第三十八話
~前回までのあらすじ~
マンモス戦を制し、大手を振って登山を再開し、マンモスの巣を発見。
居合わせた人たちと協力し、攻略を試みるも、勝負にすらならず敗走。
アプデに備え、Lv上げの資金を農業で捻出し、五度目の再誕に臨んだ。
続いてパラメータのギフト9つを紹介。
【生命の泉+1】LPが毎秒1.2%回復する
[生命]を11回覚醒さてたことで、+1なった[生命]1つ目のギフト。
元の毎秒1%回復から、二割強化された事になる【生命の泉+1】
人気上位に君臨するギフトなので、既に多くの人が+1ないし、+2に至ってるであろうことを考えると、今後のPvPは、火力が一層ウェイトを占める事になりそうだ。
そういう意味では、俺は既にPvPではドロップアウト済みかもしれん。
勿論、相性の関係で、圧倒できるビルドも多いが、このギフトの取得率が上がるほど、瞬間火力に乏しいビルドは苦境に立たされる可能性が高い。
そんな、強化された事で、一部ビルドを一層メタれるギフトと化した。
【発狂+1】LPが31%以下の時、最大LPの4%以上のダメージを受けると、3.5秒間与えるダメージが3.1倍になる。
[生命]を12回覚醒させたことで、+1となった[生命]2つ目のギフト。
元々の効果が、30%以下で5%以上のダメージで、三秒間ダメージが三倍だったのが、全体的に強化されている。
特に嬉しいのは、やはり発動条件の緩和だろう。
このまま+2+3と強化され、重複してLv1Lv2とした場合、どれ程使いやすいギフトに化けるのか…
自身で試す気は無いが、何処かにこのギフトを極めんとする猛者が居て、今後暴れるかもしれないな。
【生への執着Lv2+1】:LPが18%以下の時、[生命]が3300%最終数値へ乗算される。
[生命]を13回覚醒させ、【生への執着】を重複させた事でLv2+1となった[生命]3つ目のギフト。
本来なら、15%以下で3000%乗算なのが、条件の緩和と効果が上昇している。
是非とも取得したいのだが、今回も見送る事に。
【生への執着】が、Lv幾つまで重複出来るかは不明だ。
何しろかなり特殊なギフトなので、取得人口が少なく情報も皆無。
このLv2で終わりなのか、取得すれば無条件でLv3が表示されるのか…
どちらにせよ、このギフトの強化の為に、[生命]を覚醒させ続けるので、あと何回強化できるか楽しみだ。
【超生命力+1】LPが75%以上の時、一撃で死ななくなる。
[生命]を14回覚醒させたことで、+1となった[生命]4つ目のギフト。
元々が、80%以上だったのが、75%以上に緩和されている。
噂によると、このギフトはLv1の解放条件がまるで見当つかないそうで、Lv1取れる人と取れない人が出てるという。
このギフトも欲しかったんだが、枠の心配が有るからな。
【ライフチェンジャー+1】ダメージを受けた時、十二秒間ダメージと同じ値HPを得る。
[生命]を15回覚醒させたことで、+1となった[生命]5つ目のギフト。
元が十秒なので、時間だけ伸びた形か。
これは微妙な強化だなぁ…
持続時間はそのままで良かったから、増えた分の二秒間で受けたダメージのHPを得る、これだったら相当強いんだが…強過ぎてダメか。
まあ、大ダメージを受けた場合、そのダメージ分のHPを維持出来る時間が増えるなら、悪くはないんだけどな。
【免疫】使い魔の状態異常に掛かる時間が半分になる。
[観察]7つ目のギフト。
使い魔主体のビルドならば、かなり有用ギフトになる。
もし、枠が足らずに【観察】も[観察]も採用できない場合、これがあるだけで、状態異常に因る使い魔の機能不全を、相当抑えられる筈だ。
尤も、俺の場合は、【観察】を取得するので、これを取る事は無いだろう。
【情が移る】マウスの生存時間一秒毎に、攻撃力が3上がる(最大で10800)
[観察]8つ目のギフト。
マウスのポップ、リスポーンから一時間で攻撃力を10800もブーストできるという、破格の性能を誇る。
マウスは、使い魔の中では…というか殆どのユニットと比較しても、極小の当たり判定を誇る攪乱要因で、そんなのが、プレイヤーのパラメータ補正以外で、1万を超える攻撃力を得るとなると、その存在は鬱陶しいという次元では済まなくなる。
勿論、実際問題として、一時間も掛けて温めたマウスが、都合よく敵に肉薄出来るとも限らないので、実際はもっと低い評価になるだろうが、可能性は感じるギフトである。
【ドリス】マウスが敵に接触している場合、対象はフレンドリーファイアでダメージを受ける。
[観察]9つ目のギフト。
さあ、来たよ、今回解放されたギフトの中で、ダントツのぶっ壊れが。
これはマジでヤバい。だって、基本同士討ちの無いこのゲームで、マウスが接触してる間限定とはいえ、対象が仲間の攻撃でダメージを受ける様になるんだもの。
乱戦で、足元をちょこまかと動き回るマウスが触れた途端、味方の攻撃にすら注意を払う必要がでるとか、神経擦り減るなんてレベルじゃないな。
それに、最近になって解放条件が判明した[観察]の条件の厳しさと、採用率の低さもあって、今後このギフトが普及していくかも怪しいので、希少性もあって、ちょっと…いやかなり心が揺らいでいる。
【観察】パラメータの[観察]を取得。キャラメイク時に[観察]を選択した場合、スキルも強化される
[観察]最後のギフト。
大本命、今回はこれを取得する心算だった…が。【ドリス】が余りに魅力的かつ強力無比なので、かなり迷っている。
プランは3つある。
1つは、予定通り【観察】を取得し、新たなパラメータを採用し、ビルドに小回り多様性を持たせるプラン。
2つ目は、心変わりして【ドリス】を取得する代わりに、今後もパラメータ選択で[観察]を取得する代わりに、覚醒1回分無駄になるので、再覚醒して他に回して無駄をなくすプラン。
3つ目は、現状の構想を崩して、【観察】【ドリス】を双方取得するプラン。
補足として、再覚醒をこのタイミングでする必要は、再覚醒は再誕を挟むと再誕前の覚醒を取り消す事が出来ないからだ。
