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【番外編】アルマの探索日記(一階層)

 研究所に入って今回で四回目の旅です。


「目的地はダンジョンなんだから」とユウイチさんはダンジョンまでノンストップの予定を立てました。


 私とリリア様は「道中の狩りも楽しみたい」と主張しました。


 すると、ユウイチさんから「アルマ君はリリア君化している」と言われました。


 ですが、それが私の目標とするところなのです。


 でも、さすがにドラゴンの縫いぐるみと寝たりはしません。


 さて、道中はノンストップ作戦のお陰で特筆するような事件は起こりませんでした。


 ですが、移動しながらシャワーを浴びることができるのには驚きました。


 しかし、移動中に使ったのはユウイチさんだけで私達は遠慮しました。


 理由はお察し下さい。


 そう言えば、早くダンジョンに着きたいリリア様が運転している間は馬車の速度が一割増だった気がします。


 安全運転に徹していた私の「リリア様化」は、まだまだ足りないようです。


 そして、ダンジョンに着くとリリア様のお兄様であるカーク様がやって来ました。


 私は反射的にその場から逃げ出してしまいましたが、カーク様が嫌いな訳ではありません。


 今はダンジョン探索に全力を尽くしたいと思っています。


 カーク様をお待たせするのは忍びないので早めにお断りする必要があるかもしれません。


 そんな私は「ドローンをアルマ君に」と言われた時に少しムキになってしまいました。


 ユウイチ所長に気を遣わせてしまったのが、長々とした説明の言葉で分かりました。


 断っておきますが、決して長々と説明したユウイチ所長をディスっている訳ではありません。


 私は少しだけ申し訳ない気持ちになりましたが、ドローン無しでも不安がないぐらい努力をしたのも事実です。


 だから、それを言葉ではなく結果で示すことにしました。


 そう意気込んで探索を開始したのですが、一向に魔獣が襲ってくる気配がありません。


 大型のミノタウロスや群れで襲ってくるゴブリン、変わり種のハシビ何とかも想定して訓練していたのですが、残念なことに見せ場がありませんでした。


 そして、ユウイチ所長が事前に情報を得ていたセーブポイントと呼ばれる小屋に辿り着きました。


「ユーザーフレンドリーナシステム」だなとユウイチさんが言っていましたが、私はそんな名前の魔獣は聞いたことがありません。


 しかし、ここで私のスキルを発揮することが出来ました。


 後で、ユウイチ所長が私の探知のスキルを「アルマサーチ」、結界のスキルを「アルマバリア」と呼んでいましたがバリアとは何のことでしょうか?


 小屋に擬態した人喰植物のクレタカルーフォは無事に討伐できましたが、扉を閉めただけでは戦闘とは言えません。


 ですが、動かない相手では仕方がないことかもしれません。


 それにしても、クレタカルーフォの色彩には鳥肌が立ちました。


「ハレーションを起こしているな」とユウイチ所長が言っていましたが何のことでしょうか?


 結局、その日はセーブポイントのシステムを試すためにダンジョン探索を終了して地上に戻りました。


 それにしても、小屋の奥にあった扉は空間転移の魔法のような不思議なシステムです。


 もし、魔法陣を発見できれば、バイアリターク王国の魔法界隈がざわつくはずです。


 そう言えばユウイチ所長が「ケッカンガイユウソウ」のようだと言っていましたが、それは薬草か何かでしょうか?


 探索二日目。


 ユウイチ所長が、おかしな抑揚をつけて「ドコデモイケルドア」と言ってから扉を潜っていました。


 私達の「今のは空間転移の呪文ですか?」の質問には「似たようなものだ」と答えていましたが、どうやら呪文とは別物のようです。


 何故なら、その後は無言で通っていたからです。


 そして、二日目の探索も私がドローンを従えて先頭を進みました。


 暫く進んだところで、常にスキルを発動して歩くのは二倍疲れることに気が付きました。


 だから、ドローンとアルマサーチを組合わせるのは良い方法だと分かりました。


 ですが、ユウイチ所長の言う「これがハイブリッドだよ」の意味はよく分かりませんでした。


 この後、ハイブリッドの甲斐もあって私は毒矢ガエルの棲む沼を発見できました。


 私がアルマバリアを使ってパーティーの防御を一手に引き受け、トドメはリリア様の疾風迅雷で刺しました。


 このパーティーで私は盾役に徹した方が良いのかもしれません。


 それから、カミューヨさんが毒矢ガエルの解体方法を教えてくれましたが、吊るされ皮を剥がされた毒矢ガエルの姿には鳥肌が立ちました。


 この時、ユウイチ所長が呟いた「リカシツノホルマリンヅケ」とは何のことか全く予想が付きません。


 そんな、毒矢ガエルの解体を終えて更に奥へと進みました。


 道中、襲ってきたキラーラビットは三人の連携で難なく倒すことが出来ました。


 そして遂に探索の目標であるボス部屋に辿り着きました。


 建物の玄関からフロアボスのいるホールまで、数々の嫌がらせのような仕掛がありました。


 何故、スライムをピンポンでリリア様の頭上に落とせたのか不思議でなりません。


 ユウイチ所長は「イケズドスナ」と言っていましたが、私はその意味を考えるのも面倒になるほど疲れていました。


 ですが、ホールにはキメラ種の巨大魔獣であるサーペントネックタートルがいました。


 土魔法と甲羅を使ったアタックで攻撃してくる手強い魔獣でした。


 土魔法はアルマバリアで簡単に弾くことが出来ましたが、甲羅を使ったアタックの衝撃は想像以上で止めるのは二発が限界のような気がした私は正直に指揮官のカミューヨさんに申告しました。


 カミューヨさんは直ぐに作戦を立て直し、見事にサーペントネックタートルを倒すことが出来ました。


 討伐の役に立てたとは思いますが、首だけになっても襲い掛かってくるとは思いもよりませんでした。


 リリア様に助けて頂いて事なきを得ましたが、戦闘においてはまだまだ精進が必要です。


(ここで、一つ断っておきますが、私は決して泣いてはいません!!)


 私はリリアモデルの国民になると決めた時に「やりたいことをやる」と決めました。


 やはり、カーク様との縁談は棚上げか、お断りする方が良いようです。


 また、明日から二階層の探索に向けての訓練を頑張ります。


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