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良い子の絵本

小さなころ、読み聞かせてもらった物語。このダンジョンコンビニが物語なのか現実なのかは、わからない


テッテレー♪ガー

「いらっしゃいませー」

「店員さん!ちょっと聞いてよ!!」

そういって、ガーゴイルに頭をかじられながら、夕方になるとやってくる異世界転生者はいつもめんどくさい案件を持ちこんでくる


「いやさー、最近ガーちゃんずっと目を開けてて、寝つきが悪くてさー!同級生に相談したんだけど!」

ぬいぐるみの寝つきが悪いとは・・・


「そしたらさー、絵本を読み聞かせたら?っていってくれてさー!」

なんて優しい同級生なんでしょうね


「んでもさー!ガーちゃんって、こっちの世界のモンスターじゃん?何が好きなのか分かんなくってさ!ためしに絵本持ってきたんだけど、興味ないみたいだし」

ガーゴイルに絵本を読み聞かせるという行為自体興味がないのですが


「店員さん、弟くんいたじゃん?試しにさ!ちょっと絵本のあらすじ話すからさー感想くれない??」

「・・・」


ただでさえ、忙しい中めんどくさいことを言うお客様でも、結果的にガーゴイルを育てるはめになったのはこっちの責任であって、絵本であれば短いだろうし、異世界の物語というのも珍しいし、少しだけ恩をきせ・・・


「わかりました、呼んできます」


休憩室を覗くと下の弟が、六法全書を速読していたが、事情を伝えると快く了承してくれた


「おぉー!弟くんひさしぶりー!やっぱ店員さんくりそつだわ!」

「・・・」


兄に似ているといわれ、無表情で顔を赤らめる弟を椅子に座らせると、異世界転生者は学生鞄から絵本を取り出した


「女の子だしさー、『かぐや姫』でいっかなー」

「・・・(匂いを嗅ぐ姫)・・3D絵本おもしろそう」

 異世界転生者は、絵本をペラペラめくり、物語の大元をはなしはじめる


「まずはー女の子が竹から産まれるんだけど」

「竹?」

「竹って木のことね」

「・・・(ドライアド)木」

「んで、おじーさんが、その子を連れて帰るんだけど」

「・・・(グール)盗人」

「その後も、竹からわんさかお宝が出てきて、おじーさんがもって帰ってお金もちになるのね」

「・・・(シーフ)」

「そんで女の子が大きくなったら、あちこち求婚されるんだけど、それが嫌で無理なお宝を要求するんだけど」

「・・・(裸天使)」

「最後は、月っていう星に帰っちゃうんだよね」

「・・・(宇宙人)」


「で、どうかな?この物語って子供うけする?」

「・・・キャラ図鑑」


「あれえー?微妙かなぁ?あとさー長靴を履いた猫」

「・・・(キャットシー)のお姉さん」

「白雪姫っていう小人が出る話」

「・・・ぜんぶうちにいる」


ガーゴイルは興味がなさすぎて、学生鞄をガジガジ噛んだり、口から水を吐き出してるし


「んぁー!やっぱ異世界じゃ夢物語も現実だもんなぁー!」

「・・・これ下さい」

「え?あ、いる?」

「・・・」


弟は、異世界転生者なら絵本を受け取ると、代わりに首からかけた十字架を渡した


「ん?あ、くれるの?」

異世界転生者は、十字架を受け取ると、自分の首にかけガーゴイルを抱きかかえた

「じゃー!ガーちゃん!帰ろっかー」

テッテレー♪ガー

「(ありがとうご)ざいました・・・」


腕の中でスヤスヤ眠るガーゴイルに異世界転生者は気づかずかえっていった


後日、絵本の登場人物容を隅々まで解読した弟が、妹に読み聞かせているほほえましい姿があった




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