんだよ、それ」


 けれど俯いた子は、差し伸べられた手を拒絶する。その理由は、その子どもが神籬(ヒモロギ)であるからだ。


「僕は化け物だって、呪われてるんだって、皆言ってる」


 神籬とは神の依り代。その器たる存在。必要なのは神が宿る肉体だけで、故にその魂魄とは即ち神に捧げられる贄である。

 異常は異常を惹き寄せる。異常の極みが一つ足り得る神の器が惹き寄せる異常とは、並大抵の物では済まない。災害と呼ぶに等しい霊障だ。


 惹き寄せられた呪いは、しかし神籬自身を傷付けない。神宿りの器であるその血肉も、神への供物であるその霊魂も、雑多な悪霊如きが触れて良い物ではないのだから――惹き寄せられた霊障は、何時だって子どもの周囲を傷付けるのだ。


 子どものことを心配し、声を掛けてくれていた近所の人たちは、事故に遭って四肢切断や意識不明の重体に。

 黒いランドセルに落書きをしたり物を隠したりした虐めっ子たちは、その殆どが行方不明になって今も見付からない。

 神籬の実父であった男性は、家の近所にあった工事現場で落ちて来た鉄骨に押し潰された。その躯は、まるで性質の悪い現代アートを思わせる異常な形状をしていたと言う。


 神籬に深く関わって、まだ無事なのは実母だけ。何故彼女が無事なのかは、正確には分からない。神籬を体内で育んだことで体質が変化していたのか、大きな神社の生まれが影響しているのか。どちらにせよ、無事なのは彼女だけ。


 他の者らは皆、不幸に遭った。死か、それに程近い傷を受けて。となれば自然と、誰もが神籬から遠ざかっていく。どんな形であれ関わりたくはないと、誰も彼もが離れていく。当然だろう。誰だって自分が一番大切だ。


「んなもん迷信だろ。信じねぇし、仮に本当だとしても、俺は負けねぇ」


 恭介がそんな簡単に言えたのは、無知が故にと言えるだろう。彼はそんな事情なんて知りもしないから、そんな風に言えるのだと被害に遭った者たちは指摘する筈だ。


 けれど――結城恭介は最期まで、この日の言葉を後悔したことはなかったのだ。


「だっせぇだろ、そんなの。ばっかじゃねぇのって、笑い飛ばしてやろうぜ。だから、さ」


 人生をやり直すことが出来るなら、それでもこの日の選択だけは決して変えない。後悔は山程にあるし、無念なんて数え切れない程にあるけれど、出会ったことを間違いなんて口にはしない。何度だってまた出会い、何度だってこう言うのだ。


「友達になろう。俺は、お前と、友達になりたい」


 夕日に沈む町の中、手を伸ばし続ける茶髪の少年。顔を上げた神籬は少年の瞳を見詰めて、誰もが見惚れるであろう笑みを浮かべた。


「……うん」


 伸ばした少年の掌に、神籬の小さな手が重なる。花開いたような笑みに見惚れていたのを隠したくて、触れ合う掌の熱もまた気恥ずかしくて、握り返したその手を恭介はぶんぶんと大きく振った。


「うっし、これで俺ら友達な!」


「わ、わっ!?」


 そうして、大きく手を振った後でその手を離す。驚いて困惑している神籬の姿に、恭介は少し笑ってから問い掛けた。


「んで、聞き忘れてたんだけどさ。お前、名前何て言うんだ?」


 嘘で本音を隠しつつ、ずっと聞きたかったことを問う。今の今までタイミングを見計らっていた少年の小さな嘘に気付くこともなく、神籬たる彼は儚く笑って答えを返した。


「ヒビキ。龍宮響希」


「そっか、ヒビキってのか。いい名前じゃん」


 名を褒められて、照れ臭そうに俯く響希。そんな彼に向かって、恭介は鼻を擦ってから笑うと大きな声で名乗りを返した。


「俺はさ――恭介。結城恭介って言うんだ。よろしくなっ!」


 夕日が沈む空の下、人気のない公園の中で二人は出会った。誰ぞ彼時に起きた出会いは、或いは不吉な物であったのかもしれない。

 それでも当事者である二人にとっては、これは何よりも大切な思い出。例え地獄の底へ落ちようとも、決して忘れないと言える最も美しい記憶であった。




(そうして俺たちは、知り合って友達になった)


