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異世界最強勇者の逃亡生活 〜旅する仲間は俺の弟子〜  作者: かなちょろ
第二章 【冒険者学校】

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第58話【試合1日目】

 試合当日、朝早くからポンポンと小さい花火が上がり、全てのクラスが出場する大会が始まった。

 1日目の最初の種目はランダムで選んだ紙に書かれている薬を5時間で作ることになっている。


「作る薬は【フルポーション】が」

「なんだ、簡単じゃないか」

「兄さんこれ、そうでもないわよ……」

「そうですね……」

「普通のポーションと何が違うの?」

「これは傷、体力の回復はもちろんだけどほぼ全ての毒も治せるポーションなのよ」

「そうなんです。 このほとんどの毒を治癒出来る材料の採取が大変なんです」

「俺達に任せておけよ。 だからリアンとシアンは調合の準備を頼むぜ」

「私も行くわ」


 リアンは材料を取りに行く準備を始めた。


「リアンはシアンを手伝ってくれてればいいけど?」

「2人じゃ多分採取は無理だと思うわよ」

「そうか?」

「シアンの手伝いはキュールに任せるわ」

「わ、わかったわ……頑張ってみる……」

「お願いね、それじゃ2人共行きましょう」


 指定された薬の材料は町の近くで採取が出来る物になっている。

 私達3人は森へと急いだ。


「この【ベノムマリム草】って猛毒の草じゃなかったか?」

「これ単体だとそうだけど、他の物と調合すると毒が消えるのよ……授業で習ったと思うけど?」

「そ、そうだったか? ディーン覚えてた?」

「も、もちろんさ……」

「……ついて来てよかった……」


 ベノムマリム草はジメッとした光があまり当たらない岩場の陰などによく生えている。


「それじゃ岩の隙間なんかを探せばいいんだな」

「待って、下手に手を入れたりするとベノムハブがいる事があるから気をつけて」

「噛まれたらどうなる?」

「毒で手が腫れて腐り落ちるわ……最悪毒が全身に回ると死ぬわよ」

「……気をつけるよ……」


 ベノムマリム草を探して1時間が過ぎた……。


「見つからないな……」

「結構レアな草だからね……調合の時間も考えればそろそろ見つけないと……」


 草木を分けて岩場を集中的に探すもなかなか見つかっていなかった時、スバラの叫びが聞こえた。


「おい! 2人ともー! こっちに来てくれー!」


 スバラは岩の下に空いている穴に花が咲いているのを見つけた。


「スバラよく見つけたわね! お手柄よ!」

「まぁな……しかし……」

「どう採取するか……」


 ベノムマリム草がある周りにはベノムハブが重なり合うようにウヨウヨといる。


「これじゃ下手な魔法は使えないし」

「そうだな、一匹ずつ取り除くのも時間がかかりそうだ」

「そうね、私に任せて……ダクスちゃん!」


 リアンはダクスを取り出しベノムハブのいる中へと投げ込んだ。


「お、おい……」

「大丈夫よ」


 ダクスはベノムハブをものともせずベノムマリム草を体に取り込んでリアンの元へ戻って来た。


「ダクスちゃんありがと」


 ダクスは体からベノムマリム草をリアンに渡すと、リアンの腰にある布の入れ物へと入って行く。


「リアン、今のはスライムか?」

「そうよ……私の大事な友達でもあるけどね」

「あんなスライム初めて見た」

「ダクスちゃんは特別なのよ」

「リアンはテイマーのスキル持ちなのか?」

「ちょっと違うけど、ダクスちゃんはある人からの贈り物なんだ」

「ふ〜ん……しかしベノムハブの毒やベノムマリム草の毒も効いてないなんて凄いスライムだな」

「でしょ!」


 リアンはダクスを褒められて少し嬉しいようだ。


「採取は完了したし、早く戻ろう」

「うん!」

「おー!」


 3人が森の中で採取をしている時、残ったシアンとキュールの2人は調合の準備を進めていた。


「これでよし……3人共大丈夫かな?」

「ディーンがいるし大丈夫よ。 それよりこっちの準備は大丈夫そう?」

「うん、あとはベノムマリム草だけ」

「それなら信じて待つしかないわよね」


 2人はそう言いつつ、上級クラスのメンバーは既に調合を始めている所もある。

 そして、3人が採取に行ってから2時間後……。


「お待たせ!」

「待ってたわよ!」

「ありがとうございます」

「さっそく始めましょ」


 ベノムマリム草をフラスコに入れ、別の薬品を入れて火にかける。

 ポコポコと紫の煙りが上がり始めるとフラスコの中のベノムマリム草は溶け始め、青い液体が出来上がる。

 更に蒸留した液体を普通のポーションに数滴混ぜると、青い色をしたポーションは赤く変わり完成した。


「……出来た! さっそく審査員に渡してくる!」


 この調合に2時間半はかかり、わりとギリギリに完成をした。

 審査員は数滴取り出し確認すると、80点の点数がついた。


「こめん、みんなが手伝ってくれたのに……」

「80点なんて凄いじゃないか!」

「そうよ! 私だったらこんな点数つかなかったわ」

「キュールだとそうだろうな……」

「なにか言った?」


 スバラの余計な一言にキュールは笑顔で睨んでいる。


「何が悪かったのか……もしかしてダクスに取らせたのが問題だったのかな?」

「ダクス?」

「ああ、リアンが連れてるスライムなんだけど、毒をものともせずに採取してくれたんだぜ!」

「そんなスライムを連れてるの?」

「ま、まあ……」

「そうか……そのスライムの成分が追加されちゃったから……?」

「ごめん! もしそうなら私のせいだ」

「ううん、気にしないで……私の作ったポーションではかなりいい出来だったもん。 手伝ってくれてありがとう」


 こうして最初の種目は終了した。

 次はスバラの長距離荷物運びの準備が始まる。

 ゴールには2人、スタートに2人、3種目の料理対決のメンバーは別に移動をする。


「スバラ! 絶対勝つのよ!」

「おお! 任せておけ!」


 ゴールにはリアン、シアンが先に行き、スタートではスバラとディーンが位置に着き、キュールは料理対決の場所へと移動した。

 読んで頂きありがとうございます。

 頑張って書いていきますので、モチベを上げてあげようと思っていただけるようでしたらブクマや★評価をつけていただけますと作者が喜んで踊りながら遅い執筆も早くなると思いますので、どうぞよろしくお願いします。

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