表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/63

第五十一話

~前回までのあらすじ~

メンバー総出で資金をプールし、いよいよ新たなステージである、淘汰へと足を踏み入れる…。

 ありったけのインゴットの売却金を山分けにし、皆で教会へ向かう。

「えーっと…先ずは進化を完遂しなけりゃな」

 進化8~10回の追覚醒数は27回。

 俺はこの計27回の覚醒を。

 因子は[パイパー]18回、[養蜂家]8回、[養豚家]2回。

 パラメータは[観察]を21回、[積載]を6回覚醒させた。

 これによって、[パイパー]の覚醒数が24回になり2回、[養蜂家]の覚醒数が15回になり1回、[観察]の覚醒数が39回になり2回、[積載]の覚醒数が6回になり1回スキル変化を起こし、【ドリス】が+3に強化された。


「次は肩書を取得するか」

 8回目の進化で取得する肩書は予定通り《運命の神》を選ぶ。

 9回目も《運命の神》を選び、《運命の神Lv1》にする。

 そして最後は[生命]と[幸運]の合計覚醒数が800を超えてる場合に取得できる《運命の深奥》を取得した。

 この肩書こそ、俺が最も強力だと思った肩書だ。

《運命の深奥》[生命]と[幸運]のスキル変化を起こす…。

 という風に、2つのパラメータのスキル変化を起こすという、ぶっ壊れ肩書である。

 ちなみに《運命の神Lv1》の覚醒数上昇は220だ。つまり計440回分。これもぶっ壊れだな。


 さて、必要な選択は済ませ、進化を修了したので、検証を行う。

 そして検証も済んだので、変化したスキルを紹介しよう。


 先ずは[パイパー]から。

<軍鼠>強い鼠の使い魔を4体使役する。

<煽動者>使い魔の移動速度が1.5%上昇。

 が

<騎士鼠>強力な鼠の使い魔を2体使役する。

<煽動者Lv1>使い魔の移動速度を2%上昇。

 こうなって、更に。

<近衛鼠>使役者の周囲を護る、超強力な鼠の使い魔を使役する。

<煽動者Lv2>使い魔の移動速度を4%上昇

 こうなった。

 先ずは<騎士鼠>だが、数が減ったものの、判定の小さい使い魔が持っていて良い堅さじゃなく、<煽動者Lv1>と相まって、キャスター系のビルドに対し、強力な牽制として重宝した。

 そして、<近衛鼠>は自ら敵に近づかなくなってしまい、数も1体に減ってしまったが、持ち前の判定の小ささからくるしぶとさに加え、そこそこの火力を得た事で、場合によっては近接ビルドを倒せる程のポテンシャルを獲得した。

 なんせ、見た目は掌に乗るサイズの鼠だ、それでいて自らは近づかない特性にって、直前まで相手に気付かれない事も多く、突然の予期せぬダメージに、殆どの相手が焦りリズムを崩すのだ。

 流石3回目のスキル変化だ。4回目5回目を見れないのが残念だが、これでも十分すぎる程強いし、良しとしよう。


 お次は[養蜂家]。

<戦闘蜂>戦闘に長けた蜂を8体使役する

<増蜂>蜂の使い魔の使役数を10%上昇

 これが。

<戦闘蜂Lv1>戦闘に長けた蜂を16体使役する。

<増蜂Lv1>蜂の使い魔の使役数を15%上昇。

 こうなった。

 シンプルに数が増強された形だ。

 最初は、鼠みたいに、少数精鋭化の方が嬉しかったと思ったが、<煽動者Lv2>と『ファミリアコーザー』の恩恵が大きく、時間が経つにつれ評価が上昇。今では数が増える方向で変化してくれたことに感謝だ。

 具体的にどう強くなったと聞かれると困るが、やはり[制圧]と[包囲]がより機能し易くなった事で、戦闘時間が短縮された事だろう。特に対多においてその変化は顕著だ。

 進化10回目で、[養蜂家]の重複数は15×10で150。これで<増蜂Lv1>Lv200で蜂の数は72000体。

 これだけのユニット数が有れば、敵を囲むことなど容易だし、そう簡単に逃れる事も叶わないだろう。


 お次は[観察]

<移植マウス1号>~4号、使役者の因子を移植し、パラメータ補正を強化したマウスを使役する。

 これが。

<エリートマウス1号>~4号 強力なマウスを使役する。

 こうなって。

<虹色マウス1号>~4号 非常に目立つマウスを使役する。

 こうなった。そんで。

【ドリス】マウスが敵に接触している場合、対象はフレンドリーファイアでダメージを受ける。

 これが。

【ドリス+3】マウスが敵の30㎝以内に居る場合、対象はフレンドリーファイアでダメージを受ける。

 こうなった。

 エリートマウスは、これまでの状態異常耐性とパラメータ補正向上を引き継ぎ、素の能力が向上した上位互換だ。

 劇的な変化はないものの、鼠と並んで小さな判定と、持ち前の堅さを活かした攪乱とFF誘発は、相手からしたら鬱陶しいの一言だろう。

 そんで、虹色マウスは角度や光加減で色が変わり、非常に狙われ易くなっている。

 その分、接近に関してはこれまでよりも困難を極めるが、目立つ分意識せざるを得ないし、張り付けばFFを発生させやすく出来るので、vE、vP共に活躍が目立つようになった。

【ドリス】は、元々が凶悪過ぎる効果だからか、+補正の強化が緩やかに思えるが、乱戦時はこの程度の強化でも絶大な威力を発揮する。

 今までは、FFだけで敵を殲滅しようと思うと、対象全てにマウスが張り付いている必要があった。だが今は、敵同士が密着する程の集団戦に限り、マウス1体でも片一方のみならず、お互いにダメージが発生するので、ダメージ効率がとんでもない事に。

