第三十九話
~前回までのあらすじ~
新たな惑星が追加され、再誕を完走し、成長要素は新たな局面へ
引き続き因子のギフト紹介。
【根を張る】ノックバックを50%軽減
[植物人間]1つ目のギフト。
因子効果、スキルと噛み合ったタンク向けのギフト。しかも1つ目なので、無駄も無いし人気が出そう。
【甘い蜜】訓練された蜂の使い魔を32体使役する
[植物人間]2つ目のギフト。
訓練されたがどの程度かは不明だが、ギフト産蜜蜂なら、洒落にならん強さなんだろうな。
STAに余裕が有り、飛行ユニットの数を揃えたいなら是非。
【蔦の鞭】植物由来の鞭のダメージを150%乗算
[植物人間]3つ目のギフト。
鞭は使った事ないから分からんが、ダメージを150%乗算なら十分強いな。
【山ウド】保水度の最大値を300%にする
[植物人間]4つ目のギフト。
これ地味に見えて【神獣の加護】と遜色ない凶悪なギフトだ。
満腹度、保水度はドッペルみたいな強力なアビリティやスキルなどで消費する事も有るし、何らかの手段で敵に減らされる事も有るので、大技の連発や脱水状態の回避に繋がるので、攻防一体のギフトだ。
【葛バリア】保水度が80%以上の場合、打撃ダメージを90%軽減
【植物人間】5つ目のギフト。
所謂ダイラタンシーってやつだな。それを葛粉でやるのかって突っ込みたくなるが…
条件はそこまできつくないし、90%カットなら、+1位で直ぐに100%カット出来そうなので、かなり有能そうだ。
【医者いらず】状態異常の時間を50%軽減
[植物人間]6つ目のギフト。
ちょい前から思ってたんだが、この%軽減って、実際はどうなんだ?
だって他のもそうだが、重複さえ厭わなければ、簡単に100%カット出来てしまうし、これなんて時間100%とか実質無効化だ。
という事はだ。多分敵が持ってる…例えば状態異常時間50%延長。こんな能力が有った場合、それと相殺すると思われるのだ。
それなら、例え100%にしたところで過信は出来ないし、ゲーム的にもバランスが良いと思うんだよな。
まあ、その内ハッキリするだろう。
【防風林】風属性ダメージを50%軽減
[植物人間]7つ目のギフト。
風属性…これで大ダメージと言える程の被害を被った事がないからピンと来んな。
【ご相伴】畑の上に居る間、満腹度と保水度が回復する
[植物人間]8つ目のギフト。
寄生ですね。分かります。
まあ、俺のビルドとは最高の相性だな。でも枠がないんだ。
【接ぎ木】死亡時に10分間パラメータが90%低下し、その場復活する。クールタイムは5分。
[植物人間]9つ目のギフト。
【九死に一生】よりもクールタイムが短いのだが、デメリットが非常に重い。
極めれば強そうだが…枠…。
【植物人間】覚醒済みの因子[植物人間]を取得。キャラメイク時に[植物]を取得した場合、スキルの取得が可能になり、スキルも強化される。
[植物人間]最後のギフト。
これは取得する。因子効果、スキルが強いからもってこいだ。
【キラービー】蜂の攻撃力を300加算する
[養蜂家]1つ目のギフト。
多分、殆どの人がコレを突き詰めたビルドとは戦いたくないだろうな…
【偵察】蜂の行動範囲が拡大
[養蜂家]2つ目のギフト。
個々のスペックが極端に低い蜂には非常に嬉しいギフト。
というのも、ある程度敵が強くなってくると、命中精度の高い範囲攻撃を持つことが増えてきて、蜂みたいに脆弱な使い魔は一網打尽されてしまう。
で、使役者の傍で次々リスポンして戦線復帰するんだけど、敵との距離が近いと一網打尽とはいかなくとも、そこそこの被害が出てしまう。
そこで、蜂の行動範囲が広くなれば、使役者も離れる事が出来、結果として蜂の隊列が伸び、範囲攻撃に巻き込まれる個体が減り、攻撃のチャンスが生まれる。
まあ、あくまで使い魔が蜂のみならって話なので、俺には恩恵の薄いギフトだが。
【ハニーベア】ハチミツを100コスト分(質により上下する)捨てると、味方の熊がやって来る
[養蜂家]3つ目のギフト。
クマさんがめつい!!でもタイミングが任意だから、ここぞって時に頼るのは有りか。
なにしろギフトの熊だ。しかも使い魔じゃなく、呼び出すタイプなので、とんでもない強さの筈だからな。
【ファイアービー】蜂が二十秒毎に死ぬようになるが、火属性攻撃をするようになる
[養蜂家]4つ目のギフト。
これが本当の火ば…なんでもない。
特化すれば化けそうだが、判断付かないな~。
【ハニカム構造】建築物の要求素材を25%軽減
[養蜂家]5つ目のギフト。
こう何て言うか…唐突に別種のビルドに必要そうなギフトがコロっと出て来る事多すぎない?
こんな超有能なギフトの存在を後から知ったら、当事者は悶絶ものだろうな。
…流石に関連した因子やパラメータにも、同様のギフトは有るか。
【養蜂王】蜂の使い魔の数が倍になる
[養蜂家]6つ目のギフト。
雑に強いギフトだな、ちょっと頑張れば直ぐに4桁の蜂を用意できるし。
うん、こうしてラインナップを見ると、[養蜂家]はガチガチの戦闘系ギフトが豊富だな。
【後で回収】鼠が水中を泳げるようになる
[パイパー]1つ目のギフト。
活躍する局面が限定的だが、水中へ攻撃出来るユニットが一気に8体も増えるのは強い。
【笛の達人】笛での演奏に補正が掛かる
[パイパー]2つ目のギフト。
後方支援として、優秀な演奏に補正か。使い魔の運用と噛み合ってて良いな。
【屋根裏の運動会】鼠の移動速度が2倍になる
[パイパー]3つ目のギフト。
恩恵が鼠のみだが2倍…極小当たり判定で、8体も居るユニットが2倍…
火力さえ盛れれば、乱戦で輝きそうだな。
【笛の支配】範囲内の敵の使い魔の移動速度を30%低下
[パイパー]4つ目のギフト。
俺が、敵の使い魔と戦ったのって、闘技場のイベントっきりだっけか。
30%低下か…もしこれが、速度上昇と相殺なら、結構時化た数値に思える…いや、範囲内とはいえ、対象が多数なら十分強いか。
【訓練済み】使い魔の攻撃速度が10%上昇
[パイパー]5つ目のギフト。
個人的に、使い魔ビルドにとって、究極のギフトだ思う。
マジか…こんなぶっ壊れなギフトがこんなとこから出てくるのか…
もっと早い段階でもっともっと情報を集めときゃ良かった…
今更後悔しても、ギフトを決めている以上どうしようもないが…これはあまりにも惜しい。
【ミニブタ】見た目より判定が小さいミニブタを4体使役する
[養豚家]1つ目のギフト。
まさかの豚とは真逆の性質を持ったミニブタ。
でも弾除けに使えない豚に価値なんてあるか?
