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さよなら大嫌いで大好きな悪魔  作者: ひょく
1章 夜明けを待つ鳥へ、祝福のフィナーレを
18/29

13 「道具」でいさせて。

ガチャッ。

「メイナ。ただいま。」


メイナは眠そうな顔でベッドから起き上がる。

「おかえり...レイ」

メイナは、レイの瞳の奥に宿る異常なまでの熱に気づき、思わず言葉を呑んだ。

「.....その顔、何か思いついたの?」


「ああ、これならルルを救えるかもしれない。」




『俺は君を政府から助けたいだけだ。』

『お前を殺す気はない。お前を政府の拘束から解放したいだけだ!』


目の前の悪魔にとどめを差す。

深く、

思い切り心臓を刺し貫いた。

悪魔の唸り声と共に、黒い血が辺りに飛び散る。


『怪我は?...』

呪いのような言葉が頭から離れない。

カチャッと首輪が音を立てる。


どうせ救えないのに、これ以上夢を見せないで....


「隊長様...」


振り返る。

「何?」


「無理して...いませんか?」


悪魔に刺した剣を引き抜きながら言った。

「私達は道具。無理をしていようが、

してないだろうが関係ない。

命令をこなすだけ。」


自分への洗脳のような言葉。

スラスラと口から出てきた。

「私は道具だから。...道具、だから。」

そんな言葉に安堵感さえ、感じた。



「ルル、まだ赤い目の者を始末出来てないのか?」


「申し訳ございません。」


「習っただろう?成長した赤い目は政府に反逆する可能性があると。

後1日だ。それを超えたら。分かってるよな?」


「...御意。」


何度経験してもなれない。

逃げ場のない電気の檻。

カチ、と音がなる度、神経の一つ一つが震え上がる。

そして___


早くあいつらを始末しないと。


『怪我は?...』

脳裏にこびりついたあの言葉。

冷や汗が垂れる。心臓が口から出てきそうな。

不快な不安に襲われる。


早くやらないと、

始末しないと...


ガチガチと震える奥歯を噛み締め、震える足に力を込めた。

闇に押し出されるように一歩踏み出した。


 

時計塔。

ここならルルと会える気がした。


案の定といったとこだろうか。

殺意のこもった視線を感じた。

下を見下ろす。

こっちからではない

...上か。


振り返る。

上後方から刃を飛んでくる。

横に避けると同時にシールドを展開した。


カキーン

と高い音がなって刃が地面に刺される。

それと同時に刃に付着した血が飛び散った。


ルルが血振りをしながらこちらに歩み寄ってくる。


その血は意思があるようにこちらに突っ込んできた。

シールドで防ぐ。


ルルの瞳を見つめなが言う。

「君の首輪を外す。政府から解放する。だから...」

この言葉が届いているような感じはなかった。


シールドの周りを血で覆われる。

少しずつ圧縮されていく。


クロに抱え上げられた。

クロはもう一つのシールドを展開して、シールドから抜け出した。

そのまま、浮遊しながら攻撃を避ける。


「レイ、今のままじゃ。話聞いてくれないよ。

一発思い知らせないと。....いいよね?」


「殺したらだめだからな。」


クロは微笑んだ。

クロが俺を下ろす。


俺は地上。クロは空中から間合いを詰めた。


ルルは自分の手首を切り裂く。

切り裂いた方の腕を振って血を飛び散らせた。

それが空中で静止。

ルルの周りに薄い膜が作られた。


周りから、血が集まってくる。

薄い膜に重なり、厚い膜に変身した。


(膜のせいで攻撃ができない。それに....)

嫌な予感がして立ち止まった。

膜が弾けるようにして血が飛散する。


シールドを展開したが、少し当たってしまった。

腕と顔に少し傷ができる。


頬に少し血が付着した。

その血は顔を抉るように動き出す。

シールドを押し出すようにして頬の血を払った。


クロは血が飛び散ってる事を気にせず突き進む。

シールドが3重になりながら、ルルに突っ込む。


ルルの周りに膜がはられて、そこから針が突き出した。

その針はクロの勢いによって折られた。


ルルはクロの視界に血を浴びせて、クロの攻撃を避ける。

流れるようにクロの頭に蹴りを入れた。

クロは腕を上げてガード。

腕にはシールドか貼り付けられていた。


(ルルがクロに集中している今がチャンスだ)

シールドを細長く変形させて弾丸のようにルルに向かって打つ。

シュッと風を切り裂き。

ルルの頭上でシールドが網のように大きく変形した。


ルルは網から逃げるようにして後ろに下がった。


血の針がこちらに飛んでくる。

横に飛ぶようにして避けた。


(くそっ後少しだったのに、やっぱ近距離でやったほうがいいのか...)


クロの方に視線を送りながらルルに近づく。


クロと目があった。

「ちゅ う い ひ け」

そんなふうに口を動かす。


クロが頷いた。

クロが分身する。

どっちのクロもルルからきた血の針を跳ね返して応戦した。


俺にくる針の勢いが弱まった。

いける。

ルルの首輪に向かって駆け出す。


(少しでも近づければいい、少しでも近づければ)

ルルの首輪に手を伸ばした。

...ぎりぎり届かなかった。

血の壁が作られてそれに跳ね返される。


(焦ってたせいだ。焦ってたせいで距離感を見誤った。くそっ)


思いっきり跳ね飛ばされたせいで、頭から血が流れる。

視界が赤く染まった。


ぼやけた視界。

その中でクロが時計塔の外にルルを蹴り飛ばしたのが見えた。




時計塔の外に飛ばされた。

クロがルルを踏みつけるような構図で、二人は地上に引き戻されていく。

頬を切る風が少しずつ強くなっていった。


「やっぱり、落下中は空気抵抗のせいで血が使えない。でしょ?」


ルルは返事のようにクロに刃を投げ飛ばした。


クロは首を曲げて避ける。鼻で笑いながら言う。

「当たると思う?」


チッと舌打ちした。

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