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「    」

出会いと別れを繰り返し、恋の季節がやってくる。

ここダンジョンコンビニでは幻覚魔法が効いているためか、同種族の出会いの確立が高いと勘違いした顧客たちがやってくることも多い


テッテレー♪ガー

「いらっしゃいませー」

「    」

「はい、あちらの救急薬品の棚にあります」


テッテレー♪ガー

「いらっしゃいませー」


「やっほー店員さん!今日も、イイ男ねえ〜ん。そろそろワタスと結婚しない?」


クネクネとスケルトンが、小指を立てながら両手に溢れそうな牛乳瓶を持って内股でレジに向かってくる


「最近ねえ〜え、骨身にしみる肌寒い季節になったじゃなぁい?ワタスもそろそろ彼ピッピがほしくってぇ」


遠い目をしているのであろう黒い2つの穴があいたスケルトンの顔が180度クルクルと回っている

「そうですか、120ペソになります」

「   」

「やーだ!この、牛乳は持ち込みよ〜!」


顔をカウンターレジに合わせると、バーテンダーのように片肘つきながら、牛乳をちびりちびりと飲みながら話しかけてくるスケルトン


「それでねぇ〜マッチングてきなアレに応募したのよぉ」


スケルトンがパチパチとstatus画面を弾きながらマッチングされた相手の顔を見せてくる


「そしたらねぇ〜え、昔の男とマッチングしちゃってえ〜ワタス困っちゃてるのよぉ」


そういって、見せてきた画面には見覚えのある元新人アルバイト店員がうつっていた


「こいつぅ、ワタスの青カビ臭い時代に出会ったんだけど〜。めっちゃ手が早くってぇ~。会った日にすーぐ、食べられた過去があるのよぉ」


そういうとマッチングの自己紹介画面の自分の写真を見せてくる


「ワタスの嘘偽りのないセクスィーな姿を見てほしくて【中身も全部さらけ出しちゃってますハート】って自己紹介に書いたのぉ〜、そしたら、こいつめっちゃくどいてきてぇ〜、もーう顔も覚えてないのにワタス腹立っちゃってぇ〜!」


そりゃビフォアフターがゾンビからスケルトンになってりゃ、同一人物とは思わないだろう


「食べた相手のこと覚えてないのよこいつ!外見しか興味ないのよ!食べたらポイよポイ!しかも見て!後ろの鏡に別の女の影が映っちゃってるし!こいつ二股かけようとしてるのよ!」


どこかで見たことあるギャルですね。

無事あえてよかったというべきでしょうか


「食べたら、一心同体になるんだから、骨の髄まで愛しなさいって言ってやったわ!」


骨まで食べたら何も残らないのでは


「あーぁ、どっかにいい男、売ってないカスら〜」


テッテレー♪ガー

「いらっしゃいませー」

「店員さーん!ガーちゃんがケガしたー!」


異世界転生者がシッポが少し欠けたガーゴイルを抱きかかえ慌てて駆け込んでくる


「キャタピラーの糸で編んだ包帯で治ると思います」

「包帯!包帯!あ、これ!?これだよね!」

「あ、そちらは」

転生者が目の前にいた包帯を掴み、手を掲げると、つかまれた包帯がクルクルと宙を舞う


「    !」

「あら、やだイイ男がいるじゃない♪アタスと付き合わない?」

「   !   !?」

「中身を包帯で隠すなんてもったいないわねぇ、いい中身してるのに」

「  !   ?」

「え?やだ!ナニ言ってるのよ!!なんで服着てないんだって、これがワタスよ!セクスィーでありのままをさらけ出すのがポリスィーなのよ!この包帯使えって??やーよ!ミイラになるじゃない」


たしかにスケルトンに包帯を巻いたらミイラ男になりますね


「ねぇ。店員さん・・さっきからあの骨の人何としゃべってんの?俺、何も見えないんだけど」

「あの方は透明男さんですね」


包帯をとったら透明で、包帯を巻いたらミイラで、包帯をとったらスケルトンで、本当にややこしい


「あぁーやだやだ!辛気臭い!!中身はよくても外見を気にする男ってタイプじゃないわ」

「・・・外見が骨で中身が性格なのか・・わかわからんっす」


幻覚魔法が効いていても、相性というものがあるようで、今回のコンビニマッチングはうまくいかなかったようですね


「じゃ、ワタス、これからマミーと合コンだから~」

「中身が出てなくてもいいんですか」

「みんなワタスの美骨で骨抜きにして、将来有望か見極めるのよん。アディオス」


テッテレー♪ガー

「ありがとうございましたー」


「    」

「もしかして振られたんすか?ミイラ男さん」


ガーゴイルのしっぽに包帯を巻きながら、空気の読めない異世界転生者が尋ねる


「ゴーストとかどうっすかね、お似合いだと思うんすけど」

「・・・中身がなければいいという問題でもなさそうですが」

「あ、あとファントムとか」

「    ?」

「いえ、独り言です」


幻覚魔法があるのに、ここでは相手に存在すら認識してもらえないのなら異世界転生者が一番出会いがないんでしょうね


「    」

「あ、はい。あの方も服を着ないのが趣味みたいです」


透明男は、横目で立ち読みをする裸天使を怪訝な目で見ながら帰っていった


テッテレー♪ガー

「ありがとうございましたー」


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