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心に咲くは復讐の華

独撃編は男sideのみになります。




 国会議事堂を出て一人、俺は現実を再認識することができた。

しかし、だからと言って引き返すわけでも、やりたいことができなくなったわけではない。


 「まだ、殺さなきゃならねえ奴がいるからな。」


 俺は背中の刀をさすり、歩いた。

力尽きたゾンビどもの悪臭も、その醜悪な姿が目に入っても、俺は臆することなく進む。


 そうして住宅街の路地を歩いているところで久しく、俺はそいつに会った。



 ――生きてる、ゾンビを。――



 「久しぶりに暴れられるってか、望むところだ。」


 肩慣らしにちょうどいい、数もちょうど少ない。

背中の刀を取り出し、構える。


 久しく構えていなかったその刀は、俺にとって少し重かった。

銃は撃っていたが、長物を持ち振り回していなかったため、筋力が落ちたのかもしれない。


 息を深く吸い、俺は走り出す。

その動きに気づいたゾンビどもが俺に向かって歩き出す。


 「トロイな! 

片目でも殺せるぜ!! 」


 刀を振り下ろし、足を止める。

振り下ろした刀は俺が標的にしていたゾンビの首を斬っていて、そいつは力なく倒れた。


 足を止めている隙にも、奴らはジリジリと距離を詰めてくる。

銃を取り出そうとして、俺は躊躇った。




 ――ここで撃つと、数が増えるっ! ――



 

 俺はゾンビどもを引き付けながら場所を変えるために走り出した。

この場所で大勢を相手するには不利すぎるからだ。


 しかし、どこまで走っても、同じような路地ばかりで、やはり大勢を相手するには狭すぎた。

頭を回転させて打開しようとしているが、ゾンビの数はどんどんと増していく......。


 俺は近くのゾンビを斬り付け、ついに銃を取り出した。

そして進行方向にいた数体のゾンビの頭に銃弾を命中させ、逃げることにした。


 本望ではなかったが、命あっての物種だ。

またこいつらと相手できる機会を楽しみに、俺はとある目的地を目指して走り続けた。

 






  走り、疲れたら歩き、また走りを繰り返し俺が目指していたとあるビルに着いた。

施錠されていない扉を開け、階段を上りきるとまた扉が出てきた。

俺は慎重に、できるだけ音を立てないように扉を開けた。



 すると――。



 

 「やっぱりなっ! 」


 少し開けたところで、銃弾が扉に当たる衝撃が伝わった。

扉の向こうにいる誰かも、銃を持っているようだ......。


 しかし、そんなことは想定内だった俺は、再びドアを少し開け、とあるものを投げ入れた後、再びドアを閉めた。



 「なんだ!? 

うっ、げほっ! なんだこれはっ!? 」


 扉の向こうから悲鳴とせき込む声が聞こえてくる。

しかし、俺が投げ入れた催涙弾は非殺傷のものなので、こいつらが死ぬことはない。


 目も開けられないような状態のそいつらは、痛みから逃れようと俺がいるところのドアを開けてきた。

そこをすかさず俺は足で引っかけ、階段から転ばせる。


 階段から転げ落ちたそいつは打ちどころが悪かったようで、転げ終わったところで動かなくなっていた。



 催涙弾の効果の効果が部屋に充満しなくなった頃を見計らって、俺は最初の部屋に侵入し、忍ばせていた消音器付きのハンドガンをひるんでいる奴らの胸を撃ち抜いた。


 「うがっ......」

 「うっ......」


 胸を押さえて倒れこんだそいつの胸倉をつかみ、顔の様子を確認した。


 

 両目は赤く充血し、胸を撃った影響からか口から血を垂らしていた。

とどめと言わんばかりに俺はそいつの鼻を思いっきり殴り、鼻を折ってやった。

するとそいつは気を失ったのか死んだのか、ぐったりとして動かなくなる。


 上の階に上がろうとしたところで、上の階へ上るための階段の扉が開いた。

そしてそこに、俺が本気で殺したいと思っていた人の二人目と対峙することになった。




 「久しぶりに会ったじゃないか、我が息子よ。

前よりも凶暴になったように見えるな。」


 「クソ野郎......! 」


 俺はハンドガンを仕舞い、そいつの前に立った。

しかし、俺はそいつを殴ろうとしなかった。


 こいつは俺にとっての師匠であり......







 ――親父だからだ。――


 俺を育て、ここまで強くしてくれたのはこの親父のおかげでもある。

しかしその反面、母親にかなり強く当たっていたのも事実だ。


 こいつのせいで実家の経済は圧迫され、一方的な理由で離婚を迫り、挙句の果てには金まで請求してきた、クソ野郎だ。





 ――少なくとも、俺の体にはそう刷り込まれている。――


 だが、どんなクソ野郎でも話を聞いてやろうと思い、俺は親父の前に立った。


 ――未練なく、こいつを殺せるように。――






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