表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
傍観者ではいられない!  作者: ぽぽりんご
第三章 タイガ編(エロバカラノベ風味)
35/51

第8話 かわいい女の子に耳掃除してもらうのってなんかいいよね

「第4話 ウンコを投げつけてくるヒロイン」だけ妙にアクセス数が多かったです。


え、そんな需要が……!?


 

 

 ベッドに入って目を瞑る。が、いっこうに眠れそうな気がしない。

 魔法を飛ばしただけで殺したので、なんの手ごたえも実感も無かった。

 が、俺は確かに魔物を殺したのだ。なんだかもやもやするものが心に残って離れない。

 

 うーん、考えが甘かったかな。というか、何も考えずにこっちに来ただけな気がする。

 お馬鹿だの鳥頭だの言われる俺だが、さすがにこれは軽率だったかもしれない。

 

 と、誰かが俺の部屋に近づいてくる気配を感じた。こんな夜に掃除だのなんだのをする事もないだろう。俺の部屋は宿の隅っこなので、誰かが俺に用事があるという事になる。

 まぁ、誰かといっても俺の知り合いはレオとバヤールしかいないけど。バヤールが歩くわけ無いのでレオしかいないけど。

 

「タイガ、起きてる?」

「……ああ、起きてるよ」

 

 ドアをノックする音が響いた後聞こえてきた声は、予想通りレオのものだった。

 ベッドからのそりと起きあがった俺はドアを開け、レオを部屋に招き入れる。

 

 寝巻き代わりのだぼっとしたYシャツに、柔らかい薄手の布でできたショートパンツ。相変わらず素敵すぎる格好だ。ショートパンツはYシャツにその殆どが覆い隠されているので、裸Yシャツにしか見えない。

 

 俺のテンションが0%から20%に回復した。

 

「バヤールに言われてね。この辺りは乾燥してるし砂埃も多いから、慣れない人には辛いだろうって」

 

 レオが懐から取り出したのは、棒のようなもの。耳かきっぽく見えるが、なんだろうか。

 

「だから、耳掃除をしてやれって言われたのよ」

「へぇ」

 

 そのものズバリ、耳かきだった。

 ……あれ、耳掃除をしてもらう?

 

 俺は耳掃除をされている光景をイメージしてみる。

 柔らかい太腿。耳を覗き込むと、自然とおっぱいが頭に急接近。耳筋に掛かる吐息。

 うん。最高じゃないか。

 

 俺のテンションが20%から50%に回復した。

 

 俺はバヤールの方を見る。俺に合図でも送るかのように、赤い宝玉がきらりと光った。俺は親指を立ててバヤールに無言の合図を送る。

 

「部屋に入ってきた時は死にそうな顔してたのに、なんだか一瞬で生気が戻ってきたわね。やっぱり男同士の方が分かり合えるのかしら? ただ耳掃除するって言っただけで元気になるなんて思ってもみなかったけど」

 

 そう言ってレオがベッドに腰掛ける。

 俺はレオに言われるがままベッドに横になり、レオが近づいてくるのを待った。

 

「……どういう風にやれば良いの? この体勢だとやりにくいし、直接目視しないと危険だろうし」

 

 レオは四つん這いになって俺の耳を覗き込んでいる。

 予想外の体勢だ。だがこれはこれでいいものだ。ゆれる胸の谷間を拝む事ができるのだから。

 おっぱいは重力には逆らえない。筋肉がなければ、重力に逆らう事などできやしないのだ。

 俺もおっぱいには逆らえない。一般的な男子高校生がたわわなおっぱいに逆らう事などできやしないのだ。

 

 俺のテンションが50%から80%に回復した。ついでに俺の欲望に忠実な下僕がピクリと脈動し、その鎌首をもたげ始める。

 だが、この体勢で耳掃除されるのは危険だ。俺はレオに正しい耳掃除の体勢をレクチャーした。

 

「つまりは膝枕するのがベストという事だよ」

「ああ、なるほど。確かにそうね」

 

 俺の言葉にあっさり同意するレオ。

 俺はレオの生足に頭を乗っけた。柔らかい。あったかい。横目でレオを見上げるとおっぱい山脈が見える。

 太腿! おっぱい! 神よ、ここが天国か。

 