 消え行く聖剣に遺った残滓は、ふとそんなことを思い出す。今にして思いに耽るのは、他に出来ることがないからか。

 悪竜を焼いた火は、今も響希の体内で渦巻いている。今も燃え続けている炎は、その精神世界の一部を天まで焦さんとする炎で満たしたのだ。


 炎王が狙ったのは、響希をごく普通の人間として生きられるようにすること。神籬と言う体質だけでなく、少年は産まれた時から複数の病を宿していた。悪竜を殺すだけでは足りない生命力を補填するために、この炎は悪竜をエネルギー源へと変えているのだ。


 悪意の沼地は浄化の炎で満たされて、悪竜王はその奥で今も焼かれ続けている。以前に少年を苗床へと変えた彼の怪物は、今度は少年の糧とされようとしているのだ。

 そしてその火は、悪竜の次に聖剣に宿った残滓を同じく焼くだろう。唯人に、へばりつく死者など不要なのだから。


 その結末に、異論はない。結城恭介と言う男は全力で生きて、そして死んだのだ。今此処にあるのは、当時の彼の残留思念。強く想い願った心の欠片が、聖なる剣に宿っていただけ。


 だから消えると言うのなら、それは自然なことである。だから人間として産まれ直そうとしている響希の糧に成れるなら、きっと望外のことなのだろうと分かっていた。


 だから、心残りがあるとするなら。後悔していることがあると言うなら。それは、きっと――


(まあ、後悔はしたよ。出会ったことに、じゃないけどな)


 迷信だと軽い言葉で否定して、だからそこには覚悟がなかった。だから最初の事件が起きた時、恭介には何も出来なかった。


 恭介との出会いで明るくなった響希。彼の母もその事実に安堵して、だから再婚話が上がったのだろう。

 その相手は優しい人だった。響希のことも我が子と受け入れて、恭介の存在にも感謝を示して。その人は、良い人だったのだ。


 龍宮家の家族旅行。恭介も共にと誘われたその旅路の途中で、新幹線の脱線事故が発生した。公的には、そういうことになっている。

 だがその実は、それ以上の地獄であった。犠牲者は500人以上、その誰もが単に潰れたとは思えない異常な死に方。特に酷かったのは響希の母の再婚相手で、検視を行った警察ですら誰もが嘔吐した程の有り様。


 そんな中で、恭介は自分が生き残ることしか出来なかった。それだって、死んだ男が助けてくれたから出来たこと。そんな力のない弱っちい子どもは、それだけしか出来なかったから、だから止められなかったのだ。


 限界を超えた響希の母が、葬儀の場で我が子に憎悪を向けたのを。ボロボロと泣き崩れた友達を、傷だらけの己は守れなかった。その事実を前に歯噛みして、悔やんで悔やんで悔やみ続けて、だからと決めたのだ。


 次は誰も死なせない。次は絶対、守り通すと。


(アイツの言ってた呪いは本物で、誰も死なせねぇで乗り越えるのは大変だった)


 体を鍛えた。才能はさしてなかったが、幸いなことに鍛え方は母親に叩き込まれて知っていた。だから国で一番は目指せなくても、クラスで一番くらいにならば鍛え抜くことが出来たのだ。


 知識を蓄えた。死ぬ気で必死に鍛えても、同年代の天才たちには届かない。ならばそれ以外の面で、不足を補うしかない。中途半端な器用貧乏ではなく、突き抜けた器用万能を目指したのだ。


 努力を隠した。切れるカードは誰もに隠して持っていた方が、いざという時に便利だと思えたから。それに何より、歯を食い縛って頑張っている姿を響希には見せたくなかった。気負わせたくなかったのだ。だから飄々と、何でも出来ると言う態度を偽り続けた。


