十七話 保健室にて
「ふぅー、助かった〜」
俺は購買でかったカレーパンをかじる。
うん。うまい!
「さすがにアレはないでしょ!購買に群がってる人全員を倒すなんて」
「倒してないよ。合気道を使ってバランスを崩させただけだよ」
「そこが問題でしょ」
「まぁそんな気にすんなって、優」
「いや、気にするでしょ」
いや〜雫のおかげで本当に助かったと思う。
去年は雫がいなかったからこういう時は死ぬかと思ったが兄妹っていいねー!フッ、あとは雫に借りた金をそのままにして時間がたつと忘れてしまう現象を待つだけだな。えっ?最低かって?違う違う。俺は雫に社会の厳しさ、人間の愚かさを教えてあげるだけだから。こういうことは経験だから。将来、詐欺にひっかからなくなるための第一歩だから。
「ねぇ、蒼。聞いてる〜?」
おっと、いけねぇ。話し聞いてなかった。
「う、うん。聞いてるよ!」
「じゃあ、蒼はどっちだと思う?」
なっ!?何が!?くっそぉー、今さら聞いてなかった何て言えねぇし。どうする?予想だ。賭けろ俺!さっきの話の展開からして…
っ!これだ!!これしかない!!
「俺は絶対にツーピースとか金魂とかベルトがあるジャンブ派だな」
「……」
「ん?どうした優?」
「…絶対に話聞いてなかったでしょ!!しかも何で今、漫画の話だと思ったの??すごいよ!天才だよ!間違った事を自信満々に言えるなんて」
「倒置法で天才をバカにしたように強調するな!」
どういうことだ?どこで考えを間違えた??
「蒼。今絶対にどこで間違えた?とか思ってるでしょ」
「な、なっ!お前エスパーか!?」
「違うよ。蒼がわかりやすいんだよ」
「そうか?」
「うん。…ってそろそろ授業始まるよ!」
「そうだな。優、先に行っててくれ」
「えっ?どうして?」
「ちょっと用事があってな」
「分かったよ」
まっ、用事ってのは適当に保健室行って、頭痛いとか言って授業をサボるだけだけど。
えっーと、保健室保健室…おっ、ここだ。
「失礼します」
保健室に入ると美人教師の雨 利華先生がいた。
「ん?こんな時間に何の用だ。2年A組真桐 蒼。」
「いや、ちょっと頭が痛くて…」
「なるほど。ズル休みか。」
「なっ!?」
どういうことだ。俺の策略が一瞬で…
てかなんで雨先生は俺の名前知ってんだ?
「ははーん。図星かな?真桐くん」
雨先生は満面の笑みで聞いてきた。
くそっ。こんなところでバレる訳にはいかない。冷静だ冷静になれ俺!ふぅー、よし準備オッケェー!
「いや先生。本当の事を言うと、保健室のベッドで寝なきゃいけない重大な秘密があるんですよ。」
「はいはい。嘘はいいから。」
なっ!?一瞬で嘘ってバレたぞ?なんだこの教師、エスパーか?
「まぁ、仕方ないな。今回限りは見逃してやるよ。一番奥のベッドが空いているぞ。」
「ありがとうございます。」
俺はこの時、背後で雨先生がニヤけていることに気づかなかった。
俺は一番奥のベッドのカーテンを開けて中に入った。
むにっ
何かが屈みながらカーテンをくぐった俺の顔にぶつかった。
ん?何かいい匂いがする。そう思って顔をそれから離すと、信じられない光景があった。
下着姿の椎名さんの胸に俺は顔をぶつけていた。
「なっ!な、何で椎名さんがここに!?」
「…」
椎名さんは一瞬ボォーっとしてからいっきに顔が真っ赤になった。