さて、それらを踏まえ、どうするか…。
以上18のギフトだったけど、結論として…の前に、今判っている事を整理しておこう。
先ず、ギフトの限界取得数を10とし、これを前提にする。
因子、パラメータ共に、総覚醒可能数は、1再誕9覚醒×10で90とする。
そして、現在の内訳は、因子が[獣人]15 [吸血鬼]10 [農家]6 [百姓]4 [蛇使い]10。
パラメータが[生命]15 [幸運]10 [速度]10 [観察]10。
これで、双方とも計45となっていて、残り覚醒数は双方45となる。
今後、これをどう振り分けるかという話になるのだが、因子の[農家]はこれで撃ち止めとする。
理由だが、[農家]のスキルが変化するのが、覚醒数6になった時だというのが判っているからだ。
同様の理由で[百姓]も、5回で変化するとの事なので、あと1回覚醒させれば、それで終いとなる。
今後は、[農家][百姓]はキャラメイク時の、因子選択での重複で、強化して運用していく心算だ。
という事で、因子の残り覚醒数は44となる。
パラメータは、[生命]の【生への執着】と【核細胞保護】の+値を上げていきたいので、10の倍数+3か10の倍数+8で、覚醒させたいので、残り覚醒数45の場合、候補となる覚醒数は、18、23、28、33、38、43、48、53、58となる。
ただ、[生命]のスキル変化が起こる覚醒数次第では、候補の限りではないので、これまた悩ましい限りなんだよな。
じゃあ、他のパラメータを覚醒させるかというと、ギフト枠の関係上、ギフトを取りもしない因子やパラメータを覚醒させるのは勿体ないし、どれがどれだけ覚醒させれば変化するかは、1回目の変化は兎も角、2回目以降はまだまだ情報が出揃ってないので、手探りでは無駄が多くなる可能性が高くて、二の足を踏んでしまう。
ただ、何度も言うけど、ギフトが10個までかどうかは、予想でしかないんだがね。
さて、話が逸れたが、更に続ける。
現在俺が取得しているギフトは、【生への執着Lv1+1】【速度】【蛇使い】の4個で、暫定で残り6枠となっている。
この残り6枠で、今回【観察】を取り、残り5枠で【核細胞保護】を2回、【生への執着】をLv2に、残り2枠で【獣人】と【吸血鬼】を取ろうと思っていた…。
まとめると、【ドリス】を取ると、【観察】を切る必要がでてくるのだが、【ドリス】を最大限生かすのならば、スキルを強化できる【観察】、そしてスキルを取得出来る様にするために、[観察]を選ばなければならないので、選択肢が大幅に狭まる上に、【獣人】か【吸血鬼】を切る必要にも迫られる。これで悩んでいるのだ。
逆説的に、ここまでプランを詰めていながら、苦悩する程【ドリス】が強力過ぎるギフトだったんだ。
以上を踏まえまして、俺の選択は…【ドリス】を取得する事に決めました。
ギフトを【ドリス】にする事に決め、今後のビルドを少々見つめ直す。
先ず、【観察】はプランから外し、今後もキャラメイク時のパラメータ選択で[観察]を取得する事にした。
一応、[園芸][声量]とリストラ出来る候補も有るので、この点は大丈夫だろう。
問題は、今のままだと、マウスの能力が低くて、【ドリス】の効果を十全に発揮できない事だ。
そこで、これを補う為に、[観察]のスキルが1回、出来れば2回変化されるように、覚醒させる事で、解決を図る。
最早運の問題だが、【核細胞保護】の効果が、Lv1で90%軽減までイケる程+値稼ぐ為に、[生命]を覚醒させた場合、[観察]に回せる回数が何回残るか、だが。
後、酸防御力の為に、伸ばそうと思っていた[植物人間]…出来ればこいつの最終ギフト、【植物人間】も取得したかったが…
いや、まだ諦めるには早い、[生命]の覚醒回数次第では、【生への執着】がLv1で良い位強くなっていれば、Lv2を諦めて【植物人間】の取得を目指すのは妙案では?
なんせ、[植物人間]は因子なので、パラメータの[生命][観察]とは、覚醒枠が違うので、十分現実的なプランに思えて来たぞ!!
「良し!!方針も固まったし、ギフトは【ドリス】決まりだ!!」
恒例のキャラメイクで、ギフトを選択し、有り金を叩いて6回目の再誕直前までLvを上げ切る。。
そんで今回覚醒させた因子だが、先ずは[百姓]を1回覚醒。これで[農家]含め、農業に必要な因子二種が、スキル変化を起こしたので、この2つの因子の覚醒は、これで撃ち止めだ。
次に、過程のビルドが弱くても困るし、ギフトの強化も狙えるので、[獣人]と[吸血鬼]を2回ずつ覚醒。
最後に、[植物人間]のスキル変化とギフト解放を目指し、4回覚醒させた。
お次はパラメータを覚醒させる。
コチラは、【生への執着】と【核細胞保護】の強化という、明確な目的があるので、9回分すべてを[生命]に全振りした。これで、【核細胞保護】も+1になっている筈だが、強化具合確認は、次回の再誕時までお預けだ。
さて、今回の再誕で、[吸血鬼][百姓]の覚醒数が一定数に達し、スキルが変化したので、紹介しておこう。
[吸血鬼]<血の海>[生命]が1%上昇 <不死の眷属>LPが10%減る度に蝙蝠が1体召喚される。Lv毎に召喚数が2%上昇 が。
<血の根源>[生命]が1.5%上昇 と <不死の精鋭>黄金蝙蝠の使い魔を使役する になった。
<血の海>は、上昇値が1.5倍と大幅な強化がなされ、<不死の眷属>は、オートスキルからパッシブ化され、蝙蝠の使い魔を1体使役するものに変更された。
[百姓]<百姓魂>開墾速度3%上昇 <鍬の一振り>幅1m長さ10mを開墾するCAを使用可能 が。
<百姓連合>二分間NPCの百姓を呼び出すCAを使用可能 <跡継ぎ指導>百姓の能力が上がり、<鍬の一振り>を使用する様になる になった。
なんと、<百姓魂>が召喚系CAに変化し、<鍬の一振り>が消滅し、代わりに呼び出した百姓が一振りを使える様になるという、[跡継ぎ指導]に変化した。
[百姓魂]の、開墾速度上昇が消えたのはかなり痛いが、百姓を呼んだ後は、自身はフリーになるし、なんとかなるかな?