 結果は、まあ色々な物が最期まで足りなかった。だからこうして、道半ばに倒れているのだろう。それでも一つ胸を張れることがあるとすれば、それはあの日以降霊障で犠牲者を発生させなかったこと。


 あの最期の日まで、恭介は誰も死なせず守り通した。だがだからこそ、画龍点睛を欠いたことは人生で二番目に大きな後悔である。最期の最期で守れなかったことを、今になっても彼は悔やんでいた。


 そして、もう一つ。一番の後悔があるとすれば、それは――


(何より、アイツの性別。黒色のランドセルがそういう意味って、分かるかふざけんな性癖壊れたじゃねぇか。何であれで男なんだよ)


 出会ってから半年近く、それを見抜けなかったことだろう。その所為で己の感情が捻じ曲がってしまったから、素直に親友だと胸を張れなくなった。もっと早くに気付いて、もっと傷が浅ければ――それでもきっと、同じ選択が出来たと思うから。


(失恋に終わったからって、友達なのは変わらねぇし。それで対応変えんのも、ダサいじゃん。だから、きっと、最初はそんな意地でしかなかったけどさ。今だって、そんな意地がないとは言えねぇけどさ。それでも、俺は――)


 恭介は燃え盛る炎を見詰める。そうして、視線を頭上へと。一瞥し、目を伏せる。想うのは、ずっと傍に居た友達。

 友情と言うには重く、愛情と呼ぶには複雑で、恋情と語る資格はない。そんな相手の姿を瞼の裏に描いて、今は唯静かに思う。


(別れの時は近い。もう、この時間も終わる。……いいや、とっくに終わってたんだ。ここまで続けられたのは、運が良かったってだけで)


 燃える炎は悪竜を焼いている。だが、焼かれたのは悪竜だけではない。恭介の残骸も、既に火の粉を浴びてしまった。


 悪竜王が滅びるのと、この火の粉で残滓が消えるのはどちらが先か。大差ない競争の先で、最後に聖なる剣だけが残る。誰も使えなくなった聖剣だけが、響希の体内に残るのだ。それが恐らくは、既に定まった覆しようのない結末だろう。


「なあ、ヒビキ。俺は、本当は、ずっと一緒に居たかったよ」


 目を開いて、滲む視界に自嘲する。もう叶わない、そんな願いを口にして。それで最後と、己の未練を切り捨てる。この先に、そんなものは要らないから。


「けど、もう大丈夫。俺はお前のこれからに、居てやることは出来ないけどさ。今の、いや、これからのお前なら。きっと大丈夫だって、信じてる」


 誰に届かせるでもなく、誰にも聞かせる気のない言葉を紡いで。結城恭介の残滓は涙を拭い前を見る。間もなく来る終わり。その日が来た時に、せめて笑って別れることが出来るように。






◇聖王歴1339年風ノ月33ノ日


 白い平野に跡を残して、少年は歩を進める。吐く息が白く染まる程の寒さの中、進む足は疲労で重い。

 臨海都市たるコートフォールから、彼が目指すソヴァーラと言う地は遠い。直線距離でも30キロ。雪の積もった道が続く。


 此処は既に人類最北端の生存圏である城壁の外、長い旅路の途中には無数の魔物が壁となって立ち塞がる。その度に腕を振るって、瞬く間もなく細切れにしていくのは同行者である朧。だが彼女が助力するのは、魔物が襲って来た時のみだ。それ以外の場面では、まるで少年を見定めているかのように、半歩下がって同行するだけ。


 徒歩で30キロの雪原を進む。健常者でも、中々に大変な道のりだろう。そして誤解を恐れずに言えば、龍宮響希は健常者などではない。そんな彼は、霞む意識の中でふと、記憶の断片を思い浮かべていた。


――ごめんね。ちゃんと産んであげられなくて。


 最も古い記憶を思い出す。物心付いた時からいつも、少年の母親は泣いていた。


 彼の母は、九州にある大きな神社の宮司の娘であった。彼女は惚れた男と駆け落ち同然に結ばれて、本州のとある病院で響希を産み落とす。

 1996年2月11日の6時33分、建国記念日の日の出と共に産まれた彼は、産まれた時から異常であった。体重1000g以下の超低出生体重児。何度も生死の境を彷徨いながら、育つ過程で判明したのは成長ホルモン分泌不全性低身長症と類宦官症の二つ。