【チャーシュー】一時間毎にチャーシューが手に入る
[養豚家]2つ目のギフト。
誰が調理したんだと突っ込みたくなるな。
【近衛犬】<シープドッグ>のステータスが3倍になる
[羊飼い]1つ目のギフト。
元から<守護霊>に比肩する程度に強い<シープドッグ>が3倍か。
スキルLv50のワープと併せれば、奇襲性抜群だな。
以上因子の新規ギフトでした。続いてパラメータの新規ギフト。
【超生命力+3】LPが50%以上の時、一撃で死ななくなる。
条件が大幅に緩和され、随分と安心感の増したこと。
【ライフチェンジャー+3】ダメージを受けた時、二十一秒間ダメージと同じ値HPを得る。
時間だけ伸びても微妙だな~
【早期発見+3】LPが53%以上の時、状態異常の蓄積値を107%軽減。
軽減率が100%突破してらぁ、って事はやっぱり敵のスキル等と相殺関係にあるのか。
なら、この手の数値は高ければ高い程安全か…
【長生きの秘訣+3】満腹度が57%以上の時に、飲食をすると、LPが30%回復する。
これも+3ともなると、高性能過ぎるな。
適当に携帯食を持ち歩いていれば、ただの飲み水が初期ポーション以上に回復するんだもん。
【核細胞保護+3】LPに割合ダメージを与える攻撃のダメージを51%軽減。
さあ、本命のギフトだよ。でも敵が[割合ダメージ○○%上昇]的なのを持ってたら…
アカン、重複で102%軽減でも安心出来ない!!
【骨密度120%+3】状態異常[骨折]を無効化し、打撃ダメージを65%軽減。
状態異常の無効に、打撃65%軽減は強烈。
【生命+3】パラメータの[生命]を取得。キャラメイク時に[生命]を取得した場合、スキルの取得が可能になり、スキルも強化され、スキルのLv上限も18上昇。
なんか、+が付いた事で、スキルLvの上限まで上がってしまった。
つまり、これが有れば[生命]のスキルはLv218まで上げれると。
【生命の泉+4】LPが毎秒3.2%回復する
瀕死でも、三十秒で全快になれるという超便利ギフト。流石+4。
【発狂+4】LPが42%以下の時、最大LPの1%以上のダメージを受けると、10秒間与えるダメージが4倍になる。
最早原型がない位変貌したな。条件が大幅に緩和されてるから、使いやすさも抜群だ。
でも、このギフトを+4にする位の覚醒数を、他に回せば、4倍程度簡単に出せそうではある。
【生への執着Lv2+4】:LPが27%以下の時、[生命]が4500%最終数値へ乗算される。
結局取得が叶わなかったが、3回取得するとこうなるよ。という見本。
LPが約1/4で[生命]を最終計算後に43倍する。ヤバい。
【九死に一生+1】九分間に一度、死んでもLP1でその場復活する。
クールタイムが一分短縮された。これも欲しかったんだけどな~…
【大吉+1】ダメージを12%の確率で無効化。
聞いたところによると、こいつは3回重複、Lv2までしか取得出来ないらしいので、100%無効はそこそこの犠牲が必要になる。
でも、仮に100%にしたとこで、餓死等、死因は幾らでもあるからな…
【幸運の女神の加護+1】[幸運]を360%乗算する。
増々金が稼ぎ易くなったな。それに素材が増えれば自身の強化も容易になるし、いいこと尽くめだ。
【瓢箪から駒+1】ドロップ品に、関連性の無い物が追加で2つ混ざる。
これも地味だが良い強化だ。要は運に関係なく無条件で2つ戦利品が増えるんだから、雑魚狩りの意味が一層高まるな。
【早起きは三文の得+1】早朝の間、ランダムで自分にしか見えないシンボルが発生し、2回採取を行なえる。
ランダムシンボルで2回採取出来るのか、単純に収穫が倍なので、結構良さげだ。
【招き猫の置物+1】真っ先に狙われる招き猫が近くに設置される。破壊されてもSTA消費1%で修復。
ヘイトがより高まった招き猫。
【打ち出の小槌+1】木槌で敵を攻撃すると、HIT数×1.2円を得る。
地味…
【ゾロ目+1】使用コストがゾロ目の場合、攻撃力が数値分×1.2倍上昇。
元々強力だったのが、増々強力に。
【ホームランボール+1】敵の飛び道具を受けた際、一定の確立でその飛び道具の高品質版を1つ余分に入手
する。
遠隔をキャッチした場合、成果が倍になる。諸葛亮ごっこが捗るな。
【幸運+1】パラメータの[幸運]を得る。キャラメイク時に[幸運]を取得した場合、スキルの取得が可能になり、スキルも強化され、スキルのLv上限も5上昇。
スキルも強化されるし、スキルLv上限も上がるのか…欲しいけどなぁ。
【省エネ魔法】消費STA補正は据え置きで、魔法の消費STA50%軽減
[魔力]1つ目のギフト。
魔法に掛るSTA補正はそのままで、消費だけ軽減するという、人を選ぶギフトだ。
小回りの利く魔法を好む人には無用の長物だが、大技をローテーションする人には必須級かもな。
【魔法の改良】魔法のリチャージラグのSTAペナルティを50%軽減
[魔力]2つ目のギフト。
これも前述のギフト同様で、大技を好む人には嬉しいだろう。
【魔力の効率化】魔法のリチャージラグのSTA回復ペナルティを50%軽減
[魔力]3つ目のギフト。
これは、キャスターなら全員欲しいギフトだろう。
何しろ比較的ペナルティの軽い魔法でも、平気で回復開始まで十秒とか待たされるからな。
[魔素]や【神獣の加護】があれば、ある程度は問題無いが、かなり有能だと思う。
【魔力の糸】<魔道人形>で使役出来る使い魔を4体に増やす
[魔力]4つ目のギフト。
俺の場合、スキルLv50以上なら、モルヒネ光線4倍か。最高だな。