「良し、ビルドを構築するぞ」
そうして出来上がったのが、コレ。
名前:テツ。 Lv100 ★⁹ ☆⁹
LP:7050760 STA:25000 COST:25000
ギフト:【生への執着Lv1+2】【速度】【蛇使い】【ドリス】
因子:[獣人★²][吸血鬼★²][百姓★][植物人間★⁴]【[蛇使い]】[養豚家²][パイパー²][養蜂家²][農家³]
パラメータ:[生命★⁹]100000[持久]10000[積載]10000[声量]10000[魔力]10000[制圧]10000[跳躍]10000[幸運]10000[観察]10000[園芸]10000【速度】10000
スキル:<生命強化>Lv150 <生命増強>Lv150 <持久増加>Lv150 <積載増加>Lv150 <野次>Lv150 <怒鳴り>Lv150 <雄たけび>Lv150 <声を潜める>Lv150 <魔道人形>Lv150 <ゴーレム使い>Lv150 <圧制>Lv150 <殲滅>Lv150 <煽動>Lv150 <見せしめ>Lv150 <跳躍上昇>Lv150 <蛇の王>Lv150 <山亀>Lv150 <青龍>Lv150 <金甲>Lv150 <抵抗マウス1号>Lv150 <抵抗マウス2号>Lv150 <抵抗マウス3号>Lv150 <抵抗マウス4号>Lv150 <肥料追加>Lv150 <剪定>Lv150 <生存戦略>Lv150 <野生の息吹き>Lv150 <血の根源>Lv150 <不死の精兵>Lv150 <高価な蛇壺>Lv150 <名工の蛇笛>Lv150 <品種改革>Lv150 <土壌改革>Lv150 <百姓連合>Lv150 <跡継ぎ指導>Lv150 <養養豚>Lv150 <過剰肥育>Lv150 <養蜂>Lv150 <分蜂>Lv150 <群鼠>Lv150 <誘導>Lv150 <どこにでも生える>Lv150 <光合成>Lv150
アビリティ:[ドッペルゲンガー][種苗袋][ボロボロの防柵][死への免疫][スワンプマン]
装備:[復興の道しるべ][シャツ][ズボン][阿修羅の骸][クアンタムフュージョンコントロールボックス][50フリーホルダー]
LPが異常な数値になっているが、[生命]を積極的に覚醒させている今だけなので、後々反動で弱く感じるのが怖いな…
で、この状態での【生への執着】[死への免疫]が発動する条件は、LPが275万を切った辺りとなり、[生命]は約5億まで跳ね上がる。
この状況だと、使い魔の[生命]補正が例え1%でも、500万のLPが使い魔に加算されるので、最早、従魔やペットクラスの強さだ。
さて、取得因子は、[蛇使い]~[農家]を12223で取得したが、次回の再誕時には、[百姓]も通常枠で取得、しかも重複が望ましいので、何を切る、何の重複数を削るか、しっかりと考えておかなければな。
そんじゃ検証いってみよう。
取り敢えず、ホームから出て鍬を振るう。
「ああ…やっぱ<百姓魂>が消えたから大分遅くなったか…」
再誕前は、[百姓]が20回分重複されてたので、スキルの効果も凄まじく、開墾速度は…というか、鍬を一振り二振りすれば開墾できてたレベルだったが、今は7~8秒程まで掛る様になってしまった。
まあ、鍬が極上なので、まだまだ早いと言えるか。
今度はCA<百姓連合>を使い、NPCを召喚。すると早速<鍬の一振り>を使い、畑を拵える。
ここで驚いたのが、なんと畑に柵と鎧が生えているではないか。
「おおおお!!NPCの開墾に、俺のステータスが反映されてるのか!!」
しかも、その後の検証で、鍬の性能までコピーされてる事が判明。それでいて、<跡継ぎ指導>Lv150の補正も相まって、これまでの俺以上の性能の畑を作り出していた。但し、<鍬の一振り>の性能だけは、Lv1相当のままだったが、鍬の性能をコピーしているので、全く問題ない。
「更に続けて検証しよう」
今度はバグスターの毒沼に向かい、<百姓連合>を発動。NPC百姓の能力を見る。
フムフム、重複数10で大体俺と同等の堅さと判明。当然ドッペルやスワンプと違い、攻撃手段は無いが、これだけ堅くて、俺以上の畑を作れるのなら、壁としても十分過ぎる。
ヤバいな、ギフトの【百姓】が途端に欲しくなってきた…
あーヤメヤメ、今更どうしようもない事だ、現状から目指せる最良を目指すだけだ。
「次は<不死の精鋭>を検証だ」
と言っても、NPCの堅さを見る時に、既に黄金蝙蝠の戦いっぷりは見てるので、その感想を。
先ず、サイズは良く居る蝙蝠と同等で、当たり判定は鼠やマウスと同じ位だ。
特徴は兎に角狙われ易く、回避重視な行動パターンなことだろう。
性能面は、流石因子の使い魔だけあり、それなりに堅く、飛行ユニットで狙われ易い特性上、最高の囮になってくれる。噛み付きも地味にダメージ出てるしね。
「んで目玉の【ドリス】か」
こいつも既に検証済みだが、期待通り凄まじい効果を発揮してくれた。
羽虫や水生の蟲が、引っ切り無しに襲い掛かって来る毒沼で、俺、ドッペル、百姓、ドッペルの呼び出した百姓、てんこ盛りの使い魔、蟲が入り乱れる戦場で、マウスに張り付かれた蟲だけが、圧倒的少数の第三勢力と化すのだ、集団の中でぼろ雑巾にされる様は、このゲームにFFが無くて良かったと、心底思える光景に他ならなかった。
めぼしい検証を終え、PAでマサを捕獲し連行。
「おいおいおい、何処に連れてこうってんだ?」
「マンモス狩りだ」
ついでにカメキチさんも引っ提げ、例の洞窟へと向かった。
「お、くらげさんこんばんは」
「おや、御三方もこんばんは」
一度はあきらめ、撤収した筈のくらげさん。
「今度は人数が少ないんですね」
「ええ。と言っても、自分も再び通い出したのは昨日からですけどね。御三方は?」
「いや、テツがマンモスを攻略出来るかもって言って、連行されたんだ」
「俺も流れで連れてこられました」
まだ、2人には検証の事は伝えてないので、半信半疑な様子だ。
「糸口が見えたんですか?なら是非ご一緒させて下さい」
という事で、くらげさんを加え、4人でマンモス狩りに挑む。
「で?具体的にどう攻略するんだ?」
マサが聞いてくるので、【ドリス】について説明。
「敵にフレンドリーファイアを適応!?」
「なんスかそのインチキギフトは?」