 少年は大人になれないし、男になることもない。幼く中性なまま、死ぬまで生きると決まっていた。けれどまるでその代償だと言わんばかりに、少年の容姿は美しかった。老若男女の差を問わず、誰もが見惚れ誰もが絶句する程に。


 もしもなよ竹のかぐや姫が実在していたなら、きっと彼のように美しかったのだろう。正しく傾城傾国。その美には誰もが特別性を感じたから、大人に成れないと言う異常ですらも神秘的に映った。その血、その生まれ、その在り様の全てに誰もが神性を感じたのだ。


――化け物だ。アイツに関わると呪われるぞ!


 少年が周囲に齎す災害は、彼が齢を重ねる度に強くなった。その美しさに深みが増す度に、誰かの悲鳴が木霊したのだ。

 5つの時に実父が死んだ。その半年後には、気を惹こうとしていた虐めっ子たちが姿を消した。近所の人が誰も居なくなったのは、それから一年もしない内の出来事。


 美しさと悍ましさを年々増していく少年。その姿に霊感の高さから、母も恐怖を抱いてしまった。だから少し距離が生まれて、彼はその時一人ぼっちになっていたのだ。


――友達になろう。俺は、お前と、友達になりたい。


 だから、その想い出は今も一番大切な場所にある。失い続けていく日々の中、最期の時まで――否、その後もずっと一緒に居てくれた。その人のことを忘れるなんてあり得ない。


 一番の友達が出来て、前を見ようと思えたのだ。呪われている身でも、笑って過ごせると分かったのだ。だからこそ、あの日の地獄はその心を圧し折った。


――アンタなんか、産むんじゃなかった!


 実父を死なせて、再婚相手もまた死なせた。そんな子どもを、母は愛し続けることが出来なかった。葬儀の場で、睨み付けてそう叫ぶ。その直後に、己が口にした言葉を後悔したように顔を伏せて嗚咽を零す。そんな母を、響希はついぞ恨めなかった。だって、己の所為だと彼も確かに思っていたから。


 以降の関係は、親子と言うには冷え切っていた。憤怒と憎悪が故に触れ合えず、罪悪感と自己嫌悪が故に捨てられず、出した結論は消極的なネグレクト。子を家に一人残して、生活費だけは用意する。あとは一人、全てを忘れて仕事に打ち込む。それが少年の母が出した結論で、それに何か異を挟むことなど響希には出来なかったのだ。


――ふ~ん。アンタが、ねぇ。あー、私はアンタの母親の妹で、暫くこっちに住むからよろしく。おばさんって言ったら殴るから、気を付けなさいよね。


 少年の母を心配したのか、その家庭環境に思う所があったのか。葬儀から暫くした日に、家にやって来た伯母を名乗る女性が居た。

 ぐうたらで口も態度も悪い上に、響希に女装をさせたり髪の毛を短くすると怒ったりする上に、恭介に色々と絡んでくる面倒な人ではあったけれど。母が放棄した親の役割を、彼女に代わってしてくれた人だった。


 それにどれだけ助けられていたのか。言葉にしたことはなかったけれど、いつだって有難くは思っていたのだ。言葉にしておけば良かったと、今更に思うくらいには。


――さ、行こうぜ。響希。


 けれどやはり、一番有難く思っていたのは彼の存在だ。響希が災害を齎しても、誰一人として死なせずに乗り越え続けた凄い人。前を向く勇気がなかった響希が、その存在に依存するのは自然の流れだったのだろう。


