再構築 新たな人生設計
男side
道中に奴らは出てこなかった。
幸いというべきか、もしくは退屈な道だったか、俺にとってはどうでもいい。
それよりも、自分の家の状態が気になっていた。
「お兄さん、おうち大丈夫かな?」
心配そうな声で少女が俺に問いかけてくる。
そんな少女に俺はこういった。
「わからねえよ、行ってみねえと。でも、大丈夫じゃなかったら作り直す。」
いくら奴らを殺すことが楽しいとしても、殺し続けていたらさすがに飽きて来るし、自分の身が持たない。
しばらくの間落ち着いて暮らすことのできる環境を目指して、俺は頭を悩ませていた。
しばらく歩き、俺はとあるところで足を止めた。
それは、ホームセンターの前。
「お兄さん、買い物?」
俺は首を横に振り、大きなごみ箱を見る。
かつて中から爪をひっかく音を発していたが、今では音沙汰がない。
――あの中に、こいつの母親がいる。――
見せるべきか、それともまだ嘘を続けるか、悩んでいた。
ふと、感染者の声がしたので振り返ると、よろよろとした足取りで俺と少女のところに近づいてきていた。
「邪魔だ。」
俺はそれだけ言うとそいつの頭を殴り飛ばし、足で繰り返し踏みつぶした。
――前にもこんなことを――
原型をとどめなくなった頭部を見ながら、俺は少女に対する申し訳なさで胸がいっぱいになる。
「ここには用はない、行くか。」
俺はごみ箱の前で手を合わせ、その場を後にした。
後ろを振り返ると、首を傾げながらごみ箱を見る少女がいた。
しかし、すぐに俺の後をついてきた。
家の中はひどい状態だった。
玄関に倒れていたであろう死体は腐り、ひどい臭いを発していたし、誰かが侵入した跡があり、とても住めるような状態ではない。
とりあえず腐った死体は外に捨てて、少女を奥の部屋に連れて行った。
「ここなら臭いしないだろ?」
「少し、するけど......大丈夫......」
それくらいは我慢してもらい、俺は雑巾で玄関を拭くが、臭いが消える様子はない。
それならば俺は先に散らかった部屋を片付けることにした。
少し寒いが窓を開けて、部屋の中を換気する。
その間にテーブルの位置を直したり、キッチンの散らかった食材などを片付けていた。
「お兄さん、パソコン付くみたい!」
「ほんとか!」
俺が駆け付けると、パソコンの画面がついていて、そこに映し出されていた画面は......
――国家は法律を放棄しました――
そう書かれた、一文だった。