【泥の増量】<ゴーレム使い>で使役出来る使い魔を4体に増やす
[魔力]5つ目のギフト。
これもスキルLv50以上なら、引き寄せ×4…敵からしたら悪夢だなこりゃ。
【ミラー対策】魔法ダメージを30%軽減
[魔力]6つ目のギフト。
シンプルに強いな
【魔力加算】[魔力]で近接攻撃に補正が掛かるようになる
[魔力]7つ目のギフト。
魔法剣士的な、ハイブリッドが作りやすいギフトだな。
以上がパラメータのギフトでした。
で、残り5つのギフトは、【核細胞保護+3】【核細胞保護+3】【獣人+1】【吸血鬼+1】【植物人間】となった。
土壇場で、【核細胞保護】を【九死に一生】にしようか少し迷ったが、予定通りで行く事にした。
これで、成長要素における、転生、覚醒、に続く、再誕も完走し、新たな局面へと突入する。
再誕10回、覚醒9回、転生9回を経て、次に至るのは[進化]だ。
と言っても、別に見た目が変わるというわけでも無く、言ってしまえばこれまでの延長という事は変わらない。
ただ、これまでと大きく違う点が有る。それは、これまで覚醒させてきた因子、パラメータのの覚醒を引き継ぐという事だ。
まあ、これに関しては、後程詳しく振れるので、一旦脇に置いておこう。
他の要素として、進化時に《肩書》という、ギフト以上に強力で、ビルドを大きく左右するものを取得出来る。
Lvの上限が100から110に上がる。
Lvアップ時のパラメータとポイントの基本上昇値が100になる。というものがある。
あと、チェストの収納コストが1万スタートになるらしい。
では進化を、そしてLv上げをしようか。
「進化っと。んで、先ずは肩書を選択か」
一覧を確認し、現在自分が取得できる肩書は以下の様になっている。
《キメラ》スキルのLvと上限を5上昇
《毒持ち》近接攻撃をしてきた相手を10%の確率で[毒]にする。
《使い魔好き》使い魔の復活に使用するSTAが50%軽減。
《オーガニック》畑のランクが底上げされる。
《獣人好き》[獣人]の覚醒回数を10増やす。
《目立つ奴》敵に狙われ易くなる。
《数の暴力好き》十分に1度、蜂が1000体動員(5000まで)される。
《吸血鬼好き》[吸血鬼]の覚醒回数を10増やす。
《幸運好き》[幸運]の覚醒回数を10増やす。
《生命フリーク》[生命]の覚醒数を20増やす。
《酸持ち》近接攻撃をしてきた相手を10%確率で[火傷]にする。
《薬草配達人》薬草を多く所持する程移動速度が上がる。
《ゴールド免許》移動速度が50%低下する代わりに、受けるダメージが30%低下する。
《マウスの達人》マウスの使い魔が、別々の敵を狙うようになる。
《畜産業者》畜産系因子の覚醒数を1増やす。
《超生命体》LPが受ける全てのダメージを5%軽減。
…そうだな、例えば法人個人問わず、ビジネス面会した相手の名刺の役職なり肩書に、《キメラ》や《超生命体》等と書かれてたらどう思うだろうか?俺なら、相手に気取られぬよう二度見してから、スルーを決め込むが如何?
と、肩書とは?と首が傾く名称がチラつくが、どれも強力なモノばかりだ。
この中で、特に強いと思えるのが、《キメラ》《数の暴力好き》《生命フリーク》《ゴールド免許》《超生命体》の5つだな。
先ず《キメラ》だが、スキルのLv上昇も強力だが、上限も解放されるのは超が付くほど強力だ。何しろ、現状で採用した場合、スキルLvが205まで上げれるようになるのだから、範囲の広さとお手軽さが抜きんでている。
次の《数の暴力好き》もエグイね。召喚ではなく動員ってのは見慣れないが、要は時間制限が無いって事だ。しかも十分に一度だから、半時間弱で5000もの飛行ユニットを確保出来ちゃうのだ。弱い筈がない。
お次は《生命フリーク》、こいつだけ覚醒数20回分とか群を抜いているが、恐らく[生命]の覚醒数が40を超えているから、選択肢に出ていると思われる。
今度は《ゴールド免許》で、移動速度を持て余しているなら超有能だと思う。
最後に《超生命体》だが、全ダメージだから、落下ダメージや環境ダメージも軽減出来るのかな?そうなら軽減率こそ低いけど、凶悪な効果だ。
さて、色々考慮するまでも無く、効果がダントツで強い《生命フリーク》に決めたので、いつものキャラメイクに移る。
「おおおお!!凄い、本当にこれまで覚醒させてきた因子が引き継がれてる。ただ、因子はこれ以上新しく取得出来ないんだよな」
というのも、進化後の因子選択では、これまでに覚醒させてきた因子を追加で覚醒させるというもので、進化回数に応じて覚醒可能数が増えるそうだ。
例えば進化1回目の今回は計1回。3回目の進化ならば計3回というかんじだ。
当然、ギフトは既に取得出来ないから解放には関係ないが、ギフトの強化やスキルを変化させるのには十分意味がある要素なので、しっかりと吟味していきたい。
前情報に依れば、進化も10回行えるというので、覚醒総数は計55回。
そう、これが先程言及した救済措置だ。
何しろ自分が知り得た限り、3回目のスキル変化で、覚醒数50以上を要求されるものは無い。
つまり、この進化で得られる覚醒権を一極集中すれば、1つの因子パラメータのスキルを3回変化させられる、そして、スキルは3回目の変化から大幅に強化されるらしい。それ故に、進化前に適当に覚醒させていた人でも、進化3~4回目辺りまでに、攻略サイトやNPCから情報を得られれば、スキルの大幅な強化のチャンスが再到来するわけだ。
救済措置といった意味が理解できたかな?
