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第21話 視察 その4

前回のあらすじ

リアの実力は勇者パーティー級

 

 それから五日ほど掛けて、残りの村を見て回った。

 今はプロキオンの街に戻る途中で、小川の近くで小休止を取っていた。


 それにしても……新興したばかりの村であるオレンジの村とイエローの村でも黒衣の人物の話を聞くことになるとは思わなかった。

 二つの村共、スカーレットの村とは違い大型の魔物に襲撃されかけた所を助けられたらしい。


 大型の魔物が人里を襲撃すること自体はそれなりに起こる事件だから驚くようなことじゃないが、魔物の正体が問題だった。

 その魔物というのが、エンペラードラゴンとキメライーターだった。


 エンペラードラゴンは竜の皇帝の名の通り、通常のドラゴンの十倍以上もの強さを誇る。

 通常のドラゴンであれば、SSランク冒険者なら状況次第では単騎での撃破も可能だった。

 実際、俺を含めた勇者パーティーのメンバー全員、単騎でのドラゴン討伐の経験はある。


 だけどエンペラードラゴンは単騎での撃破はまず不可能とされている。

 勇者パーティーでも一度だけエンペラードラゴンと対峙したが、メンバー全員が満身創痍になるくらいの本当にギリギリの戦いだった。


 不幸中の幸いなのは、エンペラードラゴン自体が個体数が少なく、人里にもあまり降りてこないから被害報告がそんなに無いことくらいか。


 そしてもう片方のキメライーターという魔物が、これまた厄介な魔物だった。

 キメライーターは分類的にはスライムの一種だが、とても悪食という特徴がある。


 悪食の範囲はとても広く、草花や岩石はもちろん、他の魔物やニンゲンでさえも貪り喰らってしまう。

 そして喰らった生物の特徴を有するようになる。


 その特徴から、冒険者ギルドからも災厄級の魔物として冒険者達に注意喚起されている。

 実際、キメライーターによって一つの街が一夜にして滅ぼされたという記録もあるほどだった。


 そんな危険過ぎる魔物達を、黒衣の人物はたった一人で、文字通り瞬殺したようだった。

 何なら、一部の村人達からは神が遣わした御使いだとして英雄視もされていた。


 俺が言うのもなんだが、デタラメが過ぎる。

 本当にニンゲンなのかと疑いたくなってくる。


 そんなことを考えていると、遠くの方でヒトの悲鳴が聞こえた。


「ちょっと確認してくる。ベルはエンデのことを頼む。……フレディ、パンジー。俺についてこい」

「畏まりました」

「はい!」

「分かりました!」

「クリスさん、気を付けてくださいね!」


 エンデの言葉に俺は無言で頷き、現役冒険者の二人を連れて悲鳴が聞こえた方へと走って行った―――。




 ◇◇◇◇◇




 俺達がいた街道から雑木林を抜けた先にあるもう一つの街道で。

 そこで、横転している馬車を発見した。

 馬車を引いていた馬は殺されており、御者も同様だった。


 そして馬車を取り囲むように野盗らしきニンゲンの死体があり、その中央に件の黒衣の人物が立っていた。


「お前、は……」

「……っ!」


 黒衣の人物が俺の方に顔を向けた瞬間、動揺した雰囲気が伝わってくる。

 アイツは俺のことを知っている……? でも俺に心当たりは全くない。


 すると黒衣の人物が、男か女かはっきりしない声音で話す。


「ジブンはライアー。それ以上でもそれ以下でもない。そこの馬車が野盗に襲われていたから助けただけだ。何なら、手柄は貴殿に全てくれてやろう」

「待て!」

「クリスさん! まずは生存者の確認をしないと!」


 俺達の前から足早に立ち去ろうとする黒衣の人物―ライアーを追い掛けようとするが、フレディの言葉で踏み留まる。

 歯痒いが、彼の言った通り今は生存者の確認が先だ。


 俺は横転した馬車の上に飛び乗り、ドアを開ける。

 すると中にいた人物達を見て、俺は目を見開く。


「ファリナ夫人に、ドーラ夫人達も……どうしてここに?」


 俺の目の前には、グランの側室達がいた―――。






前座が長くなりましたが、そろそろ始まりますよ。

クリス/エドによる復讐劇が。




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