 改めて、FFの無いゲームでFFを押し付ける効果がヤバいと認識させられた。


 最後は[積載]で、選んだ理由は、覚醒数6で丁度良いのがこれしか無かったからだ。

<積載上昇>:[積載]が2上昇。

<積載増加>:[積載]が1%上昇。

<余裕>:コスト未使用率分移動速度とジャンプが強化される。

<過積載>:走れなくなるが、スキルLv×3コスト分超過して持ち運べる。

 これが。

<積載強化>[積載]が4上昇。

<積載増強>[積載]が2%上昇。

<余力>コスト未使用分、STAと移動速度とジャンプ力が強化される。

<過積載Lv1>走れなくなるが、スキルLv×5コスト分超過して持ち運べる。

 こうなった。

 相変わらず微妙なスキルだが、<積載増強>は上昇率も倍に強化され、<積載強化>もLv200にすれば、コストを800上げれるので、取る価値が大いに出てきた。

 まあ、[生命]のスキルも最初は貧弱そのものだったから、こいつも覚醒させてったなら、また違ってたかもな。

 追覚醒でのスキルの変化やギフトの強化はこんな感じとなった。


 次は、《運命の深奥》の効果で変化した、[生命]と[幸運]のスキルに触れる。

<生命超強化+1>[生命]が256上昇し[生命]を下げる効果を2%軽減。

<生命超増強+1>[生命]が128%上昇し[生命]を下げる効果を2%軽減。

<生命強化+2>[生命]が128上昇。

<生命増強+2>[生命]が64%上昇。

 これが、

<運命上昇>[生命]が256上昇しデバフを軽減、アイテムドロップ率上昇。

<運命増加>[生命]が128%上昇し、デバフを軽減、アイテムドロップ率上昇。

<運命共同体>使い魔の数×敵から受けるダメージを1軽減。

<運命の底力>死亡後、1フレームの間、回復を受け付ける。

 こうなって。

<ナーガ>ナーガを使役する。

<星亀>星亀を使役する。

<リュウグウノツカイ>リュウグウノツカイを使役する。

<光虫>発光する甲虫を使役する。

 これが。

<ウロボロス>ウロボロスを使役する。

<雨観亀>雨を降らせる亀を使役する。

<黄龍>黄龍を使役する。

<神虫>スカラベを使役する。

 こうなった。


[生命]の方のスキルは、肩書のお陰なのだろう、[幸運]との結びつきが強くなったのか、運気とか命運を想起させるものに変化した。

 アイテムドロップ率の上昇のオマケの追加、使い魔の数でのダメージ軽減、フレーム単位での死亡判定の遅延。

 どれを取っても有益な効果しかなく、非常に優秀なスキルへと変貌した。

 お次は[幸運]のスキル。

<ウロボロス>は名前こそ仰々しいが、見た目は婿蛇と<大蛇>の白蛇が一緒に居るだけで、<夫婦蛇>とほぼ一緒だが、大きさは比較にならない程デカくなっている。

 強さに関しては、桁違いという言葉が実に良く似合う程で、あの怪物ローレンスさんが、割とマジで逃げる位だ。

 そりゃ使い魔の分際だから、氏は勿論プレイヤーを単体で圧倒できるかと言えばそんな事はない。しかし、他の使い魔の存在を霞ませる程の貫禄は、やはり圧倒的で、俺の使い魔の中核を担っている事は、疑いようの無い事実だ。

<雨観亀>は、これまた凶悪な変化をしたもので、自身を中心に、魔法と水属性ダメージを発生させる雨を常時降らせるようになった。

<黄龍>は、正しく<青龍>の正当進化といった感じで、ステータスも高く、飛行ユニットという事もあって、非常に頼もしい。

<神虫>は、見た目こそフンコロガシだが、吹き飛ばし等への耐性は<皇虫>の時と変わらず、移動速度が大幅に上昇た。地味だが結構インチキ臭い性能だ。


 今度はいよいよ淘汰へ突入する。

「思ってたよりずっと淘汰突入後のLv上げって優しいな」

『そうは言ってもLvキャップが200だからな』

 現在、コーポメンバーと一緒に淘汰に突入し、Lv上げの最中だ。

「1Lv上げるのに1万円、大体カンストまでに2億円なら、これまでに比べたらずっと優しいだろ」

『迫られるのが強制消去じゃなければな』

「だな…。さて何を消去するか」

 一旦会話を止め、各々ステータスと向き合いながら選択をしていく。

 先ずはおさらい。

 現在の俺の肩書は《生命フリーク》《生命マニア》《生命信者Lv1》《生命神》《幸運フリーク》《幸運マニア》《運命の神Lv1》《運命の深奥》

 ギフトは【生への執着Lv1】【核細胞保護Lv1】【速度】【ドリス】【蛇使い】【植物人間】【獣人】【吸血鬼】

 パラメータは[幸運][観察][魔力][制圧][包囲][解体][跳躍]

 となっている。

「いや…先に刻印を見てみよう」

 極力、パラメータは消したくないと思っているが、現状ではどうしてもパラメータを消さざるを得ない。

 が、肩書すら余裕で超えると巷を騒がす刻印なら、何か解決策が有るかもしれない。

 只、刻印は、消去したモノ次第で出現するモノもあるそうなので、取り敢えず刻印の数を確認。

 この時点で6つ。それから1つずつ消去してから刻印を見るが変化はなかった。


「仕方ない、刻印の詳細を見ていくか」

〖神縛りの刻印〗最も格の高い使い魔を進化させ、ステータスを倍にする。

〖命の刻印〗LPを1/10000にしてLGログに置き換える、本来のライフポイントの0.01%未満のダメージを無効化し、割合ダメージも無効化する。また、割合回復はLPではなくLGを参照にし、固定値回復は無効になる。

〖茨の刻印〗体に茨が生え、近くの敵にダメージを与え遅くする。

〖骸の刻印〗全ての防具の外側に、強力な骨の外骨格を纏う。

〖天使の刻印〗愛らしい天使を使役する。

〖大安の刻印〗一分間に一度、ダメージを無効化する。

 どれも強力だが、在ったよ問題を大きく解消する可能性が有るのが。

「これ〖命の刻印〗を取れば、万事解決するな」

 なんだよ、LP(ライフポイント)LG(ログ)に置き換えるって。

 これが有れば、LP(ライフポイント)に受ける割合ダメージを減らす【核細胞保護】も要らなくなるし、【生への執着】も無意味になるから、消して良い事になる。

 という事で、リスクのケアも問題無いので、これだけで消去候補が4つも捻出出来てしまう。

「あ、でも消す順序を考えないと、一度に4つ消えて困る事になるのか」

 となると、改めて何を消すかを考える必要があるな。


 でもその前に、他の刻印にも触れておこう。

 先ずは〖神縛りの刻印〗。

 おそらく<ウロボロス>が対象になるであろう。進化してステータスが倍とか、どんな化け物になるのだろうか?そもそも使い魔の進化というのは、変化するという捉え方で良いのかな?

