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そして『器』を奪われた俺  作者: 深爪 みなみ


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ep.44 ドロップ・リベレイションⅡ①

青く晴れ渡った空。

グロリオサは新たに手にした武器を試すようにメシュの森林へと足を運んでいた。


「どうだ?リリィ新しい武器は?」


「これ!すごいですです!」

「私の魔導の効果がすごいのです!」

並列構築した防御結界を付与。

武器の性能のおかげでオート防御システムへと成り上がっていた。


ダウラのガントレットも結界がオートで出るようだ。

それを知ってか昨日までのうつらな表情とはことなり少しずつ、笑顔が戻っていた。


突如リリィが声を荒らげる。

その声に恐怖や不安と言ったものは感じられない。ただ、緊急を要することは明確だった。



「ヒイラギさん!雫がありません!ですです!」


「さっきまであった雫が無くなったのか?」


「ですです!」


「ドロップ・リベレイションですかね?」

「しかし、カリス・ローゼンさんの話だと直ぐには無い。と、言ってましたよね?」


「ああ。だが。」

「雫が無いのが事実だ。」

「何処に現れるから分からない。」

「街へ戻るぞ!」


急いでシブルクの街へ戻るグロリオサ。

しかし、既にそれは始まっていたのだった。




____リリィが気付いた時とほぼ同時刻。

シブルクの街の東の街道には、禍々しい雷雲がすでに立ち込めていた。

それにいち早く気付いたヴァルカスとBランク冒険者数名が現地へと向かっていた。


「お前ら、前回の事もある。」

「やばいと思ったら即撤退だ!いいな!」


そう言ったヴァルカスの声には皆を鼓舞するだけでなく、押しつぶされそうな緊張感が漂っていた。


東の街道に到着した一向が目にしたのは、明らかに前回のドロップ・リベレイションとは様子が違う景色だった。



魔物が見当たらない。



そこにはただ一体だけ。



【SSランク サイクロプス 】


それを目の当たりにして感じる恐怖。

即座に撤退の指示を出すヴァルカス。


1人になったヴァルカスは一言漏らす。



「でけぇな。」


乾いた笑いが漏れる。

手が震える。


助けはない。

ヒイラギもいない。

ダウラもいない。

リリィもいない。


頼れるのは自分のみ。


目の前にいる化け物に勝たなくては行けない。


不安、恐怖。行くしかない。


「.........はぁ.........。」


俺にやれるのか。


誰も来ない。


やるしかない。





____「ふっ。」


「やってやろうじゃねーか!」



乾いてない笑い。決意した笑い。


震える拳を強く握り潰す。






振り下ろされた大槌と拳が激突した。


ヴァルカスの足が地に埋もれる。


「なんてパワーしてやがる...」


ニタニタしながら近づいてくる1つ目の化け物。

ヴァルカスは大地を拳で割り抜け出し、素早く後退する。



『ブォォォァァァァァァァァアアア!!』


サイクロプスの叫びと共に再び大槌が振り下ろされる。



「力比べと行こうかぁデカブツ。」



ヴァルカスは見誤った。

サイクロプスに出会った時に感じた感情。

自分一人しかいない。

それが判断を鈍らせた。


直後左側より大槌の攻撃。



メキメキと音をたてる骨。

身体の内から響いてくる音。

理解よりも先に、激痛が脳を支配する。



完璧なまでのクリーンヒット。


吹っ飛んでいくヴァルカス。



土煙をあげ岩に激突する。

耐え難いほどの痛み。


「やりやがったな、デカブツ.....」



サイクロプスは2体いた。

気配を消し。目の前の獲物を狙っていた。



「はぁ.....はぁ......」


息遣いが荒い。

脇腹が痛い。

目が霞む。


「うぉぉぉぉぉぉぉおおお!!!」


神威を放つと当時に、再び拳を握りしめり。




やらなければいけない。

でなければやられる。


ヴァルカスの決意は堅かった。

読んでいただきありがとうございます。


感想やレビューもらえると


めちゃくちゃ喜びます。


拝読いただきありがとうございました。


では、また次回。

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