 俺のテンションが80%から120%に回復した。ついでに俺のマイサンはビッグダディへと進化した。

 

 魔法で明かりを作り出したレオが恐る恐るといった雰囲気で俺の耳に耳かきを差し入れ、ゆっくりと動かしはじめる。

 

「……もっと奥まで入れてもいいのかしら?」

「ああ、いいよ」

 

 口頭で状況を伝える俺だが、レオは二十秒ほど悪戦苦闘した後、耳かきを引き抜いて宣言した。

 

「まどろっこしい、ハンドサインを決めましょう。奥まで入れていい状況なら手を握る、駄目なら広げる。痒い所があるなら指を回して方向を知らせて」

 

 どうやら口頭でのやり取りが気に入らないらしい。

 ハンドサインで意思疎通するとか、やっぱこいつ特殊部隊の隊員かなんかなんじゃねーの?

 

 

 その後の耳掃除は順調に進み、慣れて来た俺達は身の上話をする事になった。

 レオが両親について聞いてきたのだ。

 

 こんな所に来て親が心配していないだろうかとでも思ったのだろうか。

 その点に関してなら心配ない。あの親なら、俺がどんな大冒険をしても笑いとばすだけだろう。

 

 俺は、両親についてのエピソードを話し始めた。

 話題に困ったら多少脚色しようかとも思ったが、脚色する必要が全くないほど変な親だった。話題に事欠く事など無い。

 

 もう四十歳になるはずなのにいつまでも若々しいままだったり、やけにサバイバル関連の知識があったり。

 山で遭難した時の生き残り方を両親から教わっていなければ、俺はもっとレオの手を煩わせていただろう。

 

 まだ赤ん坊だった妹の世話を俺に押し付けて二週間ほどふらっといなくなるなんて日常茶飯事だった。

 そういう時、俺は妹を抱えて近所の爺ちゃんの家に押しかけ、暇つぶしに昔の漫画を読んだり対戦ゲームで爺ちゃんと血で血を洗う闘争を繰り広げたりしていた。ちなみに爺ちゃんはセ○゛信者だ。

 

 海外旅行へもよく行った。行き先は決まって危険な僻地や秘境だった。

 アフリカ旅行に行った時なんて、カバやらハイエナやらに何度襲われた事か。

 ちなみに襲ってきた連中は決まって母さんのパンチを受けて撃沈した。

 母さんがカバをぶっ飛ばしているのを見ても、父さんはただ「はっはっは」と笑っているだけだった。ちょっとは心配しろよ。

 ちなみにガイドの人は小便漏らしてた。カバが怖かったのか、母さんが怖かったのか。どっちなのかは聞いていない。

 

 両親の話が一段落すると、今度は俺の方がレオに話を振る。

 

「そういや、なんで親の話を聞きたいなんて思ったんだ?」

「……あー」

 

 レオは耳かきを抜いて、視線を空中に彷徨わせる。

 あれ、もしかして空気重くするような話振っちゃった? 失敗したな。

 考えてみれば、レオの年齢で一人旅をしているなんてこの世界でも珍しい部類だろう。少し考えれば分かる事なのに気が回らなかった。膝枕天国のせいで脳みそがパーになっていたからだろうか。

 

 しばらく迷った様子を見せたレオだが、やがて視線を俺の方に戻した。疑問に答える事にしたようだ。

 

「……私、親がいなかったから。だから、父親と母親ってどんな感じなのかなって思ったの」

 

 そこまで言って、レオは手をパタパタ振って続ける。

 

「あ、親がいなくなったのは生まれてすぐの事だし。それにお爺さんはいたからね? 無骨で寡黙な感じのお爺さん。私の弓は、お爺さんに教えてもらったんだ」

「へぇ。レオに弓を教えたってんなら、そのお爺さんも相当の腕前だったんだろうな」

「うん、凄かった。初めて見た時は、あれが魔法なんだと勘違いしたぐらい」

 

 話したり教えたりするのだけは苦手だったみたいだけど、とレオが苦笑する。

 ああ、それはわかる気がするね。レオの説明下手は、間違いなくお爺さんの影響だ。

 

 それを口にすると、レオに頭を叩かれた。

 と、髪から少しだけ砂埃が零れ落ちる。

 

「……頭の砂、落としきれてないみたいだけど」

「仕方ないだろ、使える水の量が限られてたんだから」

「砂の落とし方も教えたほうがよかったのかしら」

 

 え、それってお風呂に同伴するという事? まじですか?

