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転入生までイケメンなこの高校はおかしい。

新学期に入り、相変わらずのモテモテに困る柴乃。

そんな中クラスに転入してきたのは、

海藤隼人という青年だった・・・


転入生は、人気者だ。

初めての人には、みんな食いつきがいい。

しかも彼はそれなりの外見で、主に女子が彼を囲んでいる。

正直、迷惑千万ってこと。


「転入生が来るなんて、なんだか新鮮だね」


「……そうね」


「そういえば柴乃、さっき立ち上がってたけどどうしたの?」


「どうもこうも……別に何でもないわよ」


「なんでもあるから反応したんでしょ? 私でよければ、聞かせて」


あんちゃんは優しいな、相変わらず。

まあ確かに、隠すようなことでもないからいいっちゃいいんだけど……


「簡単に言うと、知り合いなの。昔の」


「へぇ、仲良かったの?」


「あくまでも親の話よ。その時から私、男嫌いだもん」


「なんかそんな気がした。それなら、反応せざるを終えないよね」


彼女と話をしながら、そっと彼の方を見る。

海藤隼人。

ひょうひょうとしていながら、マイペースで性別問わず好かれるような人物。


それなりに顔もイケメンだからか、女子からの人気が高い。

小学校の時何年かしか一緒じゃなかったし、家にもよく遊びに来ていたけど、そんなことよりすっごく印象に残っていることがある。

それは……


「柴~乃ちゃん」


背後から、急に抱き付かれる。

思わず私は悲鳴を上げてしまった。


「ぎゃあっ! い、いきなり何すんのよ!」


「うわ、こわ。久しぶりの再会なのに、そんな怒んなくてもよくね?」


「だからっていちいち抱き着く意味が分かんないんだけど!」


「いいじゃん、オレなりの挨拶だよ。にしても紫乃ちゃんは、昔と変わらずあったかいねぇ」


すりすり頬を寄せてくる彼を、ため息をつかずしてみていられない。

彼と私は、小学校の頃の同級生だ。

当時から「柴乃ちゃんが好き」とかいって、ことあるごとにスキンシップを繰り返してきたやつ。


モテモテなのは昔からだったし、彼の言うことはほとんどが嘘や冗談だったためまじめにとらえたことはないと思った。

まさか、再会した今もされるとは思ってもみなかったけど。


「もう! 高校生にもなって、こんなことすんのやめなさいよ! やるなら他の子にやれば!?」


「分かってないなあ、柴乃ちゃんは。柴乃ちゃんだからいいんじゃん。いちいち反応が面白いし」


「わ、私で遊ぶな!」


「それに……本気なんだけど? オレ」


たくらんでいるようにみえるその笑みが、少しふっと真面目な表情に変わった気がした。

ただの気のせいだと思い込み、あっその一言で彼を無視する。

次の時間のチャイムが鳴ると、彼はひょうひょうとした態度で「またあとでね」と席に戻っていく。

そんな様子を見ながら、私はため息をつくばかりだった。


その日は、災難の一言に尽きた。

やめてといっても、彼は懲りずに私に突っかかってくる。

周りに女子がいるのに……


「もう! 超超超超イラつくんですけど!!」


つい口からこぼれる怒りをあらわにしながら、勢いよくお茶を飲み干す。

彼から遠ざかるように私とあんちゃんは、食堂に来ていた。

いつもは教室で食べているのだが、あまりに彼がしつこかったから見つかる前に逃げてきたのだ。

まったくもう! なんで私がこんなめんどくさいことしないといけないのよ!


「柴乃、怒りに身を任せて食べたらのどにつまらせるよ?」


「分かってるけど、さすがにあれはないと思わない!?」


「……まあ、柴乃に対してつっかかりすぎだなあとは思うけど」


「でしょ!?」


「でも柴乃が言うほど、海藤君って嘘つきじゃない気がする。本気で柴乃のこと、好きなんじゃないかな?」


真面目な顔をしてあんちゃんが言うものだから、思わずむせそうになる。

考えてもみなかった、そんなこと。

だって昔からあんなだし、ことあるごとにちょっかいだしてくるんだよ?

そんな奴が私を好き、だってぇ?


「ないない。絶対ない」


「ほら、好きな女子にはちょっかいを出したくなる男子っているみたいだし」


「隼人君に限ってないわよ。あいつ私を遊び道具としか見てないもん」


「それは表面上だけかもしれないし……」


「なんだお前ら、食堂にいるの珍しいな」


そこに声がする。

上を向くと、そこには馨君がいた。

手にはコーヒー牛乳と書かれた紙パックを持っており、ちょこちょこそれを飲んでいる。


「そういうあんたは、学食?」


「ん。弁当作るのめんどくさいし」


「ふうん、そうなんだ……」


「ちょうどいいや。直樹がお前の妹の面倒見でいないんだわ。隣、いいか?」


思いもよらないその一言に、また私はむせそうになる。

ちょっと待ってよ、何よこの急展開!

隼人君を避けてきただけなのに、一緒に食事しないとかカップルでよくあるシチュエーションじゃない!

ど、どうしよう! 食事どころじゃない!!!


「……私、お邪魔かな?」


「お邪魔じゃない! お願いだからあんちゃんはここにいて!!」


「でも、せっかくのお誘いなんだし二人で食べたいでしょ?」


「そ、そうかもしれないけど……」


「教室にいないと思ったら、やぁっぱここだった。探したよ、柴乃ちゃん」


げっ、この声は……!

災難は次から次にやってくる。

今度やってきたのは、隼人君だった。

彼はヤッホーといいながら、持っていた学食の券で挨拶してみせる。


「な、なんであんたがここに!」


「いいじゃん、細かいことは。オレランチ今からだから、一緒に食べてもいい?」


ちょ、何この展開!!!


「あっれ~? もしかして君、浅沼馨君? 女子からきいてるよ~美男美女コンテスト二年連続首位なんでしょ?」


「……見ない顔だな、お前」


「ああオレ、今日転入してきた海藤隼人。ついでにいうと柴乃ちゃんの婚約者だから、てきとーによろしく」


何か裏がありそうな、その屈託のない笑顔。

突然の出来事に、私は驚きの声さえ出なかった……


つづく!!


ちなみにの裏話、メインキャスト陣の名字には

必ずさんずいがついてるんですよ?

渕脇、浅沼、寺濱などなど

ということは、彼もメインということで!


ついに新キャラ、隼人君本格始動です!!

え、妙にテンションが高くないかって?

ふっふっふ、それはもちろん私の推しだからです!

ホントこういう子、いいですよね。たまらん


次回、二学期といえばのイベントが到来!

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