「成程…確かにそれなら…」
と三者三様な反応が帰って来る。
「さ、行くか」
巣に侵入し、入り口付近で<百姓連合>とドッペルを発動。さらにコントロールボックスを起動し、予めLPをへらしていたので[スワンプマン]も発動。
そのままダッシュで前に進み、開墾しつつ迫るマンモスに[生命]4億8千万の補正を受けた使い魔を嗾ける。
俺としては、此処で時間を稼いで、後方に置いて来た百姓と、ドッペルスワンプと双方に呼ばれた百姓が、築いた畑に引いてから迎え撃つ心算だったのだが…。
「ははは…マジか、あのマンモスの群れを使い魔だけで抑えてるぞ」
突進を、大物の<蛇の王>がガッツリ受け止め、黄金蝙蝠が注意を上に逸らす事で、前衛の使い魔が投げ飛ばされることを防ぎ、、足元からマウスがマンモスに肉薄。
これで先頭のマンモスが、前面の使い魔と、背後のマンモス双方から袋叩きに遭い、ドンドン横に逸れて下へ逃げていく。
凄いな、LPが跳ね上がった事、黄金蝙蝠の追加、【ドリス】の同士討ち、どれか1つなら、これほどの成果にはならなかっただろう。
堅いだけの使い魔なら、投げ飛ばされるし、蝙蝠だけでも最初の突撃が厳しいし、【ドリス】だけでも先頭の交代が早まるだけで、ジリ貧は確定だった。
こうしてそれぞれがシナジーを発揮したお陰で、マンモスの群れという強大な敵に、俺1人で対抗という偉業を成し得る事が出来たのだ。
俺がマンモスを抑えている内に、後方は原木畑だらけに変貌し、3人も追い付いてきた。
「すげえ!!たった1人で抑え込んだのか」
「あの金蝙蝠が良い仕事してますね」
「FFのお陰で、マンモスの陣形も相当脆くなってますね」
3人共感心しながらも、戦闘へ参加。
俺も、使い魔だけで十分対抗できる事が判ったので、今度はドッペルとスワンプ、百姓も使い近接を試みる。
今回は、コントロールボックスを起動したままなので、マンモスの攻撃を受けたところで、[生命]4億8千万を参照した4800万のHPや2400万のARMが有るので、痛くも痒くもない。
但し投げ飛ばしからの、落下死だけは勘弁な(落下ダメージはLPに直接ダメージを受けるので)
戦力を全投入したことで、マンモス共は次々と畑に押し上げられ宙に浮き、そこをマサに吹き飛ばされどんどんすり鉢の底へ落ちていく。
途中、様子を見に来た他のグループの協力も取り付け、ガンガン押していく。
そして、遂にマンモスを全て底に落とすか追い込むかして、マンモスが犇めくスロープ入口へ到達した。
「一番下はこうなっていたのか」
上からじゃ見えなかったすり鉢の底は、幾つかの通路が存在し、部屋に入りきらないマンモスや追い込んだマンモスが、通路を通って別の部屋に移動している。
先ず最初に取り掛かったのは、マンモスの行き来の封印だ。
「通路は全部で3つ…1つは俺達が抑えるとして、残りは…」
これに対し、途中参加のグループのうち、幾つかが名乗りを上げたので、残り1つの通路への突撃は、くらげさん率いる残りで行く事にした。
作戦を開始し、暫くして底に溜まったマンモスの追い出しに成功。
これで、最初の部屋の安全は確保したので、ここから本格的な攻略が始まった。
さて、攻略と言ったが、何をもって攻略としようかね?現状、ここがマンモスの巣、という以外何も判っていないので、目先の目標として、大群を相手取って、危なくなったら逃げるマンモスを、安定して狩れる様になる事。これを攻略とする事とした。
くらげさんや、他は知らないが、取り敢えず俺らはそう、ってだけだが。
「良し、それぞれの通路への押し込めに成功したし、此処からは忍耐と継戦能力が物を言う。心して行くぞ」
「「おう!!」」
と言ってもやる事はシンプル。最早そこに降りてしまえば投げ飛ばしも脅威ではないので、俺とカメキチさんが前に出て全力で圧力をかけ、マサが少しずつマンモスを通路先に押し込んで行く。これだけだ。
「それじゃ、[ドッペルゲンガー]!!<百姓連合>!!」
更に、一旦切っておいたコントロールボックスをオンにし[スワンプマン]も発動。
そして、ドッペルとスワンプがそれぞれ<百姓連合>を発動し、尋常じゃない数の使い魔と、畑をガンガン拵える百姓で、通路が埋め尽くされた。
最早、マンモスが貫ける隙間などなく、ゴリ押しを仕掛ける。
3人の百姓が畑をマッハで作り、修復するので、マンモスが常に宙に浮き、そのマンモスの鼻にカメキチさんを装備。
更にその象にマウスが飛びつき、カメキチさんを狙った後方のマンモスの攻撃が、仲間にヒットしダメージは加速。その上、マサがノックバックを仕掛け押し込み、マウスが更に奥に浸透すると…
「「「パオオオン!!??」」」
少し先から、お互いの身体に張り付いたマウスを狙い、壮絶な同士討ちに混乱の坩堝へと陥るマンモス共。
でも、マンモスもさる者。これだけやって、後方と分断し、一頭を宙に浮かせ無力化し、圧倒的多数でボコボコにしてもなお、中々減らないLP。
「マジで堅すぎるだろ…」
コチラには、瞬間的とはいえ、ガーディアン×3 <蛇の王>×3 ギフトで強化された重複数10のキングコブラ×12に、その他強力な使い魔が居るというのに…。
それがこのビルドの辛い所でもあるから、仕方無いと言えば仕方ないのだが、これだけの数をもってしても、ユキやベッタラの瞬間火力には遠く及ばない事実が虚しい。
とはいえ、この状況に持ち込んだ時点で、マンモスの討伐は時間の問題なので、ほぼ独力で大物を型に嵌めれる事を誇ろう。
十数分後。
「漸く1体目のマンモスを始末で来たか」
「どうだテツ?物資は大丈夫か?」
「コントロールボックスをオフにしてるから、飲料もまだまだ大丈夫だ」
「なら良いが、屋内は食料はまだ何とかなるが、飲料の確保が厳しいのがな」
「ああ、原木畑ではな…」
さて、マンモスの戦利品だが、LPを減らした時に発生してた、サーベルタイガーの増援が無い時点で察してはいたが、やはり少なくなっていた。
量で言えば大体1/4程かな?強さは同じなのに、かなり渋いぜ。
だが、遂に巣のマンモスの初撃破に漕ぎつけたわけだし、ここは素直に喜んでおこう、わーい。
それからも、マウスが縦横無尽に駆け回り、FFを誘発し、カメキチさんが先頭の鼻を封じ、マサがガンガン押し込んで、順調に歩を進め、今しがた2体目のマンモスを退治した。
