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騎士選び

ガイゼルとお茶をした3日後に訓練している騎士を見学することになり、ファーストコンタクトが大事!ということで気合いを入れて準備する。


白髪の髪は一発で私が王妃であるとバレてしまうため、帽子で隠すことにする。


薄紫色の動きやすくて派手過ぎないドレスをチョイスし、髪の毛をお団子にするとつばの広い帽子を被る。

今の私はまだ人望というものがないので、騎士の正義感に訴えるような加護欲が湧く・守りたくなるような儚い感じを意識した。


王妃として舐められないようにと厚化粧、表情も緊張で固くなり、いかにも悪役!という顔であったが、ジヴァのメイクにより自分で言うのもなんだが、おとぎ話に出てくるようなエルフのような高貴でいて儚げな美しい顔になっている。

メイクって凄いなぁ〜……


王妃であることをバレたくないとガイゼルに言っておいた為、一般に公開されてる騎士の演習を見学するということになった。


前もって鏡に能力のある騎士を何人かピックアップしてもらい、顔を見せてもらい名前を頭に叩き込んだ。


鏡が能力があると出てきた騎士は4人。

アダムウォルフ・ベッカー

エドワード・ホフマン

フォンゾ・メイヤー

ベアノン・ワグナー


アダムウォルフ・ベッカー

辺境伯の四男で幼い頃から剣、体術、槍、弓などの戦い方を教えられ、難なくこなすオールラウンダー。

辺境伯の息子ということもあり、実践経験有り。


エドワード・ホフマン

足の速さは騎士団一で槍で複数人を吹っ飛ばせるというパワーの持ち主。

実践経験は少ないが、複数の敵に囲まれてもいい勝負をするだろう!と鏡が力説


フォンゾ・メイヤー

子爵家の次男で他の騎士と比べて身体の線は細いが、レイピアの腕は騎士団一。

騎士団の中で唯一のレイピア使いであるらしい。


ベアノン・ワグナー

副騎士団長の息子で自分の体の大きさや力の強さを利用した体術が得意。

棍棒で頭をぶん殴られても、倒れないタフさとパンチで大木を折れるパワーがオススメ所だそうだ。


こんなに優秀なら白雪姫が騎士に引き抜くだろうと思うが、アダムウォルフは幼い頃に盗賊に出くわし戦闘になり頬に怪我をしたらしく、顔と相まって怖いと選ばれなかったらしい。

白雪姫よ、やっぱ顔採用なのか…

確かにヤのつく職業の方みたいな顔の人が自分の周りにいて、不審者がいないかウロウロされたら心休まらないけども…鏡で顔をチラッと見たけどそんなに怖い顔じゃなかったと思うんだけど?


エドワードは得意とする武器が槍という事もあっていつでも槍を室内に持ち込める訳でもないし、身近で護衛するには不向きな武器ということで選ばれなかったとか。

折り畳める槍みたいなのってないのだろうか?

組み立て式の槍とか…あ〜、でもこの世界観だもんなぁ〜。

そこまで技術とかなさそう、魔法とかもそこまでメジャーじゃない感じだし。

魔法の鏡とか、杖とか打出の小槌とかはあるのに、魔法の呪文とかはないし、中途半端な世界だわ〜。


フォンゾはメイドや貴族のご令嬢に見境なく声をかけては、手を出すという下のゆるい男であった為に白雪姫には近づけてはいけない!と話にのぼらなかったらしい。

子爵より上の地位にいるご令嬢には手を出さず、自分の家の権力で握り潰せそうな子にターゲットを絞っているらしく、窮地に陥るということにはなってないらしいが……

サイテー野郎過ぎるのですが?

こいつに自分の命任せられないんですけど?

もっとまともな人材はいなかったの?ねぇ?


ベアノンは他の騎士より一回りも体が大きく、力が強すぎて物を破壊してしまうため優秀であったが選ばれなかったらしい。

といってもどのくらい大きいのか予想もつかないが…

騎士団長のガイゼルは立派な体格だったが、ガイゼルと同じくらいだろうか?それともガイゼルより大きかったり??

力が強すぎて物を破壊するって…マジでいるんだ破壊神みたいな人。

力の制御の仕方とか知らないんか?


鏡が太鼓判を押す人材ではあるけど、不安なんだけど…?


ユイに案内され、いざ騎士達が公開訓練している訓練場に入る。

周りを見ると白雪姫の誕生日に呼ばれてた貴族令嬢達がオペラグラスで騎士達を見て、黄色い悲鳴を上げている。

なんだろ、アイドルのライブ会場みたいな…


令嬢達がキャッキャっとはしゃいでいる声が耳に入る。


「フォンゾ様よ〜…むさ苦しい騎士の中の貴公子だわ!」

「バカね、フォンゾ様は根っからの遊び人よ?断然エドワード様だわ!」

「私は寡黙で力強いベアノン様にあの素敵な筋肉で抱きしめられたいですわ〜」

「まぁ、むっつりですこと。私はアダムウォルフ様がいいですわねぇ。顔の傷もワイルドでかっこいいですし、王様からの覚えもめでたいと聞きますわ」


鏡がオススメしてた人達、結構モテるみたいね

なんか令嬢達がアイドルの追っかけをしてるオタクに見えてきた。

どこの時代も世界もいるんだ…


さて、私も見学しますか…

私は令嬢達から少し離れた訓練場が良く見えそうな場所に座るとユイから差し出された飲み物を飲みながら優雅に見学する。


鏡がオススメしてきた4人は……おぉっ!銀髪で頬に傷があるあの人がアダムウォルフかな?