前置きも済んだので、改めてどれを覚醒させようか考える。
「因子は結構雑多に振り分けたらな~、全投入しても、5回変化には及ばないしなぁ」
まあ、これにも運の要素が強いものの、救済措置が存在する。
そう、[幸運]の<大蛇>がそうで、こいつはかつてランダムイベント的な何かで、1回変化していたからこそ、2回の変化で<蛇の王>という一線を画すスキルの変貌していた。
なので、ランダムのスキル変化イベントを引き当てる事を前提に、覚醒数を調整する考えもあるにはある。
まあ、ビルドを運に委ねるとか無いので、真面目に考える。
話を戻し、考えた結果、[獣人]を追覚醒させた。これで覚醒数通算21回となった。
「次はパラメータか、こっちは結構複雑だな」
というのも、進化ごのパラメータはこの様な感じになるからだ。
・[生命][持久][積載]は引き続き固定。
・残りの7種類は、固定の3種を除くこれまで覚醒させてきたパラメータの、覚醒数上位7位までを自動取得。
・8位以降にも覚醒数を振り分けていた場合、7位以内のパラメータに振り分けられる。
・各パラメータの最後のギフトを取得していた場合、同じパラメータの別のギフトの解放覚醒数、又は覚醒値が+未満にならない様に、その覚醒数を任意に振り分けた後、新たにパラメータを選ぶ。例:[速度]を17回覚醒させてたとして、2つ目のギフトの【散歩の神+1】を持っていた場合、振り分けられるのは5回となる。
・最後に、追覚醒するパラメータを選択する。
といった感じになっている。
俺の場合、覚醒させたパラメータの種類は[生命]を除けば4種、更に【速度】を持ってるので、覚醒数10ともう1個パラメータを選べる事になる。
という事で、4種類のパラメータを選べるので、先ず[制圧]と[跳躍]を選ぶ。
「後2つはどうするか…」
[声量]は攻撃系パラメータで、両手が塞がってても、スキルが優秀だから一定の効果は有って悪くはないんだが、どうしても良さを活かそうとすると、マイクやメガホンを装備したり、歌を取得したりと、手間が増えてくるので、リストラを決意。
[園芸]も[農家]の覚醒数引継ぎと、スキル変化で、質を数で補う事が出来るので、リストラ。
「やっぱ、攻撃系か防御系のパラメータが望ましいな」
少々吟味し、[解体]と[包囲]というパラメータにした。ちなみに両方攻撃系だ。
一応この2つの効果とスキルも紹介。
[解体]建造物へのダメージを上昇。
<基礎の撤去>建築物へのダメージを10上昇
<大黒柱撤去>建築物へのダメージを10上昇
<屋根の撤去>建築物へのダメージを10上昇
<壁の撤去>建築物へのダメージを10上昇
[包囲]敵の居る区画を囲む程ダメージが上昇。
<足止め>敵のいる区画を周囲5区画以上囲んでいる場合、敵の移動速度を5%低下
<投降呼びかけ>敵の居る区画を周囲6区画以上囲んでいる場合、敵の防御力を1%低下
<兵糧攻め>敵の居る区画を周囲7区画以上囲んでいる場合、敵の満腹度と保水度の減少速度が2%上昇
<火計>敵の居る区画の周囲を完全に囲んでいる場合、毎秒10ダメージ与える
「で、覚醒させるパラメータを選べ、と」
取り敢えず、進化数が少ない内は、覚醒権も少ないので、スキル変化の要求数が少ないパラメータを覚醒させよう。
という事で、2回目の変化に要求数が15回と少ない、[観察]を覚醒させた。
「ふう、どれどれ、変化した諸々のスキルでも確認するか」
今回変化したスキルは非常に多いので、因子から順番に紹介する。
[獣人]<生存戦略>STA回復量と回復速度が1%上昇し、STA回復阻害を軽減。→<生存義務>STA回復量と回復速度が1%上昇し、STA回復阻害を軽減し、STA削りを軽減。 <野生の息吹き>[生命]が5上昇。→<野生の脈動>[生命]が8上昇。
[吸血鬼]<血の根源>[生命]を1.5%上昇。→<不死の根源>[生命]を2%上昇。 <不死の精鋭>黄金蝙蝠の使い魔を使役する。→<精鋭部隊>黄金蝙蝠を4体使役する。
[百姓]<百姓魂>開墾速度が3%上昇。→<百姓連合>(CA化)二分間百姓を呼びだし開墾させる。 <鍬の一振り>幅1m長さ10mを開墾する。→<跡継ぎ教育>百姓の能力が上がり<鍬の一振り>を使用する様になる。
[植物人間]<どこにでも生える>[生命]を3上昇。→<岩にも生える>[生命]を5上昇。 <光合成>保水度が80%以上かつ光を浴びている間、満腹度が少しずつ回復する。→<超合成>光を浴びている間、満腹度が少しずつ回復する。
[養蜂家]<養蜂>蜂の使い魔を32体使役し、手に入る蜜の量が3%上昇。→<戦闘蜂>戦闘に長けた蜂を8体使役する。 <分蜂>蜂の使い魔の数を5%上昇。→<増蜂>蜂の使い魔の数を10%上昇。
[パイパー]<群鼠>鼠の使い魔を8体使役する。→<軍鼠>強い鼠の使い魔を4匹使役する。 <誘導>使い魔の移動速度がLv毎に1%上昇。→<煽動者>使い魔の移動速度が1.5%上昇。
お次はパラメータのスキル。
[生命]<生命強化>[生命]が4上昇→<生命超強化>[生命]が128上昇し[生命]を下げる効果を1%軽減。 <生命増強>[生命]が2%上昇。→<生命超増強>[生命]が64%上昇し[生命]を下げる効果を1%軽減。 <早めの奮起>LPが40%以下の時、防御力が4上昇。→<超奮起>LPが80%以下の時、防御力が6上昇し[生命]を下げる効果を1%軽減。 <奮戦>LPが30%以下の時、攻撃力が4上昇。→<超奮戦>LPが60%以下の時、攻撃力が6上昇し[生命]を下げる効果を1%軽減。。
[幸運]<蛇の王>ヒュドラを使役する。→<神の使い>金色の大蛇を10体使役する。 <山亀>五段重ねになった亀を使役する。→<島亀>巨大な亀を使役する。 <青龍>東洋龍を使役する。→<黒いダイヤ>クロマグロを使役する。 <金甲>金色の甲虫を使役する。→<皇虫>究極の甲虫を使役する。
[魔力]<魔力上昇>[魔力]が2上昇。→<魔道人形1号>魔道人形を使役する。 <魔力増加>[魔力]を1%上昇。→<ゴーレム1号>腕のみのゴーレムを使役する <魔道人形>魔道人形を使役する。→<魔道人形2号>魔道人形を使役する。 <ゴーレム使い>腕のみのゴーレムを使役する。→<ゴーレム2号>腕のみのゴーレムを使役する。
