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私達で、あなたの恋をかなえてあげちゃうぞ❤︎

大みそかに幼馴染の紬の旅館に泊まりに来ていた柴乃

なぜか偶然、同じく幼馴染の隼人に出会う。

そこで彼の思いに勘づいた双子は、

恋愛をかなえてあげるといい・・・


「いらっしゃいませ。お足元の悪い中、ようこそおいでくださいました。お荷物お預かりしますね?」


次から次にやってくるお客さんを、てきぱきと対処してゆく姿が目に入る。

そんな彼女を、私は柱越しに見ていた。

同じように姫野が、にこにこしながら様子を見ている。

ただ一人、隼人君だけは興味がないように雑誌を眺めみている。

確信はないとしても、さっきの対応と言い姫野のいい方的にそうなんじゃないかって思わない方がおかしい。


隼人君がむぎちゃんを好き。

そのことが本当なのかどうなのかは、彼自身の口からまだ聞けていない。

確かにむぎちゃんはきれいだし、男の人が好きになるのはおかしくないような気がするけど……

どちらも仲がいい私にとって、むぎちゃんと隼人君が二人で話してるのは見たことないような……


「あのさー、そういうのやめない? のぞきは通報もんだよ」


「そぉんなこと言っちゃってぇ、隼人君も気になるんじゃないのぉ?」


「気にならない。迷惑だって言われても知らないよ?」


「本当かなあ? 隼人君より、姫野たちの方がむぎちゃんに詳しいと思うんだけどぉ」


「分かったから、さっさと風呂でも入ったら?」


心底どうでもよさそうに、隼人君はまた雑誌の方に目を移す。

姫野もあきらめたのか、さぞつまんなさそうにはぁいと返事して私より早めに風呂の方へと行ってしまった。

つまり、私と隼人君の気まずい気まずい二人きりになったわけで……


「え、ええっと、確かにのぞきはダメ、よね! ま、まったく姫野はしょうがないんだから!」


「柴乃ちゃんもバリバリやってたけどね~」


「あ、あれは仕方なくよ!」


「どーせ今までもそんなふうに、浅沼君つけまわしたんじゃないの?」


うぐっ! な、なんでわかるの!?

まあそれに関しては、少し反省している部分もあるようなないようなだけど……

その頃いなかった隼人君に、なんでばれてるのよ! この人、エスパー!?


「そんなことより、隼人君がむぎちゃん好きだなんて思わなかったなぁ~びっくりしちゃった~」


「……」


「むぎちゃん綺麗だもんね~わかるわかる。仕事熱心すぎるのが玉に傷だけど」


私があおるように言っても、彼は何も言わない。

本当に好きなのかと、疑ってしまうくらい。

ど、どうしよう。このままじゃ間が持たない。

何か……何か……


「オレがさ昔、柴乃ちゃんが好きだってよく言ってたの覚えてる?」


「え? まあ、覚えてるけど……」


「ごめんね、それ嘘。ただの建前だよ」


「はぁ?!」


「昔からオレはただのほら吹き少年。あの頃はそうでもして、意地でも認めたくなかったんだろうね」


その言葉が私でもむぎちゃんにでもなく、自分に向けられたものだと私は悟った。

隼人君は外の星を見上げ、またため息をつく。

ああ、隼人君はやっぱりむぎちゃんが好きなんだ。

分かったところで、私達に何かできるってわけでもないし……

ん? いや、あるかもしれない。

私にしか、出来ないことが!


「そうよ隼人君! 今日は大晦日じゃない!」


「はあ? だから何?」


「年越しよ、年越し! 一緒にやろう、ってお願いしてみれば!?」


「いや無理でしょ。仕事中なんだから」


「前一緒にやったことあるから、頼めば何とかなるの! 姫野は私に任せて、ね!?」


半ば強制的に押し切る私に、彼はうんざりするようにため息をつくばかりだったー。



姫野と交代でお風呂を済ませた私は、静かにその時を待っていた。

部屋にあるテレビで、年末特番を見ながら。


時刻は二十三時ちょうど。あと一時間で、今年も終わってしまう。

何かしそうで心配だった姫野は、もともと夜更かしが苦手なせいかあっさりと眠ってしまった。

隼人君もどこか落ち着かないように、携帯で時計を見ながら外にちらちら目線を配っている。

ああ、もう! 早く来なさいよ、むぎちゃん!

この沈黙を、一刻も早く何とかしてほしい。

そもそも待ってるだけの立場の私が、なんでこんな思いをしないといけないのよ!


「失礼します。ごめん柴乃、遅くなっちゃった」


ようやくのご登場とばかりに、むぎちゃんが苦笑いをしながら入ってくる。

ずっと働いていたというのにその疲れさえ感じさせないその笑みは、いつもよりきれいに見えた。


「間に合っただけ許すわ。でも、十分遅刻」


「あはは……相変わらず柴乃は手厳しいなあ」


「……良かったの、紬ちゃん。柴乃ちゃんがしつこく言ったから、断りにくかったんじゃない?」


「ちょ! 何よそれ!!」


「大丈夫、おかみさんにちゃんとオッケーもらってるから。心配してくれるなんて、隼人君は優しいね」


「……別にオレは……」


なんだか恥ずかしそうにも見える彼は、ぷいっと顔をそらしてしまう。

もしかして私、お邪魔になってる?

そりゃ誘ったのは私だけどぉ……せっかくなんだし、二人きりにさせるってのも悪くないわよねえ……よおし!


「あ~ごっめ~ん、私ちょっとトイレに~……」


「トイレなら、さっきも行ったよね」


「うぐっ……あ、あんちゃんから電話が入ってるなあ~……」


「年明け後に、あけおめついでにかければいいでしょ」


ぐぬぬ……手ごわい!

さすが隼人君! 二人きりになんてさせてたまるか、ってわけね!

ふんっ! そっちがその気なら、私だって……!


「あ、そろそろ年明けるね。あれ? 柴乃、電話なってるよ?」


もう! 人が張り切ってるのに、誰よこんな時に!

こんな電話、一言で切ってやるんだから!


「もしもし!? 今取り込んでるから、またあとに……!」


『へぇ、またあとにしていいんだ? ほお~』


びっくりして、危うく携帯を落としそうになる。

慌てて着信主を改めてみると、間違いなくそこには馨君からの電話だった。

う、うそでしょ! 本当に電話かかってきちゃった!


「ち、ちがっ……! 今のは間違いで……!」


『何が間違いなんだか』


「とにかく違うから! それより何の用よ!」


『新年最初に俺の声を聴ける、ってのも悪くないだろ? あと、お前に朗報をくれてやろうと思って』


ろ、朗報?


『この前はああいったけど、俺なりに色々考えた結果だ。お前だけに、初詣に行くチャンスを与えてやるよ。もちろん、二人きりでな』


カウントダウンが終わり、花火が打ち上げられている音がテレビから聞こえる。

渕脇柴乃、新年の始まりは幸せからスタートのようです……


(つづく!!)

隼人君とむぎちゃんについて、ですが

この二人のキャラ像は、私自身アニメなどで

マイナーなカップリングを

すきになることが多いんです。

だったら私がくっつけて、

私得なカップルを作ればいいのでは!?

という謎の責任感から生まれました


何から何まで、王道よりマイナーを

推しています

仲間の人、いたらぜひお友達に……


次回、どっきどきのお正月!

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