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45 秘密






「それは駄目です」


 神代 七が変なことを言うのは日常である。

 特に彼氏の玖来 烈火と一緒に下校している時は、会話の中にすぐに放り込んでくる。

 今回は烈火のほうから話題を振って、それの返しだった。

 なにが駄目かと言えば、烈火の提案。


「今日こそ七ちゃん家に行ってみたいんだが」


 と、至って普通極まる物言いである。

 どこにも不備はないし、恋人同士であるなら頻繁に通ってもおかしくはないのに。

 返答は決まってこれだ。


「それは駄目です」

「なんで」


 付き合いはじめてからずっとずっと言い続けていることだ、ちょっと烈火も意固地になる。

 なに、なにが駄目なの。部屋が汚いの? 掃除するまで待つしなんなら別の日にしますよ。見られたくないものとかも隠していいし、家族に会わせるのが恥ずかしいならいない日でもいい。

 烈火の言もなんのその、七ちゃん駄目の一点張り。


「駄目なものは駄目だからです。大宇宙の法則です、真理の扉です、企業秘密です」

「一回も行ったことねぇけど、お前ん家どうなってんの?」

「教えません。女性には謎があったほうが魅力的ですから」

「よくわからんところで謎作りやがって……いい加減ストーキングして家探すぞ、おれ」

「玖来さんはそんな紳士に反する行いはしない方なので安心していますよ」


 そう言われては手出し不可。

 今日も烈火は七ちゃん七不思議のひとつに頭を抱えるのでした。







 特に意味はありません。

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