アカズのダンジョンと旧きもの6
よろしくお願いいたします!
「うえぇっ!?」
リストの仲間になりたい宣言に対して、しょうもない反応しかできない駈。
「だめ……かな……」
それを見たリストは、表情こそ変わらなかったが、少し不安気な感情をその口調に乗せていた。
「い、いやっ?!だ、だめというか、何というか?!旧きものが人間の仲間になりたいだなんていいんですか!?」
「旧きものだからこそ何でも自由なのだよ」
「ものすごい権力者的発想だっ?!」
旧きものでいさせてはいけない人物、というか性格なのでは。
駈がリストに対してそんなことを思っていると。
このままだと自分の望みが叶わなくなってしまいそうだと判断したのか。
リストが言葉を積もらせてくる。
「私は色々役に立てるぞ?」
そう言って指折りしながら、自分のアピールポイントを告げてくる。
「掃除、洗濯、料理、家事全般は何でもできる。必要なら君のために旧きものとしての力も奮おう。尤も、私が大きな力を使うと、他の旧きものが面白がってチョッカイをかけてくる可能性もあるがな」
「それデメリットが大きすぎませんかね?!」
「そ、それに……き、君が望むなら、その、よ、夜のあ、あああい」
「そんなに恥ずかしいなら言わなくていいですよ?!」
「その……私はそういった経験がないから、初めては、や、優しくしてくれると助かる……」
「僕もないよ?!いやっ、僕は何を口走ってるんだよ?!」
ついには自分にまでツッコミを入れ始める駈。
そんな二人の様子を見て、埒が明かないと思ったのか、蓮火が話に割り込んでくる。
「で、でもっ!実際問題、仮に、仮にリスト様が駈君の仲間になったとしてもっ!い、い、いいい一緒に住むなんていうのは出来ないんじゃないかなっ?」
「なぜだ?美少女」
「びっ?!い、いや、リスト様!ボクには蓮火という名前があるので、そちらで呼んでいただけると…」
「なぜだ?美少女」
「えっ、あれっ?!ボクの話が伝わっていないのかな?!見た目以上の距離があるのかなっ!?」
「いや、聞こえているよ。美少女」
「聞こえてるの?!いや、失礼しました!!それで名前を……」
「なぜだ?美少女」
「ああっ、そういう意味でのなぜだ、だったの?!いやっ、そのっ、美少女だって言われると照れるというか、ボクは美少女なんかじゃない……から……」
「おいカケル君」
「何でしょう?」
「この娘、自覚がないんだが?」
「ええ。どうやらそのようですね……」
疲れたように駈が同意した。
「それで蓮火ちゃん」
「はっ、はい!リスト様!」
リストは結局、悪ふざけを止め真面目に蓮火に聞くことにする。
「なぜわたしはカケル君と一緒に住むことが出来ないんだ?」
「は、はい!彼、というかボクもなんですが!学校に通っていましてっ。寮に住んでます!そこは男子寮と女子寮に分かれているので…」
「わたしとカケル君は一緒に住むことができない。そういうわけか」
むー、と眉間にシワを寄せ細いアゴに手を当て、首をコテンと倒し考えるリスト。
どうでもいいが、キャリアウーマンの恰好をした女性がそんな仕草をするとギャップがすごい。
少しときめく駈なのだった。
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