第24話 迷宮主は地球人(8)
ダンジョン生活130日目。
「藍、寂しいと感じたら帰って来てもいいからな? でも、これは必要なことなんだ。できるだけ頑張ってくれると、俺も嬉しい」
「はい、わかりました!」
藍は手を上げて返事をした後、ダンジョンの10Fから1Fを目指して歩き始めた。
今日、藍を近くの街へ派遣した。
理由は簡単、このダンジョンの存在を広める為だ。藍には大量の鉱物と武器、それとモンスターの鱗だとか皮とか、挑戦者が好んで入手していた物を中心に大量の素材を持たせてある。それを街についたらできるだけ小分けで捌いて、あそこの洞窟で入手したみたいなことを広めろと命令した。
その後は、この洞窟へのタクシー的な役割を任せてある。
何匹かのモンスターが引く荷馬車を用意したので、それを藍のアイテムボックスに入れてある。荷馬車を引くモンスターは適当な種類を選んであるし、それでしばらくの間、ここと街を往復する事業を始めようと思った。加えて、ここと街の間の道をさり気なく整地するように言ってある。水魔法と土魔法が得意な藍なら、この仕事はぴったりだと思った。
ここ最近は挑戦者の数も増えてきて、安定したDPを得られるようになってきた。
多くの挑戦者は1F~5Fの間をうろうろしているが、極稀に、深層を目指す者もでてきた。複数いるうちの一人か二人を殺してあとは逃がしたり、全滅させてみたり、または全員返してみたり、様々なパターンを試した。
既に2Fの資源は枯渇していて、3Fに人が集中している。
定期的に鉱物を設置しているが、すぐに取りつくされてしまうんだ。自動生成も間に合わない。3Fには芋虫がいるし、それ程採掘作業に集中できないみたいだが……それでも50%くらいは到達されてしまっていた。毎日2~3人くらいは殺せているが、それ以上に芋虫が狩られている。ピッケルみたいなのでざくざくされてる。可哀想……とは思わない。すぐに復活するし、彼らに痛覚はない。死んだら死んだで、もう一回行くぜーと意気揚々に突撃するくらいだ。
復活すると言えば、迷宮主族である俺もダンジョンモンスターとしてカウントされるので、例えば何かの拍子に死んでしまったとしても、この部屋で復活するみたい。試しに……で死んでみたわけではないけど、パソコン情報なので信用できると思う。
部屋に戻って、椅子に腰かける。
相変わらず紅はスマホ弄りに夢中だし、桜は訓練装置で仮想プログラムと戦っている。皆、自分のやるべきことをやってる。……俺も仕事しよう。ダンジョン製作に終わりはないからね。