これで更に勢いづいて、俺の物資が底を着いて、マサとカメキチさんの物資を食いつぶすまでに、更に4体のマンモスを撃破。計6匹の戦果となった。
物資も尽き、これ以上は戦闘の継続は不可能なので、ありったけの畑で通路に蓋をし、くらげさんに挨拶しに行く。
「という訳で、物資が尽きたんで帰りますね」
「お疲れ様。ところで御三方は何体倒されましたか?」
「6体ですね」
「おお~!!3人で6体ですか!!」
俺らが帰る事で、穴が空くなと思ってたが、くらげさんが増援を呼んでいたようで、その人たちが俺らの穴を埋めるらしい。
これで、心置きなく帰還できるな。
「いや~、大戦果だったな」
「ですね」
「な?付き合ってよかっただろ?」
3人でPAに戻り、素材を当分。
2人は何か使い道がある様だが、俺には今の所ないな~。
なので、職人向けの共有チェストに全て突っ込んで、売り上げから利益を貰う事にした。
これで、しばらくすれば、大金が舞い込んでくれえるだろう。
それから、今後のビルドの為、色々調べたりして情報を集めてから、就寝した。
翌日
「フムフム、色々お裾分けした甲斐があったな」
昨夜、PCNPC問わず、エルフィンでこっそりと作った薬草から出来た、贈答用のポーションを配り、ギフトやスキル変化について情報を集めたが、お陰である程度の道筋が見えてきた。
「というか、賄賂でNPCから情報収集って、こんなにも効率が良かったのか」
特にハイエルフ達、その中でもローレンスさんは、渡した物次第では、攻略サイト以上の情報を教えてくれたりと、もっと早くこうするべきだったと、後悔する位上質な情報を提供してくれた。
それこそ、~の因子は何回覚醒させるとスキルが変化するだとか、恐ろしく正確なのだ。
…ただ、足元見られてかなり高いポーションを幾つも幾つも分捕られたが、現段階で、殆どのプレイヤーが知り得ない多岐に渡る詳細なデータは、値千金なので、あの程度は安すぎるくらいだが。
「しかし…まさかアプデ後の成長要素まで網羅してるとは…」
今回一番大きな情報と言えば、成長限界が解放された後の要素だろう。
その情報では、俺の予想していた、ギフトは10個までというのも裏付けされていたので、これ1つとっても、今の内に知れたのはデカい。
「それにしても、これが本当だとすると…」
詳細は省くが、再誕10回後の成長要素には、これまで覚醒させてきた因子やパラメータが、参照されるようだ。
ふと気付くと、くらげさんからメッセージが届いていた。
『こんにちは、現在マンモスの巣に、質の悪いグループが屯しているため、近寄らないのが吉ですよ』という内容だった。
ありがたい忠告に従い、感謝の返信だけ送り、今日は別の場所に向かう事に。
生憎と誘える人が居なかったので、ソロで目的地に向かう。
今回向かうのは、何時だか偶然入り込んだ、砂漠の地下遺跡だ。
1人では危険かもしれないが、今の俺ならソロでもなんとかなるだろう。
一応、ガチの戦闘をを視野に、物資を目一杯用意してから砂漠を練り歩く。
「うーん…この間は此処から地下に吸い込まれたが、同じ場所からは無理か」
暫く彷徨う覚悟をしてが、少し移動したら流砂に呑まれ地下遺跡に入る事が出来た。
「良し、行くか」
こうして、二度目の地下遺跡の攻略が始まった。
前回同様、ミイラが安置されている部屋を前に、今回の目的をおさらいする。
目的は、ミイラの掃討、前回以上の探索、そして帰還、以上。
部屋に入り、前と同じギミックが作動し、棺からミイラが蘇る。
遺跡内の造りは依然と同じ様なので、ダッシュで出口まで向かい、何時でも逃げれるようにしたうえで、全力でミイラを迎え撃つ。
全力なので、当然LP調整も済ませて有るので、[スワンプマン]も都度発動。
部屋中通路中畑まみれにしつつ、先頭のミイラに使い魔を嗾ける。
これで、俺に出来る事は出し切ったので、後は適宜対応していくのみ。
そして、通路でミイラを迎え撃つこと三十分。
マンモス以上に堅く、二十分程碌にダメージが通らなかったミイラだが、STA回復阻害と戦いながら粘った甲斐あり、[制圧]の疲労が仕事をし、徐々にダメージが通る様に。
そこから十分かけて、漸く最初の1体の撃破に成功した。
「クソ、マジでかてぇ!!疲労で衰弱させきるまで二十分も掛る癖に、そこから更に十分も掛かるか」
なんせ、俺自身の安全も考慮して、通路で1体ずつ相手にしているから、兎に角効率が悪いったらない。
「でも、今の俺なら、十分安全マージンを取って倒せる事が判ったのは収穫だ」
俺は戦いながら、ミイラのドロップを確認する。
[朽ちた布]聖気を帯びたぼろ布。 コスト200。
[朽ちかけのアミュレット]かつては聖気を帯びていたであろう六芒星のお守り。 コスト1200。
[錆びた短剣]錆び付き朽ちかけた短剣。 コスト900。
[ビール酵母]古のパンの種。 コスト50。
とまあ、どれもこれもコストが矢鱈重く、如何にも凄いアイテムの素材になりそうな物ばかりだ。
こんな金目の物を落とす事が判り、モチベーションが上がった俺は、時間とコストが許す限りミイラを狩り、三時間ほどして遺跡を脱出して帰還した。
PAに戻り、先程の戦利品を競売で探すも、見つける事は出来なかった。
これでは相場が判らないので、一番ダブった上に、コストが重い短剣を、500万で出品。瞬殺された。
「という事は、存在自体は認知されていて、高需要なのか…」
だから、ミイラ由来の品々が探しても見つからないのか。
「うーん、加工した方が高く売れるのか?」
如何にも、関連素材の使い道が判らんので、職人衆にメッセージを送り聞く。
シルク曰く、[朽ちた布]は、現時点での最強クラスの防具やアパレルを作るのに、使用されることが多いそうで、競売に掛ける位なら、自分に1つ700万(相場は650万程らしい)で売ってくれと言うので、5つ全てを売り払った。
パミル曰く、[朽ちかけのアミュレット]は、色々なアクセサリに加工出来、中でも時計に加工すると、一定範囲内の敵の飛び道具の速度を大幅に遅くするという、とんでもない効果を発揮するらしく、その他使い道も多くて、非戦闘職の入手が絶望的となってる様だ。
当然こちらも売ってくれと言われたので、1つ1000万で2つ売った。
