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Blade:21




フィアとのデートから三日が経った。

シェオルによる『お仕置き』から奇跡的に生還した俺は、ソファーでくつろぎながら一週間に一日はメイドとして働くという約束で家に訪問して来たメイド姿のイリーナを視姦していた。

メイド服ってそこまで露出が多くないのになんだか興奮するよね、なんでだろう?


「お前はやる事が無いのか?」


じっくりと働くイリーナを眺めていると俺の視線に気付いたイリーナが近づいてきた。

その言い方だとまるで俺が何もしてないように聞こえるじゃないか!

全く、心外にも程がある。俺はこんなにも必死にイリーナが働く姿を瞼に焼き付けようと頑張っているのに……。


「ハッ、ナメるなよ。こう見えてしっかりとメイド姿のお前を脳内に焼き付けているんだよ」


「……お前はそれしか頭に無いのか?」


イリーナが呆れたようにため息をついた。何に対して呆れているのかは知らないが、とりあえず間近で見たイリーナのメイド姿はイリーナの凛とした雰囲気にあっており、俺の妄想以上に似合っていた。


「それが俺の生き甲斐だからな!それにそのメイド服、お前に似合っているぞ。実に可愛いと思う」


「ッ……!どうしてお前はそう不意打ちみたいに……」


一気に蒸気が出そうなほどに顔が真っ赤に染まるイリーナ。そうやって恥かしがっている姿が可愛くてもっと弄りたくなってしまう。好きな子にちょっかいをかけたくなる小学生の気持ちがちょっと分かる気がする。


「イリーナ」


「なっ……ひゃあんっ!?な、何をする!」


イリーナの背中に腕を回しそのまま抱き寄せてソファーに座らせる。口ではああ言いつつもイリーナは抵抗するそぶりを見せず、おとなしく俺にその身を任せる。

ツンデレメイドね……まさに俺好みだ!!


「はぅっ!か、カイル、どこを触っているんだ!?」


「どこって……、お前の太ももだが?」


隣に座っているイリーナの太ももに手をかける。スカート越しではあるが太ももの弾力が手に伝わり、その興奮で俺の理性が暴走する。


「んぁ……くぅ、あぁん!カイル……や、やめ……」


「えー?なにー?何言っているのか分っかんないなー」


「ひゃんっ!あぅ……く、くすぐったい……」


くすぐったそうに身を捩るイリーナが可愛くてついつい手の動きもその激しさを増していく。


「ふぁあ、カイル……、私……何だか、んっ……変になりそうだ。これも…お前のせいだからな……」


「ああ、綺麗だよイリーナ」


「ひぁっ!んんっ……か、カイルぅ……」


切なげに吐息を漏らすイリーナ。普段の凛々しい姿からは想像も出来ない彼女の乱れっぷりに俺の暴走した理性は限界を突破した。

イリーナの綺麗な唇に自分の唇を近づける。イリーナの抵抗はなく、距離はついにゼロにーーーー



「なにしてるのカイル?」


「いえ!なんでもありません、シェオル様!!」



ーーーならなかった。

シェオルの怒気を感じた俺は瞬時にイリーナから飛び退いて立ち上がりビシィッ!と敬礼をする。最近こんなんばっかだな、俺。


「この前はかなりキツく『お仕置き』をしたのだけどそれでもダメなんてね……。一体どうしたら分かってくれるのかしらね、カイル?」


うぎゃあセクハラしたのバレてるぅぅぅぅぅううううう!!

ガタガタと敬礼している右手が恐怖で震える。

まずい、まずい、まずい!

このままだと本当に抹消されかねないぞ、俺!頭を捻って考えろ、どうしたらこの状況を突破出来る?


「覚悟は出来たかしら?大丈夫よ、『優しく』してあげるわ」


絶対嘘だあああああああ!!


「痛いのは最初だけよ?その痛みさえ超えれば待っているのは最高の快楽だから安心して」


「安心出来る要素がねえ!!」


てか痛いのは最初だけ、ってなにをする気なんだこの黒剣精霊は!?

これはマジでヤヴァイ、俺の全身が警告を鳴らしている。

ここは……やはり、あの手しかないな。


「逃げる!」


バッ、と外に向かって走り出す。足ではシェオルより俺のほうが速いからな、外に逃げれば俺の勝ちだぜ、ふはははは!!


「……ふんっ!」


「ぐぼらっ!?」


玄関に手をかけて逃げ切ったと確信したその時、俺の頭部にシェオルが投げたフライパンが直撃した。痛む後頭部を抑えて玄関でのたうちまわる。

なんでそんなもの持ってるんだ……。


「逃げれると思ったの?だとしたら本当におめでたい頭ね」


「いやぁ、それほどでも」


「褒めてないわよ」


凶器のフライパンを拾い上げて俺を見下すシェオル。その瞳はまるでゴミでも見るかのように冷徹で鋭かった。


終わった、外という逃げ道を封じられた今、俺が助かる道は残されていない。


「シェオル様、どうか哀れな俺にお慈悲を……」


逃げ道を絶たれた俺が出来たのは土下座して情けなく許しを乞うだけだった。最近はすっかり安くなってしまった自分のプライドに涙する。

そんな哀れな俺にシェオルは優しく微笑んで、そしてーーー、


「そんなわけないでしょ」


「ですよね☆」


無慈悲な有罪判決とともにフライパンが俺に振り下ろされた。


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