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『異世界リペア工房 ~ハズレスキル「鑑定・修理」でガラクタも人生も直します~』  作者:


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第2話 リペ、本日二度目の故障。


「ご主人様!」


「はい。」


「お腹が空きました!」


「ゴーレムって腹減るの?」


「分かりません!」


「分からないのか。」


修は苦笑した。


町を歩きながら、パン屋の前で立ち止まる。


「とりあえず俺が食べるか。」


焼きたてのパンを一つ買う。


「いい匂いです!」


「食べられる?」


「たぶん!」


「たぶんって……。」


リペはパンを受け取り、勢いよく口へ運んだ。


ガリッ。


「……。」


「……。」


パンが欠けた。


リペの歯も欠けた。


「ご主人様。」


「うん?」


「私の負けです。」


「勝負してないから!」


修は思わず笑ってしまう。


そのままパンをちぎり、自分だけ食べ始めた。


「美味しい……。」


リペはじっと見つめている。


「食べたい?」


「見ているだけで幸せです!」


「そんな健気なこと言われると困るな。」


すると、パン屋のおばさんが笑いながら言った。


「その子、あんたの娘かい?」


「違います!」


「ご主人様です!」


「余計ややこしい!」


パン屋は大笑いだった。



町を歩いていると、リペが突然立ち止まる。


「ご主人様。」


「どうした?」


「あれです。」


指差した先。


町外れに、一軒のボロボロの建物が建っていた。


屋根は崩れ。


壁は穴だらけ。


窓ガラスは一枚もない。


看板も落ちている。


「完全に廃墟だな。」


リペは胸を張る。


「修理できます!」


修は建物に手を置く。


すると頭の中に文字が浮かんだ。


【対象:空き工房】


【損傷率:87%】


【修理可能】


【消費RP:0】


「ゼロ?」


「初回サービス?」


リペは首をかしげる。


「さあ?」


「知らないんかい。」


修は深呼吸した。


「……修理。」


柔らかな光が建物を包む。


ギシ……


ギギギ……


バキバキッ!


崩れた柱が立ち上がる。


割れた壁が繋がる。


屋根が元に戻る。


落ちていた看板が空中へ浮かび上がる。


数秒後。


そこには、木の温もりが残る、小さくて可愛らしい工房が建っていた。


新品ではない。


年月を感じる、味のある建物だった。


修は思わず笑う。


「新品じゃなくて、『長く大切に使われてきた家』って感じだ。」


その時、頭の中に文字が浮かぶ。


【修理完了】


【リペアポイント(RP)を獲得しました】


【RP:10】


「RP?」


リペが飛び跳ねる。


「レベルアップできます!」


「おっ、ゲームっぽい。」


【リペをアップデートしますか?】


修は試しに頷く。


「やってみよう。」


リペの体が光る。


ピコン。


【アップデート完了】


「終わり?」


修が首をかしげた、その瞬間。


リペの目がキラーンと光る。


「新機能を取得しました!」


「何が増えた?」


「掃除速度が三倍です!」


「地味ーー!!」


リペは猛烈な勢いで掃除を始める。


シュババババッ!!


床が輝く。


窓が輝く。


壁が輝く。


「おぉ、すごい……。」


そう思った次の瞬間。


ゴンッ!


勢い余って柱に激突。


バキッ。


首が三百六十度回転した。


「ご主人様。」


「うん?」


「また壊れました。」


「早いよ!」


修は額に手を当てた。


「記録更新だ。」


「開店前に二回故障。」


リペは照れ笑いする。


「えへへ。」


「褒めてない。」


修は笑いながら、リペの頭を元の向きに戻した。


カチッ。


「修理。」


優しい光がリペを包む。


「ありがとうございます!」


「はいはい。」


修は工房の入口に落ちていた古い看板を拾い上げた。


筆を取る。


何と書こうか。


少しだけ考えて。


ゆっくりと文字を書く。


異世界リペア工房


その文字を見たリペは、大きく拍手した。


「世界一素敵な名前です!」


修は照れくさそうに笑う。


「……世界一かどうかは分からないけど。」


「ここが、誰かの『帰ってこられる場所』になればいい。」


その時だった。


チリン。


入口のベルが鳴る。


一人の少女が、不安そうな顔で立っていた。


胸に抱えているのは、片耳が取れた小さなぬいぐるみ。


「すみません……。」


「ここって……。」


「壊れたものを、直してくれるんですか?」


修は優しく微笑む。


「もちろん。」


「ここは、そのための工房ですから。」


リペは胸を張る。


「壊れても大丈夫です!」


修はすかさずツッコむ。


「お前が言うと説得力がありすぎるんだよ。」


工房に、最初のお客さんがやってきた。

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