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日常の破壊者  作者: ファミ・ローⅦ世
3rd~模倣の因縁~
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201/202

責任①~日が昇るまで~

沖縄県那覇市

沖縄県庁

知事公室

現地対策本部の本部長である沖縄県知事の記者会見に県内外の多くのマスコミが集まり、知事である根間知事が現れた。

スクリーンに急ごしらえでパワーポイントで作成した資料を映し出しながら会見が行われる。


「沖縄県知事の根間次郎です。現在、沖縄県那覇市で発生しています、国際通りでのテロに関する会見を始めます。まずは犠牲になった方々へ黙祷を捧げます」


その会場にいる全員が立ち上がり、黙祷をすると早速、会見に移る。


「始めに、事件の経緯からですが・・・」


根間知事はパワーポイントを操作し、今回のテロの時系列が簡単に並んでいる画面へと切り替えた。


「10月13日午後7時半頃に国際通りにて爆発を確認しました。私も県議会の予算審議委員会であったため、県庁内に居り、大きな音と揺れは感じました」


その時の事を思い出しながら根間知事は会見を進める。


「この午後7時半に発生した爆発を第一波とし、国際通りのコンビニエンスストアが全て標的にされた模様。すぐさま県は現地対策本部、政府も危機管理対策センターを立ち上げ、対策を行う事となりました。しかしながら、状況は芳しくなく、まずは緊急車両が金曜日であるが故に車社会である我が県の問題の一つとされている慢性的な渋滞に巻き込まれ、到着が遅延。観光県である事でレンタカーによって道路が塞がれて救出活動や消火活動に大きな支障をきたす事となりました」


続けて、細かい状況説明に入った。


「渋滞により、管轄となっている2つの消防署のうち、神里消防署の消防隊が到着が遅れ、それまでは先行していた西町消防署の消防隊による救助活動と消火活動が行われてましたが、たった1個小隊では間に合わず、自衛隊へ出動を要請しました。しかし、この自衛隊の出動に関しまして市民団体から周辺国を刺激しかねないとして出動要請を取り下げるよう意見が寄せられました。しかし、事態は逼迫しており、そのような意見を受け入れる事は出来ないと判断しました。先行して航空自衛隊が出動し、臨時の医療体制の確立を図り、県民広場を開放して応急処置を行わせました」


市民団体―左翼活動家からの妨害があった事を会見で話した瞬間、一斉に強いフラッシュがたかれた。

今までの沖縄県知事はここまで強硬的な手段に出た事はなく、保守系の知事ですら刺激しないようにしていたのだった。


「ですが、市民団体による妨害行動によって自衛隊の出動に制限がかかるようになったため、救助活動ならびに消火活動が遅延する事態にまで発展していました。そこで我々は協力を申し出てきた在日アメリカ軍の要請を受け入れ、先ほどまでにアメリカ軍のオスプレイによる搬送によって中部方面、北部方面の医療施設への分散化が図られています。これによって那覇市内のみに集中していた病床使用率は低下、県民広場の臨時の医療施設の状況も変わりつつあります」


根間知事が在日米軍側から協力があった事を明かすと一斉にフラッシュがたかれ、明らかに在日米軍からの協力要請を快く思わないマスコミが意地の悪い質問をすでに思いついたようだった。


「また、救助活動に関しましても、県警による交通整理によって渋滞が解消され、現地対策本部が立案した作戦により、沖縄を修学旅行で訪れている神奈川県立天国高校、生鈴学園矢田高校、春夏学院第六高校、春夏学院第六中学校の生徒らの誘導にも成功、現在は各受け入れ先の医療施設にてメディカルチェックを受けているという報告を受けています。以上を現地対策本部による報告とさせていただきます」


会見は質疑応答へ移り、さっそくマスコミが想定されていた在日米軍による夜間のオスプレイの飛行と着陸の事を突いてきた。


「琉球タイムスの阿部です。夜間のアメリカ軍によるオスプレイの飛行や着陸に関してですが、県民感情への配慮は考慮しなかったのでしょうか?」


この質問に根間知事は「状況がひっ迫している事が第一と、被害に遭われた方々の生命を優先的に考えた結果、アメリカ軍の要請を受け入れる事が最善と判断しました」と答える。

この返答に対して阿部は「それはつまり、オスプレイの飛行による騒音で日常生活に支障をきたしても構わないという事でしょうか?」と噛みついてきた。


「県民の皆様には多大な迷惑をおかけしていると感じております。しかし、被害に遭われた方々の中には一刻も早く医療体制の整った場所で治療を行わなければならない方もいます。我々はあくまで県民の感情よりも、県民の生命を優先しました。まさしく、命どぅぬちどぅたからです」


この返答に先ほど同様に多くのフラッシュがたかれた。

阿部記者は「オスプレイの機材の使用に関しては何も問題はないと判断したのですか?」と訊くと、根間知事は「アメリカ軍に一任し、最も適切な判断を下したと考えています」と答え、そのまま話を続けた。


「今回、韓国で訓練を受けていたナイトストーカーズは本来は兵員輸送を目的としている部隊で、最も適した機材としてオスプレイの使用をしてきたのだと考えています。救急のストレッチャーを複数台、運び込む事とそれに関連する人員の輸送を行うための機材としてアメリカ軍側はオスプレイの使用が適切であると判断し、それを我々も受け入れた形となります」


あくまで被害に遭った人達の人命を優先した判断を受け入れたとした事を強調した回答に阿部は「わかりました。ありがとうございました」と質問を終える。

その後の質問は実のある質問とは言えず、また、「テロリストの正体に関してどこまで特定が進んでいますか?」という質問に関しては「まだ捜査の段階であるため、答える事が出来ない」と答えたのだった。

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