 俺は風呂場で椅子に腰掛け、後ろで膝立ちになったレオに頭を洗ってもらう光景を想像する。

 うん、今までの傾向からして間違いなくおっぱいが後頭部に当たる展開になる。レオは拘るタイプな上に、一つの事に集中すると周りが見えなくなるからな。

 うまく落とせない汚れでも見つけようものなら、むきになって落とそうとするだろう。頭をがっちりホールドされてゴシゴシされる光景が目に浮かぶ

 おっぱいホールド。ぜひ実体験してみたいものだ。

 

「……変な事考えてる」

「いえ、決してそのような事は考えておりません」

 

 レオにコツンと頭を小突かれ、俺は笑いながら答えた。

 嘘です。思いっきり変な事考えてます。

 

 やがてレオは俺の頭の下にタオルを敷いて、俺の頭に櫛を通しはじめる。

 いや、櫛じゃないな。これは指だ。櫛で髪をすくうように、レオの細い指が俺の髪の間を通り抜けていく。

 俺の頭に残った砂を落としているのだろう。

 

 ああー、これ気持ちいいかも。

 人に頭を撫でられるのがこんなに気持ち良いとは思わなかった。

 小さい頃は妹がよく頭を撫でて欲しがっていたが、まさかこんなに気持ちいいものだったとは。もっと撫でてやればよかったかもしれない。

 まぁ最近は撫でて欲しいなんて言わなくなったけど。若干距離を取られるシーンもあってお兄ちゃんとしては若干悲しいんだけど。

 

 

 そんな事を思いながら、俺は視界が徐々に狭くなっていくのを感じた。

 頭がボーっとする。瞼が酷く重い。

 

 そうだ、今日は山を駆けずり回ったのだ。体は必死に疲労を訴えて睡眠を要求しているが、心が落ちつかなくて眠れない状況だっただけ。

 レオと話をして、頭を撫でられて。俺の心はすっかり落ちついてしまった。

 なら、眠くなるのは仕方の無い……こと……か……

 

 

 俺の意識は暗転し、深い眠りに落ちた。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

「落ち着いたのかしら。寝ちゃったみたいね」

「完全に寝ちまったな……ああ、こんな役得な状況で寝るなんて信じられねぇ」

「よほど疲れてたという事でしょ。肉体的にも、精神的にも」

「さっきも言ったが、意外と気に入ったのか? ずいぶんとタイガの肩を持つね」

「悪意は感じない。仲間として扱うのに不満はない」

 

 仲間として扱うといっても、いきなりこの距離感は近すぎるのではないかとバヤールは思った。

 だが、レオの行動パターンは極端だ。いや、距離感を上手く掴む事ができないのだろう。相手との距離を測るという行為自体を知らないように見受けられた。

 バヤールとしてもタイガは良い奴だとは思うが、たった数日でここまで心を許すのはどうなんだろう。こいつ詐欺師に騙されたりしないだろうか。

 

 そこまで考えて、バヤールは思考を振り払い自重した。

 いくらレオが古い友人の忘れ形見のような存在だと言っても、踏み込みすぎだ。レオが人として生きるなら、自分が積極的に介入すべきではない。

 

 だがどうしたって心配してしまう。

 続けてレオの言い放った発言を聞いて、心配してしまう。

 

「それに、死なないというのも都合が良い。私のわがままに付き合わせて死なせてしまったら寝覚めが悪い」

「……やっぱりお前はもっと、人を頼る事を覚えたほうが良いと思うね」

 

 レオが頼れる相手は今の所、死なない奴……バヤールに、タイガ。この二人だけなのだろう。

 人間に限定すれば、タイガただ一人だ。

 

(……タイガ、責任重大だぜ。レオを支えられる人間はこの世で唯一、お前だけなんだからな)

 

 バヤールは、タイガへの期待と不安が入り混じった気持ちを押し殺して平静を保った。

 

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