 なんにせよ、とんでもない効果だ。


 次は〖茨の刻印〗。

 これは想像し易い。要は茨の頭冠[ローズコロナタス]の超強化版って事なんだろう。

 ダメージの程は想像でしかないっが、行動速度にデバフを与えつつ、ダメージ発生はエグい。


 次は〖骸の刻印〗。

 如何なる防具にも干渉しない、アウターって思っとけば良さそうだ。

 どんな性能か知らんが、肩書を余裕で凌ぐ刻印なら、きっと強力な防具なんだろう。


 お次は〖天使の刻印〗。

 愛らしい天使言う位だから、キューピットの事を言ってるんだろう。

 飛行ユニットで、弓使いなら、性能次第だが、かなり強力な刻印と言える。


 最後は〖大安の刻印〗。

 人によっては評価がガラリと変わりそうな効果だ。

 手数が多く、絡め手が得意な相手には無力、逆の相手には滅法刺さりそうな刻印だな。


「先ず、消しても問題の無いモノは、《生命フリーク》《生命マニア》《生命信者Lv1》《生命神》《幸運フリーク》《幸運マニア》で7つ、ここに〖命の刻印〗で不要になる【生への執着Lv1】【核細胞保護Lv1】を加えれば、計11の候補が捻出出来たわけか」

 執着、保護の消去を最後ら辺にすれば、無駄も無くパラメータを超絶強化出来るという事か。

「さて、〖命の刻印〗はまだまだ取得出来ないから、何を取るか…」

 どれも甲乙つけがたい。

 どれか1つでも分かりやすく抜けてれば良いが…強いて言えば神縛りが有力か?

 でも、<ウロボロス>で既に十分過ぎる程強力だし、これ一択と言うほどでも無いんだよな。

「うん、ここは〖天使の刻印〗を取得しよう」

 刻印も決まったし、次は消去するモノを決める。

「これは無難に《幸運フリーク》で良いな」

 どうせ、執着と保護も消すんだから、生命○○系は今消しても良いんだけど、まだ役に立つし、使い魔の堅さにも影響するから、後回しにした。

「良し、これで1回目の淘汰は完了っと。後はスキルを取って…」


 そしてこうなった。

 名前:テツ Lv:200

 LP:60619680000 STA:720000 COST:8404000

 刻印:〖天使の刻印〗

 肩書:《生命フリーク》《生命マニア》《生命信者Lv1》《生命神》《幸運マニア》《運命の神Lv1》《運命の深奥》

 ギフト:【生への執着Lv1+53】【核細胞保護Lv1+52】【速度】【ドリス+2】【蛇使い】【植物人間】【獣人+1】【吸血鬼+1】

 因子:【獣人25+1】【吸血鬼25+1】 [農家15] [百姓10]【蛇使い17】【植物人間14】[養蜂家15][パイパー24][養豚家2][羊飼い1]

 パラメータ:[生命43+10(533)]128160000[持久]240000[積載6]1680000[幸運50(320)]77040000[観察39]9600000[魔力7]1680000[制圧]240000[包囲]240000[解体]240000[跳躍]240000

 アビリティ:[種苗袋][ボロボロの防柵] [死への免疫] [スワンプマン][超純度ヒアルロン酸]

 スキル(因子):<生存義務><野生の脈動><不死の根源><精鋭部隊><国宝級の蛇壺><国宝級の蛇笛><鉄にも生える><極合成><品種革命><土壌革命><百姓連合+1><鍬術教育><戦闘蜂Lv1><増蜂Lv1><近衛鼠><煽動者Lv2><養豚><過剰肥育><羊の群れ><シープドッグ>

 スキル(パラメータ):<運命上昇><運命増加><運命共同体><運命の底力><持久増加><積載強化><積載増強><ウロボロス><雨観亀><黄龍><神虫><虹色マウス1号>~4号<魔道人形1号><魔道人形2号><ゴーレム1号><ゴーレム2号><圧制><殲滅><煽動><見せしめ><跳躍上昇><基礎の撤去><大黒柱撤去><屋根の撤去><壁の撤去><足止め><投降呼びかけ><兵糧攻め><火計>

 装備:[復興の道しるべ][シャツ][ズボン][靴][帽子][御霊の器][100フリーホルダー][フュージョンボックス][スチールランタン]×10

 残金が半端なので、切りの良い淘汰1回目のLvカンストで留めておく。

 しかし、かなり偏りのあるステータスだが、今後への足掛かりとしても中々の滑り出しが出来たな。

  …と、この時は確かにベストな段取りが出来たと確信したんだがな…まさか後にあんな凡ミスに気付くとは、この時は思いもしなかった。


「良し、全員済んだな?なら久々にお披露目会といこうぜ」

 前回のお披露目会から、帰還が空いたので、全員のビルドも大幅に煮詰まっているだろう。

 という事で、バグスターの荒野にやってきた。

「んじゃ言い出しっぺの俺からね、俺の選んだ刻印は〖天使の刻印〗で、肩書は《生命フリーク》《生命マニア》《生命信者Lv1》《生命神》《幸運フリーク》《幸運マニア》《幸運の神Lv1》《幸運の深奥》消したのは肩書の《幸運フリーク》だ」

「おう、それが天使か、如何にもなキューピットな姿をしてるな」

 マサが指摘する様に、俺の傍らを、愛らしい羽根つき輪っか付き天使がふよふよと浮いている。

 一応言っておくが、男の子だし全裸でも半裸でもない。

『可愛い!!』

 女性陣も歓喜。

「さて、肝心な能力は…」

 早速蟲が襲って来たので、皆で見守る。

 すかさず弓に矢を番え、迫る蟷螂を狙撃。

「疾い!!」

 天使の射た矢の速さに、アコが舌を巻く。

「しかも貫通弾ですか」

 矢が蟲を貫通する様を見て、パミルが思案気に呟く。【クリスタルゴーレム】を盾にするパミルにとって、今後お手軽貫通攻撃が増えるのは脅威だからだろう。勿論俺もそうだし、マサもシルクもショーもだ。

