第54話【道中】
俺から卒業して数日ディーンとリアンは学校に向けて旅をしていた。
「兄さん、本当にこっちであってる?」
「間違い無いはずなんだが……」
2人は森の中を彷徨っていた。
「先生にもっと地図の見方を教わっておけば良かった……」
「そう言うなよ……俺だって地図位見れる」
ディーンがそう言って半日が経とうとしている。
2人はマシオの転移に慣れすぎていて大まかな地図しか見れずにいた……。
「……どうだリアン! 道に出たぞ!」
「やっとね……それで学校はどっちなの?」
「それはだな……」
ディーンは地図をぐるぐる回して見ているが、よくわかっていない。
「多分あっちだ!」
「……本当に? もう森で迷うのは嫌だよ」
「大丈夫だっ……、……リアン!」
「うん! 私も気がついた!」
ディーン達の方に何かが向かって来ていた。
「車輪の音……馬車か……暴走してるのか?」
「違うみたい……魔物を感じる……襲われているのかも」
「助けるぞ!」
「うん!」
勢い良く走って来る馬車の後ろからは植物の魔物【キラープラント】が3体、蔓を伸ばして馬車を襲おうとしている。
「俺が魔物をやる! リアンは馬車を!」
「わかった!」
ディーンは馬車に向かって走り、馬車に届きそうな魔物の蔓を剣で断ち斬ると馬車はそのままディーンの前を通過して行く。
「さてと……植物が地面の上を走るなんてな……大人しく植ってろよ!」
キラープラント3体の蔓をディーンは一太刀で斬り裂くがキラープラントは次々と蔓を伸ばしてディーンの手足に巻きついた。
「俺の体に巻き付くなんて……なっ!」
ディーンは体を炎で包み蔓を焼き、別の剣を取り出した。
「師匠……使わせていただきます! はあああああ!!」
鞘に収まった剣に魔力を注ぐ。
蔓を燃やされたキラープラントは蔓を棘のように尖らせディーンに向かって3方向から攻撃して来る。
尖らせた蔓がディーンを捉える直前、ディーンは剣を抜き払う。
剣は炎の刀身となり、キラープラント3体を一瞬で灰も残らない程の消し炭にし、キラープラント付近の木々も消し炭と化した。
「……やり過ぎたか……使うの難しいな……」
ディーンは少し反省しながらリアンの元に帰ると、馬車もその場所にいた。
「兄さん! 魔物は?」
「もちろん倒して来たさ」
「あの魔物を倒したんですか!? しかも3体も!?」
馬車の御者が信じられないと言う顔でこちらを見て来る。
「運良く倒せただけですよ」
「助かりました。 ありがとうございます」
「いえいえ」
「それでお2人はどちらに行く予定なんです?」
「俺達は冒険者学校がある【ラムス】に行く予定です」
「そうでしたか、それなら丁度いい。 我々も冒険者学校に向かうので良ければご一緒しませんか?」
「いいんですか?」
「もちろんです! あんな魔物を倒せる方とご一緒出来るならこちらも安心ですから」
「それならお言葉に甘えます」
荷台に乗り込もうとすると男性1人、女性2人が乗っている。
「聞いてたぜ! 魔物を倒したんだって!? 俺とそんなに変わらないのにすげぇな……っとごめんごめん。 俺【スバラ】ってんだよろしく」
「あ、ああ……ディーンだ」
「私はリアンです」
確かに同い年くらいだ……冒険者学校に向かう予定なんだろう。
「私は【シアン】です」
「私は【キュール】って言います! 本当に凄いですね! 1人で魔物を倒しちゃうなんて……結構名のある冒険者だったりしますか?」
キュールはディーンの隣に席を移動して話しながらグイグイ寄ってきている。
「私達も冒険者になるために学校に行く予定なんです!」
リアンはディーンをグイっと引っ張り、キュールから引き離す。
「……そっか! 私達と同じなんだ」
「そんなに強いのに学校に行く必要あるのか?」
「戦いしか知らないから……学ぶ事は多いさ」
「そっか、同じクラスになれるといいね」
「そうだよな、そうしたら戦い方教えてもらえるしな」
「俺なんてまだまださ」
スバラと話しているディーン……スバラが一方的に話しているだけだが少しは楽しそう。
スバラとディーンが話していると、キュールがリアンの隣に座って耳元で聞いてきた。
「リアンはディーンの彼女?」
「ち、違うわよ! 私達は兄妹よ。 ディーンは私の兄さん」
「そうなんだ! よかった〜!」
リアンは何がよかったんだと勘付きながら馬車で冒険者学校のあるラムスへ向かう。
ラムスへは後2日で着きそうだ。
読んで頂きありがとうございます。
頑張って書いていきますので、モチベを上げてあげようと思っていただけるようでしたらブクマや★評価をつけていただけますと作者が喜んで踊りながら遅い執筆も早くなると思いますので、どうぞよろしくお願いします。