 恭介が居れば大丈夫。恭介に任せておけば大丈夫。恭介が守ってくれるから大丈夫。何時だってそんな風に考えながら、その背中を親鳥を追う雛のように追い続けた。


 けれど、その背はもうないのだ。そう思った時にはもう、思いの欠片は消えていた。


「あ……」


 気付けば、目の前には焚き木の光。いつの間にか意識を失い倒れていたのであろう少年は、柔らかなその熱を感じて目を細める。


「あら、気が付きました」


 傍らには、花柄の着物を纏った黒髪の美女。零れ落ちそうな胸を折り曲げた片腕に乗せて、もう片方の手で頬杖を付きながら見詰めて来るのは朧と名乗った女性。


 黄色人種の女性としては比較的高めの身長は、160の後半くらいか。そんな彼女が石に腰掛けて、見下ろすように見詰めているのは響希が寝ているからであろう。だが例え起きていても、姿勢は然程変わらなかったかもしれない。それ程に、響希の体は小柄である。


 135.8㎝。最後に計測した時の彼の身長は、10歳の女児の平均程度。その小さな体躯に比例するように、彼の体力もまた少ない。見た目同様、どころかそれ以下だ。

 ホルモン不全と類宦官症と言う二重苦は、彼から健康な肉体を奪っている。50メートル走で12秒。走った後は息切れと眩暈で倒れ込んでしまう程度の体力しか、彼は有していない。


「けど、早いのね。貴方。そんなんじゃ、女を悦ばせるのは大変よ」


 そんな彼にしてみれば、30キロと言う距離の移動は苦行である。それも歩き難い雪原の踏破だ。ならば途中で倒れてしまうのも、道理と言うべき話であろう。


「うん。もう少し、歩けないと、駄目だよね」


「赤鸞の火は、いずれ貴方に人並みの体力を与えるわ。けど、それを拒むと言うのなら、我慢強さくらいは身に付けないと」


 臨海都市を出発して、既に丸一日。こうして途中で倒れたのは、これが初めてのことではない。何度も何度も少年は体力の限界を迎えて倒れていて、だからまだ目的地に辿り着けていない。あとどれ程に歩けば、辿り着けるのかも分からない。


 それでも倒れる度に少し休んで、再び歩き始める少年。その旅路を止めようとしない朧は、妖艶な笑みを浮かべたままに付き添い続ける。魔物と言う少年が抗えない脅威は事前に排除するし、倒れた後はこうして休める場を用意して介抱だけはする。だがその途中で案ずるような言葉を掛けることは一度もなく、唯々見定めつつも見守るだけである。


「まあ、先ずは体力を付けるところから。と言う訳で、熱くて白濁したもの、用意しておいたわ」


「ありがとう、朧」


「突っ込まないのね。可愛い女顔だけど、刺される方がお好みかしら」


「……何の話?」


「あら、純粋」


 差し出された食器によそわれていたのは、柔らかく似た米の粥。少量の薬味で味付けされたそれを、響希は受け取り口にする。

 食欲は余りなかったが、唯でさえ足りない体力を回復させるためにも食事は必要だ。そう思って口に運べば、食べ易く工夫された粥は思いの外に自然と胃に落ちた。


「おかわりは?」


「ううん。大丈夫」


 とは言え、元より響希は小食の身。片手サイズの器一つ分も食べれば、満腹となってしまうような省エネ仕様だ。

 多くを食べる必要はあっても、多くを食べることは出来ない。幼く未熟な体を横たえて、響希は静かに深く息を吐く。


「けど、懐かしい、夢を見たな」


 思い浮かべた過去は、その全てが綺麗な記憶と言う訳じゃない。唯、絶対に無くしたくない想い出があった。それを守ろうとした際に、引き摺られるように残った記憶群があっただけ。


 そうだと思う。思っていた。けれど、そうじゃないのかもしれない。この苦行を続ける中でふと、響希はそう思った。意識してなのか、無意識なのか。それは分からないけれど、それでも全てが失いたくなかった記憶なのではと。