 そんな事を考察してる間に、天使が怒涛の勢いで蟷螂に射掛ける。

「連射も半端無いわね」

 弾速、連射速度共に高水準、貫通弾で精度も上々。それでいて飛行ユニットで子供サイズ故に判定も小さいときた。

 ただ、火力だけは控えめだったが、射程の長さと索敵の優秀さを加味すれば、些細な問題だ。

「これはヤバいな…流石刻印」

 全員の評価も非常に高いものとなった。


「俺の番だな。俺が選んだ刻印は〖冥王の刻印〗で肩書が《冥府の王Lv2》《冥府の神Lv3》《蘇りし者Lv2》で、消去したのが《冥府の王》だ」

 初出の2つはこんな効果。

《冥府の神Lv3》死亡時に50%の確率で復活する。

《蘇りし者Lv2》死亡時に75%の確率で復活する。

「その〖冥王の刻印〗の効果は?」

「死亡時に35%で復活だ」

「おお!?時間制限とかが無いのか」

「代わりに若干だが確率は渋いけどな」

 ちなみに《冥府の王》消去前の、《冥府の王Lv2》状態だと、八分間に一度死亡時に復活、となっている。Lv1だと十分に一度70%となる。

 Lv2が絶対に復活出来る上に、時間も縮まっているが、マサ的にはそれでも不満だったのだろう。

「良し、早速実戦してみるぜ!!」

 そう言い、蟲に吶喊し、無抵抗で殴られるマサ。

 程なくしてLPが尽き死亡するが、むくりと起き上がり、再び無抵抗でやられる。

 それでも2回3回と復活していく。

 5回ほど復活したとこで「そろそろ良いか」と蟲を蹴散らして戻ってきた。

「どうだ?」

「かなり確率が高い様だな」

「ああ、時間制限なしでも90%を超えてるからな」

「かなり充てに出来る確率になったな」

「それでも連続3回とかになると、相当厳しい確立にはなるんだけどな」

「そんな事言ったら100%以外信用出来んがな」

 とまあ、確率の壁は依然として立ち塞がってはいるが、十分戦略の勘定に含められる程度には、発動する様になったという事だな。


「次は私の番ね。私の選んだ刻印は〖魔導士の刻印〗よ、効果は<ファイアーオーブ>と<アイススピア>の同時発射化とSTAペナルティの廃止よ」

「実質2つの魔法の統合って事か?」

「ええ、しかもクールタイムなんかは使った方の魔法のみ発生で、片方がクールタイム中でも、もう片方が使用可能なら、そのまま使いまわせるわ。だから、今の私なら連射が可能よ」

「それは凶悪だな」

「で、肩書は《省魔導士Lv2》《魔生フリーク》《魔生マニア》《魔生信者Lv1》《魔生の神》《魔生の神》《魔生の神》で、消去したのは《魔生フリーク》よ」

「《魔生の神》は俺の《幸運の神》の色違い的な感じだよな?」

「そうよ、Lv2で覚醒数が370も増えるわよ」

「計740…ヤバ過ぎる」

「それじゃ魔法の試し撃ちといきましょう」

 ユキが蟲に向かって<クラスティオーブ>を放つ。

 宣言通り、2つの魔法が同時に発動され、巨大な火球と巨大な氷柱が蟻に炸裂。

 これで決着は付いたのだが、デモンストレーションなので、続いて二撃目三撃目を放って見せた。

「凄いでしょう?」

「凄まじい弾幕だな、それでもキャスターとしては底辺火力なんだよな?」

「その通り!!その代わりに私には打たれ強さが有るわ」

 今後のビルド次第では、ユキが俺より堅くなる可能性は十分に有るからな。


「次は私ね。私が取った刻印は〖天馬の刻印〗で、肩書は《ゴールド免許Lv2》《ミリ筋初級》《ミリ筋中級》《ミリ筋上級》《弓術フリーク》《弓術ラブ》《弓術信者Lv1》よ。そして消去したのは《ミリ筋初級》よ」

《ミリ筋初級》[筋力][射撃][銃器]の覚醒数が10上昇。

《弓術フリーク》[持久][筋力][射撃][銃器]の覚醒数が20上昇。

 という効果で、中級上級はそれぞれ20、30と上昇。ラブ、信者はそれぞれ40、50と上昇する。

 そして、《ゴールド免許》はLv2でダメージ軽減率は脅威の90%!!速度ペナルティは20%まで緩和されてるとの事だ。

「《天馬の刻印》の効果が、そのペガサスって事か」

「そうよ、騎乗出来る使い魔だから、凄い使い勝手が良さそうと思って取ったわ」

 その後、実戦で馬に跨り、蟲と対峙したアコ。

 どうやらペガサスは距離を取る事を優先する様で、ランスを使う機会が皆無だった。

「成程ね~、射手との相性は最高だけど、ランスが無用の長物になってしまったわ」

「そのための淘汰なんだし、消去候補が出来たと思えば良いじゃん」

「そうね」

 肩書の効果もあってか、弓だけで十分過ぎる火力を持ってるからか、ランスへの未練はきっぱり捨て去った様だ。


 お次はベルのターン。

「僕が選んだ刻印は〖癒しの刻印〗で、肩書は《神官フリーク》《神官マニア》《神官信者Lv1》《神官神Lv4》《神の憑代》で、消去したのは【神のお膝元】です」

〖癒しの刻印〗は、<ヒール>の回復を十秒に分割し、回復量を50%加算。例として、50%回復だった場合、秒間10%回復で十秒継続する様に成る。

《神の憑代》は、あらゆる制限妨害を掻い潜って<ヒール>を使用できるようになり、一切の妨害やデバフを無効化。という効果だ。

「【神のお膝元】を消したのは、《神の憑代》が有れば要らないからか」

「そうです、完全に上位互換なので、次の淘汰で完全に消去します」

 消去は重い負担になりもするけど、こういう不要となったモノを有効利用出来るという意味では、非常に嬉しい要素でもあるな。

「ところで[神官]の覚醒数どうなってんの?」

「1000以上ですね」

「つまり[神官]のギフトが+100とかになってるのか…」

「一見強そうに見えるでしょう?」

「いや、でしょうも何も絶対強いだろ」

「ヒント反射」

「納得」

 +100の【教会兵】しかもLv1で殴って、もし反射ダメージが来たら…。

「多分、このまま無策に戦い続けたら、近い内に相手を撲殺しても、自分も死ぬ羽目になるでしょう」

「となると、肩書を消していって、覚醒数を落とす必要も出てくるのか」

「まあ、変に悩まなくて良い分、楽と言えば楽なんですけどね」

 実戦では、持続化した各種<ヒール>を自身に掛けつつ、蟲を豪快に砕くベルの雄姿を見る事が出来た。


「私の出番ですね。私が選んだ刻印は〖土竜の刻印〗です。肩書は《宝石商フリーク》《宝石商マニア》《鉱石商見習い》《鉱石商一人前》《鉱石商番頭》《鉱石商若旦那Lv1》《鉱石商丁稚》《鉱石商大旦那》《鉱石商組合長》で、消去したのは《宝石商フリーク》です」

「ん?ひーふーみー…鉱石商関連が7段階…?」

「以前、サチさんと3人の時に、下位の肩書にも意味が有るってお話をしましたよね?」

「したな…そういう事か」

「ええ、そして《鉱石商組合長》の効果は[鉱夫][宝石商]の覚醒数を200増やすという、驚異的な効果です」

「そうか、覚醒数の条件を満たしていようと、前提の肩書を取ってないと選択肢に出ないのか」

 俺の《運命の神》にも、もう1つ上が在ったんだろうけど、条件を満たせてなかったから現れなかったわけだ。

 尤も、この事実を知ってたとしても、やはり《運命の深奥》を目指しただろうし、多分覚醒数的に無理だったからこそ、シーラはこの件に触れなかったのだろう。

 話を戻して、刻印の効果に触れる。

〖土竜の刻印〗素手で採掘出来るようになり、所持しているマトックの中で最もコストの高い物の能力を素手に付与する。

「凄まじい効果だな」

「気分は世紀末覇者ですね」

 ガチで指先一つで戦えちまうな。

 ちなみに《鉱石商丁稚》《鉱石商見習い》《鉱石商一人前》《鉱石商番頭》《鉱石商若旦那》《鉱石商大旦那》《鉱石商組合長》の覚醒数上昇は、順番に10、20、30、40、50、100、200となっている。