後は、あまり有効な利用方法が無かったので、4人から聞いた相場に二割ほど上乗せして出品しておいた。
現金を物に換え補完し、休憩を済ませ、再開。
再び地下遺跡を探し出し、先程の工程にキノコ栽培を追加。
マンモスと、同等の敵が犇めく地下遺跡は、とんでもない耕作地ランクで、先程購入した[暗闇トリュフ][死霊の腰掛]という、普通に栽培すると、ゴミ屑みたいな質にしかならないキノコ二種が、良くも悪くも一切の修飾語無しで、栽培出来てしまった。
この二種の駒菌は、1つコスト200で、30万もしたので、帰ったら超ぼったくり価格で出品してみよう。
そんな事をしてる間にも、順調にミイラを撃破出来、コストがいっぱいになったので帰還。
ミイラの戦利品を仕分けして、キノコを出品…と思ってたら。
「それを出品するなんてとんでもない!!」
とマッドに全て買い上げられてしまった。しめて1200万なり。
なんか、バフ用ポーションの素材として、重宝するようで、NPC売りの物は、深刻な品薄状態らしい。
「なら、駒菌を買い占めれたら、頑張って量産してみるか」
一週間後。
駒菌を買い占め、ミイラの素材集めと並行し、莫大な富を得た俺。
このままいけば、アプデ後早々にギフトを10個取得出来るのは確実だろう。
でも、ローレンス氏の情報が本当なら、限界突破後のLv上げの費用は…
兎に角、アプデが三日後に迫っているので、このまま金稼ぎを頑張るぞ。
そして三日後。
予定通りアプデが行われ、晴れてDIYはVer2.0を迎える。
その内容は以前予告されていた。
・Lvキャップの解放
・新たな惑星として、[ジェリーノイド]達の住処、移動惑星[ノウン226]の追加
・新たな惑星として、大商業区[バザー]の追加
・新たな惑星として、鬼の星[鬼ヶ島]の追加
・新たな惑星として、竜の星[ドラグーン]の追加
・カンパニーの上位版、コーポレーションの追加
に加え、
・カンパニーでの売上金のストック期限を三日に設定
が増えていた。
うわあああああああ。
これで、カンパニーを使った疑似銀行が出来なくなったので、これからは換金物を入れるチェストの管理が面倒になるな…
いや、死亡時のリスクが売上金ストックのせいで、事実上機能してなかったので、この措置は仕方ないのは解る。
でも面倒だなぁ…
アプデのダウンロード、インストールが完了し、ログイン。
真っ先にストック金を確かめると、幸いにして、期限の三日は今日からなので、急ぎはするが、今すぐ如何にかする必要は無さそうだ。
という事で、既にギフトを取り切る資金は溜まっているが、Lv上げは後回しにして、新しい惑星を見て回る事に。
「おお、久しぶりに来たけど、随分と綺麗になったな」
最初に訪れたのは、前にアラクネのキッカと調査に来た、惑星アンノウンこと、ノウン226だ。
前回来た時には、荒廃した元採掘場といった雰囲気だったが、現在は整備が行き届き、小綺麗な二次産業都市と言った感じだ。
ここは、政府と正式に種族同化条約を結んだ惑星なので、種族丸ごと同胞に加わった形なので、既に様々な種族が行きかう安全地帯となっている。
なので、以前襲って来た海月人間ことジェリーノイドや、獣人にケンタウロスがテレポーターを警備している。
さて、港区を抜け、都市内部へと進むと、成程。採掘していたのは宝石の等の、希少鉱物だったようで、至る所に宝石商が軒を連ねている。
確かに、ジェリーノイドは触手先が器用そうだもんな。
商店街を練り歩き、様々なお店をひやかす。
目玉はやはり宝石や貴金属の細工だろうが、ハイテク感満載な光線銃なんかも、心ときめくものがあった。
程なくして、一般人が立ち入れるエリアは踏破したので、引き返す事に。
これ以上は何かしらの条件を満たす必要があるっぽいから、今すぐどうこうは無理そうだ。
お次は大商業区バザーに向かう。
何故、惑星単位で区なのかは、他にも惑星単位で工業、研究、行政、と様々な部門が存在するからだそうだ。
要は、惑星規模で商売関係を担っている、人類の商業の中枢というわけだ。
そして、その片鱗は初っ端垣間見える。
港区の時点で、そこら中露店や屋台が展開され、NPCや初日という事で、少数ながらプレイヤーの客引き声が飛び交っている。
港区を離れ、中心地に向かって行くが、流石物流の中心地だけあって、道幅が凄く広く、全てにおいて貨物が優先される。
プロの配送業者に混ざり、臨時のプレイヤーが物を配達しているのも見受けられるため、ここで信用を得るならば、こういう手段は有効かもな。
そんで、例に漏れず、直ぐに一般エリアを踏破した為、バザーを後にした。
一旦PAに戻り、手空きの者を探す。
「今から鬼ヶ島に行ってみるんだが、どうだ?」
その場に居合わせたサーモンとトリオに声を掛け、OKを貰い5人で現地に向かう。
ギルドのテレポーターから、ドロップシップに跳ぶ。
鬼ヶ島は、一部を除き、殆どの鬼が敵なので、ホームもまだ存在しないので、降下からとなる。
目的はホーム建設の支援、中立及び友好的な鬼の捜索、敵意の強い鬼の撃退だ。
方針は降下してから決めよう、という事で鬼ヶ島へ降下。
エルフィン程ではないが、石や槍、矢に擲弾と、そこそこ対空砲火に晒される。
例によって大半が豚に吸われるので、ほぼ無傷で着地に成功。
取り敢えず、マーカーを頼りにホーム建設予定地に向かう。
「ホーム予定地が結構遠いな、どうせ歩くんなら鬼を探してみるか」
そうしよう、と4人も賛同し、周囲を見渡すと、踏み鳴らされた道を発見。
道なりに進むと、小鬼のゴブリンの集落を発見。
「んぎゃら、おみゃーらなんしんきたっさ」
と、若干訛りがあるものの、聞き取れる程度に人語を話すゴブリン。
「えーっと、入植の下見?」
「ふーん、まあよそのもののぶわきまえんらすきーせぇ」
言うなりとっとこ集落に引き籠ってしまった。
「ゴブリンは中立って感じかな?」
使い魔も反応しないし、その場を離れ少しすると、今度は敵意剥き出しのゴブリンに遭遇。
サーモンのゴブリンにも特に反応せず、淡々と敵対するので、どうやらゴブリンでも氏族や個体差がある様だ。
んで、この敵ゴブリン。かなり強い上に賢く、時間稼ぎが非常に上手かった。
一度は<魔道人形>で引き寄せ詰めたのだが、煙幕を焚かれ取り逃がし、それ以降引き寄せの間合いには入って来なかった。