「僕が手にしていたもの。僕の所為で失ったもの。それを捨てたくはなかったんだって、そう想えていたのなら」


 それはきっと理想論。希望と期待で彩った、内実なんて不明な言葉。けれど、もしも、本当にそう想えるくらいには心の強さがあったなら。


「神籬が齎す呪いに、負けることはなかったのかな」


 そんなことを考える。こうして体が動かぬ今に、考えずにはいられなかった。


「神籬? 一体何の話かしら?」


「……昔あった神様が、僕に向かって言ったんだよ。僕は神籬だって、ね」


 物思いに耽っていた響希の傍らに腰を下ろして、髪をかき上げてから問い掛けて来る朧。

 覗き込んで来る女の瞳を僅か見詰め返してから、空を見上げて響希は口を開く。誰かに話したい、そんな気分だったから。


「神籬が何なのか、僕は知らない。依り代とか、生贄とか、言われたけど。それが何を意味しているのか、分からない」


 その名を知ったのは、あの最期の日。燃える町の中で、倒れた親友の傍らで、仮面を被った男に告げられたから。


 まるで知らぬ単語であったと言うのに、それが己のことを指しているのだと言われるまでもなく分かった。

 すとんと胸に落ちたのだ。あるべき物が、あるべき場所に納まるように。己がそうだと、そうとしか成れぬのだと、その言葉だけで分かってしまった。


「けど、僕は昔から、周囲の人を傷付けた。其処に居るだけで、沢山の人を苦しめた。そんな呪いを、ずっとこの身は宿していたんだ」


 神籬であること。それこそが呪いの元凶。己が其処に居るだけで、周囲の誰も彼もを苦しめ傷付けてしまった原因。

 そうと分かって、さて龍宮響希は何を想ったのだろうか。今の欠けた響希では、同じ答えはきっと出せない。そうと思えたから、だから語っているのだろう。


「どうして僕は――龍宮響希は、神籬だったんだろう」


 父親を二度死なせた。母親を泣かせ、恨ませた。関わる人の悉くを不幸にした、その呪われた体質。どうして彼は、持って生まれてしまったのか。


「ふむ。ああ、成程成程。多分、それはスキルの一種ね」


「スキル?」


 答えなんて期待していなかったその言葉に、予想だにしていなかった言葉が返る。目を丸くする少年に、更に二・三問いを掛けてから朧は結論を出す。神籬と言う体質。それが如何にして、成立していたのかと言う真実を。


「そうね。例えば、頭の良い太郎君と言う子が居たとする。加減乗除。3桁だろうと4桁だろうと、一瞬で計算式を解けるような子。そんな子が居たとして、さて周囲に人はこう思った。彼がこんなに計算が早いのは、そういう特殊な技能を有するからだと」


「それは、信仰?」


「ええ、そう。人の信仰は、時に強い力を持つ。こうに違いない、ああに違いない、そうした理由を付けた内容が多くに信じられれば力と変わるの。それは時に、本人の資質さえも歪めてしまう」


 スキルと称される力がある。それはある種の大魔術だ。人間個人が使う物ではなく、人類全てと言う単位が個人に掛ける魔術。

 彼には特別な力があると、多くの人が信じることで成立する。誰もに特別だと信じられた者は、真実特別な存在へと変えられてしまうのだ。


「言ってしまえば、集合無意識が個人に対して魔術を掛けるようなもの。周囲の見知らぬ人間達が、気付かぬままに魔術を使い続けているの。だから誰もに信じられた嘘は現実となり、特殊技能と言う形で個人の魂に刻まれる。それを指して、スキルと言うわ」


 龍宮響希は、とある神宮の血筋に生まれた。建国記念日と言う特別な日に生まれ、誰もが見惚れる程の特別な容姿をしていた。そうである身においては、病ですら特別となる。


 二次性徴を迎えることが出来ないと言う現実は、男女を超越した存在と言う空想に塗りつぶされた。大人に成れないと言う体質は、永遠の幼さと言う奇跡を妄想させた。だから、彼は本当に特別に成ってしまった。


「そうね、この大陸だと罠師が有名かしら。彼の早仕掛けと言うスキルは、罠師なら手持ちの罠を目にも止まらぬ一瞬で仕掛けることも出来るだろうと言う大衆の信仰から生まれたものよ」


 誰もがそうだと認めた時、誰もが無意識に魔術を使う。故に世界は個人を呪い、その身に特殊な力を与える。時に恩恵ともなるそれはしかし、本質的には群の身勝手。個の意志なんて無視して大衆の都合を押し付けるのだ。


