友人に絡まれる2
よろしくお願いいたします!
おい、駈!
リストとも話をしていた輝子が、駈に呼び掛けた。
二人の会話の内容がどんなだったか、個人的に気になった駈である。
ひとまず、輝子に返事をした。
「どうしたの?」
「何でお前の周りには、こんなに女性が集まるんだ?しかも、とびきりの美人ばっかりだ」
不公平じゃないか。
とでも言外に込められた意味を、駈は感じた。
「何でも何も……特に何かしているっていう覚えはないんだけどねぇ」
「くそっ!無自覚に引き寄せるフェロモンか何かでも出してやがるのか!」
俺にも寄越せと輝子が寄ってきたため、駈は反射的にコブラツイストをかけていた。
「その美人ばっかりと話していたわりには、あまりテンションが上がっていないようだけど」
「痛ててっ?!平然と技をかけながらしれっと話を進めるな?!っていうか、この扱いひどくない?!」
「いやぁ、近寄ってきたもんだからつい。君が無遠慮に近寄ってくるからだよ、全く」
駈は輝子を開放した。
助けに来てくれた友人にひどい仕打ちだった。
「しかも、俺が悪いみたいな感じにされてるだと?!」
「まぁまぁ。3・7で僕が悪いよ。謝れ」
「俺が7じゃねぇか?!」
この鬼、悪魔、運動神経抜群!
輝子は悪口の後に駈を褒めていた。
ところでさ。
駈が仕切り直しだというように輝子に質問する。
「あんまり嬉しそうじゃないよねぇ」
「何がだ?」
「彼女らと話していたわりには」
輝子が自ら美人ばっかりだと言っていたのだ。
いつもの彼だったら、もっと勢いづいて彼女らにアクションをし、そしてヒかれていくはずだった。
「ああ……そのことか……」
輝子は急に遠い目をして、無理に大人びる雰囲気を醸し出し始めた。
いくら友人だとは言え気色悪くなった駈は、輝子に足で砂をかけながら心配気な表情をしつつ、確認した。
「ダンジョンで拾い食いでもしちゃったの?」
「違うわい!砂をかけるな!表情と行動が一致していないぞ!」
ぷわっぷ、となった輝子は魔法でそよ風を起こして、視界をきれいにした。
「ふぅ、スッキリしたぜ!」
駈はもう一度、砂をかけた。
「ちょっ?!話が進まない!わかったから!すぐ話すから!」
砂が目に入ったのか涙目になりながら、輝子は急いで駈に答えた。
「年上が苦手なんだ……。姉貴の影響でな……」
「……砂かけてごめん」
あの遠い目には、そんな意味があったということを知り、申し訳なくなった駈はすぐに輝子に謝った。
「気にするな……」
はぁ、と輝子はため息をつく。
「っていうことは彼女たちの名前とかも教えてもらったのかな?」
「ああ!それにしても、くそー!せめて同い年だったらなぁ!」
輝子は地面に手を付き、ひどく残念がる。
本気で年上が苦手らしい。
輝子の歴史を知ったような気がして、少し同情する駈。
と同時に、一つ気になることを輝子に改めた。
「……君は何も気にしないの?」
「ん、何がだ?」
輝子は何を言われているのか本気で分からないといった顔をした。
輝子の反応を見た駈の表情に少しの笑みが浮かぶ。
「……いや、何でもないよ。ありがとう。君と友達でいて良かったと初めて思ったよ」
「お、おい?!急にどうした?!体調でも悪くなったか!?っていうか、今初めてって言った!?」
駈の突然の発言に輝子は取り乱した。
だから駈はさらに笑顔を浮かべて、付け加えた。
「うん!それは間違いないよ!今が初めてだった!」
「強調しないで!傷付くから!」
そんな良い笑顔で頷いて欲しいことじゃないから!
そう叫んで、輝子は地面に崩れ落ちた。
駈はなぜか一仕事終えたと言うように、ウンと頷いた。
「君たちは仲が良いのか悪いのか、よく分からないな」
ひっそりと近付いてきていたリストが呆れたというように呟く。
「いやぁ、仲は良いんですよねぇ。ねっ?輝子?」
「うん、まあ、悪くはないよな?」
駈に落ち込まされていた輝子はいつの間にか、復帰していた。
「……何よりだよ」
リストは渋い表情でそれだけを言葉にするのだった。
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