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Blade:8

気が付くともう八月になってました。


皆さんは課題やってますか?私は一切、手をつけていません(キリッ


はぁ……、どうしよ。



「で、また私に相談無しに依頼を引き受けてきたって訳ね」


「よ、要約するとそうであります。はい」


家まで帰ってきた俺をシェオルは温かく迎えて……くれるわけもなくまた吊るし上げられた。

しかも今回は亀甲縛りだった。変な性癖ついたらどうしてくれるんだ!!


「はぁ……、なんで毎回のようにこんな反省会みたいなことをしなくてはならないのかしら?」


「だったら早く解いて…「これで叩くわよ?」すみません!調子に乗りました!」


馬用の鞭なんて何処から手に入れてきたんだ!?

俺は馬でもガン◯ールヴのフラグ男でもないんだぞ!!

ちなみに俺はカトレア派です。お姉さん萌えー!!


「クス。ホントにバカね。でもそこがあなたの可愛いところなのよ、カイル?」


「けっ、ほっとけ」


「あら、そんな口を聞いていいのかしら?」


バシンッ!と鞭が床に叩きつけられる。

ひぃぃぃぃ!嫌だー!横暴だー!誰か助けてー!


「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」


「うふっ♩素直なあなたの方が可愛いわ」


ガクガクブルブル。絶対この人、俺を虐めて楽しんでるよ。なんて悪趣味なんだ!やるなら俺じゃなくてあの騎士団長にでもやれ。


「くそぅ、また明日イリーナでストレス発散してやる」


「イリーナ?誰かしらその子は?」


あ、やべえ。

つい口がすってんころりん。


「まさかと思うけど、あなたまた女の子にちょっかいをかけたんじゃないでしょうね?」


ギクゥッ!


「も、黙秘します!」


「………(ヒュンッ)」


バシッ!

ぎゃあああああ!なんも躊躇いもなく鞭を振るいやがったよ、この人!もうやだ、こんなの続けてたら俺死んじゃうよ!


「早く言いなさい」


「うぐぐ、俺に人権はないのですか?」


「無いわ」


「まさかの即答!?」


そんなキッパリ言わなくても!


「私たちは契約の関係にあるのよ?パートナーである私に隠し事なんて一万と二千年早いわ」


どこのアク◯リオンだよ、お前は!


「いいからさっさと吐きなさい。楽になれるわよ?」


くっ、年貢の納め時か。仕方ない正直に話そう。


「じ、実はですね。―――――」








俺、説明中……。









「―――つまり、その女騎士団長を依頼の報酬代わりに引き取るということね?」


「まあ、そんな感じです」


「ふんっ!」


バシンッ!


「なんで!?」


ちゃんと正直に話したのにまたも鞭を振るわれた。打たれたところが熱い。ぐすん、なんでこんな目に……。


「ホントにあなたって人は懲りないわね。一度本気でお仕置きしたほうがいいのかしら?」


今までので本気じゃなかった……だと!?

バカな!そんなことがあり得るのか!


「でも過ぎたことだし、いいわ。今回は特別に許してあげる。私の寛大な心に感謝しなさい」


「はい!ありがとうございます、シェオル様!」


やった、やっと解放される。俺は自由になれるんだ。危なかった、もう少しでMに目覚めるところだった。


「……でも、その前に今度こそあなたを私だけのモノにするわ」


え、それってどういうこと?


「カイル……」


シェオルが俺の頬に手を添える。

その手は熱く、シェオルの顔もどこか熱っぽい。

いきなりどうしたんだ?


「あのー、シェオルさん?」


「あなたがいけないのよ、カイル。あなたが他の女にばかりちょっかいをかけるから……」


シェオルの顔が近づく。

いつも冷静な彼女とは違う、真っ赤になった顔と潤んだ瞳がとても愛らしい。

その美しさに言葉を発することが出来なかった。

どんどん近づく距離と鼻腔をくすぐる甘い香り。……懐かしいな。あの契約以来か?シェオルをこんなにも意識したのは。

そして遂に距離はほぼゼロにまで達した。

少し動いただけでも触れてしまいそうな、そんなギリギリの距離。シェオルの吐息が鼻にかかりちょっとくすぐったい。



「カイル、あなたは誰にも渡さない」



そして唇が触れ―――、








「だ、駄目ええええ!!」








―――る寸前で勢いよくドアが開かれた。

ドアを壊れるような勢いで開けた主はなんとアインだった。なぜアインがここに?


「えっと、カイルさんが騎士団長さんと決闘をするって聞いてそれで……」


決闘が終わったことを伝えるまたわたわたと取り乱し始めるアイン。なにこの可愛い生き物。


「ええっ!!お、終わってしまったんですか!?」


「ええ、とっくの昔に終わってしまったわ。残念だったわね」


「あうう、カイルさんの晴れ姿が……」


ガクリと肩を落とすアイン。

そんなに自分が作った剣の活躍ぶりを見たかったのかな?


「そんなことより『見ていた』のね、あなた」


そのシェオルの一言をきっかけにに女性二人の間に妙な緊張感が漂い始める。えっ、何コレ?俺、亀甲縛りのまま蚊帳の外なんだけど!?


「うっ、……覗き見していたのは謝ります。ごめんなさい。でも私だって譲りたくないものがあるんです!例え相手がシェオルさんでも諦めたくないです!!」


あの引っ込み思案で自己主張が苦手なアインが自分の意見をハッキリとシェオルに伝えた。

なるほど、それほどにまで手に入れたいものなんだな。よし、お兄さんはそんなアインを応援するぞ!

……ところでその譲りたくないものってなに?


俺の疑問に答える者はなく、この緊迫した空気は続く。


「―――面白いわ。そこまで言うなら私から奪ってみせなさい、お嬢ちゃん?」


「奪うもなにもあなたのモノではありません!必ず私が手に入れてみせます!!」


バチバチと火花が散る。

おーい、完全に俺は放置ですか?

てか主語が無いから二人が何を取り合っているのか全くわかんねえし。

―――ところで、


「あのー、お二人さん?そろそろ縄で圧迫されて血が止まってきたから下ろしてほしいな~、なんて……」


「カイル(さん)はちょっと黙ってて(ください)!!」


「……はい」


完全に封殺された。もうあの二人の間に割って入ることは無理ですわ。


今日の教訓。

どの世界でも女性は強い。

みんなも女には気をつけろよ!


因みにこの緊迫した状況は朝日が顔を出すまで続いたのだった。とほほ……。

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