少しして、戻って来ない仲間を探しにゴブリンが3体増え、それからはあっと言う間に10体のゴブリンに囲まれる羽目に。
数を揃えたゴブリンは戦巧者で、機動戦を仕掛けてきて、此方に的を絞らせない。
それでいて、ダメージローテーションも完璧で、下がった負傷者の治療と復帰も実に迅速だ。
一方こちらも負けじと応戦。
ショーの農耕牛を主軸に、ドッペルからの百姓召喚で強固かつ広大な陣を敷く。
そのまま畑の維持拡張をしつつ、使い魔を嗾ける。
サーモンは、ゴブリンをローテーションしながらオークやコボルドをサイクル。
ここぞという時にワームを呼び敵の連携を断つ。
トリオは、俺とサーモンが作った隙を突いて、しっかりとダメージを与えるが、やはり敵の数が多く、回復の手際が良すぎるので、押し切れずに膠着状態へ入った。
結局、向こうが先に折れ、撤退したので後を追わず、目的地へと向かった。
暫くして、物資の搬入と敵襲で慌ただしい予定地に到着。
そのまま襲撃の撃退に参加し撃退。きりが良いのでPAに帰還した。
「良し、今度はドラグーンだな」
先程同様、ギルドからドロップシップへワープするが、早々に修羅場全開で、ドロップシップが襲撃されていた。
「このまま本艦は落ちる!!乗組員は脱出を‼」
と言われたと思いきや、強制的にドロップシステムに押し込められ、わけもわからず対空砲火に晒され着地した。
開幕からドタバタしてたが、何とかドラグーンに乗り込む事が出来た。
「凄いな、『乗組員は脱出を!!』つってあの状況で放り出されたぞ」
「しかもバラバラにな。どうせなら別グループも近くで固まれるように落としてくれればいいものを」
と、投げやりな対応に愚痴りつつ、周囲を警戒。
「ッ!来ました!!ドラゴンです!!」
警戒していたラークが喚起し、ドラゴンを迎え撃つ。
ドラグーン初戦の相手は翼が二対ある真っ赤なドラゴンだった。
「アレは何ドラゴンだ?これまで見てきたたドラゴンよりも厳ついし強そうだ」
俺の<青龍>に蜂達と金蝙蝠が反応し、迎撃に向かう。
ドラゴンが使い魔を排除すべく、滞空しながら前足の太い爪で金蝙蝠を切り裂き、蜂をブレスで焼き払うが、硬直という隙が発生。
無防備な所を<青龍>に炙られ、ポンポンリスポンする蜂達が即座に追い付き毒爆撃を見舞う。
見たところ、使い魔の能力はドラゴンにも通じていて、戦いが成立する事に安堵するが、別のドラゴンの襲撃で、再び緊張が走る。
「今度は二足歩行のドラゴンだと!?」
どことなく、図鑑で見る様な恐竜のフォルムを彷彿とさせる…というか完全にティラノサウルスだよなこれ。
そんなT-Rexっぽいドラゴン。見た目通り獰猛で素早く、迎え撃つ<蛇の王>を華麗にスルーし、豚を捕まえて去っていった。
少しすると、怒り狂った様子で再び舞い戻って来たT-Rex。恐らく噛めど噛めど肉に辿り着かづ、それどころか膨らんで破裂した事で、狩りが徒労に終わってしまったのが、相当キタようだ。
なんか先程とは気迫が違うもん。
怒れるTちゃんに、ガーディアンが<ウォーターザッパー><ファイアーキャノン>の塩対応。
怯んでる隙に、鼠とマウスに張り付かれ、モルヒネ光線が決まり、終わったかと思ったが、そこは暴君の意地か、強引に拘束を振り払い、逃走されてしまった。
赤いドラゴンもこちらの対空能力の低さもあって、逃げられてしまった。
あれから何度かドラゴンの襲撃に遭うも、決定打に欠けるせいで、その悉くに逃走され、戦果は0のまま時間は過ぎ、救出部隊の到着によって、ドラグーンの初探索は幕を閉じた。
PAに戻り、パーティーを解散。
アプデで追加された惑星は、一通り見て回ったので、コーポレーションについて見てみる。
「何々~コーポレーションを設立するには、カンパニーとして十分な信用を得ている必要があり、設立費用は1億、と」
中々お高い。それに社名の決定が絶対で、NPCが絡んでくることは確定だそうだ。
「メリットは、設立時に決めた業種に大幅な補正が掛かる、か」
その業種は主に。
・傭兵
・一次産業
・二次産業
・三次産業(物流関連)
の4つに分けられる。
傭兵は、依頼を受けて戦場に出た場合、コーポレーションLvに応じてパラメータに補正が掛かる。
一次産業は、天然資源の産出量がLvに応じて増加。
二次産業は、クラフトにLvに応じた補正。
三次産業は、Lvに応じてコストを負担しないで物資を持ち運べ、ロストしなくなる。
という風になっている。
「社名必須なら、暫くは放置だな」
どれも魅力的な効果だが、面倒が増える以上は、今の人数では大変そうだ。
ま、格上げするにしても後になるだろう。
ちなみに、うちは今すぐにでもコーポレーションを設立出来る信用があるらしい。
「良し、新要素の確認も終えたし、先ずはアプデ前のカンストLvまで上げてしまうか」
ストックしていた資金を全て引き出し、教会に向かう。
担当者に話し掛け、Lvのシークバーを右に只管スライドさせる。
「さて、因子にパラメータの残り覚醒数は36。振り分けていくか」
先ずは因子からだが、一気にLvを上げ切れる関係上、経過のビルドを考慮する必要が無いのがありがたい。
お陰で、理想の振り分けが実現できる。
最初に振り分けるのは[獣人]で、現在の覚醒数は17回。そして方々から集めた情報によると、[獣人]の2回目の変化は覚醒数20回との事なので、3回覚醒させる。
すると、情報通りに[獣人]のスキルが変化したので、攻略サイトは勿論、NPC(主にローレンスさん)の情報も正確な事が判った。これで残り33。
次は[植物人間]で、現在の覚醒数は4回。
こいつの変化数は6回だが、【植物人間】を解放するために6回覚醒させ、計10回にする。
これで、ギフト【植物人間】を取得すれば、酸ダメージの脅威を軽減出来、スキルの<どこにでも生える>で[生命]をブースト出来る。残り27回。
次は、覚醒数12回の[吸血鬼]に13回振り分ける。
[吸血鬼]の2回目の変化は、覚醒数25回なので、かなり痛いが、思い切って2回目の変化を優先した。残り14回。
後は、4つの因子に振り分ける。
1つ目は[養蜂家]で、こいつの変化数は6回なので、6回覚醒。これで残り8回。
2つ目は[パイパー]で、こいつの変化数は5回なので、5回覚醒。残り3回。