 その後、パミルの実戦に移ったが、最初こそリーチが縮んだ分浮ついていたが、直ぐに感覚を掴み、素手で蟲を掘削していった。

 素手、しかも両手がマトック装備状態なので、手数と火力が凄かった。

 更に、周囲を256体の【クリスタルゴーレム】が固め、本人も【擦り傷は勲章】【ルビーシールド】のお陰で斬撃と打撃には極端に強いので、鉄壁だった。

 それと補足だが、【クリスタルゴーレム】等の、ギフト由来の使い魔は、一部例外を除いて、どんだけ+値が高くても、1枠につき128体以上には増えず、それ以降は能力が上がっていくそうだ。


 お次はシルクの番。

「私の選んだ刻印は〖養殖の刻印〗です。肩書は《聖布の織り手》《聖獣の裁縫職人》《聖獣の裁縫頭》《ハードボディ初級》《ハードボディ中級》《服飾お宮の狛犬》《服飾神社の狛犬》《服飾神宮の狛犬》《服飾大社の狛犬》《服飾神の狛犬》です。消去したのは《聖獣の裁縫職人》です」

《ハードボディ初級》[体力][装甲][防護][障壁]の覚醒数が10増える。

《ハードボディ中級》[体力][装甲][防護][障壁]の覚醒数が20増える。

《服飾お宮の狛犬》[体力][装甲][防護][障壁][獣人][聖人][裁縫職人]の覚醒数が10増える。

《服飾神社の狛犬》[体力][装甲][防護][障壁][獣人][聖人][裁縫職人]の覚醒数が20増える。

《服飾神宮の狛犬》[体力][装甲][防護][障壁][獣人][聖人][裁縫職人]の覚醒数が30増える。

《服飾大社の狛犬》[体力][装甲][防護][障壁][獣人][聖人][裁縫職人]の覚醒数が40増える。

《服飾神の狛犬》[体力][装甲][防護][障壁][獣人][聖人][裁縫職人]の覚醒数が50増える。

〖養殖の刻印〗使い魔スキルが生成する素材の質が大幅に向上。

 が、初出の肩書と刻印の効果となっている。

「因子3パラメータ4の混合強化の肩書か…まだまだ知らない強力な肩書っていっぱいあったんだな」

 基本うちは、定期的にやるお披露目以外では、各々のビルドを事細かに詮索しないし、それが却って面白いとも思っている。

 あ、淘汰の情報とかはちゃんと共有してたよ?

「それじゃいくです」

 先頭に立ち、戦闘を披露するシルク。

「ぽいっです!!」

 投じられた即席の網が、これまで以上にガッチリと蟲を拘束。

「無限に量産出来る網で、この拘束力か」

 しかも、【お告げ】と【神の落とし子】で大幅にパラメータが上がっている上に、強力な使い魔が前衛を張るのだ。囮用の使い魔も加味すると、余程の数で圧さないと返り討ちに遭うのが関の山だ。


「次は俺だな、俺の記念すべき最初の刻印は〖付き纏いの刻印〗だ」

 ずっとベッタラの傍に控える軽装の男。これの発生源か。

〖付き纏いの刻印〗軽く武装した追っかけの使い魔を使役する。

 という効果らしい。遂にミーハーな追っかけまで使い魔化しちまうのか、このゲームは。

「肩書は《剣の達人Lv1》《剣の王》《剣の神》《メスの愛用者Lv2》《メスの達人》《メスの神》《解剖のプロ》」

 それぞれ初出の効果は。

《メスの愛用者Lv2》メスの耐久値が上がり、ダメージを10倍にする。

《メスの達人》相手の出血耐性と失血耐性を無効化。

《メスの神》相手の出血無効化と失血無効化を無視する。

《解剖のプロ》近接反射ダメージを無効化。

《剣の王》と神は、達人の上位互換なので省略。それぞれダメージが5回、10回分入る効果だ。

「そんで消去したのは《メスの達人》だ。《メスの神》の下位互換…ってわけでも無いが、無くても如何にかなるからな」

 ただ、無効化を無効と、耐性の無効化では、効果が違う様だが、それでも切り捨てるって事は、何か充てあるのかもしれない。

「さて、実戦に入るぜ」

 即座に蟲に斬りかかるのではなく、先ずは初の使い魔を嗾ける様だ。

 そんな件の追っかけはというと、左手にはカンテラ、右手にはナイフを持っており、どう見ても戦えるようには見えないが、中々に強い。

 先ず動きが良く、機械的だが的確な間合い管理と無茶をしない攻めで、蟲を翻弄。

 火力と耐久も刻印由来ともなれば非常に高く、使い魔にしては優秀だ。

 何より光源になるし、ヘイトも高いのがポイント高いぜ。

 そして、満を持してベッタラも参戦。

 一振りで20回分のダメージが入り、更には10倍化したダメージで蟲を瞬殺。

 これに[出血][失血]、更には反射ダメ無効化まで有るのだから、近接としてはハイクオリティなビルドに仕上がってると言える。


「次は私ね」

 9番手はサチ。

「私の刻印は〖間者の刻印〗よ」

〖間者の刻印〗敵に対し存在感が薄れる。

「肩書は《生命マニア》《生命信者》《罠師フリーク》《海の恵みを頂く者》《大地の恵みを頂く者》《自然の恵みを頂く者Lv1》《中世罠師Lv2》で、消去したのは《罠師フリーク》よ」