以上が、変化したスキルの内容だ。んでこれが今のステータスだ。
名前:テツ。 Lv60
LP:43256970 STA:9000 COST:5060/9000 残りポイント2900
肩書:《生命フリーク》
ギフト:【生への執着Lv1+5】【速度】【蛇使い】【ドリス】【核細胞保護Lv1+3】【獣人】【吸血鬼】【植物人間】
因子:【[獣人★21]】【[吸血鬼★25]】【[蛇使い★10]】【[植物人間★10]】[農家★6][百姓★5][養蜂家★6][パイパー★5][養豚家★2][羊飼い★]
パラメータ:[生命★73*]444000[持久]6000[積載]6000[幸運★20]126000[観察★11]7500[魔力★7]48000【[速度]】6000[制圧]6000[跳躍]6000[解体]6000[包囲]6000
スキル:<生存義務>Lv50 <野生の脈動>Lv50 <不死の根源>Lv50 <精鋭部隊>Lv50 <高価な蛇壺>Lv50 <名工の蛇笛>Lv50 <岩にも生える>Lv50 <超合成>Lv50 <品種改革>Lv50 <土壌改革>Lv50 <百姓連合>Lv50 <跡継ぎ教育>Lv50 <戦闘蜂>L50 <増蜂>Lv50 <軍鼠>Lv50 <煽動者>Lv50 <養豚>Lv50 <過剰肥育>Lv50 <羊の群れ>Lv50 <シープドッグ>Lv50 <生命超強化>Lv50 <生命超増強>Lv50 <超奮起>Lv50 <超奮戦>Lv50 <持久増加>Lv50 <積載増加>Lv50 <神の使い>Lv50 <島亀>Lv50 <黒いダイヤ>Lv50 <皇虫>Lv50 <抵抗マウス1号>Lv50 <抵抗マウス2号>Lv50 <抵抗マウス3号>Lv50 <抵抗マウス4号>Lv50 <魔道人形1号>Lv50 <魔道人形2号>Lv50 <ゴーレム1号>Lv50 <ゴーレム2号>Lv50 <圧制>Lv50 <殲滅>Lv50 <煽動>Lv50 <見せしめ>Lv50 <跳躍上昇>Lv50 <基礎の撤去>Lv50 <大黒柱撤去>Lv50 <屋根の撤去>Lv50 <壁の撤去>Lv50 <足止め>Lv50 <投降呼びかけ>Lv50 <兵糧攻め>Lv50 <火計>Lv50
アビリティ:[ドッペルゲンガー][種苗袋][ボロボロの防柵][死への免疫][スワンプマン]
装備:[復興の道しるべ][シャツ][ズボン][阿修羅の骸][クアンタムコントロールコントロールボックス][50フリーホルダー]
という感じになった。お陰で稼ぎに稼いだ金が消し飛んでしまった。
Lvが少々半端なのも、進化後のLvアップ費用がとんでもない事になっているせいで、Lv1からLv2に上げるのに、3万も掛かるのだ。
当然、これまでの様に上げる毎に3万ずつ費用が嵩む様になるので、Lv100にするだけで再誕1回分の資金が飛ぶし、更にLvが110まであるのだ。再誕5回分と合わせて、これまで貯めて来た資金、換金物が全て…。
だが、頑張って進化まで漕ぎつけたその甲斐あって、Lvの割には圧倒的なステータスとなる事が出来た。
改めて、ステータスを見ると、LPがとんでもない事になってるのが分かると思うが、こんなのはまだまだ序の口なんだよね。
というのも、覚醒させた因子ってのは、転生する毎に覚醒数に応じて重複されていくのだが、今は進化1回目で、重複数が覚醒数そのままになっている。パラメータも同様だ。
これが、進化2回目になると、当然Lvがリセット=転生判定なので、重複数が倍になる。
ま、それはさておき、【速度】を取得していた事で、その覚醒数は[生命]に振り分けた。さらに《生命フリーク》で覚醒数を20上乗せしているので【生への執着】が+7、【核細胞保護】が+6になっている。
で、【生への執着Lv1+7】だと、[死への免疫]と併せて、LPが2230万…大体50%強で発動し、[生命]は約36億…。
さあ、検証しようか。
早速ホームから出て、傍の魔境と化した森へ向かう。
先ず目を見張るのが、使い魔の速すぎる移動速度だ。
「重複数5の[パイパー]と、スキルLv50の<煽動者>は凄まじいな」
鼠の使役数が4に減ってしまったが、強い鼠らしいので、期待は大きい。
次に目が行くのは蜂の数だ。
デフォルトの使役数が8に減ってしまったが、重複数6の<増蜂>Lv50のお陰で、248匹の蜂が目にも留まらぬ速さで飛んでいる。
だが、その他の使い魔のインパクトも中々だ。
「<蛇の王>は<家族蛇>の時と同じ10体に戻ったのか」
以前は純白の大蛇の親に、少し小さい大蛇が8匹だったが、現在はサイズが気持ち大きくなり、色が金色?というかアルビノみたいな黄色になっている。
亀も<島亀>という名前に負けず、インド象並みのサイズに。
<青龍>は何故かクロマグロになってしまった。
甲は金から普通の大和甲に戻ったが、なんかオーラが漂ってるので、強い筈だ。
黄金蝙蝠も4体に増え、人形とゴーレムもそれぞれ2体に増えた。
見た目の変化を確認し、いざ実戦へ。
「うおおいマジか…」
手近で、そこそこ難易度が上がっているからと、検証に選んだ森。
だが、俺の想像を遥かに超越して、森が魔境と化していた。
なんせ、これだけ劇的…とまではいかなくとも、Lvの割に格段に強化されたステータスと、その補正を受ける使い魔相手に、当たり前の様に浅層に居る猪や熊が、いい勝負をしているのだ。
まあ、いい勝負と言っても、蒸発しない程度の抵抗しか出来ていないが…それでも驚きだ。
そんで肝心な実戦の手応えだが、やはり使い魔の速さが凶悪だ。
敵が感知内に入った五秒以内には、200を超える蜂と、鼠やマウスに群がられ、時間差で炸裂するガーディアンと人形の魔法。
速攻パターンだと、俺の使い魔最速のマグロが体当たりで消し飛ばす事もある。
もっと酷いと、引き寄せが効く敵だった場合、それこそ蒸発レベルの蹂躙が待っている。