 その性質故に、場合によっては呪詛と呼ぶに相応しい結果を齎す。龍宮響希の身に起きた事象など、正しく呪いと言うべきものだ。


「大衆が、龍宮響希を異常と認識した」


「ええ、そう。特別な血を引き、特別な日に生まれ、特別な形をしていた。ならばこれは、我々とは違う生き物だ。貴方の神籬と言う体質は、スキルと言うには少し歪んでいる気もするけれど、本質はきっとそんなもの」


「成程、つまり僕は」


「神様に呪われるより前に、人類全てに呪われていたのね」


 言葉に響希は得心する。騙されているとか、朧が誤解しているだとか、そんなことは脳裏にだって浮かびやしない。

 ああ、そうかと納得出来た。分かってしまったのだ。龍宮響希はそうだったのだと。神籬の少年は、産まれた時から人に呪われていた。


「その事実が、悲しいの?」


「いや、今の僕に、そういう感情はないから。ああ、そうか、くらいにしか思えないかな」


「不感症ね。マグロ過ぎると嫌われるのは、男も女も同じでしょ」


「?」


「あら、例えが分からない。うーん、手取り足取り、あれ取って、体で教えてあげても良いんだけど。残念。もう少し、見定めたいと今は思うの」


 涙を拭うように朧が頬に触れるが、直ぐにその手を離して彼女は笑う。空に向かって広げた掌は濡れておらず、今も降り続いている雪が落ちて濡らした。


 溶けて雫となるそれを見詰めてから、空を見上げて響希は体を地面に倒した。朧が整えたのだろう。雪原の中に広がる、焚火を囲んだ土の色。その冷たさを背に感じながら、響希は唯空を見上げていた。


「因みにだけど、私達みたいな神威法の使い手はスキルを得られないわ」


「え?」


 零れた疑問は、果たして何に対してか。唐突な言葉を口にした朧は、響希と同じく空を見上げて告げる。少年の疑問になど答えることもなく、無情に告げるのだ。その或いはあり得たかもしれない可能性を。


「神威法は個我を極める術法。第一階梯の時点で、集合無意識からは半ば独立しそうになる。それを阻む為に総意は役を被せるのだけど、それで一杯になってしまうの。お腹の中に、もう入り切らない程。だから他人の信仰なんて余分、何処にも入れる余地がない。つまりはそういうこと」


 神威法の使い手は、心威に辿り着いた時点で己を己で満たしている。人を外れ掛けた身を、拘束する為に総意が新たな器を用意する程だ。

 だからその器に、総意の信仰なんて混ぜられない。己が己であると明確にした彼らは、スキルの恩恵を受けることもなければ、それに呪われることもないのだ。


「なら、もしも、龍宮響希に神威法が使えたなら――誰かの信仰なんかに負けない強さがあれば、誰も死なせずに済んだのかな」


「ええ、意味のないもしもだと思うけど。我意に満ちた我らを、外意が穢すことは叶わない。貴方が害を振り撒くことも、きっと起こらず済んだわね」


 だから、朧の語るIfはそれ。もしも龍宮響希と言う少年が、強く我を示すような男であれば――もしもドラゴンじゃなかったら、彼の周囲に居た者たちは誰も泣かずに済んだのだ。


「それで、それを辛いと、思えるかしら?」


「ううん。やっぱり、ああそうかとしか感じない。……今の僕は、歪だね」


 満面の笑みを浮かべたまま、嗜虐的な言葉を口にする朧。言われた響希は、一瞬瞳を瞑るが直ぐに開いて首を振る。

 負の感情が、今の彼の中にはない。嘆く怒る恨む憎む。そうした行為が、今の彼には行えない。唯、寂しいとすら、彼の心は感じなかった。


「ええ、そうね。だから私も、少し迷ってしまうのよ」


 そんな響希の反応に、頬に手を当てて女は笑みを崩す。そうして困ったと口にするのは、狂った女の身勝手な理由。


「正直そそるし、癖に沿ってはいるのだけど、後少し何かが足りない」


 響希の美しい容姿も、その儚さを感じる在り様も、王の背を追い強く成ろうとする性格も、全てが朧の好みである。

 だが、足りない。心が欠けているからか、後一息が足りていない。それさえ満たしたのならば、この少年は愛するに足る男と成るのではと。


 朧はそれが欲しいのだ。だからこうして手を貸している。欠落を埋めた彼の在り様が、この不足を埋めるに十分ならば。他の人間とは違い、簡単には死なない好みの男が生まれると言うこと。それはとても、とてもとても、素晴らしいことだと思えたから。