《海の恵みを頂く者》[生命]と[罠師]の覚醒数を40増やす。

《大地の恵みを頂く者》[生命]と[罠師]の覚醒数を50増やす。

《自然の恵みを頂く者》[生命]と[罠師]の覚醒数を100増やす。

《近世罠師》トラバサミを仕掛けられる。

「特化してるね~」

「当然でしょう?他に伸ばすものも無いんだし」

「まあそうだな。トラバサミってどう仕掛けるんだ?」

「さっき試してみたけど、意識するとまきびしがトラバサミに換わるから、そのままポイっと落とすだけよ」

 仕掛けるのは一瞬で済むのか。

「さあ、今から性能検証よ」

 手始めにトラバサミを1つ設置する。蟲が範囲内に入るとダメージが発生し、僅かだが蟲が怯む。

「ほー、<まきびし>と同じダメージ量で、極短時間スタックさせられるのか」

「これは良いわね」

 刻印のお陰で蟲の索敵も鈍く、トラバサミの破壊を優先。

「こっちも地味だけどいい仕事するわ」

 その間に、トラバサミを6つ仕掛けるサチ。

 Lv2になると、同時に6つまで展開出来る様だ。

 更にダメ押しとばかりに<まきびし>も展開し、破壊しに来た蟲が耐え切れず消滅した。

 敵に気付かれ難くした上で、罠を張り巡らせるか…これは強いな。


「俺の番だ…刻印は〖花火の刻印〗で、肩書は《駄目科学者Lv3》《爆発魔Lv1》《ドジ科学者Lv3》だ」

《駄目科学者Lv3》薬品を使用すると、100%の確率で大爆発を3度起こす(自傷ダメージは0)

《爆発魔Lv1》爆発を起こした際の威力と範囲を7倍にする

《ドジ科学者Lv3》薬品を使用すると、50%の確率で落として大爆発を起こすが、効果は発生する(自傷ダメージは0)。

〖花火の刻印〗爆発したモノが飛翔し、再度爆発する。

「消去したのは【塔に住まうスライム】だ」

「あら?結構気に入ってた様だが消しちゃうのか?」

「ああ…俺には使いこなせなかった…ヒヒ」

 確かにSTA管理が超難しそうだったからな。

「しかし、どんだけ爆発好きなんだよ」

 なんかもう、事ある毎に爆発しなきゃ気が済まない感じだ。

 そんなマッドの実戦を観戦。

「さあ…どんな挙動を見せてくれるんだ?」

 早速蟲に向かって薬品の投擲を図るマッド。

 すると、薬品が爆発しちゅどどどん!!と3回爆発し、そのまま垂直に飛翔。再度空で花火の様に炸裂した。

 その際、蟲は爆発に巻き込まれ消滅。

 元々大爆発で範囲が広かったのが、《爆発魔Lv1》で7倍にまで膨らんだお陰で、相当距離が有ったにも関わらず、しっかりと命中していたのだ。

 更に追検証で、もう1度薬品を放ると、今度は手から強制的に零れ落ち、爆発し、飛翔し再爆発し、そこから更に3度爆発し、再び飛翔して爆発した。

「ナイスコンボ!!」

 と、マッドは大満足した様子だった。

 凄まじい轟音に、大量の蟲が引き寄せらている。

 うん、まあ、本人が良いんなら良いんじゃないかな。


 お次はラークの番。

「俺の刻印は〖事典の刻印〗です。効果はエグいですよ~、なんせ一般スキルの効果を倍ですからね」

〖事典の刻印〗:一般スキルの効果を100%乗算する。

「倍!!もう因子パラメータの紐づけスキルと変わらん効果になるな」

「しかも乗算なんで、他のスキル効果ブーストの最終値へ掛るんで、マジでエグいですよ。そんで肩書は《知識人Lv9》で、消去したのは【百獣の王】です」

「それを消すなんてとんでもない!!」

「他に消せそうなモノが無いですし、代替の刻印があるんで、思い切って消す事にしました」

 あれだけ長い事活躍した、ラークのアイデンティティとも言えるギフトを消すのか…そんな決意をさせる刻印はどんな効果やら。

 ちなみに《知識人Lv9》の効果は一般スキルの効果を650%上げて、Lv上限を50上げる。というものだ。

 そんなラークの実戦は、派手さも無く、ハッキリ言えば地味だが、安定感抜群だ。

 圧倒的な基礎スペックの高さを、これまで培ってきた立ち回りで蟲に押し付ける。

 堅実な盾剣スタイル故に、地味に見えるが、相対する側からすれば、何をしても崩せない鉄壁具合に絶望するだろう。

 結局、全てにおいて後塵を拝すこととなった蟲は、複数で押しかけたにも関わらず、碌に手傷を追わせる事も敵わず地に伏した。


 お次はワイドの番。

「待ってました!!俺が選んだ刻印は〖闇の住人の刻印〗。効果は見ての通りです」

 ワイドの傍らに佇む2体の使い魔。片方は吸血鬼の美丈夫、もう片方は人狼だ。

「肩書は《2段ジャンパー》《吸血獣》《踏殺人》《吸血狼》《吸血鬼狼》《吸血獣王Lv1》《吸血獣帝》《吸血獣神》《吸血神狼》で、消去は《吸血獣》にしました」

 初出の肩書の効果はこんな感じ。

《吸血狼》[獣人]と[吸血鬼]の覚醒数を20増やす。

《吸血鬼狼》[獣人]と[吸血鬼]の覚醒数を30増やす。

《吸血獣王》[獣人]と[吸血鬼]の覚醒数を40増やす。

《吸血獣帝》[獣人]と[吸血鬼]の覚醒数を50増やす。

《吸血獣神》[獣人]と[吸血鬼]の覚醒数を100増やす。

《吸血神狼》[獣人]と[吸血鬼]の覚醒数を200増やす。

「おお、ワイドも7番目の第七階梯の肩書を開放できたのか」

「ええ、偶然が重なって、無理なく到達出来ました」

 早速刻印の検証から入る。

「うん!!使い魔にしては普通に強いですね」

 蟲人間相手に果敢に挑む吸血鬼と人狼。

「堅さもワイドの[生命]補正で十分だし、なにより火力と敏捷性が素晴らしいな」

 2体とも、人型ではあるものの、人外な動きで蟲人間と渡りあっている。

 吸血鬼は貫き手を主な攻撃手段にし、影と影を転移したり、霧になって攻撃を躱し、貫き手を放つ。

 人狼はワイルドに爪の切り裂きを主に、四足歩行を交え、真っ向からぶつかる。

「そろそろ俺も行くか」

 そこへワイドも参戦。

 正面を使い魔2体が抑える中、ワイドは上段である頭上を執拗に踏みつけで攻める。

 蟲人間がワイドを狙おうにも、【太陽を背に】で捕捉が面倒だし、使い魔2体が邪魔だ。

 そして、ワイドにはSTAゲージの多さにモノを言わす飛び道具系のCAも豊富ときた。

 狙ったところで対地爆撃にシフトされるのが関の山だ。

 程なくして蟲人間は消滅した。


 お次はトリオのトリのショー。

「俺の選んだ刻印は〖火熾しの刻印〗で、肩書は《バーバリアンLv4》《蛮勇の王Lv2》《蛮勇の覇王Lv1》、消去はパラメータの[防護]を選択しました」

 先ずは刻印と肩書から。

〖火熾しの刻印〗石器で攻撃した際、その場に火柱を発生させる。

《バーバリアンLv4》非金属の単一素材装備の性能を20倍。

《蛮勇の王Lv2》LP、STAが1%減る毎に与えるダメージが12%上昇。

《蛮勇の覇王Lv1》LP、STAが1減る毎に与えるダメージが3上昇。

「おお!?パラメータの消去とは思い切ったな」

「そうですか?突き詰めればメリットも十分大きいと思いますよ?」

 そのメリットと言うのは、実は淘汰での消去で、[生命][持久][積載]以外の7パラメータを消去し、且つ淘汰が残ってる場合、この3つのどれかを選択すると、補正が倍になるというボーナスが明らかになっているのだ。

