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さよなら大嫌いで大好きな悪魔  作者: ひょく
1章 夜明けを待つ鳥へ、祝福のフィナーレを
23/29

18 夜明けを待つ鳥へ、

「ねえ、ルル。レイが今日の昼に。あの、パスタ食べたカフェで待ってるってさ。」


「.......????

.....えっ!?」

朝一番の衝撃だった。メイナに髪を解かされながら言われる。

今回の宿は部屋が空いてた。だからメイナ、ルル。 クロ、レイで別れて泊まっている。

そのせいで言える機会がなかったからメイナが知っているのか?


どうだったにしろ。嬉しすぎて、早めに来てしまっていた。

メイナと一緒に選んだ服。おしゃれしすぎのような気もする。

ほんとにこれでよかったのかな。

髪だって、三つ編みだし。

気合い入れすぎだと思われたりしないかな。


そわそわしながら、窓に反射してる自分を見つめる。


「えっ嘘ちょーかわいい。似合ってるよ。」

ニコニコの笑顔でメイナに見送られた。

大丈夫なはず。


窓の外。行き交う人々。レイの姿は見えない。

早めに来てしまっていたから仕方ないが。


「へそくり」だと言ってメイナがわたしてくれたコイン。

その枚数を数えながら時間を潰す。

1、2......15。これなら、三品くらい頼めそうだ。


カランカランと、鐘の音。

店の中に誰かが入って来たようだ。

フードを被ってて、顔は見えない。

だけど....レイだ。

直感的にそう思った。


少し店内を見回して、私の方に気づいたような素振りをした。

席に近づいてくる。


「ごめん。待った?」

レイだ。フードから少し見える黒髪がレイだった。声がレイだった。


首を振る。

「待ってない。」


レイが席に着く。


『それで... どうしたんだ

     /なんの用...ですか?』

二人の声が被る。目を見合わせる。


『....え?そっちが呼んだんじゃ...?』



世にもおかしな事件。

向こうが呼んだはず。なのに、相手は呼ばれたと思っている。


___もしかして。

「メイナに言われたか?」


その言葉に、ルルが頷く。

「えっ。もしかして、そっちも。」


ぷっ、ははは。

ルルが笑う。


連れるように笑いが込み上げてくる。

二人して笑いあった。


笑いながらルルの髪が揺れる。

フード越しだが、揺れる三つ編みが見えた。


___そう言えば今日のルルの服。

「今日の格好...似合ってる。」



「.....うん。ありがとう。」

そう言いながら、三つ編みを弄る。

そうでもしてないと、顔に熱が集まって来てしまう。

時間かけて考えたから。言ってもらえてほんとに嬉しくて。ほんとに嬉しかった。


「何か頼む?」


「あっうん。そうだね...」

メニューに手を伸ばす。


『あっ』


レイの手が触れる。

即座に手を引っ込めた。

「ご、ごめん。」

顔が熱くなってくる。


フードを少し深めに被り直した。

「別に謝る必要ないよ。

とりあいずさ。何頼むか決めよ。」


そう言いながら、メニューを私に見せてくる。

「この向きだと、レイがメニュー見えなくない?」


「こっちからでも見えるし、前食べたやつにしようと思ってたから。」


「じゃ、じゃあ。私も前に食べたやつで。」


レイがカウンターの方を向いて手を上げる。

客が少なかったからすぐに来てくれた。

これと、これをください。そう言って注文するレイの横顔を眺めていた。


頼んだものはすぐに運ばれてきた。

運ばれてきた時、おばさんが笑顔で「どうぞ、ごゆっくり。」と言ってきた。

今の私にとっては幸せな空間を一押し、してくれてるように感じて少し照れくさい。


素朴な香りにツンと鼻をつくような塩気の効いた香り。

湯気が立ち昇っている。

あの時と変わらない。味、匂い。


フォークで刺して一口。

柔らかくて、温かくて「美味しい。」

自然と笑みがこぼれていた。


「また、来ようか。もうすぐでこの街を出る予定だから。すぐには無理かもだけど。

俺達なら時間はいくらでもあるから。」

レイの口元が微笑む。


「うん。」


パスタを食べながら何気ない会話をした。

祭りが楽しかった。パスタが美味しい。次の街も時期が合えば何かの行事中かも。.....

ほんとに何気ない。だけど、居心地がよかった。


レイが窓の外を見ながら言う。

「もう夕方だし、帰ろうか。」

レイが財布を取り出しながら立ち上がる。


「遠慮しなくていいから。というか、これ使ってよね!

全く使わずに帰ってくるとか許さないからね!」

メイナの言葉が頭をよぎる。

「レイ。今日は私が奢る。」


「えっ。俺が....」

せっかくのルルの気持ちを無下にするのは良くないか...

「分かった。次は俺が奢るから。」


店を出た。

空は東が藍。西が朱。混ざり合って虹のような色を作っていた。

これで最後。もう帰るんだ。


___メイナの言葉が頭をよぎる。

メイナはキューピッドか何かなのか。


立ち止まる。

「レイ。」


その言葉にレイが振り返る。


心臓の音が大きくなる。

「私、レイのことが__。」


いいかけた瞬間。


「あっ。レイじゃん!」

レイの背後から軽い声が飛ぶ。


レイがメイナの方を振り返る。


___違和感。



左の鎖骨辺りに違和感を感じて触る。



なに、これ。



膝から崩れ落ちる。

レイが気づいて、駆け寄ってきた。

視界がだんだん暗くなっていく。

音が遠くなっていく。



ルル手が俺に伸びる。

「レイ。...私を地獄か、ら、救って、くれて、ありが....」

ルルの手は俺に届かずに地面に落ちた。


「ルル!ルル!待って、俺を。置いてかないで。」

___違う違う違う。そんなわけない。

ルルの手を掴んで。必死に懇願する。


ルルの鎖骨の辺りに紋様。

___何も考えたくなかった。


だけど、気づいてしまった。

親友のリツと同じ紋様。リツの手にあった紋様。

鼓動の音が、早くなっていく。


リツは手から操られるようにして、人を斬り殺した。

それが、だんだんエスカレートして、能力まで使い始めた。

それで起こったのが....悪魔の災厄。


「ルル?ルル?なんで、どうしたの?え?」

近くからメイナの声。


ドサッ。

クロの持っていた袋が手から落ちた。

「その紋様.....俺を襲ってた、......ニーストラの....」




___夜明けを待つ鳥へ、祝福のフィナーレを。

1章完結です!

ここまで読んでくださり、ほんっとうにありがとうございます!

楽しんでいただけたでしょうか?そうだったなら、作者として光栄の限りです。



ここまで読んでいただいた方へ

ほんとに心からの感謝を申し上げたい。4、5万文字くらい?この物語を追いかけてきてくれて、ほんとに嬉しいし感謝でしかありません。ありがとございます!

よければ、なんですけど感想とか書いてくれると、モチベとかになるのでお願いしたいです!

「面白かった」だけでも私からしたら、モチベなので遠慮なく書いてほしいです。

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