「だから期待してるわ。貴方がもう一度、悪なる竜に成るのをね」


 そう告げられた言葉を耳にして、響希はもう一度瞳を閉じる。背に触れる土の冷たさ。頬に落ちる雪の冷たさ。それらを感じながら、瞳を開く。そして、少年は立ち上がった。


「あら? もう行くの? 吹雪いてきたわよ?」


「うん。……何でだろうね。今は、立ち止まっていたくないんだ」


 雪が強くなり、風も強くなる。そんな中で立ち上がった少年は、期待の言葉を背にして歩く。

 彼の心は確かに欠けている。少年の心は確かに歪だ。けれど響希の心の中には、正の感情が確かにあった。


 悲しいことがあった。ならば今度は、そうならないように頑張らないと。

 苦しいことがあった。だけど大丈夫。今度はきっと、楽しいことがある。それを見付けに行けば良い。


 立ち止まっていられない訳ではない。唯、立ち止まってはいたくない。その想いで、彼は今を歩いて進む。


「なら、そのように。愚かでも、無謀でも、生きたいように生きなくちゃ。人生損と言うものでしょ? だからその最期まで、好きに進んでみなさいな」


 その背を見詰めた女は弁えているのだと内心で嘯きながら、三歩後ろを静々と歩く。時折腕を振るい、少年では乗り越えられない障害だけを糸で引き裂きながら。


(前に、進もう)


 そんな動きに気付くことさえ出来ない程に未熟なまま、それでも響希は雪原を歩く。


(この雪原のように、どこに進めば良いのかなんて分からないけど)


 真っ白な雪原。強まり続ける吹雪の中、最早前後左右さえも定かではない。来た道さえ分からない現状で、進み続けた所で目的地に辿り着けると言う保証なんてありはしない。


(ただ、がむしゃらに歩いている今のように)


 それでも、今は進みたかった。立ち止まって、今は休んで、道を確認してから進んだ方が良い。それが利口と分かっていたのに、それでも今は進みたかったのだ。


(前に、進もう。それが僕が、この今にしたいことだから)


 白い雪原に足跡を付けて、か弱い少年は前に進む。きっと幾度も迷うだろう。きっと幾度も倒れるだろう。


 それでも響希は進み続ける。ならば辿り着くのは必然だ。どれ程に時間を掛けようと、少年が止まることはないのだから。






以前に書いていた「もしもドラゴンじゃなかったら」はリメイクする予定がないのでぶっちゃけますが、同一世界線の別時間軸で起きた話と言う設定でした。


神の手によって世界規模のループが始まってから直ぐ、ループ回数が三桁になったばかりの時間軸での出来事。幻想の世界で神威法を知った恭介が、それを響希に習得させることで神籬の呪縛から解き放とうとしていたと言うのが大まかな話の流れ。


バンドのボーカルをやらせることで自発性を引き上げ、幽霊少女との間の関係を取り持つことで自身への依存心を減らし、様々な経験を響希にさせて、最終的には心威の習得にまで届かせることに成功する。そんな過去があったからこそ、邪神は響希と恭介に目を付けました。


「もしもドラゴンじゃなかったら」の次の周回から、アジ・ダハーカは産まれます。以降の世界線では神からの干渉が常にあったので神籬の呪詛が解かれることはなく、寧ろ回を重ねる毎に原動力となる人の総意は増え続けるので呪いも強まり続けてきました。

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― 新着の感想 ―
邪神さんの趣味が想像以上に悪い。 そ言えば、邪神さんの合格ラインはどこまで? 全人類が真人間になるまで? それとも善意の総量が悪意に上回るだけでOK?
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