 つまり、10回中7回で他のパラメータを消去し、残り3回で[生命]を選択すると、とんでもないLPを確保する事が出来るのだ。

「何を伸ばす心算なんだ?」

「一応[生命]2回[持久]1回伸ばす心算ですね」

「まあ、[積載]は装備的にも、コーポレーション効果的にも要らないか…しかし補正込みの他のパラメータを切り捨てるとは大胆だ」

 補正が掛かり、数値が跳ね上がると、パラメータ自体がギフトや肩書…いや、刻印すら余裕で上回る程強さに直結する最重要の要素になるからな。それを3つに縮小させるというのだから、恐れ入る。

「それじゃ実戦と参りますか」

 石斧振るう度に火柱が立ち、蟲を業火で焼く。

 寄られれば鬼火力の近接が待ち構え、傷を負う程、STAが減る程火力が急上昇し、単体の蟲なら瞬殺してしまう。

 それでいて、非常に堅牢な装甲も有しているので、対多もそつなく熟せるのは流石だった。


「俺のターン!!」

 ドロー!!とかなんとか言い出したサーモン。

「さて、俺の選んだ刻印は〖二重召喚の刻印〗だ。効果は召喚した従魔が倍になるっていう、お得感満載な刻印だ」

 単純に、一度の召喚で倍の従魔が呼べるのは強いな。

「肩書は《召喚マニア》《召喚信者Lv1》《召喚神》《上級召喚士Lv2》《亜人召喚士Lv2》で、消去は【先ずはその身から】だ」

《亜人召喚士Lv2》人型従魔の能力が上昇。

《上級召喚士Lv2》核のコストを50%軽減。

「核のコスト50%軽減はデカいな」

「お陰で携帯数を上げて強化も捗ったよ」

「まだ数を増やすのか…そろそろ無意味にならないか?それ」

 幾らローテーションを考慮したとしても、そろそろ遊ぶ核が出始めると思うんだが。

「その点は解決策が有るから大丈夫だ」

 と言うので、外野がとやかく言うものでも無いし、締める。

「それじゃあ実戦に移るか」

 サーモンが、ゴブリンを召喚すると、刻印の効果の通り、1つの核から2体のゴブリンが召喚される。

 装備は相変わらず簡素なものだが、ギフトの+補正のお陰で、スペック的には相当なレベルに仕上がっている筈だ。

 そして蟲と接敵して驚いたのが、ゴブリン共の高度な連携だ。

「以前よりもずっと立ち回りがクレバーだな」

 裏取り、囲い込み、死角攻め。間合い、隙、ヘイト。あらゆる機微に即応。

「《亜人召喚士》がAIにも作用するからな」

「成程、ステータスだけじゃなく、総合的な戦闘能力の向上なのか」

 勿論ステータスの向上も優秀で、そこまで強化していないゴブリンですら、蟷螂の攻撃を盾でブロックし、剣で鎌を打ち据える。

 数の優位でゴリ押すのではなく、着実に削るのを優先している…かと思いきや、サーモンが続々と後続を呼ぶと、残り時間の少ないゴブリンが捨て身の攻撃を仕掛け、ダメージを稼ぎに掛かるなど、無駄のない効率的なゴリ押しも披露した。


 お次はおりょうさん。

「私の選んだ刻印は〖不可染めの刻印〗で、肩書は《着物の伝道者》《着物の第一人者》《愛犬家Lv7》、消去は[耐久]を選びました」

〖不可染めの刻印〗本来染色に使用出来ない素材を一部使用可能にする。

《愛犬家Lv7》柴犬を8体使役し、犬系のペット、従魔、使い魔を強化する。

「おりょうさんは、パラメータの切り捨てで行くんですね」

「ええ、ギフトも肩書も丁度良いのが無かったので、いっそのこと[生命][持久][積載]特化で行こうかと」

「ショーは、まだパラメータが無くても火力を十二分に確保できるし、堅さも語るまでもないから解りますが、おりょうさんだと結構な綱渡りになりますね」

「そうですね…そこを今後の衣類のアップデートで補えると良いんですが…」

 やはり、おりょうさん的にも、博打要素が高いと見える。

「〖不可染めの刻印〗ですか…具体的にはどうなるんですかね?」

「まだ試してないので不透明ですが、塗装の様に金属をふんだんに使って染めれたりするみたいですね。他にも気体や固体を融合する様に染める事も可能だとか」

「錬金の合成に似た感じになるんですね」

 といってもまだ試作すら作れていないのだから、これ以上は語りようも無し。実戦に移る。

 おりょうさんの周りに侍る無数の柴犬。

 肩書由来の8体は普通の柴犬だが、それ以外が真っ青なシュールな光景。

 だが、肩書由来は勿論、ギフト由来の柴犬も、肩書の補正でかなり強化されてるようで、野犬の群れの様に蟲を狩っていく。

 見た目が可愛らしいので、然程猟奇的な感じも無いが、これはこれで狂気を孕んだ光景には違いないな。

 蟲を人に置き換えれば、多頭飼育で崩壊したブリーダーの根城で餓えた犬たちが…という光景に見えない事も無い。

 そんな感想を抱く間に、蟲の群れを駆逐したワンちゃんズだった。


 お次はカメキチさん。

「俺の刻印は〖陽光の刻印〗。肩書は《浄化の克服者》《亡者ラブ》《地獄の使徒》《亡者信者Lv1》《亡者神Lv2》《御神体》《即身仏》で、消去は《亡者ラブ》です」

〖陽光の刻印〗光属性の微弱な放射線を放出。

《地獄の使徒》闇属性と光属性を無効化。

《御神体》光属性と闇属性を反射。

《即身仏》光属性と闇属性を吸収。

「なんか色々とぶっ飛んでますね」

「何ですかね、死を超越して仏になった感じですかね?」

 おどろおどろしい感じから、随分とまあ浄化されたというか昇華されたというか。

「ところで無効、吸収、反射。どれが優先されるんですか?」

「多分無効化が機能不全で、反射と吸収が同時発動してますね」

「まあ、吸収反射が同時に発動してるなら、無効化はそうなるか」

 さて、実戦に移るんだが、既に検証は十分に済んでるんだよな。

 というのも、これまでのメンバーの実戦で、ある程度近づいた蟲に、絶えずダメージが入り、それが〖陽光の刻印〗の効果と判ってるので、今更検証も何もない…と思ってたんだが。

