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復讐

残酷な表現が強いです、注意して下さい。

 優side



 制圧が完了して、私は国会議事堂の前で再び立ち止まった。


 「陽性ですので中に入れることはできません。 」

 「わかっているわ、だからここにいるの。」


 私がその自衛官を睨みつけると、彼も私のことを睨んできた。

しばらく睨みあっていると、国会議事堂の入り口から一人の男の人が出てきた。


 「おやおや、お互いに睨みあうのは良くないですね。 」


 その人の正体は、この国全体を取りまとめる総理大臣だった。

彼は睨みあっている私たちの前に立つと、目の前で手刀を切って視界を一瞬遮った。


 その行動で意識が総理大臣に向き、彼の顔を見た。


 ――穏やかな顔だわ...... ――


 私が口を開く前に、自衛官が口を開いた。


 「大臣、彼女は感染していて危険です。彼らのようになるのは時間の問題かとっ。 」


 その言葉を聞いた大臣は、私の顔から体をまじまじと見てきた。

しかしその目はいやらしい目ではなく、本当に感染しているか確認しているような目だった。


 「お嬢さん、お名前を教えていただけますか? 」

 「井上 優です。 」


 その名前を聞いた彼は、軽く驚いた顔をしたのち、すぐに元の顔に戻った。


 「あぁ、製薬会社の社長令嬢さんでしたか。

 感染したと聞きましたが、噛まれたのはいつですか? 」


 「一年前です。 お父様が作ってくれたワクチンが私に適応してくれたから感染者にならないで済みましたわ。 」


 私自身、信じてくれるとは思っていない。

いくら事実とは言え、あまりに根拠がない話だから......


 「そうですか、そのワクチンの複製は可能ですか? 」


 大臣が、私にそう聞いてきた

私が首を横に振ると、彼は落ち込んだ顔をしたけど、すぐに元の顔に戻った。


 「いいでしょう、しばらく感染が認められてませんし、中へご案内します。」

 「し、しかしっ! 」


 否定の言葉を述べようとする自衛官を大臣は手で制止し、私は国会議事堂に案内された。


















 男side




 会議の内容なんて、くだらなすぎてほとんど聞いていなかった。

そもそもが俺の知っていることばかりで、隣で聞いてる少女はうとうとしていて、大毅に関しては腕を組んで寝ていた。


 会議が終わり、ぞろぞろと部屋から出ていくやつらを見て、俺は二人の肩をゆすった。


 「おい、終わったぞ。」

 「もう少し寝かせてくれ......」


 大毅はかろうじて返事をしてくれたが、少女はぐっすりと眠っていた。

しばらく落ち着いた環境になかったから、仕方ない。

俺は一人で部屋を出て、国会議事堂を散歩し始めた。


 「ねぇっ! 」


 大きな声で、俺は後ろから声をかけられた。

振り返り、その顔を見た俺は心の底から湧き上がる心があった。


 「こんなところにいるなんて、どうして着信に出てくれなかったの? 」

 「うるせぇ。」


 目の前には、俺の人生を滅茶苦茶にした元カノがいた。

怒りで頭が沸騰しそうなのを我慢して、俺は元カノを人気のない部屋に案内する。


 「詳しく話を聞いてやる。隠し事は無しで話しやがれ。」


 長い間使われていないのか、ほこりをかぶった椅子に座り、俺は元カノの目を見ながらそう言った。

するとそいつは饒舌になり、いろんなことを話してくれた。


 ――俺の母親を殺した男と子供を作ったこと。

 ――そいつのコネで感染爆発が起きたときもいの一番に安全施設に案内され、身の安全を確保したこと。

 ――目の前で泣いている人の前で、平然といつもどおりのせいかつをしてきたこと。


 聞けば聞くだけ、心の中のリミッターが外れていく感覚だった。


 「それで、腹の中のガキは何か月だ。」


 大きくなったその腹を見ながら、俺は問う。


 「九か月なの、その男も死んじゃったから、あなたに面倒を見てほしいなって。」


 ――その言葉を聞いて、ついに俺の心は爆発した。


 「じゃあガキがいなけりゃ面倒は見なくて済むな。」


 俺は平澤に渡された消音器付きの小型拳銃を元カノの下腹部めがけて構え、引き金を引いた。

瞬間、そいつは膝をつき、悲鳴を上げそうになったので顎を膝で蹴り、顎を砕く。


 「俺の母親を殺しといて、何が責任を持てだ? 

 一生ここで償ってろ。」


 下腹部の小さな穴から、大量の出血をしているのが確認できた。

ほぼ間違いなく、腹のガキは頭を打たれ、流産することになるだろう。


 しかし、こいつにはそれすら生ぬるい。


 「死んで償え、クソ野郎。」


 俺はナイフでそいつの舌を切り、その場を後にした。

部屋を出る間際、振り返るとそいつは俺に土下座をしていたようにも見えたが、見る価値もなかった。







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