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覚えてない人は第2部・8話を見返してね♪

馨の過去を少し知ってもなお、

気持ちは揺らぐことがない柴乃は

ついに馨に告白することに。

また一つ関係性が変わった二人。

舞台は、一気に加速するー

今年最後ともいえる雪が、しんしんと降り続けている。

すっかりつもった雪景色が、窓から見てもきれいに見える。


「うわぁ~! すっごい積もってるぅ! 年が明けたら、雪合戦しようよ! お姉ちゃん!」


「そんな子供っぽいことするわけないでしょ。第一風邪ひくし」


「子供は風の子なんだよ~? 雪が降ってるのに遊ばないでどうするの!」


そういって、雪だ雪だとはしゃいでいるのは言わずと知れた姫野だ。

私と同じように雪を見ているにも関わらず、外に出たくてしょうがないらしい。

まったく、この差は何なのかしら……


「なんだかんだ今年もお世話になっちゃって、悪いわね。むぎちゃん」


「ううん。私の方こそ毎年ここに泊まってくれて、嬉しい限りだよ」


彼女―むぎちゃんが、にこりと微笑む。

私と姫野がいるここ―それは、東雲旅館だ。

夏休みの他にも、私達の年越しはいつもここだと決まっている。

東雲旅館からの景色はすごくて、毎年のように初日の出を拝みに来る客も多いよう。

私達もむぎちゃんのご厚意で、よく利用させてもらっているため今年も今年でお世話になっているんだよね!


「それよりも柴乃、よかったの? お友達、呼ばなくて」


「へ!? な、何のこと?」


「ごまかしてもダメだよ~? お姉ちゃんが馨君に告白してるの、姫野知ってるんだからね?」


「な、なんで知ってるのよ!?」


「お姉ちゃんのことなら、すぐわかるよ〜❤︎ それをむぎちゃんにもいったんだ❤︎」


「聞くつもりはなかったんだけど……でも驚いたよ。夏来た時と、がらりと状況が変わっているんだもの」


むぎちゃんの優しい微笑みと、からかうように笑う姫野の笑顔が痛いほど突き刺さる。

冬休みになったっていうのもあって、知られてないと思ってたのに!

あのクリスマスで、私と馨君は一応彼氏と彼女と言える関係性になった。

っていっても彼はそんなに好きじゃないように見えたし、事実私の一人相撲なのは変わらない。

でもメールでゲーセンに誘ってくれるあたり、さほど嫌には見えないけど。

彼女ってなった途端、あいつといることがなんだか恥ずかしくて今まで以上に緊張するっていうか……


「わ、私のことはどうでもいいでしょ! それより姫野こそ! お世話係なんだから寺濱君でも誘えばよかったじゃない!」


「誘ったよ~? でも家のこともあるし、浅沼君と初詣行くって断られちゃった❤︎」


あいつ姫野より、馨君優先するの!?

確かに私も同じ理由で、今回は断られましたけど!

なんなのよ、男どもは! 


「じゃあ渉さんも、用事で?」


「そ。半人前だからって、バイトしたいんだとさ」


「すごいんだね、渉さんも。年末年始くらい、休めばいいのに」


「それはむぎちゃんもでしょ」


「あ、そっか」


私が付き合ったことは、もちろん彼女も知っている。

それで気を利かせているつもりなのか、バイト漬けな日々を送っていて見てるこっちが疲れてしょうがない。

人見知りな彼女をサポートするように瀬名さんが見てるみたいだけど、なんかあの二人すごいいい雰囲気というか……なんというか。


「それじゃあ私、ご飯持ってくるから。二人とも、ゆっくりしててね」


「はぁ~い❤︎ ありがと、むぎちゃん❤︎」


笑顔を浮かべながら、むぎちゃんはふすまを閉める。

また二人きりになってしまった私は、間に耐えられず携帯をいじくる。

姫野が悪霊に取り憑かれて起こったことは、さすがにむぎちゃんには言えていない。

言ったところで、信じるような子じゃないしね。

和解こそはしたけどやっぱり姫野と二人ってなると、ちょっと気が引けるというか……


「そうだ。ねえお姉ちゃん、質問してもいい?」


「何? 馨君のことなら、答える気ないわよ」


「浅沼君のことも確かに気になるけどぉ……姫野が聞きたいのは、隼人君のことなの」


意外な名前が出てきて、思わず顔を上げる。

そういえば彼とは、姫野の一件からろくに話していない気がする。

クラスであってもあいさつくらいしかしないし、たまにからかってくる程度で前以上に会話が減った。

あんなにつっかかってきたくせに、それはそれでなんか寂しいような……って、何を考えているのよ私は!


「姫野が隼人君をお姉ちゃん好きなようにしてたのは、知ってる?」


「ええ。本人から、聞いたけど」


「やっぱり。霊さん、それをといた覚えがないんだって。自分でといたのかな~? お姉ちゃん、何か知らない?」


取り憑かれると霊と話ができるのか、つっこもうとしてやめた。

そんなことを言われても、特に何も浮かばない。

彼がおかしいなって思っていたのは転入してきた時からだったし、それを直接言ったのは文化祭の時。

いわれてみれば、文化祭では全く会わなかったな。

その時にはもう自分の意識があったってこと……?


「失礼しまー……柴乃ちゃんに姫野ちゃん……? なんでここに」


人生、何が起こるかわからない。

私達の部屋を開けたのは誰であろう、隼人君だったのだ!


(つづく!!!)

さて、久々のむぎちゃんご登場でしたが

皆様は覚えていましたか? 

忘れている人は題名にある話数を

確認してもらうとして……


え? 彼女はモブキャラじゃないのって?

違います。メインキャラです。

なぜかって? それは次回、分かるとして…


次回、幼馴染全員集合?

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