アカズのダンジョンと異変3
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「さて、と……」
蓮火がうんうん悩んでいるその横で、彼女が気付くその前に話を進めようとする駈。
とりあえず駈は、床に埋めた脇差を掘り起こし、改めてその様子を見る。
「真っ白だ……驚くほど」
駈のその声が聞こえたのか。
悩んでいた蓮火も、考えるのを止めて駈の手元に注目する。
どうやら誤魔化せたようだ。
心の中で、ふぅと額の汗を拭うようにした駈。
その顔は、今日も元気に一仕事したというような、気持ちのいいスッキリした表情をしている。
ただの人でなしだった。
「リピートアフターミー。固くて真っ黒だったものが」
「固くて真っ黒だったものが……?」
駈の突然の英語に思考を止めそうになる蓮火であったが、それでも何とか口にする。
律儀な性格をしていた。
「真っ白になってますねぇ」
「真っ白に……ってこれ何の意味があるの!?」
「ただの状況確認ですよ」
「ほんとに?また、からかおうとしたんじゃないの?」
「ほんとですって」
このダンジョンの中で、蓮火も随分と成長したようだ。
そこまで勘づくようになったとは。
駈は親のような心境で蓮火を見る。
「な、なんだいその顔は?!なんでそんな生温かいような目でボクを見てるんだい!?」
「いや、なんでもないですよ。それよりもこれどうしましょうか?」
駈が示したのは、手元にある脇差。
時間が経っても元には戻っていなかった。
時たま駈の耳に聞こえてくる、すすり泣くような声も相変わらずである。
駈に言われた蓮火もどうすべきか図りかねているようである。
「うーん……ボクもどうすればいいか分からないなぁ……こんなこと初めてだからさ」
「ですよねぇ」
ほとんどの者はそんな経験していないだろう、と第三者がいればツッコむようなやり取りをする駈と蓮火。
「とりあえず、さ……」
蓮火は少し疲れた様子で駈に告げる。
「もう遅いし帰らない?寮まで帰るのもたくさん時間が掛かるだろうからさ……」
言われた駈は自らの腕時計を確認する。
夜の十二時になる五分前だった。
「そうですねぇ……出来ることも無さそうでしょうし、帰りましょうか」
駈は蓮火の言葉に同意する。
そして二人は改めて、ダンジョンの入り口を目指し始めるのだった。
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