こんな感じで、戦闘が矢鱈と高速化した事で、<神の使い>の金蛇の活躍が無いように思えるかもしれないが、それは敵がまだまだ弱いだけだ。
というのも、より踏み込んだ検証の為、中層に入ると頭部が2つ有る大蛇が突っ込んで来て、浅層では敵を無慈悲に蹴散らして来た、蜂や鼠にマウスを蹴散らし、引き寄せやモルヒネ光線をものともしない強敵っぷりを見せつけてきた。
そんなツインヘッドなスネークを、大蛇の群れが一方的に蹂躙。
勿論、他の使い魔…特にガーディアンの援護があったとはいえ、スキルLv50の時点でこれなので、Lvを上げてポイントを振り分けるのが楽しみだ。
「良し、今度は農業関連を調べるか」
実は、大量のスキルの変化があった中、この検証が一番楽しみだったりする。
というのも、[百姓]のスキルに有った、<百姓魂>が消えて開墾速度が遅くなっていたところへ、因子の覚醒数引継ぎ取得で、以前のスキルLv上限と比較して、遜色ない補正を受けれるようになったからだ。
「さて、サクッとな…おお~、早い早い。これなら呼んだNPCと連携すれば、更に迅速な開墾が出来るな」
一番快適だった時と比べると、やはり僅かに遅い感じは否めないが、それでも二秒強で9面開墾出来るなら、十分過ぎる程に便利になったよ。
今度は<百姓連合>を発動し、自身も前に出て開墾。
あっという間に周囲が原木畑に変貌し、敵の侵入を阻害。
自由に動ける使い魔が一方的に敵を蹂躙する。
開墾の検証も済み、今度は[包囲]の強さを見る。
という事で、生半可な敵では[包囲]の強さを見る前に終わるので、モンゴリアンデスワームの住処へとやって来た。
既に幼生体なら敵ではないので、2~3体同時に釣る心算だ。
とはいえ、ヘルメットが無い以上、以前みたいに来るのが分かってから開墾が厳しいので、畑を耕しながらじりじりと進む事に。
「良し、[ドッペルゲンガー]と<百姓連合>!!」
ドッペルも百姓を呼びだし、計4人でハイパー開墾タイムへ。
瞬く間に畑だらけになった直後、ワームが仕掛けてきた。
守りは万全なので、適度に畑の修復を行いつつ、使い魔とワームの戦いを観戦。
「フムフム、確かに敵を囲むと、デバフが掛かってる様だな」
釣ったワームは3体で、全てが周囲を使い魔で囲まれ、移動速度が落ちたり、防御力が低下してダメージが増えたり、火ダメージを受けたりと、被害が拡大中だ。
ただ、満腹保水の消耗に関しては、ぱっと見では判らないし、[制圧]での[疲労]に因る衰弱との見分けが困難なので、現状では気休め感がしてしょうがない。
それは兎も角として、周囲を囲まれ、凶悪なデバフを受けたワームは、使い魔の猛攻に成す術もなく追い詰められる。
先程から、他の使い魔に活躍の場を奪われていた、鼠や甲に亀もしっかりと活躍している。
甲と亀はどうせ強い事は分かっていたから驚かないが、鼠はかなり化けた。
なんか、スキル変化の影響か、スキルLv50の登坂力上昇は消えた様だが、そんな事が気にならない位堅く賢くなっている。
堅さに関しては、ワームのプレスを一撃耐える程堅くなり、賢さの部分はというと、隙あらば敵の背面を取ろうと行動する様になった点だ。
この特性も相まって、[包囲]がより機能し易く、【ドリス】の効果も一層威力を発揮するだろう。
と、見てる間にワームが力尽きたので、検証を終え帰還した。
「誰も居ないか」
PAに戻ったが、メンバーは出払っていた。
(それじゃ俺も金稼ぎに向かうか)
ここ最近は、プレイヤーの急激なインフレも相まって、あらゆる素材が大暴落し、皆新規の素材を求め、各惑星の攻略を積極的にするようになった。
当然、今回実装された鬼ヶ島とドラグーンも混雑しているだろうが、それ以外もまだまだ未開の地が大半なので、一番乗りなら何処でも稼げるのは間違いない。
「取り敢えず、ここアースで行けるとこまで行ってみるか」
ルートは幾つかある。東の大陸に渡る、只管砂漠を南下、雪山の更に北を目指す、渓流を登りレッドマンバの森も越える、艦隊に便乗する。
で、俺が選んだのは砂漠ルートだ。
特に意味はないが、常にワームが襲ってくる緊張感が面白そうだからだ。
んじゃ向かうとするか。
先ず、ワームの幼生体が跋扈する地帯を南下する。
砂漠は、地形ペナルティで移動速度が落ちるので、人が少ないのも良い。
道中幼生体を狩り、余裕をかましていたが、成体が出てくるようになると一変。
「うおおおおお‼」
幼生体は文字通り幼生体だった。そう振り返りつつ、自身を囲む20m越えのワームの大群に、心身共にしゃぶられつつ、死闘を演じる。
「兎に角畑を絶やしたら即死だ!それだけは絶対に阻止だ」
ドッペルに百姓を過労死させながら、常に100面以上の畑を維持しつつ、時折飛んでくる酸でLPを少しずつ調整。
50もある酸防御も相まって、中々LPを減らせない中、三十分掛けて54%まで下げる事に成功。
直ぐにコントロールボックスを一瞬起動し、[スワンプマン]を発動。
畑も格段に堅くなり、使い魔もワームの濁流に逆襲を開始した。
それでも、距離を取っているからランタンのデバフが届かず、敵が多すぎて[制圧][包囲]が機能していないので、ダメージが伸び悩む。
一応、マウスが耐えるようになった事で、【ドリス】がキチンと機能し始めたが、ワームが堅すぎる為、怒涛のFFが発生しても、中々致命傷とは至らなかった。
このまま時間を掛ければ、いずれは逃走からの枚数減少で、タコ殴りが可能となるだろうが、流石にこの大群相手に、食料飲料を費やしながらはしんど過ぎる。
「という訳で、チート装備の力を借りてゴリ押ししますか」
そうと決めれば、先程からスワンプの起動にしか使ってなかったコントロールボックスをオンにする。
これで、HPが2億6千万、各種バリアが1億3千万、幾つかの状態異常完全耐性が付与された。
「覚悟しろよワーム野郎!!」
と突っ込んだはいいが、ランタン×5のデバフが効いた中であっても、一斉に降り注ぐ強酸に掛かれば、割と危機感を覚えるペースでLPが削られる。
「うわヤバいヤバい‼でも回復すると一気に全快しちゃうし…」