「おお!?見てて相当有効範囲が広いとは思ってたけど、距離減衰してたとは」

 現在、カメキチさんが蟻にバックブリーカーを仕掛けているが、その組技とは別にそこそこのDOTが入っている。

「どうやら近づくほどダメージが上がる感じですね」

 蟲を絞め殺し、感想を述べるカメキチさん。

「範囲ギリギリで秒間10程で、密着で秒間1万位でしたね」

「流石刻印だな」

「ですね」

 一見そこまで強そうに見えないが、障害物無視で半径200mが範囲だと言えば、ヤバさが伝わるだろう。

 まあ、固定ダメージじゃないから、相手の耐性次第じゃダメージソースにはならないだろうがな。

 それでも壁貫通の半径200mはやり過ぎだ。


 お次はタロウの番。

「そいじゃ俺の番やね。俺の刻印は〖紙吹雪の刻印〗。肩書は《マタギ料理人Lv1》《ザラ弾の申し子Lv3》《Pザラユーザー》《Bザラユーザー》《Sザラユーザー》《Eザラユーザー》で、消去は【ザラ弾幕】や」

〖紙吹雪の刻印〗散弾が極限まで遅くなる代わりに、弾の残存時間が大幅に伸び、初回ヒット以降0.5秒間触れる度にダメージが発生する。

《ザラ弾の申し子Lv3》ザラ弾のペレット数が1500倍になる。

《Pザラユーザー》散弾が貫通する様になる。

《Bザラユーザー》散弾が壁や床をバウンドする様になる。

《Sザラユーザー》散弾の基礎威力を10加算する。

《Eザラユーザー》散弾が爆発する様になる。

《マタギ料理人Lv1》料理バフ中LPとSTAが9倍になる。

「おお、【ザラ弾幕】を消すのか」

「勿体ない思うたんけどね。そこまで[銃器]の覚醒数が多いわけでも無いから、+補正もイマイチだし《ザラ弾の申し子Lv3》で十分かなと」

「あ~…+補正が低いと精々30倍程度にしかならんのか」

 それなら消去しても傷は浅いか、というか悩まなくていい分気楽で良いか。

「ほな実戦行こか」

 手始めに寄って来る蟲に発砲すると、名前の通り紙吹雪みたいな挙動の散弾が発射される。

「ちょ!?いくら何でも遅過ぎひん?」

 あまりに遅い弾速に、タロウが狼狽える。

 パラパラと降り注ぐように進む散弾に、蟲が突っ込む。

「ギギギィ!!」

 先ず散弾に触れる傍から爆発しダメージが入り、貫通弾化してるからか、時折蟲のテクスチャ内部でも爆発が発生しダメージが入る様を確認。

「あー、《Eザラユーザー》の効果って、ヒット時じゃなくて、ダメージ判定時に爆発する効果なのか」

 まさか、紙吹雪効果で再度爆発するとは思わなんだ。

 ちなみに爆発の効果は、ダメージが微増し範囲化するとの事だ。

「うーん…蟲はデカいから二度目三度目のダメージを期待できるけど、当たり判定の小さい相手には、純粋なダメージアップは期待出来なさそうやな」

 確かに解ってる相手には追加ダメージは期待出来ないかもだが、それはそれで牽制になるし、弾の置き方を工夫すれば結構悪さが出来そうな予感はするんだよな~。

 まあ、今後のタロウの工夫に期待だな。


 トリを務めるのはユナ。

「私が選んだ刻印は〖重圧の刻印〗で、肩書は《吸生鬼ラブ》《生命信者Lv1》《吸血鬼信者Lv1》《吸生鬼神Lv1》《吸生鬼教皇Lv2》で、消去は《吸生鬼ラブ》よ」

〖重圧の刻印〗範囲内の敵の全てのSTAゲージの20%を使用不可にする。

《吸生鬼ラブ》[生命]と[吸血鬼]の覚醒数が40増える。

《吸生鬼神Lv1》[生命]と[吸血鬼]の覚醒数が220増える。

《吸生鬼教皇Lv2》[生命]と[吸血鬼]へのデバフを反射し、覚醒数が370増える。

「前から気になってたんだが、《吸生鬼ラブ》の後に、態々《生命信者》と《吸血鬼信者》を、しかもLv1にしたのは、その《吸生鬼教皇》とやらの条件なのか?」

「はい、○○信者を4回以上取得すると、○○教皇が取得出来ます」

「ほー…」

 とはいえ、貴重な肩書枠を消去前提で4つも無駄にするのは辛いぞ。

 ユナの場合、ギフトに捨てるものが一切無い構成上、肩書の幾割かは捨てる前提で組めたのも、このルートに進んだ一因でもあるのか。

「しかし、なんだその刻印の凶悪極まりない効果は」

 範囲内なら無条件でSTAペナルティ20%を科せられるって…。

「強いかどうかは範囲次第ですけどね」

 確か【威圧の魔眼】がLv4で半径25mとか言ってた気がするから、その位広いと嬉しいが果たして。

 という訳で、実戦に移る。

「さあ、どうなるかしら」

 カメキチさんの放出する、聖属性ダメージに釣られる蟲と相対するユナ。

「んー…うん…うん。大体だけど半径20m程かしら」

 暫らく蟲と追いかけっこをし、見極めが完了した様だ。

「範囲は及第点、効果はそうね…大技を強みにしてる相手にはすこぶる刺さるけど、小技がメインの相手には強みを感じ難いかもしれないです」

 まあ、言うて最大値の20%だからな。しかもユナの場合、半径25mでSTA消費を追加で3000%以上も強いるから、それだけで刺さる相手は抑えられるから、恩恵は直ぐには感じ難いかも。


 さて、これで全員のビルドはなんとなく把握出来たので、軽く全員で連携を試してみるか。

少しだけ余裕が出てきましたが、もう少しだけ様子を見ます。

という事で、次回も三週間後に投稿します。

それと、いつも感想等ありがとうございます。

お陰で五十話も続けてこれました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] おや、ナーガ進化の前に変化ですか...少し残念なようなそうでもないような
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