ep.41 デスィグナール・クエスト④
轟音が戦闘の開始を呼び寄せる。
「【プル・ヴェロス】」
轟音の正体。ヒイラギの放った魔導。
ダウラからインスピレーションを得たのか、紫色の矢が周囲の建物に次々と放たれる。
そして紫色の炎で周辺が埋め尽くされていった。
「かしら!!敵襲!敵襲です!」
「なんだと。返り討ちにしてくれる!」
「みんな!行くぞ!」
雄叫びを上げながらぞろぞろと建物から出てくる叛逆夜賊の面々。
しかし、先に出てきた者達は怯む。
足が動かない。
当然だ。勢いよく出てきたものの、目の前にした敵が化け物なのだから。
周りの紫の炎も相まってより恐怖を駆り立てる。
叛逆夜賊の全員が建物から出たことを確認したダウラが話を始める。
「皆様。お初にお目にかかります。」
「まぁ、名は名乗らなくても良いでしょう。どうせ覚えられない、あたまの弱い人しかいないでしょうから。」
「覚える必要がないのはお前の方だ。魔族。」
「お前この人数相手に勝てるとでも思ってるのか?頭が沸いちゃってかわいそうだねー!」
ジャフは仲間の士気を上げると共にダウラを煽り散らかしている。余程の自信のあらわれか。
「貴方、魔族といいましたか?いいましたよね?」
「殺さないように。」
「極力、殺さないようにはしますけど、もしもの時は。」
不敵な笑みを浮かべ人差し指で来い、とジャフを挑発する。
周りがジャフをもてはやす。
野次が飛び交う。
「流石にお前は一人だ。俺が手を出しちゃかわいそうだろ?ハンデだよハンデ。」
「お前から来てもいいんだぜ?」
「そうですか。では遠慮なく。」
ニコッ。
ダウラは身体に紫の雷鳴の禍魂を纏う。
バチバチと鳴り響く。
そして解放。
波のようにバタバタと倒れていく人。
「全員倒れるかと思いましたが5人も残るとは。少し手を抜きすぎましたね。」
大方の予想通り残った5人はジャフとジャフの側近二名。
そして新入り二名だ。片方は女性。
その女性はダウラの見た目なのか、禍魂にあてられたのか、ガタガタと震えている。
「じゃあ次は俺の番だな。」
ジャフが神威を放った。
同時にダウラの右肩が貫かれた。
槍は大きく、翼も同時にやられている。
「遅せぇよ。悪魔。」
初手からいきなり突っ込んでいくあたり、まさに狂戦士そのものだ。
後方にいる仲間が追撃をかける。
防御ダウンのデバフ。
土魔導で足を固定されてしまった。
こちらに近づいてくる短剣使い。
「魔族といえど、所詮この程度っすか!」
「俺たち叛逆夜賊に喧嘩売るなんて、運の悪いやろうだぜ。」
ジャフと短剣使いにバフが掛かる。
足元をガチガチに土魔導で固定されてしまっているダウラは抜け出すことが出来ない。
かなり強力な魔導。それも土属性に特化している。
右腕には力が入らない。
無惨にもダウラの左腿に短剣が突き刺さる。
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