3つ目は[養豚家]で、こいつの変化数は13回覚醒なので、残り回数3では遠く及ばないので、2回分振り分ける。
最後は[羊飼い]にした。こいつも変化に必要数が8と到底及ばないが、そこそこ長い期間、囮から先頭まで幅広く支えてくれたスキルが優秀なので、最期に滑り込ませた。
これで、因子の振り分けが完了したので、パラメータの厳選に移行する。
「さてと、【核細胞保護+1】の効果が…39%だから…」
取り敢えず[生命]を4回覚醒させ、覚醒数を28回にする。これで残り32。
「+2の効果は…51%!?うおおおおおおおおおお!!5割超えたよ!!」
正直、もう10回覚醒させないと、5割は超えないと思ってたが、望外の結果に大歓喜。
これで、無理に[生命]を覚醒させる必要が無くなった。
残り32回、これを有意義に振り分ける為、今一度これまでのビルドを見つめる。
思えば、俺のビルドは初期から[幸運]と共に在った。なのに最近では覚醒する事も止め、依存度も若干下がって来ている。
「やっぱ使い魔系スキルが4つも有って、アイテム運が上がるのは便利だよな」
という事で、原点回帰し、[幸運]の3回目のスキル変化を目指す。
[幸運]の3回目の変化には、覚醒数が20回必要なので、10回覚醒させる。
贅沢を言えば、4回目の変化をさせたかったが、必要数が55回と無理過ぎたので断念。
ちなみに全ての因子、パラメータの覚醒に依る変化数は5回が上限で、全ての因子、パラメータの5回目の変化に必要な覚醒数は90回となっている。一度も浮気せずに、1つの因子とパラメータに入れ込めば、到達できるという未知の領域だ。
残り22回、色々なパターンを想定し、今後に有利な振り分けを考えた結果。
[魔力]に7回[生命]に15回、覚醒数を振り分ける事にした。
理由は、先ず[魔力]の変化数が7で、初期から世話になっているスキルの元でもあるし、使い魔の火力に直結するので、魔力に7回。
さっき、[生命]は無理に覚醒する必要が無いと言ったが、その通り。この15回の覚醒は必要経費で、15回覚醒されば、[生命]の総覚醒数は43となり、【生への執着】が+4へとなるからだ。
他にもパターンを探ってみたが、これがベストだと信じ決断した。
…実を言うと、この直ぐ後に覚醒数に関して、一種の救済措置が有るので、ここまで神経質になる必要は無いが、ギフトの強化具合の確認という、切実な事情の為、少々切羽詰まった調整となってしまった。
ではこれよりギフトの紹介と取得を始める。
なんか順序がおかしいと思うかもしれないが、一々ギフトを選択して、覚醒させる因子とパラメータを説明するより、解り易いと思い、このような感じにさせて貰った。
では因子から紹介しよう。
【ワイルドハンター+1】あらゆる攻撃に[出血]と[疲労]の状態異常を付与し、元からついてる場合は更に強化する。
特に変わりも無いし、次いこう。
【肉球万歳+1】移動時の音を消す。
歩行時から、移動時になっているので、移動するときの音全般を消してくれるのだろう。
【獣の爪+1】素手で与えるダメージが60%乗算。
単純に効果が上がっているので、素手愛好家には嬉しいのかな?
【夜行性+1】夜間にパラメータが36%乗算。
相変わらず限定的過ぎるが、パラメータ36%乗算は強力過ぎる。
【獣人+1】覚醒済みの因子[獣人]を取得し、重複数も+1される。キャラメイク時に[獣人]を取得した場合、スキルの取得が可能になり、スキルも強化される。
最初から重複数+1、つまり、再誕直前で、重複数11になるわけか。強い。
【遮光+1】夜間判定の時間が長くなる。
無強化の効果が判らないので、何とも言えないが、夜間はリアルタイムの二時間半なので、それを更に伸ばせるなら、組み合わせ次第で化けるだろう。
【血の支配者+1】状態異常[出血]を無効化し、付近に居る敵を五十秒毎に12%確率で[出血]状態にする。
抽選間隔が短縮され、確率も上がった。敵が持ってたらクソめんどくせぇギフト。
【富血+1】LPが1%減る毎に、物理ダメージを1.2%軽減する。
効果がちょびっと強化された。
【化け物同盟+1】LPが1%以下の時、狼男が三十秒間召喚される。CTは八分。
クールタイムが短縮された。相変わらず条件が厳しい。
【吸血鬼+1】覚醒済みの因子[吸血鬼]を取得し、重複数も+1される。キャラメイク時に[吸血鬼]を取得した場合、スキルの取得が可能になり、スキルも強化される。
強い。
【真祖+2】[生命]を156%乗算する。
流石に+2ともなると、凶悪な効果だ。2.56倍だよ?ガチ。
【血の魔法陣+2】短時間で16%以上のLPを失った場合その場に魔法陣が展開され、魔法を使うとその魔法陣から一度だけ同じ魔法が発動され、魔法陣は消滅する。
元が30%以上の損害なので、随分と条件が緩和され、使いやすくなった印象。
【威圧の魔眼+2】範囲内の相手がSTA消費行動をした時、追加で8%STAを消費する。
範囲がどの程度かによるが、流石に事ある毎に8%もSTAを削られると、一部ビルドは死にそう。でもギフトってそういうもん。
【甘んじる代償+2】日光に当たってる間、20秒毎に11%のダメージを受ける代わりに、夜間は受けるダメージが40%減少する。
毎秒1%と比較すると、随分と優しくなった印象。やり繰り次第では真昼間からの運用も視野?
【引きこもり+2】屋内に居る場合と天候が雨の場合、夜間の判定を得る。
これ系のギフトは、ロールプレイ用と思ってたが中々どうして…+2でこれは…
【鍬の達人】鍬を片手で使用出来る様になり、開墾速度が二倍になる。
[百姓]5つ目のギフト。
これはヤバい。出来る事が実質倍になるのに、開墾速度まで倍になるという壊れっぷり。
これが有れば、剣を振りながら畑を作れるので、戦闘職とのハイブリッドには、大幅な選択肢増を齎すだろう。
長くなったので次回へ続く…
お次も二週間程で。
あと、次回以降、少しの間ステータス関連が、文章の何割かを占めてしまう事が有ると思います。
個人的には、なるべくそういった要素で文字数を稼ぎたくは無いのですが、どうしても状況説明として削る事が出来ないと思うので、生暖かい目で見逃してくれると幸いです。




