文化祭の前ふりをしようか
季節はいよいよ文化祭シーズンへ!
柴乃のクラスは写真展を、
馨のクラスはメイド&執事喫茶をすることに・・・
文化祭準備期間は、それなりに長い。
私達のクラスは展示だったし、撮った写真でどれを展示するかの話でもちきりだった。
実質、そんなに実行委員の仕事はないわけで……
「意外と柴乃、写真撮るのうまいんだね。これなんて、きれいだからよさそう」
「そうかなあ? 私としては、見慣れてるからそうでもないんだけど」
「自分の身の回りだから、そんなものだよ。私も撮ったけど、なかなかうまく撮れなくて」
そういいながら、あんちゃんは何枚か撮ったうちの写真を私に見せる。
あんちゃんの家は何度も行ったことがあるとはいえ、うまくいかなかったという割にはきれいに見えた。
「そういえば柴乃、浅沼君とはどうなった?」
「それがねぇ……誘おうにも他の子が次から次に現れて……もうきりがないって感じ」
「さすがの一言、だね……」
「おまけに私にも男子が誘ってくるしさあ~もう勘弁してって感じよ」
自分で言いながら、またため息をつく。
どうしてこうもうまくいかないんだろう。
流れでメアドを知っているとはいえ、メールで誘うのはさすがに気が引ける。
直接口で言いたいって思うのは、わがままなんだろうか……
「柴~乃ちゃんっ」
「……何よ、一緒に回るのはお断りよ」
「え~誘う前に振られるなんて、ちょっと傷つくよ? オレ」
聞き慣れた声に顔を上げ、むっとして顔をしかめる。
購買部で買ったようなやきそばパンを持った、隼人君だ。
すました笑顔で笑いかけてくる彼は、ポケットから一枚の紙を出して見せた。
「はい、これ。オレの分。ちゃんと提出したからね~」
「あ、ありがと……これどの辺?」
「近所にあった花壇」
「そんなの見ればわかるわよ……あんた、どの辺に引っ越して……」
「ねぇ柴乃ちゃん。文化祭、一緒に回らね?」
話題を遮るかのように、彼が提案する。
さっきも断ったはずなのに、どうしてこう男子ってあきらめが悪いのかしら。
しびれを切らすように私は彼にばっさり、
「嫌よ」
と言って見せた。
「そんなこと言わないでまわろーよー。隣のクラスの食券、無駄にもらっちゃってさあ」
「そんなの他の女子と回んなさいよ。あんた、たくさんいるでしょ」
「いるけど、前も言ったでしょ? オレは柴乃ちゃんがいいの」
どうしてそこまでこだわるのか、私にはわからない。
体育祭で倒れた時も、運んでくれたのは彼だってあんちゃんが教えてくれた。隼人君が何を考えているのか、私には何もわからないままなわけだし……
「……ねぇ隼人君、何かあった?」
「ん? 何が?」
「確信があるわけじゃないけど……今の隼人君は、昔と何かが違う気がして……」
焼きそばパンを食べていた手が、わずかだが止まる。
何事もなかったように口に運ぶしぐさに比べて、顔からは笑顔が消えていた。
何か考えているような真面目な顔つきに、思わず目がそらせなくなるー
「そう見える?」
やっと笑ったかと思えたその顔は、まるで何かを訴えようとしているようで何も言えなくなる。
一緒に回るの考えといてね。
その言葉を最後に、彼は去ってゆく。
振り払おうとしても、隼人君のその顔は文化祭当日までずっと私の頭にこびりついていた……
(つづく!!)
体育祭は二話で終わったから、
文化祭も二話なのかな?
と思ったそこのあなた、残念でした。違います笑
文化祭は準備期間とかもありますしね、
それなりに長いです。
まあ私自身が体育祭より
文化祭好きなのもあるんですけど。
学生生活って言ったら文化祭ですよね。
なんかこう、青春してるというか
リア充勘半端ないというか・・・
次回、ついに文化祭開幕!




