幼女は涙目になる
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幼女が何とか輝花をなだめ、三人は建物に入っていく。
入場し、中を見た輝花とリストはその状況に驚いた。
箱、箱、箱。
辺り一面箱だらけだった。
リストの目にはダンジョンに出てくる宝箱のようにも見える。
「これは……宝箱か?」
輝花も同じことを思ったのだろう。
幼女に確認する。
「その通りじゃ!いやー、ダンジョンから持ってくるのは苦労したのじゃ!」
「苦労したって……」
苦労したというレベルなのかこれ、とリストは半ば唖然とする。
何せ建物の中には所狭しと何十個も、下手するとそれ以上並んでいるように見えるのだ。
コツコツと年月を重ねなければ、ここまでの数をダンジョンからは持ってこれないはずだった。
とリストが辺りを見渡していると、箱ごとに区分けがなされていることに気付いた。
ざっくりとそれぞれの場所に立て看板のようなものが立っている。
よく見ると、丸っこい字で何かが書かれていた。
「10年、100年……」
「うむ。よく気付いたのじゃ!どのレベルのダンジョンから持ってきたものなのか区別しているのじゃ!」
十年については、さらに細かく分けているのじゃ!
幼女はそう付け加えた。
ふと思い立ったのか。
試しに輝花は箱を持ち上げようとする。
持ち上げることはできなくはないが……。
「……重いな」
「もちろんじゃ!普通に持ち上げて運んでくるなど、わしには無理じゃ!」
「ならどうやって持ってきたんです?」
リストは興味津々といった様子で幼女に問いかける。
輝花も興味を持ったのか、聞き耳を立てた。
幼女はムッフッフ、と突然笑み始める。
とっておきのオモチャを隠し持っている子どものような表情だ。
というより、もはや子どもだ。
「知りたいか?」
「いや、知りたくない」
「そうかそうか、そうじゃろう!知りたくないじゃろうって、ええっ?!知りたくないの!?」
「なんかあなたの表情を見てたら、どうでもよくなってきたよ」
「どうでもよくならないでほしいのじゃ?!知ろうとすることを諦めないでほしいのじゃ!!」
幼女はすがりつこうと近寄っていったが、リストはその小さな頭へ向かって手をピンと伸ばして、それを阻止する。
「まあ、多分あなたの特性か何かだろうね。ものを小さくしたり、軽くしたり」
「うわぁー?!ネタバレしないでほしいのじゃ?!わしから教えられて驚いてほしいのじゃ!!」
自らの頭に手をかけられている幼女はせめてもの抵抗として、両腕をぐるぐるさせながら涙目になる。
非常に滑稽な絵面となっていた。
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