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日常の破壊者  作者: ファミ・ローⅦ世
3rd~模倣の因縁~
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202/202

責任②~命の色~

――――発生から1時間経過。

沖縄県那覇市古島

那覇市立那覇中央医療センター

救急救命科救急センター

モノレール連絡口

警備員は17時の時点で閉めていたモノレールとの連絡口のシャッターを開けた。

その連絡口には救急救命科の医師や看護師らが集まり、患者の到着を待っていた。


「第一便、到着します」


医局に詰めていた看護師から到着が告げられた。

その直後、ストレッチャーのキャスターの音がし、連絡口に現場へ向かった救急隊員と塩川が現れた。

他にも自衛隊員が患者を乗せた担架を担いできており、想定よりも続々と到着する患者に一瞬だけ医師や看護師らはうろたえた。


「さぁ、始まったばかりだ。気を抜かずに!」


「は、はい!!」


医師らはすぐに処置へと移り、看護師は必要な道具出しを行う。

処置が済んだ患者は予め用意されていた病室へと移されていく。

病院内が慌ただしくなり、平和団事件の取材で被害者から話を聞いていた大川は救急科に出向く。

大川も国際通りのテロの件は情報として耳にしていたものの、まさかモノレールで搬送してくるとは思ってもなかったのだった。


「東洋ニュースコム沖縄特派員の大川です。取材を・・・」


取材を申し込もうとしたが、その慌ただしさを目の当たりにして、とても声すらかけられる状態ではないと判断し、カメラをまわすのみに留める事にした。

許可は後で取る事にして、すぐにカメラのスイッチを入れた。

――――――――――――――――――――


沖縄県那覇市

与儀警察署

取調室

津波古は「そういえば、一つ思い出した」と比嘉と翁長に話しかける。

すかさず比嘉は「何を思い出しましたか?」とそれに応じる。


「ケンゴは松山のキャバクラの黒服だったんだが、住み込みだったんだ」


「新垣研吾は確かにキャバクラの黒服もやっていたと公安調査庁の調査で明らかになっています。たしか、リゾートジャングルグループのスウィートミントだったかと」


「はぁ?そんなところで働いてるわけないだろ、未成年がよ」


「比嘉さん、確かにこのスウィートミント、未成年者は働けません」


「そうなんですか?・・・」


「松山で未成年がそういうところで働くとしたら、同じリゾートジャングルグループのブラックサンだ」


「ブラックサン?登記はありますか?」


「ありません。おそらくは、未登記の、違法風俗店と思われます」


「詳しくお聞かせ願いませんか?」


「あぁ?だったら、タバコ。タバコくれよ」


「申し訳ないんですが、私もここにいる翁長も非喫煙者なんです」


「チッ・・・」


「それに、我々があなたに供述をしてもらうためにそういったものを提供するのは禁止されているんでです」


「あぁ?知らねーよ!!」


「しかし・・・そろそろ、あなたもお腹が空いてきた事でしょう。お食事くらいなら提供いたしましょう」


比嘉に促された翁長は取調室を出て買い出しへ向かった。

津波古もそれくらいなら、と渋々納得をする。

――――――――――――――――――――


"作戦の変更を伝える。テロリストは左翼活動家ではない。繰り返す。テロリストは左翼活動家ではない。大至急、本隊へ合流せよ"


特殊作戦群の隊員で左翼活動家らに潜入していた桜橋と渋谷川は陸上自衛隊那覇駐屯地のゲート前で座り込みをしていたが、ゲート前の警備員から懐中電灯によるモールス信号で作戦の変更を伝えられた。

2人は那覇駐屯地の座り込みをしていたが、どうにか抜け出して本隊へ合流する事にした。

だが、人数的にここで抜け出してしまうと座り込みの意味がなくなってしまうのだった。

―困った・・・このままでは自分達が潜入していた事がバレてしまう

2人は「大至急」と言われたものの、状況が芳しくない事で抜け出すのに時間がかかると考えた。

トイレに行くという口実も近くのコンビニまでの距離と往復する時間から遅くなればすぐにバレてしまうのだった。

やり方が一つあるとしたら、やはりこの左翼活動家らを逮捕するに至らせるしかなく、その合図も事前に決めてあるのだった。

桜橋と渋谷川はこの結論に至り、目の前にいる警察とゲート前の警備員の両方へ予め決めてあった合図―スマホのアラームを5分後にかけ、警察に逮捕に踏み切らせることにした。

座り込みからはすでに1時間が経っており、逮捕状も請求されている事から警察に逮捕させるには充分であった。

合図として決めていたスマホからの音源とは思えないフランダースの犬の主題歌である「よあけのみち」が16和音で演奏されたアラーム音が流れ、左翼活動家らは誰の携帯電話からなんだ?とキョロキョロと辺りを見回す。

その瞬間、盾を持った警察の機動隊が一斉に走り出し、左翼活動家らを取り囲もうとする。

しかし、すぐに左翼活動家らは抵抗をし始め、機動隊員に「お前の家は知っているぞ!」等の暴言を浴びせるが、1人につき複数で対応しているため、あっさりと手錠をかけられた。

それは桜橋と渋谷川も同様であったが、この2人に関してはすぐに投降をしたため、別の車両へ連れ込まれる。

だが、その連れ込まれた車両は特殊作戦群が用意した車両であり、桜橋と渋谷川は本隊への合流する事に成功した。―――――

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