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そして『器』を奪われた俺  作者: 深爪 みなみ


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ep.40 デスィグナール・クエスト③

グロリオサが王都に到着してから4日。


空は淀み、大粒の雨が降っていた。



この4日間の情報収集で分かったことがある。


叛逆夜賊のメンバーは25人。

うち2人は最近加入したようで情報がない。

今、潜伏している場所はタカタン山の麓。

昔集落のようなものがあった所で家は壊れていて住めないようだが、一つだけ大きな建物がありそこをねぐらにしている。

昔の集落の集会所みたいな所であろう。



____アジトが見下ろせる場所に三人は来ていた。


リリィが索敵魔導で敵の状況を把握する。

「メンバー25名、全員あの建物にいるですです!」

「ただ。」


「どうしたリリィ。」


「別の建物に6人の反応もみられます。」

「捕虜ですかね?」


「十中八九そうでしょうね。」

「ヒイラギ様、どうしましょう。」


今回ばかりは慎重に行かないといけないことがわかっているのか少し考え込むヒイラギ。


「ダウラ。とりあえずはあのままで行く。」

「捕虜であろう人々の方は、我とリリィで対処しよう。」


「あのまま?ですです?」


ここでヒイラギがリリィに告げた。


「リリィ。今回はダウラに全てを預ける。

どうやらオルトロス。あれで暴れれなかったのが悔しいみたいだ。」

「リリィに自分の実力を見てもらいたいんだと。」


ダウラが神妙な面持ちで話をする。


自身が冥族であること。

そしてその見た目は驚くかもしれないこと。

リリィと同じくアイドロン・シースで見た目を変えていること。

オルトロス戦での暴れ足りない、これは事実だということ。


そしてダウラはアイドロン・シースを解いて見せた。冥族としての姿を。


少しだけビクっとなったリリィだったがすぐに。


「ダウラさん!お揃いですです!」


この笑顔にダウラは心から救われたのかもしれない。



「先ずは我とリリィで先に捕虜の救出からだ。」


「らじゃりー!ですです!」


「ダウラ、あとは好きにやれ。」


「はい。」


ヒイラギとリリィが先行して捕虜がいる建物へと向かった。

リリィが叛逆夜賊に気付かれない様、音漏れ結界と、万が一の為に防御結界を張る。

つつがなく捕虜の救出にあたる。



捕らわれていたのは恐らく先日の行商人襲撃騒動。あれの家族であろう者が四人。

それと、痩せこけてはいるが身なりを整えれば、恐らく綺麗なのだろうという見た目の女性が二人。


安全な所へ避難させた。

家族は涙だからに感謝を伝えている。

二人の女性は酷く怯えている様子だった。


「リリィ。ここは任せて良いな?」


「もちろんですです!」


ヒイラギはダウラの元へと駆けていった。


残されたリリィと捕虜。

「みなさん、安全の為ですです。」


それだけを言って全員に強制睡眠をかけた。



ダウラと合流したヒイラギ。


「では、ダウラ行くとしよう。」


「ええ。ヒイラギ様。」

「実にわくわく。いえ、ゾクゾクしますね。」


アイドロン・シースを再び解除した。


大きな翼を広げ。


降りしきる雨の中、ゆっくりと。


ゆっくりと、1歩を踏みしめるように。


ダウラが始動する。

読んでいただきありがとうございます。


感想やレビューもらえると


めちゃくちゃ喜びます。


拝読いただきありがとうございました。


では、また次回。

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