戦い終わって
すべての競技が終了し、審査員の反省会も終わった頃。
ようやく、顧問の杉浦先生が私たちのところへ戻ってきた。
「みんな、お疲れ様」
穏やかな声がかけられたが、部員たちの表情はどこか暗い。
「先生、すみません。結果が出せなくて……」
誰かが消え入りそうな声で漏らした。けれど、先生は首を横に振る。
「いいえ、最後までしっかり演技をやり遂げていたわ。問題ない。次につながる、いい結果を残せているわよ」
「でも……点数が全然……」
掲示されたスコアの差。それを思い出すと、どうしても俯いてしまう。
「ああ、それね。秋の地区大会で上位に食い込んでいるのは、ほとんどがクラブチーム出身の子たちなのよ。彼女たちは全然『新人』じゃない。下手したら小学校に入る前から、英才教育を受けてきた子たちだもの」
先生は、言葉を噛みしめるように続けた。
「でもね、あなたたちも中学三年生になる頃には、あの子たちと互角に戦えるようになる。それは私が保証するわ」
試合直後、あの見事な手具さばきを見せつけた選手たちの後では、先生の言葉をにわかに信じることは難しかった。
けれど、それを補強したのは部長の佐々木さんだった。
「私だって最初は負けてばっかりだったけど、最終的には勝てたんだから。あなたたちだって勝てるわよ。……少なくとも、『最初から勝てない』って決めてたら、勝てる勝負も負けることだけは確かね」
佐々木さんの毅然とした言葉が、和美の胸に響く。
新体操は、傍目には優雅で華やかな世界に見える。けれど、その実態は泥臭い練習と執念がぶつかり合う、過酷な「勝負」の場なのだと、改めて実感した。




