Blade:17
一ヶ月半の沈黙を破り、
『なろう』よ、私は帰ってきたー!!
と、いうことで十七話更新です。
いやあ、最近ちょっと忙しくて小説から離れていたのですがどうにか帰ってまいりました
。
なんかもう色んなところに駆り出されて大変でしたよ。えぇ。
でも書く気が無くなったわけではないのでご安心ください(?)
これからは今回のような不定期更新が多くなると思いますが、どうぞ生暖かい目で見守ってやってくださいm(_ _)m
と、いうことで、
帰ってまいりました。セウスバルドに!
……って言ってもここを出たのは午前中でまだ九時間程度しか時間が経ってないんだけどね。なんかすげー久しぶりな気分だ。なんでだろ?
「竜討伐で日帰りなど、常識外れにも程がある……」
我らがロリコンバスターズ、ツンデレ担当のイリーナがなぜかグッタリとした表情で俺を見る。
「フッ、そんなの見つめるなよ。照れるだろ」
「見つめてなどいないッ!」
「またまた〜。なんなら抱きしめてやろうか?お兄さんいつでもウェルカムだぞー」
「……ふんっ」
「痛ッアアアァァァァァアアア!!」
イリーナで遊んでいたらシェオルに思いっきり足を踏まれた、しかも指の部分を捻じるようにグリグリと。
うぅ、容赦の欠片もないこの所業。さすがシェオル様っす!
「ホントあなたは学習能力がないわね。一度脳を洗浄したほうがいいんじゃないかしら?」
うぐぐぐ、ひ、酷い。
「だ、大丈夫ですか。カイル様?」
「うぅぅ……心配してくれるのはシオンだけだよ~」
泣き真似をしながらシオンに泣きつく。
えぐえぐする俺を戸惑いながらも受け入れて「よしよし」と頭を撫でてくれた。なんかいつもと立場が反対で新鮮な気分だ。しかし、これはこれで悪くないな。
「気をつけなさい。そうやってあなたの胸を触る気よ」
ギクゥッ!ほ、本当になんでもお見通しなんですねシェオルさん。
正直俺よりも俺のことを分かってるんじゃないか?
「わ、私はカイル様が望むなら何をされても構いませんから……」
もじもじと恥ずかしそうに俺を見つめるシオン。
そんな期待を込めた目で見られると反対にやり辛い。シェオルが言わなければこんなことにはならなかったのに……。
「カイル様。いいんですよ、我慢しなくても」
「シオン……済まん!」
だがここは据え膳食わぬはなんとやらだ。そっとシオンの胸に手を伸ばす。ここまで来たら揉むぜぇ、そりゃもうムニムニと。
「お前は本当に、バカかああああ!!」
「ゲヘゥッ!?」
シオンの胸に触れる寸前にイリーナによって頭を剣の鞘で殴られた、割りと本気で。
体の中心を見事に抑えた完璧な一撃。衝撃が直に全身へと駆け巡る。
「あ、ばばばばば」
脳天を抑えて道の真ん中だろうがところ構わずのたうちまわる。
通行人が奇異の視線で見ていくが転がっているのが俺と分かると「なんだ、カイルか。なら普通だな」と言って通り過ぎて行く。
え、なに?俺って頭抱えてのたうちまわっているのがデフォルトだと思われてるの?なにそれ、怖い。
「あぁ、どんどん変態として広まっていってる気がする……」
「元からよ」
「ですね」
シェオルの容赦の無い言い分にレスタが同意する。
てかお前居たのかよ。くそ、こういう時だけ存在感出しやがってふざけんじゃねえぞ、この熟女好きが!
「バカやってないでさっさとガルド様の元へ行くぞ!」
「オゴゴゴゴ!!」
イリーナに首元を掴まれてそのまま引きずられていく。ちょ、バカなことって……、お前が俺を殴ったからこんなことになったんだぞ!分かってるのか!?
