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小さな薬屋を経営していたら、溺愛されました  作者: 漆原 凜


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「ぐえっ苦しい…。もう少し緩くして。そんな気合を入れなくても…」


久しぶりにドレスを着て、本来の色である金髪と紫の瞳。お父様の指示でキラキラのツヤツヤなきらびやかな感じに仕上げられる。コルセットが苦しい。


今日は例のお茶会だ。全く気が乗らないがお礼のため行かなくては。アレクシス様だって気が乗らないはず。大体のお茶会は断っていると噂で聞く。今回は王家からの打診なので断れないだけなのだろう。可哀想に。


お礼を言って今回無理に来て頂いた事を謝って早急に帰ろう。お互いのためにそれが良い。


そしてさっさと終わらせてお店に行こう。熱を出して以降、臨時休業しているので気になる。



ーーーーー


馬車に乗り王宮へと向かう。


到着し案内され庭園へと歩いて行く。アレクシス様はまだ来られてないようなので座って待つことにした。


「遅れてすいません。」


しばらくして遅れてきたアレクシス様は謝罪し座った瞬間、こちらを見てとても驚いた顔をしていた。なんだろう。アレクシス様が食い入るように見ている。護衛で付いてきているロイと交互に私を見て思案している。何故?何か変?怖いのだが。


真っ黒い髪に赤い瞳。宝石の様で綺麗。黒の騎士服に金刺繍が入った衣装がとても素敵だ。いや、違う。落ち着けアンジェ。私が好きなのは青い瞳だろ。自問自答し心を落ち着かせる。でも見透かすような赤い瞳から目が離せない。


侍女がお茶を入れてくれて、とても良い匂いがした。王家の方が間に入りお互いを紹介してくれ、あとはお二人でと立ち去る。


どうしようと考えていたら…


「いきなりで失礼なのですが…そちらの方は護衛ですか?」


「?こちらの者ですか?はい。そうですが。」


「…」


ロイの事を聞いてきた。どうしたのだろう。アレクシス様は口に手を当て考え込んでいる。しばらく沈黙が続く。あ、お礼を言わないとって思い口を開いた。


「先日このロイを助けて頂きありがとうございました。」


「先日?森の…ですか?」


「はい。先週ですか。森で魔獣に襲われていた時に助けて頂きました。私もいたのですが気づいた時には遅く…もうダメだと思った時に赤い華が咲き、襲われている時に不謹慎ですがとても綺麗でした。主として大変感謝しております。」


アレクシス様は無言で顔に両手を当て項垂れている。冷静沈着な方だと聞いているが何か変だ。えぇ私何か変な事言った?


「…リナ?」


「え?」


「リナだよね?アンジェリーナ嬢はリナなの?」


急にアレクシス様がリナの名を呼ぶ。アレクシス様がおもむろにピアスを付け出す。そしてピカッと光った瞬間、ユーリが現れた。


「…ユーリ?」


「そうだよ。私はアレクシス=ユーリ=クレマン。騎士団の団長をしている。このユーリとしての姿は仮の格好なんだ。隠密の時に使っている。」


そっとピアスを外し、アレクシス様の姿に戻る。髪色の変化と共に青から赤色の瞳に変わる。本当に同じ人だ。


「どうして私がリナだと…」


「あの日森で魔獣を倒した時にリナを見たんだ。森にリナがいて驚いた。その護衛の彼と居たよね。今もよく見ると色が違うだけでアンジェリーナ嬢はリナだし。で、その時に君が彼をとても心配していて、だから…てっきり恋人なのかと思って…」


薬屋をしてるくらいだから令嬢だと思っていなくて、護衛がいると思わなかったと。


「私ユーリを高位貴族だと思っていなくて、いつかは離れなきゃって…でももう会えないってこの前。すごく悲しくて…」


「ゴメン。私が勘違いをして…あんな事を言ってしまって。泣かないで。」


泣いている私の手を取って慰めてくれる。そっと立ち上がり椅子に座っている私の前に立ち、少し庭園を散歩しませんかと誘ってくれる。


エスコートしてくれる手をギュッと握る。アレクシス様も笑いながら握ってくれた。笑い方が一緒だ。本当に同じ人だ。


「実は…リナが平民だろうとしても娶るつもりでいたんだ。そのための準備もしていた。最初に笑いかけてくれた時から好きだった。」


「え!そうなんですか?」


「自惚れかも知れないがリナは私を好いてくれていると想ってて…喜んでくれると思い込んでいた。たがら森で2人を見た時とてもショックでね。」


「ロイは昔からの護衛で何も無いです!私ユーリであるアレクシス様が好きです。」


「私も好きだよ。あんな事を言ったけど諦められなくて、今日お断りした後お店に求婚しに行こうと思っていたんだ。彼より私を選んで欲しいと。」


「嬉しいです!もう2度と会えないと思っていたのに。」


「アンジェリーナ嬢、大事にするので私と結婚してください。」


私は力いっぱい頷く。アレクシス様は私を抱き寄せ、幸せにしますと言い頬に口づけをしてくれた。



ーーーーー



お父様にアレクシス様と結婚します!婚約します!と言うと驚きすぎて腰を抜かしてしまった。家族中が何があった?!とざわついていた。



ーーーーー


アレクシス様は結婚してもお店を続けて良いと言ってくれた。私の薬は優秀だし、辞めるのは勿体無いと。ユーリとしても会いに来て下さるそうだ。炎華の貴公子も変身したユーリもどちらも素敵で日々悩ましい。



ーーーーー







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