ここは、執着免疫の長所でもあり短所でもあるんだよな~。
回復が基本割合のこのゲームでは、母数が多い程回復量も増えるので、[生命]がブーストされてる今は、回復し過ぎるので、困ったものだ。
仕方ないので、再びコントロールボックスをオフに、遠距離戦を仕掛ける事にした。
二時間後。
「やっと此処まで減らせたか、手古摺らせやがってよぉ!!」
じっくり時間を掛け、何とか大半を逃走させ、3体の成体を畑に打ち上げる。
それでも、激しく暴れ、酸を撒き散らすワームは非常に手強く、詰みまでもっていったにも関わらず、すんなりとは終わらなかった。
んで、少しして3体のワームを始末し、大量の素材を確保。
時間も結構使ってしまった為、今日はこれで終いとするか。
「うん?18:30まで緊急メンテ?」
一夜明け、雪乃とログインでもしようかと思った矢先のコレだ。
「どうする?」
「どうするも何も、メンテじゃ仕方無いわよ」
2人で暇つぶしを兼ねて、ネットサーフィンをしていると。
「2人ともここに居たのね」
「ん?亜紀か、どうした?」
「社長がお呼びよ、お嬢様、哲兄」
「哲兄も?」
雪乃と目が合うが、特に思い当たる事も無いが、亜紀についていく。
「さあ乗って」
言われるがまま、車に乗り込む。
「で?どこに向かってるんだ?それにつけられてるみたいだが?」
「行き先は本社よ、それと後ろのはガードだから安心して」
「雪乃、この状況解るか?」
ブンブンと首を左右に振る雪乃。全くだ。俺も解らん。
そんなこんなで本社に到着し、役員専用の出入り口から会社に入った。
ちなみに、ガードは俺らの前にも数台いた。
「2人ともこっちよ」
亜紀の先導で、今まで通った事のない通路を進み、とある部屋に入る。
その部屋にはエレベーターが存在し、それに乗り地下に降りていき…
「着いたわ」
ドアが開き、目に入って来た光景に驚く。
「まさか、サーバールーム?」
「ご明察。ここはDIYの隔離サーバーよ」
「「隔離サーバー?」」
「ええ、言ってしまえばデバッグ時に繋げたり、今回のようなメンテで一時的に繋げたりするサーバーね」
「一時的にねぇ…その割にとんでもない規模に見えるんだが」
「そうね、いくらユーザーが居ないといっても、NPCを動かすにはこの位必要…って話だったけど、多分他にも用途があったんじゃないかしら」
そんな話をしつつ、歩く亜紀の後を追って行くと。
「来たか、早速で悪いが、今から2人にはゴミ掃除の手伝いをして貰いたい」
俺と雪乃を待ち受けていたおじさんが、唐突に頼みごとをしてくる。
「えーっと、察するにデバッカーとして呼ばれたんですか?」
そういうことのようだ。
「あのー、流石にこうも衆人環視に晒されるとやり難いんですが」
「そこは気にしないでください、我々は空気です」
と、さっき自己紹介したばかりの開発主任、寺門さんが言う。
「哲兄、ここで二の足踏んでてもしょうがないよ、早く始めましょ」
雪乃にも促され、世にも豪華な環境での、デバッグ作業が始まった。
「うん、いつものアバターにいつものPAだな」
「そうね」
「それで…結局何をどうすればいいんだ?」
『申し訳ありません、先程申した通り、私共でも問題が起きていることは把握出来ているのですが、どの部分にどんな不具合が発生しているかは分からないんですよ』
「フム、それなのにNPCがMOBキャラしか居ないみたいなんですが」
『固有名を持っているNPCは、不具合に巻き込まれないように隔離しました。あ、ちゃんとそちらに問題が無いのは確認済みなので、安心してください』
状況は多少把握したが、何をすれば良いのかは未だに解らんな。一応ホーム内をぶらぶらしてみるが、巡回している兵士や、門を守る衛兵位しか見かけないなぁ…
「プレイヤーにNPCが居ないとなんだか寂しいわね」
「だな、というか妙に殺風景で不気味ですらある」
ほんの十数時間前…直前までインしていたユーザーからしたら、数時間前までゴザなり屋台なりで店をやってたり、通行人同士の会話に、それらに対する客引きで賑やかだったホームの中心地が、ゴーストタウン化しているんだ。なんか気味が悪い。
結局、数時間色んなロケーションを回ってみたが、俺ら2人で行ける場所では、特に何も見つからなかった。
「今回は手間を取らせて済まなかったね、雪乃もありがとうな」
「いえ」
「うん、それは良いんだけど、結局なんだったの?」
「判らん!!まあ、数時間モニタリングしながら調べて、寺門が何も見つからないんじゃ、直ぐには判明しないだろう」
「え、それじゃ暫くDIYで遊べないの?」
「その点は大丈夫だそうだ、そうなんだろ寺門?」
「ええ、少なくともゲームがクラッシュしたりするような心配は無いですね」
ふとモニターを見ると違和感が…
「…」
「どうしました鈴木さん?」
「いや…では我々は失礼しますね」
「ああ、それじゃ亜紀ちゃん頼んだよ
「はい、お嬢様、哲兄」
雪乃と哲也が亜紀に連れられ、会社を後にしたその後。
「虫はどうなった?」
「はい、隔離サーバー03、08、12で排除しました、同時に関連アカウントを精査し、黒は科料、グレーは泳がせます」
「ご苦労。下手人は?」
「現在追跡中ですが、恐らく尻尾切りで黒幕には届かないでしょう」
「まあ仕方ないな。しかし、マクロを使用したブルートフォースとは舐めた真似をしてくれる」
「しかも同時に30人ですからね。ま、以前からマークしていたので、滑稽でしかなかったですが」
「それでも用心に越した事はない」
「ええ、ですから万全を期して、身内であるあの御二方に、連中が一旦集められたサーバーを調べて貰ったんですから」
「その点は大丈夫なのか?雪乃も哲也君もそれほど広い範囲動いた訳ではなかったようだが…ああ、そういくことか…」
「ええ、彼らにも手伝って貰いました。結果、負荷以外は問題ありませんでした、ソースもゲーム内でも。あ、それと社長。鈴木さんは何か気づいた感じでしたよ」
「成程、まあ問題無いだろう。彼にはその内全てを知ってもらう心算だからな」
ってなやり取りがあったりしたのだが、当然哲也と雪乃は知らない。
