第60話【武闘大会】
2日目に入り今日の種目は【武闘大会】が開催される。
「準備はいいか?」
「うん!」
「もちろんです!」
「負けないわ!」
「昨日の失敗を取り戻してやるぜ!」
長距離走をリタイヤし、気落ちしていたスバラもどうやら落ち着いてやる気を出している。
「対戦表が出たぞ」
武闘大会はトーナメント方式で開催され、各クラスのチームで闘うのだが、ルールはくじ引きで当たりを引いた方が自由に決められる。
自由と言っても無茶なルールは却下されるが、当たりを引いたチームが有利になるのは間違いないだろう。
「ごめん……ハズレだ……」
スバラが代表でくじを引いて来たがどうやらハズレを引いてしまったようだ。
「もう、何やってんのよ」
「気にすんなよ、どんな条件でも勝てばいいんだからな」
「そうだよな! よし、みんな頑張ろう!」
相手は中級者チーム……その相手が決めたルールは……全員で闘うバトルロイヤル形式。
個人の力では無く、チームとしての力が試される。
そう来るとは思っていなかった。
「前に出て闘うのは俺とディーンだよな。 キュールとシアンとリアンは俺達の補助を頼むよ」
「そうね、それが1番いいかもしれないわ」
「ディーンはどう思う?」
「そうだな……」
俺とリアンが先頭に出て暴れればすぐに終わりそうだが……それではチームの意味は無いからな……。
「スバラの提案でもいいが、前に出て闘うのはキュールとスバラで、俺はリアンとシアンを守るってのはどうだ?」
「ディーンが戦えば早く終わるんじゃないか?」
「いや、相手の出方がまだわからないからな……2人を守るのも重要だ」
「そうか? ディーンがそう言うならそれでいいぜ!」
こちらの作戦は決まった……。
「それでは試合を開始します! はじめっ!」
相手のチームは扇状に広がり真ん中3人、左右に1人ずつの陣形だ。
恐らく真ん中3人を両端の仲間がサポートするのだろう。
「来たぞ! キュール、迎え討つぞ!」
「ええ!」
3人対2人は分が悪いか?
向かって来た相手の3人は更に広がり真ん中1人、少し離れて両端2人へとなる。
真ん中はスバラが相手をし、右をキュールが相手をするが……。
3人の内、左側の1人はスバラ、キュールをスルーして俺達を狙って来る。
「こいつは俺が相手をする!」
向かって来た1人を相手にする時、扇形の外側にいる1人はスバラとキュールが相手をしている2人にバフをかけ、もう1人は遠距離の魔法を飛ばして来た。
飛んでくる魔法はリアンが防ぎ、シアンはスバラとキュールに回復魔法をかけたりしている。
相手も良いチームワークだが、こちらも負けてない!
俺は向かって来た1人を叩き伏せ、魔法を飛ばして来る1人に向かって行く。
「先に叩くなら遠距離のやつだ!」
向かって来る俺に対して魔法を飛ばして来るが、こんな遅けりゃ躱すのは楽勝だ。
魔法を躱し、あっさりと叩き伏せる。
「よっしゃー!!」
どうやらスバラもキュールもシアンの援護があったおかげで勝てたようだな。
「やるじゃ無いか」
「当然だろ!」
「シアンも援護ありがとう」
「そ、そんな、大したことは……」
「次もどんどん勝ち進むぞー!」
スバラの言葉通り、俺達は順調に勝ち進み決勝へと進んだ。
これには各クラスの生徒もびっくりしている。
1番下のクラスのはずが、決勝進出だからな。
「ここまで来るとは驚きだ」
「少しはやるじゃ無いか」
いつも喧嘩をふっかけてダリクとモーヘンの2人を試合に出場出来ないようにした奴らだ。
「ボコボコにしてやるから泣くんじゃないぜ。 ひゃーはっはっはっ!」
こいつ……。
俺的には決勝まで来たんだから満足だったんだが……やはり倒すしかないな……。
「あいつら好き勝手に言いやがって……」
スバラは文句を言っているが、あんな奴らでも決勝まで来られる実力がある。
ならこちらもそれなりに対応してやらないとな。
「今回は俺とリアンが先頭に立つ。 3人は援護を頼む」
「ちょっと兄さんいいの?」
「ああ、少し懲らしめてやらないとな」
「ちゃんと手加減してよ」
「それなら大丈夫だ」
始まりの合図がかかり、俺は真っ先に飛び出して木剣で2人を吹き飛ばし、突然来た俺に驚き戸惑っている3人の内、2人を更に叩きのめす。
「え? え? な、なにが……」
最後の1人はオロオロとし始め、動けないでいる所にリアンのかる〜い魔法が炸裂し、今大会の中でも1番早くに決着がついてしまった。
「…………」
「おい、どうなってんだ……?」
試合を見ていた観客も何が起きたのかわからないようで、ポカーンとしてしまっている。
「……はっ! スバラチームの優勝!」
審判をしていた先生はすぐに気を取り戻して俺達の優勝を宣言した。
「うおおおお! やったぜ!」
「優勝よ!優勝!」
「まてまて、まだ武闘大会で優勝しただけだ。 メインはこの後のダンジョン探索だろ?」
「そうだけど、ちょっとくらいはいいんじゃない?」
「……それはそうだな」
俺達は喜び合い、この後のダンジョン探索へと移動を始めた。
読んで頂きありがとうございます。
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