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第62話 復讐/ギルフォード 後編

前回のあらすじ

バニラと双子の片割れを殺した

 

 不自然に首が折れ曲がった我が子の姿を目の当たりにして、ルイスはやや半狂乱に陥る。


「な……ギル、貴方! 自分が何をしたのか分かってるの!?」

「分かってるよ。ボクのこの手で殺したんだ。自分の子供じゃないんだから、どうしようとボクの勝手でしょ?」

「それでも貴方の子よ!」

「……うるさい、なあ!」


 ギルフォードは苛立たしげに、ルイスの顔を殴る。

 その衝撃で、ルイスはベッドの上から転げ落ちる。


 今までギルフォードに暴力を振るわれた事が無いルイスは、殴られた場所を押さえながら信じられないモノでも見るような眼差しでギルフォードを見上げる。


「えっ……ギル……?」

「ボクに口答えするなよ、アバズレが。……ああ。片割れが居なくなっちゃ可哀想だよね。今送ってあげるよ」


 ギルフォードはそう言い、事切れた双子の片割れをぞんざいに床に投げ捨てる。

 そしてもう片方の双子も、首をへし折る事で殺害する。


「あ……そっちは正真正銘、貴方の子でしょ!? 殺す必要は無かったじゃない!」

「双子の片割れが居なくなったんだ。一人だけなんてお互いに可哀想だろう? だから一緒に居られるようにしたんだよ」

「……狂ってるわよ、ギル」

「狂わせたのはキミだろう、ルイス」


 事実を告げられ、ルイスは何の反論も出来なかった。

 そんなルイスに、ギルフォードはゆっくりと近付いていく。

 これまでの行いに恐怖したルイスは、ギルフォードから距離を取ろうと後退りする。

 しかしすぐに背中が壁に付き、ギルフォードも追い付く。


「そんなに逃げなくてもいいじゃないか」

「だ……だって今のギルは正気じゃない! それで怖がらずにいられる!?」

「そうかな? ……ああ。母親が傍にいないと子供達も可哀想だよね? 送ってあげないと……」

「いや……止めて!」


 さらに近付いてきたギルフォードの身体を、ルイスはおもいっきり突き飛ばす。

 ルイスからの不意打ちを喰らい、ギルフォードは尻餅をつく。


 その隙にルイスはギルフォードから逃げるように、床を這うように移動して部屋の出口へと向かう。

 しかしギルフォードの回復の方が早かった。


 ギルフォードはルイスの足を掴むと、自分の方へと引き寄せる。

 予想よりも早いギルフォードの回復に、ルイスはパニックに陥る。


「いや! 離してっ!」

「非道い事を言うなあ、ルイスは」


 そう言い、ギルフォードはルイスを仰向けに押し倒し、両足を使ってルイスの両足を押さえ付ける。

 そして乱暴に、ビリビリとルイスの衣服を引き千切っていく。


「いやっ! 止めてったら! 止めてっ!」

「そんな事言うなよ。グランは女性をやや乱暴に扱うのが好きだった。そんなグランと関係を持ってたんだ。本当はこうされるのが好きなんでしょ?」

「ち……違う! 好きじゃない!」

「そっか……やっぱりボクの事は好きじゃないんだね」

「そうじゃなく、てっ……!」


 ルイスがまだ言葉を続けようとしたその時、ギルフォードはルイスの首に手を掛けて締めていく。

 その手を離そうと、ルイスの手が力無くギルフォードの手を掴む。


「ギ、ル……離し、て……」

「安心しなよ、ルイス。今すぐキミの愛しの男と子供がいる場所に送ってあげるから」

「止、めて……」

「後悔してももう遅いよ」


 ギルフォードは両手に力を込め、更にきつくルイスの首を締めていく。

 ルイスも最初は抵抗していても、徐々にその手から力が抜けていく。

 そしてルイスの手がパタリと床に落ち、涙を流しながら事切れた。


 自らの妻すら手に掛けたギルフォードはゆっくりと立ち上がり、後退りする。

 やがて背中が壁にぶつかり、そこでようやく止まる。


「……安心しなよ、ルイス。ボクもすぐにそっちにいくから……《ファイアボール》」


 ギルフォードは火属性の魔法を乱発し、ベッドやタンス、揺り籠などを焼き尽くしていく。

 その炎は屋敷全体にも燃え移り、大きな火災へと変化していく。

 炎はルイス達の遺体をも呑み込み、跡形も無く焼き尽くしていく。


 そんな惨状を引き起こしたギルフォードは、燃え盛る屋敷の中で恍惚とした笑みを浮かべる。

 そんな彼の身体を、焼け落ちた屋敷の柱が押し潰し、燃やし尽くした―――。




 ◇◇◇◇◇




 夜空を焼くように燃え盛るギルの屋敷を、俺は木陰から見守っていた。

 ギル自らの手で家族を殺すように洗脳したが……結果は想像以上だった。

 あれだけ燃えていれば、ギルも含めて屋敷のニンゲン全員無事では済まないだろう。

 生き残る者はほぼゼロに等しいに違いない。


「……ありがとう、ギルフォード。そして……さようならだ」


 自らの手を汚す事無く復讐出来た事に感謝しつつ、俺はその場を後にした―――。






直接手を下す以外の復讐があってもいいと思い、ギルフォードはこんな結末にしました。

残すは後ルナセール一人のみ。




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