38/154
アカズのダンジョン5
よろしくお願いいたします!
「ねぇねぇ駈君」
それはアカズのダンジョンの七階層を引き返し始めてから三十分ほどが経ち。
駈と蓮火が四階に差し掛かっている時のことだった。
「何ですか、蓮火さん?」
「君の背中、というか腰のところにある小さな刀って言えばいいのかな?それって……」
「ああ、これですか?」
確かに変なものに見え、目を引くかもしれないと駈は思った。
何と言っても手に入れた際の経緯がまず変である。
その小刀が納まった鞘にはちょうど穴が空いている突起があったため、そこに紐を通してベルトにグルグルと巻き付けた状態になっていた。
駈はその紐を解き、自らの腰にあった脇差を手に取った。
「そう!使わないの?」
「ええ。何というかお守りみたいな感じで何となく持ってきたものだったので」
「お守り……」
そう言うと、蓮火は神妙な面持ちとなり、駈の手元にある脇差を凝視する。
じぃと。
「じぃ~~~~~~~~~」
それはもう、言葉にも出すほどであった。
蓮火の目が駈の手元に近づいていく。
蓮火の動きが止まった時には、その距離は数センチもなかった。
やはり目が悪いに違いない、そうだそうに決まっている。
蓮火はものすごい、ドが二つ付くほどの近視だ、駈の中で勝手に結論づけるのだった。
お読みいただきありがとうございました!