「あ~、やっとメンテが終わったか」
「結局何だったんだろうね」
なんとなく想像は付くが…
「俺らが気にしても仕方ないさ。ログインっと」
メンテ明けもあって、PAにはメンバーが勢揃い。
でも、メンバー内で、俺だけLvが大幅に高いので、暫くはソロで動く。
仲間に声を掛け、1人出陣した。
行き先は昨日と同じ砂漠の奥地。
「今日はワームを捌きながら奥を目指すぞ」
昨日は、ワームの成体を倒す事に注力したので、時間が足らなくなり帰還したが、進むだけならワームを倒す必要は無い。
という事で、道中椰子やバナナを栽培しながら砂漠を進む。
幼生体が出現するエリアに近づいたら、ドッペルと連合を都度使用し、畑を絶やさずに進む。
宣言通り、ワームの討伐は狙わずに、畑で道を切り開きながら強引に進行。
Lvは60と半端だが、[生命]が3千万も有れば、成体相手だろうとそこそこ耐えるのは実証済みだ。
なのでペースを維持したまま、昨日成体と遭遇したエリアに到達しても、気負う事無く隙間なく畑を維持し突入。
途端に夥しいワームの成体に、畑が底から突き上げられる。
これを丁寧に修復しつつ、ドッペルと連合が領土広げるのを待つ。広がったら進を繰り返した。
周囲にはそこそこ人気があるが、皆それぞれワームと死闘中で、挨拶する暇すら無い。
中にはヘリで先に進む人も居るので、ここら辺は既に未開でも何でもない様だ。
ま、焦っても仕方ない。自分のペースで進めば良いよな。
「おおう…魔境っぷりに磨きが掛かってるな」
成体の猛攻を凌ぎつつ、進む事暫く。
至る所で巨大な流砂が発生し、砂塵を含んだ旋風が複数観測でき、ワームが口先を出してる大穴も沢山見受けられるという、ヤバい領域へと侵入。
そして変化は景色だけでなく、ワームの酸の飛距離が伸びた。
これにより、何度か見かけた航空機などが撃墜され、至る所で煙を吹いている。
「対空出来る酸ってなんだよ…」
率直な感想を想いながら、俺自身も射程が伸びた酸の洗礼を受ける。
「お、ダメージ自体はさっきまでの成体と差はないのか」
だったらどうにでもなる。…とはいかない。
射程が伸びてるんだから、当然被弾頻度も格段に増してるので、ゴリゴリとLPとリソースが削られていく。
畑に柵に案山子に豚を盾にしつつ、どうするか思案。
「ポーションの在庫が厳しいか…仕方ない、ワームを何体か倒したら帰るか」
このまま先に進んでも、帰りが絶望的と判断し、超射程ワームの素材を土産に決めた。
そして、いつもの就寝時間ギリギリのところで、漸く1体仕留める事が出来。
PAに吐いた頃には結構遅くなってしまっていた。
「さて、昨日の戦利品の確認をしようか…[ワームの酸袋]か、これは初めての素材だな」
「お、レア素材じゃないか…」
「うわ!!マッドか、びっくりした」
ヌッと背後から来たマッドに驚きつつ、素材の話に。
「リーダー砂漠の奥地に行ったんだろ?そいつはモンゴリアンデスワームの強個体の激レアドロップだ…」
マッド曰く、防具に使える素材で、酸防御力を上げれるから需要はかなり高いらしい。
流石[幸運]126000!!初回から激レアをドロップとか。
「へ~、でもアレを倒すのは相当しんどかったからな、売るにしても幾らで出せば良いんだか」
「…そうだな、今は成長限界解放も有って、プレイヤー自身のインフレで、装備の需要が大幅に落ちてるからな…いっても500万ほどじゃね…ヒヒ」
「仕方ないか、今は装備よりLvの方が大事だもんな」
でも、後から値が吊り上がるかは不明なので、500万で売りに出した。
速攻売れたので、Lvを62に上げた。
本当は63まで上げれたんだけどね…装備の修理費と物資の補給で消し飛んじゃった…仕方ないね。
「物の価値が下がって金の価値が上がる…完全にデフレだな」
「そのお陰でギルドの監視もなくなりましたよ」
「ああ、シーラかこんいちは。監視が消えたのは本当か?」
「ええ、薬草の価値も下がり、監視のリスクも増えた今、彼方も続けるのが難しくなった様ですね」
「リスク?」
「我々の恩人にちょっかい掛けて無事で済ませませんよ?」
「ああ…色々感謝」
「いえいえ、ではでは」
大量の水を持って、シーラが帰っていった。
俺も稼ぎに出掛けるか。
現在バグスターにて、蟲の駆除依頼を遂行中。
内容は、北の荒野で、蟲を1体狩る毎に500円貰えるというものだ。
更に、蟲がARM持ちなら+100円、更にSHI持ちなら+200円、更にBAR持ちなら+500円という、要は荒野で強い蟲を倒せば倒す程儲かるという依頼だ。
こんな依頼が出る辺り、上は本気で北部を制圧する気なんだろう。
デフレ真っ只中な事もあり、出来高制で現金収入のあるこの依頼は大人気で、参加者は数百人規模に膨れ、今も増え続けている。
とはいえ、バグスターの1/6を丸々舞台とした依頼なので、全域をカバーするには人手不足もいいとこだろうな。
「ふう、漸く御出ましか」
荒野に入っても、人が多い内は中々獲物にありつけなかったが、人が散り散りなった今、やっと戦闘が始まった。
さて、バグスターの代表的な敵の巨大蟻。結構荒野を進んでいた事もあり、既にARMも持っていて、少し堅い。
使い魔のスキルLvも50と低いのが、一層堅く感じさせるのかもな。
ま、引き寄せ、ガーディアンと人形の魔法、クロマグロの突進で、開幕乙が成立しているから、効率は決して悪くない。
更なる効率と、使い魔の遊んでる戦力を活かす為、奥地へと進む。
蟲がSHIも持ち始める頃には、他のプレイヤーやNPCとはかなり距離が離れ、蟲が殺到する様に。
「良し、羊も豚も常に狙われてるな」
戦力が100%機能し始めたのを確認し、定点狩りを始める。
倒しても倒しても、そこら中に点在する巣穴から蟻や螻蛄や蜘蛛やら蟷螂やらが沸くから戦闘が途切れない。
およそ十分に1度のペースで、巣穴からの氾濫が起きるが、キチンと安全マージンを確保して事に当たって居る為、特に危険な目に遭う事も無く狩りは順調だ。
そのまま時間の許す限り蟲を狩り、依頼報酬で200万、素材の売却で70万の収入を得た。
次回も二週間程で。




