お泊りだよ!! 全員集合!?
夏祭りの際に不良に襲われ、
それを馨にすくってもらった柴乃。
夏休みは、まだ始まったばかり!
「みんな、お土産で八つ橋買って来たんだけど。よかったら、どうかな?」
あんちゃんが、はいと箱の中身を見せながら私たちに渡す。
色とりどりに並ぶ、いかにもおいしそうな八つ橋に私はすぐ手を伸ばした。
夏休みに入って、二週間。
今日は最初で最後の、出校日である。
普通高校には出校日はないんだけど、この学校は特別。
いちいち来るのは嫌だけど、こうしてあんちゃんとあえるのは嬉しいかな♪
「でもいいのか? 全然関係ない俺達までもらって」
私の横にいる馨君が、遠慮がちに言う。
あんちゃんは私だけでなく姫野や、寺濱君達にも声をかけた。
いうまでもなく姫野はもらうことに躊躇なんかせず、おいしそうに食べてるけど。
「全然大丈夫。柴乃がお世話になってるお礼」
「ちょっと、どういう意味よそれ!」
「ごめんなさい、僕までもらっちゃって」
「そういうことなら、遠慮なく」
「渉さんってほんっと優しいよね~❤︎ どこかの誰かさんと違って♪」
満面の笑みを向けて言う彼女を、にらみつけるように見る。
対して、姫野は
「やだぁ、姫野お姉ちゃんだなんて一言も言ってないのにぃ。こわぁい」
と言って寺濱君の後ろに隠れる。
もう嫌! こいつ、ほんっと腹立つ!
なんでこんなのが妹なの!? ああ、イライラする!
「そういえば柴乃、夏祭り結局行ったの?」
急に振られ、ビクッと肩を震わせる。
夏祭り、といわれて浮かんでくるのは彼の胸で泣いたあのことだ。
思い出すだけでも体が熱くなるくらい恥ずかしい。
というかあの時、馨君私の頭撫でたわよね!?
絶対なんかいって来るって思ってたのに、あの後何もなかったように別れたし。
今だって、普通にいつもどおり。
そりゃそうよね。この人はただ優しいだけ、何だし。
なんか、自分で言っててむなしくなっちゃうけど……
「あ、あとでその話するから! それであんちゃん、もう家族旅行にはいかないの?」
「うん。友達と過ごしたいって言ったら、やっと折れてくれて」
「じゃ、じゃあさ!」
「せっかくだし、みぃんなで行かない? お姉ちゃん❤︎」
何かたくらんでいるかのような満面の笑顔を、私に向ける。
私が言おうとした言葉を続けるように、姫野はその場のみんなに告げた。
「実はねっお友達の旅館に、姫野お泊りするの♪ 私達何度も行ってるから、今年はみぃんなでいこうかな~って」
「みんなって、僕達も入ってるんですか?」
「当たり前だよ~❤︎ 直樹君も浅沼君も、みんなみぃんな一緒❤︎」
私が誘おうと思ってたのに、自分だけいいとこどりしちゃって……
私達の両親はお金持ちで、仕事に忙しく海外などに飛び回っている。
夏休みもろくに帰ってこないため、それなりに気を使ってなのか昔から常連の旅館に泊まらしてくれる。
毎年のように姫野と二人だし、私的には嫌気がさしてたんだけどそれも今年でおさらば!
あわよくば馨君と急接近!
さらには寺濱君がいるから、姫野の相手をしてくれ一石二鳥!
あんちゃんとも仲良くお食事出来て、楽しい外泊になること間違いない!
「い、いいんですか? 大人数でお邪魔しちゃって」
「いいよ~❤︎ お客さまなら誰でも大歓迎って、むぎちゃんいってたもん♪」
「む、むぎちゃん???」
「急に行ったら、迷惑なんじゃないか?」
「心配ないわ、すでに五人予約済みだから」
「断るってことは頭に入れてなかったわけね……」
「いいじゃない! みんな空いてたんだから!」
「じゃあ今度の土日、竹馬駅に集合だねっ❤︎ 連絡先知らないと不便だから、知らないところはお互いに教えあっといてよっ♪」
さもご機嫌のように、姫野はスキップしながら教室を出る。
急に静かになったその場で、私たちは無言で連絡先を交換する。
おかしな流れではあったものの、無事に私は馨君の連絡先を知ることができたのだったー
(つづく!!)
今日は母の日、ですね。
皆さんは何かあげたんでしょうか。
あ、私はですね。あげてましたよ、ええ・・・
そんなこんなで、みんなでどこか行くみたいです。
次回は新キャラも登場するので、
お楽しみに。




