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知らぬ間にギャル達の様子が変わっていたのですが、俺はまだ気づいていません。  作者: プリンアラモード


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先週の投稿で日間現実世界(恋愛)で最高38位までランクインする事ができました!ブックマーク登録してくださった方々、リアクション高評価してくれた方々ありがとうございます!

周りから見れば分かりやすいのだろうか。


 自分ではまだ、よく分からないのに。


「……何の話?」


 不意に横から声がした。


 振り返ると、末永さんが自分の席からこちらを見ていた。


 昼食のサンドイッチを片手に、少し不思議そうな顔をしている。


「あ、末永さん!」


 優奈が嬉しそうに手を振った。


「白金くんの恋バナしてたの!」


「だから違うって」


「またその話?」


 末永さんは小さく笑った。


「最近よく聞く気がする」


「だって白金くんが怪しいんだもん」


「怪しいね」


「お前らな……」


 俺がため息を吐くと、末永さんは少し考えるように首を傾げた。


「でも、変わったとは思うよ」


「……末永さんまで?」


「うん」


 あっさりと頷かれた。


「前はもっと話しかけづらかったし」


「そんなに?」


「そんなに」


「必要なことしか話さないし、自分から会話に入ろうとしなかったよね」


「そうそう!」


「それ!」


 優奈と原田さんが勢いよく同意する。


「……ひどくないか?」


「事実だし」


「否定できる?」


「……」


 できなかった。


「でも」


 末永さんは少し視線を落としてから続けた。


「最近は違うと思う」


「違う?」


「こうやって騒がれてもちゃんと返してるし」


「前なら席立って終わりだったよね」


「たぶん、どっか行ってた」


「……否定できない」


「ふふっ」


 末永さんは少しだけ笑った。


「だから、今の白金くんの方が私は好きかな」


「おぉー」


「出ましたー」


「え?」


 優奈と原田さんの反応に、末永さんは目を瞬かせた。


「何?」


「その『好き』ってやつ」


「いや、そういう意味じゃなくて」


「まただ」


「最近みんなその前置きするよね」


「本当に違うから」


 末永さんは困ったように苦笑した。


「私はただ、今の白金くんの方が話しやすいってこと」


「それは分かるかも」


 柔らかな声がした。


 見ると、小林楓がこちらを見ていた。


「小林さん!」


「お昼食べ終わったの?」


「うん」


 楓は俺たちの輪の近くまで来ると、少し照れたように笑う。


「前より笑うこと増えたよね」


「……」


「だから私も、今の白金くんの方が好きだな」


「小林さんまで!」


「えっ」


 楓は一瞬固まった。


 そしてみるみるうちに頬を赤くする。


「ち、違うの! そういう意味じゃなくて!」


「まただー!」


「本日二人目」


「もう何回目だろうね」


 原田さんが楽しそうに笑う。


「絶対、白金くん本人より周りの方が気づいてるよね」


「何にだよ」


「さぁ?」


「そこまで言ったなら言えよ」


「言わなーい」


 優奈はいたずらっぽく笑った。


 騒がしい声が教室に溶けていく。


 窓の外では運動部の掛け声が聞こえていた。


 教室のあちこちでも、昼食を囲むグループの笑い声が響いている。


 そんな何気ない昼休みの中で。


「でも、いいことだと思うよ」


 末永さんがぽつりと言った。


「変わるのって、悪いことばっかりじゃないから」


「……」


「前の白金くんも白金くんだったけど、今の白金くんもちゃんと白金くんだし」


「そうそう」


「むしろ今の方が親しみやすい」


「私は好きだよ」


「私も」


「私もかな」


 優奈、楓、末永さん。


 それぞれ違う調子で紡がれた言葉に、原田さんは少し笑って肩をすくめた。


「私はからかいがいがあって好きかな」


「お前だけ理由おかしいだろ」


「あ、ツッコんだ」


「また変わったね」


「前なら無視してたかも」


「……」


 言い返そうとして、やめた。


 たぶん、その通りだから。


 一人でいる方が楽だと思っていた。


 誰とも深く関わらない方が面倒がなくていいと思っていた。


 だけど。


「……悪くない」


「ん?」


「何か言った?」


「別に」


「絶対何か言った!」


「気になるー!」


 昼休みの笑い声に囲まれながら。


 俺は小さく息を吐いた。


 ――こういう時間も。


 案外、嫌いじゃないのかもしれない。

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