さっそく見つけた騎士候補の1人アダムウォルフは模擬刀を持った騎士5人に囲まれていた。

え?なにあれ?集団リンチ?いじめ?となったが、1人で5人の騎士と互角に戦っている。


「まぁ、すごいわね…」


他の騎士候補は…とキョロキョロと訓練場を見回すと赤毛の騎士が目に入る。

鏡に見せてもらったエドワードの特徴と合致する。

エドワードは何をしているかというと、倒立腕立てをしている。

倒立腕立てって何って?普通の腕立ての逆立ちバージョンって言ったらわかる?

槍を扱うのが得意なんだものね…腕の筋肉は発達してるわよね…


「…いや、戦闘系漫画のキャラかよ」


とついボソリとツッコんでしまった。


気を取り直して他の騎士候補は何をしてるんだろうと見回すと金髪で長い髪を1つに縛った男と目が合う。

あれは…鏡が見せてくれたフォンゾの特徴に合致する。

私と目のあったフォンゾはパチリとウィンクをすると、腰にさげていたレイピアでサンドバックを破壊する。

目にも止まらぬレイピアでの強烈な突きに関心するが、いつの間にか私の腕には鳥肌が立っていた。

フォンゾからナルシストの匂いを嗅ぎ取ったからだろうか?

前世のニホンジンの頃の私は話が通じないナルシストという人種が苦手だったりする。

極たまに話の通じるナルシストもいるがそれはごく1部、出来れば関わりたくないんだけど…

というかさっきからチラッチラッとこっちを見てきてる気がする。

正直言ってウザイ


「見なかったふりしましょ…」


最後はベアノンだ。

ベアノンは他の騎士より一回りくらい大きかったのですぐに見つかった。

何をしてるのだろうと様子を伺っていると慌てたように辺りをキョロキョロと見ている。

ベアノンの手には折れ曲がった剣が握られている。

訓練用の剣なのだろう、刃は潰されている。


まさか…力が強いとは聞いていたけど鉄で出来た訓練用の剣を折り曲げるってどんだけ怪力なのよ


ベアノンは折れ曲がった剣を両手で持つと逆側に折り曲げ、なかったことにした。

心なしかベアノンは「ふぅ〜、危なかった」みたいなホッとした顔をしている。

いやいやいやいや、セーフじゃないから!?



ベアノンを見ているとのその後ろからガイゼルが般若のような顔をして拳骨を落とす。


「いでっ!?…なにを!あっ…団長…」


「また騎士団の備品である訓練用の剣を壊したな?これで15回目だぞ!お前はいい加減力の加減というものを学べ!」


「す、すみません…」


だから言わんこっちゃない……というか15回もやってるの?

逆に鉄の剣をどういうふうに扱ったら折り曲がるのよ…


ガイゼルはチラチラとこちらに視線を送るフォンゾの近くに行くと、ギロリと一睨み。


「フォンゾ!貴様はさっきから訓練に集中出来てないようだなぁ?お前が訓練に集中出来るように手ほどきしてやろうか?」


「うわぁっ!?やべ、いえ、結構でーす。めっちゃ集中してますから!ね?ほら?」


フォンゾは顔を真っ青にして真面目に訓練し出す。

うん、ガイゼルのその一睨みで小心者はチビると思う。

自分に向けられたらチビるわ。


訓練の様子はあらかた見終わったので帰ろうと席を立つ。


「ユイ、あらかた見終わったし部屋に戻るわ」


「かしこまりました」


訓練場から部屋に帰る途中、フードを被った怪しい人物とすれ違う。


王宮にあんな怪しい出で立ちの者がいるのにも関わらず、ユイも掃除をしているメイドも誰1人としてフード姿の人物について何も言わない。

なんなら視線すらもいかない。

こんな怪しい出で立ちなのに、まるで透明人間みたい。


「止まりなさい」


私は大きな声でその怪しいフードを被った人物を呼び止める。


「王妃様?…いかがされましたか?」


突然大きな声を出した私にユイは困惑した様子だが構わず続ける。


「あなたよ、そこのフードを被った不審者!」


そう言うが早いか走りにくいヒールを脱ぎ捨て走り出す。


「マジかよ!?なんで見えるんだよ!」


フードを被った不審者は慌てて私から逃げようとする。


「ユイ!直進して私から10メートル先の何も無い空間に向かって飛び蹴りしなさい!」


ユイは私の意味のわからない命令に従い、エプロンの裾を持ち上げるとすごい速さで走り、フード男に渾身の飛び蹴りをお見舞いする。


「ぐはっ!?」


ユイの飛び蹴りを食らった怪しいフードを被った人物は前へと倒れる。

倒れた弾みでフードがとれ、怪しい人物の髪が見える。


ユイは目を見開き一瞬動きを止めるも、その男をどこから出したのかロープで縛り上げる。

あっという間にぐるぐる巻きにされ、芋虫の完成だ。


「何しやがる!?離せ!やめろ!ロープを解け!」


ユイに捕縛された謎の男はバタバタと暴れている。


「ねぇ、あの男の人。どこから来た?」

「いきなり現れたわよね?」

「えぇ、あのメイドが何も無い空中に向かって飛び蹴りしたと思ったら鈍い音がして、いきなりあの男が現れて…」

「不審者よ!誰か!近くに騎士様がいるわ!呼びましょう!」


掃除をしていたメイド達が騒ぎ出す。

やっぱりユイや掃除をしているメイドには見えてなかったのね。


「何か騒がしいですが何事ですか?」


ここは訓練場から近いこともあって現れたのはガイゼルだった。


「ガイゼル様、良いところに!実は不審者を捕まえまして…」


丁度いいわ、この不審者はガイゼルに身柄を渡しましょう。



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