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42/50

※これはデートではありません

紫乃は馨に

まさかの初詣に誘われる


数々のイケメンっぷりに

紫乃はドキドキしっぱなしで…?

馨君が、私の腕を掴んで歩いている。

一緒にいるってことだけで鼓動が止まないのに、こんなことされると戸惑ってしょうがない。

何よ、自分ばっかりかっこつけて……

これ以上私を好きにさせないでほしいわ……


「柴乃の親も、ろくに家に帰ってこないって言ってたよな?」


ふいに話を振られ、うなずく間もなく彼の顔を見る。

馨君は私の顔を見ることなく、まっすぐ前を向いていた。


「そうだけど……もってことは、あんたも?」


「高校を機に、俺から離れたんだ。あそこは俺にとって、監視場と言っても過言じゃなかったからな」


「……両親のこと、嫌いなの?」


「別に? ただ完璧ばっか強いられて、居心地はよくなかったよ」


そうか、馨君がなんでもできるのは親の影響だったんだ。

あんなにできるなんてすごいなって思っていたけど。


「ふうん……だからゲームが逃げ道なわけね」


「失望したか?」


「しない。むしろそんなことでやりたいことを奪う、大人達に失望だわ」


本当のことを言ったつもりだった。

私も同じような立場だったから。

しばらく何の反応もないことに違和感を覚えた私は、「何よ」と彼に突っかかってみる。

すると馨君は、


「ふっ……ははははっ」


と笑いだし……って……


「何笑ってんのよ! なにも変なこと言ってないでしょ!?」


「いや、悪い。そういう考え方するんだなあって思って。やっぱお前、面白いわ」


その笑顔がもう、たまらく素敵できれいで。

こんなに笑っている顔を見るのは、初めてかもしれない。

これが……馨君の素顔……


「見てみて~直樹君! 姫野、大吉だったよ~❤︎」


「えっ! すごいですね! さすが姫野さんです!」


「でっしょ~? 今年も姫野、神様にも好かれてるってことかなぁ❤︎」


ん? どこかで聞いたことのあるような声がするな。

いや、空耳だ。空耳であってほしい。

だって、この声は……


「……二人きりで楽しそうだな、直樹君」


「え? ……か、馨!? なんでここに!」


「あ~浅沼君とお姉ちゃんだ~❤︎ やっほ〜❤︎」


やっぱり、姫野だ。まさか、同じ神社にいたなんて。

彼女の隣には言うまでもなく寺濱君がいて、引いたばかりなのかおみくじの紙を手に持っていた。

相変わらずフリフリのピンク一色の服を身にまとった姫野だったが、いつもとは違い下僕と慕っていた男の人達は見られなかった。


「珍しいわね、姫野。下僕が一人もいないなんて」


「年末年始だからね~直樹君がどうしてもっていうから、たまにはいっかなって思って❤︎」


「それはそれは、いいお正月をお過ごしになられたようで」


「か、からかわないでよ馨! そういう馨だって、柴乃さんと二人じゃん!」


「俺達はデートみたいなもんだから。なあ、柴乃?」


「ふぇ!? え、ええ……」


私があいまいにうなずくと、姫野がへぇ~とにやにや笑ってくる。

あまりにも頭に来たから、頭を少したたいてやったけど。

寺濱君も驚いたような顔をしながら、私と馨君の顔を交互に見ている。

すると思い出したかのように、あっと声を上げた。


「そうだ。せっかくだから、馨もやっていったら? おみくじ」


「あー……いいわ、そういうの胡散臭いし」


「浅沼く~ん。そんなこと言ってたら、叶う願いも叶わなくなっちゃうよ?」


「自分の手で叶えるから、いいんだよ」


ああ、もう。いうことがいちいちかっこいいな、この人は。

寺濱君達と別れ、私達はおもむろに歩く。

彼らがいなくなったせいなのか、ぱったり話題が切れてしまった。

私と歩幅を合わせるように歩いてくれる彼は、ふうっと一息ついて見せる。


「あの様子じゃ、進展もくそもねぇな」


「しょうがないわよ、相手は姫野だもの」


「自慢のお姉さんでもわからなかったことがあいつにわかったんだから、何かしらあってもよかったのにな~」


「それどういう意味よ!」


「今日は来てよかった。ありがとう、柴乃」


どうしてありがとう、なんだろう。お礼されるようなこと、私したかな?

そんな疑問は、彼のきれいな笑顔で一瞬にしてかき消される。

お守りでも買ってくかといいながら、すっと右手を差し出してくる。

どぎまぎしつつも、私はその手をゆっくり取ってみせる。

初めての彼のぬくもりは温かく、とても心地が良かったー


(つづく・・・)

10月終わっちゃいましたね、みなさん!

こんな調子だと、あれですね

この作品だけで一年かかっちゃいそうです

まあ、私は構わないのですが笑


ここに来てやっと馨君の過去を

言うことができました

とはいっても、少しだけなんです

設定はちゃんとあるので、

いつか何かの形でお話しできればなと

思っておりますので何卒


次回、杏珠、紬、紫乃ときたら…?

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