「ああ!待ってください、カイル様ー」
「ちょっと待ちなさい!この私を置いて行こうなんていい度胸してるわね、カイル?」
「ふう、やっと団長もその気になってくれましたか。これはますます面白くなりそうですね」
三者三様、それぞれ別の反応をして俺とイリーナに追いつこうと走り出す。あと、シェオルサン?俺は引きずられているだけだからな?文句はイリーナに言え。
*
王室に招かれた俺たちには国王様との謁見が待っていた。国王様に討伐の証として〈地竜〉の牙を差し出すとやたら上機嫌になった。
「カイル君、依頼の件は実に見事だった。まさかたった半日で討伐まで完了させるとは……、本当になぜ君ほどの腕の人間が噂にすらならなかったのか不思議でならんよ」
「いえ、あれくらいなら余裕ですよ。……ところで例の報酬の件はどうなりました?」
「ああ、イリーナが欲しいと言っていたな。良かろう、許可する!」
わーお、本当に意見が通っちゃったよ。
「うっしゃー!ありがとうございます、国王様!」
「うぅ……、本当にこうなるとは……」
ずーんと落ち込むイリーナを尻目に国王様とハイタッチする。ぐふふ、これでイリーナのことを弄りたい放題だぜ!
「………どういうことかしら?」
びくんっ!
ま、まずい、そういえばシェオルも居たんだったあああ!シェオルには今回の依頼のことは少ししか話していないため、もちろん報酬の件もシェオルは知らない。
「お、落ち着け、シェオル。ほら、イリーナがメイドとして来てくれれば家事がかなり楽になるだろ?だから、ね?」
「……特集、『メイド万歳』」
「あああああああ!!」
『メイド万歳』とは俺がシェオルの目を盗んでこっそりと裏ルートから入手した本だ。そこにはあらゆるメイドについての情報が載っており、王国メイドから片田舎のレアなメイドまでのメイド服を完全に網羅及び収録しているまさにメイド好きの聖書だ。
なぜ、タンスの中の服の下に隠して置いたのにバレたんだ?
「あなたの考えることぐらい分かるわ。どうせまたメイドに感化されたんでしょう?……言ってくれれば私が着てあげるのに」
「え?ゴメン、最後聞こえなかった」
後半はごにょごにょと言っていて俺には聞き取れなかったので聞き返す。……って、肩を震わしてどうしたんだシェオル?
「……ふんっ」
バシンッ!
「なにゆえっ!?」
またもや鞭で打たれた。まだ持ってたのね、それ。てか、そこの男ども二人笑い過ぎだろ。マジで痛いんだぞ、鞭で打たれるのは!
「イリーナ、と言ったわね。あなた?」
「あ、あぁ、そうだが?」
シェオルの迫力にイリーナが押される。まあ、確かにシェオルのこの世のものとは思えない美しさを前にすると自然と怖気づくよな。分かる、分かるよその気持ち。俺もシェオルの前に立つと自然と身構える時があるもん。
「メイドの件だけど別に断ってもいいのよ?このバカにはあとで無理矢理納得させるから」
「なに勝手なこと言ってんだー!俺は許さんぞ、そんな暴挙は!」
シェオルに異を唱えるとすかさず鞭で打たれた。俺、戦闘不能。
「で、どうなの?」
シェオルがイリーナに詰め寄る。
「だが、約束は約束だし……」
「おろ?」
メイドの件がチャラになって喜ぶと思ったらそうでもなかった。
あれ?実は意外と乗り気だったとか、イリーナさん?
うっひゃあ、マジかよ。これがツンデレの本領というものか、……感動した!
「……なら仕方ないわね、では週一で来てくれないかしら?それなら騎士団を続けられるし約束も守られる、あなたにとっても一石二鳥だと思うのだけどどうかしら?」
「ああ、私にとってはこの上ないいい提案だが、本当にいいのか?」
「ええ、一日でも居て貰えると凄い助かるわ。カイルもそれでいいわね?」
「せめて週さ…「なにか言ったかしら?」いえ、文句なんて一つもないです、はい」
こうして俺のイリーナメイド計画は週一限定という微妙な結果を残して成就した。




