アカズのダンジョンと旧きもの7
もう少し良い流れが思い付いたら書き直します!
よろしくお願いいたします!
そんな様子でしばらく考えていたリストだったが、やがてウンと頷きを一つ入れる。
考えがまとまったのだろうか。
駈がリストの次の反応を待っていると。
「なるほどね。なら……」
「なら?」
リストがおもむろに近くの空間へ向かって手を振ると、その瞬間、そこが裂けた。
中は何とも例えようのない極彩色が見えており、グニャグニャに歪んでいる。
駈と蓮火は少し気味が悪くなった。
その光景を生み出したリストは、特段気にするような素振りも見せず、手をそちらへ向ける。
「わたしは普段、この中にいよう。カケル君が移動しても、この中であれば君のそばにいることができるからな」
「その中に入るって……大丈夫なんですか?」
解決策を提示してきたリストは、それを見つけることが出来て喜ばしいはずなのに、その口調に何となく寂しげなものを感じて。
駈はリストに問いかける。
「ああ、わたしに限って言えばいつまでいても問題はない。他の者が入れば20分ともたないだろうがな」
一体どういう魔法なのか。
そもそも魔法なのかすらも分からない駈と蓮火。
しかし、先ほど自分が発言した問題は一応、解決していると蓮火は思ったのか。
「それなら……問題ない……のかな?でもなぁ…」
それでもまだ、うーんと悩んでいる様子だった。
駈はと言うとリストをじっ、と見ていた。
ふとではあるのだが、疑問というか気になることがあった。
仲間にしてくれないかな?
そう言われた瞬間までは気付かなかったが、駈はそれ以前のやり取りをなぜか思い出す。
何十年前からかここにいるから。
久しぶりに人と会話するのは楽しいなぁ。
私は色々出来るぞ。
だめ……かな……。
思えば、ふざけたやり取りをしている時も、その口調はどこか自分を構って欲しいというように。
次の会話を途切れさせないようにしていたのかもしれない。
そんなことを駈は今さらながらに感じていた。
そう言えば、とまた思い出す。
この部屋に入るまで耳に聞こえてきていたすすり泣くようなその声が、今はもう無くなっている。
駈は少し考える。
一番良い方法がないのか、リストがあの薄気味悪く、そして寂しそうな空間の中にいなくても済む手段がないのか。
そして、一つ思い付く。
うん。
ちょうど良い方法があるじゃないか。
その考えを駈は口に乗せる。
「リストさん」
名前を呼ばれたリストは、自分の望みが叶わないことも覚悟したような儚げな顔をして駈の方を向く。
「リストさんの言う仲間になるっていう条件に合致するかどうかは分かりませんが……」
駈はその方法を告げる。
果たして、それを聞いたリストは。
「……ありがとう」
駈に一言、お礼を返す。
その言葉は、たった五文字の何気ないもののはずなのに。
リストの心は満たされている。
そんな風に駈は感じ、その方法を見つけることが出来て良かったと思うのだった。
お読みいただきありがとうございました!




