好きになるのが、男からでもいいじゃない。
年越しを過ごすため、幼馴染の紬がいる
東雲旅館にお世話になることにした姫野と柴乃。
しかしそこに、まさかの隼人の姿が・・・?!
「ほんっとうにごめんね! 今年全部屋埋まっちゃって困ってたんだけど……特別に一緒の部屋でいいって姫野ちゃんが許可してくれて……」
「許可ぁ……? 私、今初めて聞きましたけどぉ!!?」
たまらず叫ぶ私にベーと姫野が舌を出す。
むぎちゃんは罰が悪そうに、ごめんと両手を合わせている。
隼人君は隼人君で、気にしていないのかコーラを口にしたままだった。
「なんで言ってくれないのよ! 私いいなんて一言も言ってないじゃない!」
「だってぇ、いつもお世話になってるむぎちゃんの頼みなんだしぃ。隼人君ならいっかなって❤︎」
「何よその判断基準!」
「オレだって聞いてないよ、柴乃ちゃん達がここに泊まってるなんて」
「毎年夏と冬と、ごひいきにしてもらってるの。黙ってて、ごめんね」
「……別に紬ちゃんのせいじゃないから、いいんだけど」
ん? なんだろ今の。なんか対応が違ったような……
にしても、この偶然はびっくりだ。
おそらく姫野は知ってて、私にあえて彼の話題を振ったのだろう。
まさかよりにもよって、隼人君本人とこんなことになろうとは……
「それじゃあ、ご飯持ってくるから。ゆっくりしていってね!」
「ちょ、ちょっとむぎちゃん! もう!」
「やっぱり年末は忙しそうだね~むぎちゃん」
「忙しそうだね~じゃないわよ! そもそも、なんで隼人君がここにいるのよ!」
「デパートのくじで、宿泊券が当たったんだよ。どーせ暇だったし、初日の出でも見よっかなって。でも驚いた。まさか君たちに会うとはね」
そういいながら隼人君はいつにもまして、深いため息をつく。
その場にごろんと寝ころんだ彼は、二回目のため息をついて……
「隼人君、妙に疲れてない?」
「……まあ、色々あってね」
「宿泊券なら、もっと他の旅館があったのにどうしてここを選んだのぉ?」
「昔の知り合いの方がなじみあったし、近いほうが楽じゃん?」
「え~そうかな~? 姫野には、ここにした理由が他にあると思うんだけどぉ」
姫野の言葉に、へ? と私は声を漏らす。
隼人君は気にもしていないように、寝返りを打って私達とは違う方向を向いた。
そんな彼の姿はなんだかいつもと違うようで、気になった私は姫野にこっそり
「ちょっと、どういう意味」
と、耳打ちして見せた。
「むぎちゃんが言ってたの。文化祭で、隼人君を見たって」
「文化祭? むぎちゃん来てたの?」
「ちょうどそのあとに、隼人君は姫野のことをお姉ちゃんに言ってきたんでしょ? 姫野の推理が正しければぁ、むぎちゃんに会ったことが関係してるんじゃないかなあって❤︎」
確かに、言われてみればそうかもしれない。
でも隼人君とむぎちゃんは、私のように付き合いが長いほうではないはず。
考えられることといえば、一つだけ……
「隼人君……あんたまさか、むぎちゃんのこと……す……」
「待って」
と、途端に隼人君が起き上がって私の口をふさぐ。
すると同時に
「ごめんね、待たせちゃって。ご飯持って……二人とも何してるの?」
むぎちゃんがご飯を運ぶ車を持って、ふすまを開けた。
不思議そうに、きょとんと首をかしげている。
私は慌てて彼から離れて、すぐにごまかそうと口を開いた。
「な、何でもないの!! ちょっと雑談、を?」
「そっか。二人は昔からホントに仲がいいよね~」
「そ、そうでも、ないけど……」
「そういえば柴乃の婚約者に、隼人君がなったって聞いてたけど。浅沼君とお付き合いしてるのに、いいの?」
しまった! そのこともまだ解決してなかった!!!
「ああああれはその! 親が勝手に決めたことで!」
「婚約ならなしになったよ。双方乗り気じゃないってことでね」
運よく隼人君が、助け船を出してくれたおかげでむぎちゃんの誤解は解けた。
双方乗り気じゃない、その言葉の存在に気付いてもいないようで。
さっきも、むぎちゃんが来るタイミングが分かっていたかのような遮り方……やっぱり隼人君は……
「三人が打ち解けているようで、よかった。私まだ仕事あるから、あとでね」
「う、うん……」
彼女が出ていくのを見ながら、私の頭の中はもやもやでいっぱいになる。
頼りがいいむぎちゃんは、ここのこともあり恋愛には億劫だ。
隼人君も自分から行こうとは、思ってないみたいだし……
二人の知り合いとして、何かできないかな~
「うふふっ❤︎ やぁっぱりそういうことなんだ?」
「何の話? 早く食べないと、冷めるよ」
「姫野、隼人君には悪いことしちゃったなあって反省してるの。だ・か・ら❤︎ お詫びに、姫野が二人をくっつけてあげる❤︎」
はぁ? と私と隼人君の声が重なる。
それでもなお姫野は、にっこりと満面な笑みを浮かべて見せた。
(つづく!!)
って、いうわけでメインキャラの理由は
御覧の通りです。
ちなみに私が隼人君推しなのも、
ここからみえてくる
彼の本当の姿がツボでツボで
しょうがなくて・・・
え、わからない? おっかしいなあ。
じゃあ次回まで読んでみましょう!笑
次回、そんな隼人君の素が
もっと見れちゃいます




